2015.2月定例県議会-発言内容(依田明善議員)

 

◆依田明善

 南佐久郡選出の依田明善です。まず初めに、中部横断自動車道について御質問いたします。

 佐久小諸ジャンクションから仮称八千穂インターチェンジまでの区間については、整備計画に格上げされてから供用開始になるまで実に18年という歳月を要しております。そんな中、早期の整備計画格上げが切望されている八千穂―長坂間につきましては実際に供用開始がいつになるのか、地域住民ともども大変憂慮しております。

 しかも、この区間は、国道141号を見てもわかるように、標高も高く、冬の気候は厳しく、さらには狭隘で急峻な地形も多く存在しております。野辺山高原などは冬期間は零下25度以下になることもあり、北海道並み、あるいはそれ以上の寒さを記録することも珍しくありません。また、日本有数の高原野菜の産地でもありますので優良農地も多く、耕作放棄地などはほとんどありません。したがいまして、地域住民との意見交換、ルート選定、用地取得など、事前の準備にも手間がかかることは明白であります。

 そこで、県としても、南佐久6カ町村を積極的にリードし、機運上昇のための旗振り役になっていただければと思いますが、建設部長のお考えをお聞かせください。 地方創生の観点で申し上げますと、地方創生のかなめは人であると盛んに言われております。特に、田舎のすばらしさを知り、田舎を生かすことのできるプロフェッショナルの必要性が言われております。つまり、自然とともに住まい続ける中山間地の人々を切り捨てるのではなく、いかに生かしていくのかが地方創生のポイントの一つだと思うわけであります。

 東京一極集中あるいは人口の偏在を解消する施策は大変重要だと思いますが、そのためには中山間地の道路整備は欠かせませんので、どうかよろしくお願いいたします。 また、現在、長野県、山梨県、静岡県、新潟県の4県の知事が力を結集して中部横断道の早期実現を国に求めておられますが、その進展状況はいかがか。今後どのような活動を予定しておられるのか。さらには国に対してどのようなアプローチをされていくのか。あわせてお答えいただければと思います。
 
 
◆建設部長(奥村康博)
 
 中部横断自動車道の八千穂―長坂間の早期事業化に向けた県の役割についてのお尋ねでございます。

 県では、長野県・山梨県中部横断自動車道建設促進連合会や中部横断建設促進期成同盟会などの活動を通じ、南佐久6町村を含む沿線市町村の皆様とともに、国や国会議員への要望活動や国との事業連絡調整会議を通じた協議、調整を行っておりまして、早期事業化に向けての機運の醸成に努めてまいったところでございます。

 県といたしましては、引き続き、八千穂―長坂間の事業化に向けた手続が円滑に進むように取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。 

 
◆知事(阿部守一)
 
 中部横断自動車道の早期実現についての御質問にお答えいたします。

 私も、中部横断自動車道の整備、早期実現、県としても大変重要な課題だというふうに考えております。そうした観点で、各県との連携も強めながら取り組みを進めてきております。
 特に、今年度、5月に山梨、静岡、新潟と私の4県知事で中央日本4県サミットを初めて開催をいたしました。協力して中部横断自動車道の早期整備を求めていくということで一致をしたところでございます。7月には、私自身が山梨県知事とともに国への要望に行かせていただいております。さらに、10月には4県と関係市町村で構成する同盟会による要望活動を行っているところでございます。

 こうした中で、7月の国の審議会におきまして八千穂から長坂間のルート案を含む整備方針案が承認されました。次いで12月には環境影響評価手続が着手されて、計画段階から事業化に向けて大きな進展があったというふうに考えております。  今後とも、各県の知事あるいは地元の市町村の皆様方との連携を強めて、八千穂以南の早期事業化、早期開通を国に対して積極的に働きかけていきたいと考えております。  以上です。 

 

◆依田明善

 御答弁いただきました。

 八千穂―長坂間がつながればミッシングリンクの問題は解決し、中央自動車道、長野自動車道、上信越自動車道など高速道によって県内の主要箇所や中山間地を短時間で周回することが可能となります。地方創生、地方再生という時代の流れに本県がおくれをとらないためにも、そして、悲惨な交通事故の軽減や緊急避難路の確保等を長年の悲願としている地元住民のためにも、さらに御尽力いただきますことを切にお願いをいたします。

 次に、山岳観光戦略についてお伺いいたします。 県では、現在、山岳、高原を生かした世界水準の滞在型観光地づくりを推進しており、指定した3地域を重点的に支援しております。3地域というのは、御嶽山を中心にした木曽町エリア、北アルプスを中心とした大町市、白馬村、小谷村エリア、そして、信越自然郷を中心とした信越9市町村エリアであります。これらの指定理由につきましては、他地域のモデルとなり得る地域であり、5年程度で成果が期待できるエリアを選定したとのことですが、他地域においてはその期待度は低いということなのでしょうか。

 私は、我が長野県は全ての地域において高水準の山岳観光が期待できる大変恵まれた地域だと思っております。ぜひとも、そんな視点に立ってこの構想を進めていただければと思います。  山岳、高原の魅力は、何も3,000メートル級の山々がそびえ立っているからだけではありません。そこに住まう人々の生活エリアが山岳、高原そのものであるか否か、その点も重要ではないかと思います。  例えば、日本で一番標高の高い場所にある役場庁舎はどこでしょうか。議員手帳にも載っておりますが、答えは、千曲川の源流、川上村でありまして、標高1,185メートルです。2位は群馬県草津町で1,180メートル、3位は野辺山高原のある南牧村で1,030メートル、4位が原村で1,000メートル、5位が南相木村で990メートル、6位が北相木村で970メートル、7位は福島県檜枝岐村ですが、8位に木祖村が食い込んでおり、全国928ある町村の中で長野県が上位ベスト8をほぼ独占しております。

 市の場合は茅野市が801メートルで文句なしの日本一、また、長野県の平均標高は1,132メートルであり、これも日本一であります。 この標高の高さや澄んだ空気というのは山岳観光においては実に大きな財産であります。例えば、19世紀、スイスのダボスにおいて、肺病等を患った患者に対して高冷地の澄んだ空気が治療に効果ありということで、扁桃腺や結核患者の長期療養施設が盛んにつくられました。

 かつて、ダボスといえば、大した産業もない寒村であり、牛の放牧などによって生計が立てられていた地域です。しかし、その後、順調に山岳観光は発展し、一般観光客のみならず、今や著名な政治家、経済人、学者などが盛んに訪れるようになりました。特に有名なのは毎年開催されるダボス会議ですが、世界有数の山岳観光保養地として名をはせております。ダボスの人口はわずか1万人、面積は諏訪郡と同じ254平方キロメートル、標高は1,560メートルであり、上田市の姉妹提携都市でもあります。

 歴史的背景、国民性、自然環境など本県と似たような地域でありますので大いに参考になるのではないかと思いますが、県として、この山岳観光、どこか目標にされている地域等がおありでしょうか。観光部長にお伺いいたします。

 山岳観光振興において重要になるのは、山岳はもちろんのこと、川、滝、湖、高原、温泉、道路、交通機関、文化、歴史等であろうかと思います。そういう点においては、八ヶ岳エリアや浅間山、菅平、志賀高原などは山岳観光における最適地だと思うわけですが、あわせて観光部長のお考えをお聞かせください。

 また、日本で一番高い場所にある普通駅はJR小海線の野辺山駅であり、標高は1,346メートル、スイスのダボス駅は1,540メートルなので200メートルほど低いですが、山岳観光を言うのであれば高原列車の存在は重要です。

 日本の高原列車といえば小海線がその代表格であります。ことしは小諸から小淵沢までの全線開通80周年ということで歴史的な価値もございます。かつてはC56という蒸気機関車が「高原のポニー」という愛称で愛され、今でも鉄道模型の世界では「C56  小海線」という商品がマニアの間では高い人気を誇っております。インターネットで「鉄道模型 小海線」と検索すればその人気のほどがわかるわけですが、しかしながら実際の小海線は利用客の減少に悩んでいるという残念な実態があります。プラモデルでさえこんなに人気があるわけですから、姿、形だけでも蒸気機関車風にリフォームすればとも思いますが、もったいない話だと思います。

 このように、県全体を注意深く見渡せば山岳観光資源は至るところにあると思います。ぜひとも、各地においてそれらを掘り起こし、ダボスに対抗すべく、山岳高原観光といえば信州であると世界中の人々から認知されるような戦略を強力に推進していただきたいと思うわけですが、知事の御所見をお聞かせください。

 次に、地方創生についてお伺いいたします。 先ほど少し触れましたが、地方創生のかなめは人であるということであります。そういった観点から、田舎のプロを育成せよといったことを学者の皆さんなどは盛んに提言しております。ただし、田舎のプロとはいっても、外部からやってきたコンサルタント会社がその役目を担えるわけでもなく、結局は、その地域に住む人々が知恵を絞り、時間と労力をかけて地域を盛り上げていくしかないわけであります。

 今までも地域を活性化させようと多くの住民がさまざまな場面で頑張ってきたわけですが、その大きな原動力の一つになってきたのが、商工会、観光協会、商工会議所、青年会議所などの会員さん、あるいは公民館役員、農林業従事者、農産加工研究会といった人々ではないかと思います。各地においてお祭りやイベントには必ずといってよいほどこれらの皆さんが活躍しておりますが、これぞまさしく田舎のプロと言えるのではないでしょうか。

 この皆さんは、その時々の気分で参加しているわけではありません。訪れたお客さんを何とか喜ばせよう、自分の住む地域を何とか活性化させようという高い使命感のもと、忙しい本業の傍らボランティアで参加しているわけであります。しかも、何年も何十年もその姿勢は変わらず、時には、もう疲れたよとか、たまには客として楽しみたいなどと愚痴を言いながらも、通知が届けば集合場所に集まり、草刈り、道路のごみ拾い、のぼり旗の設置、テント張り、食材の仕込みなどに取りかかるわけであります。

 確かに若いうちは気力、体力も充実しておりますが、その時期は消防団、PTA、区の役員、安全協会などの役目も回ってくるために本業ともども多忙をきわめます。また、年を重ねるごとに体調も崩しやすくなり、高齢者にはきつい作業もふえてきます。それでも律儀に参加する方が多く、結局、病に伏せるか、お亡くなりになるといった人生の最終局面を迎えるまで愛する郷土に協力する気持ちを失わずにいる皆さん、そんな人々を今まで数多く見てまいりましたが、これぞ田舎のプロだと私は改めて思うわけであります。

 ところが、そういった人々のマンパワーに注目し、そのありがたみや裏方としての苦労を理解している方はどれだけいらっしゃるでしょうか。 先日、野辺山高原にてアイスキャンドルフェスティバルというイベントがございました。氷の筒の中に埋め込んだキャンドルに火をともし、満天の星空の中で無数のキャンドルが輝きを放つわけですが、そこに訪れた人々が約1,500人、都会の皆さんもうわさを聞きつけてお越しいただきました。最後は花火を打ち上げ、多くの人々が荘厳かつ華やかなイベントを楽しんだわけであります。この地域は毎年のように零下25度前後の寒さを記録する場所でありますが、そんな極寒の地だからこそ開催可能なイベントであるわけであります。

 しかしながら、事前の準備や当日の運営が大変であることは容易に想像できます。結局、地方創生の主役になるのは、こういった皆さんのマンパワーに頼る部分が大きくなるわけです。地方創生のためにはまさに人材力が重要であることから、地域づくりに携わる人材を養成していくためにどのように取り組むのか。企画振興部長にお伺いいたします。 


 
◆観光部長(野池明登)
 
 山岳観光戦略につきまして順次お答え申し上げます。

 まず、山岳観光の目標としている地域等についてというお尋ねでございます。

 本県が有する雄大な山岳や美しい景観などの素材は、世界を代表する欧米の山岳、高原と比べても遜色がないと認識をしているところでございます。

 この世界にも比肩し得る素材を生かし、世界水準の山岳高原観光地づくりをどのように進めるか、有識者と希望のあった市町村で構成をする山岳高原研究会で検討をいたしました。その際には、スイスのツェルマットやフランスのシャモニー、カナダのウィスラーなどの事例を参考に検討いたしまして、検討結果を山岳高原を活かした世界水準の滞在型観光地づくり構想としてまとめたところでございます。

 その中では、世界的なリゾート地のコピーを目指すということではなく、その地域の独自の価値にこだわることこそが世界水準につながるとされたところでございます。また、参考とした世界的リゾート地の事例から学ぶべきものとして、官民連携したマネジメント体制という仕組み、また、世界の観光市場での高い認知度を獲得している取り組み、これを吸収し、目指すこととしたところでございます。

 2点目の、重点支援地域三つ以外にも山岳観光の適地があるのではないかという御指摘でございます。

 御質問に具体的にございました例えば八ヶ岳、浅間山は大変登りやすい山として県内外から多くの登山者が訪れておりますし、八ヶ岳の南山麓の町村では、八ヶ岳観光圏として、通年の誘客や食のブランド化、海外での認知度向上など観光地域づくりに積極的に取り組んでおられるところでございます。また、志賀高原、菅平高原は、日本を代表するスノーリゾートとして、また、ハイキングやトレッキングのほかスポーツ合宿や学習旅行のメッカとして、新しい方向としてはユネスコエコパークの活用ですとか海外新市場の開拓などに積極的に取り組んでいるところでございます。

 このように、県内には、立候補のあった重点支援3地域、これはその中から有識者の皆さんで選定をされたところでございますけれども、ただいま御質問にありました自然的条件に加えて、風土、暮らし、人の営み、こういった観点からも世界に誇れる山岳観光地、観光資源が豊富にあると認識をしているところでございます。

 以上でございます。      
 


◆知事(阿部守一)
 
 山岳高原観光戦略の強力な推進についてという御質問でございます。

 基本的に私も依田議員の御質問の中でるる触れられていたような視点、しっかり受けとめて県として対応しなければいけないというふうに思って伺っておりました。  山岳高原観光地づくりというふうに言い始めましたのは、私は、長野県、観光県だけど、単に観光県と言っていても何の特色も発信できないと。いろいろ考えると、長野県、山の日も制定をしたわけでありますが、山と、そして県全体が先ほど依田議員の御質問にもありましたように高地、高原であります。そういう意味で、長野県全体、山岳高原観光地だということでこの取り組みを進めているわけであります。

 もとより、重点支援地域3地域指定しておりますけれども、ここだけが山岳高原観光地であるという認識では全くありません。県全体を視野に入れて取り組んでいかなければいけないというふうに思っております。

 特に、先ほどもお話ありましたけれども、例えば高原列車といえば、やはり全国鉄道ファンみんな小海線だというふうに思っていると思いますし、一番高い野辺山駅へ一度は行ってみたいねというふうに思っている人たちも大勢いると思います。私もかつてそういうふうに思っておりました。

 そういうことを考えると、山岳高原観光地づくりという中で、単に重点3地域の支援だけ一生懸命やるということだけではなくて、長野県の観光の発信を山岳あるいは観光という観点でどういう発信ができるのか、あるいはどういう素材の磨き上げができるのかということをやはり真剣に考えていかなければいけないというふうに考えています。

 まだまだ、その点、私も、県として取り組むべきこと、取り組めること、たくさんあるのではないかというふうに思っておりますので、いただきました御指摘もしっかり踏まえて、本当に世界の皆様方に山岳高原観光地だということを胸を張って言える長野県に、そして大勢の皆様方をお迎えして御満足いただける山岳高原観光地づくりを引き続き全力で取り組んでいきたいというふうに考えております。

 以上です。 

 
◆企画振興部長(原山隆一)
 
 地域づくり人材の養成についてでございます。

 地方創生の鍵を握るのは人材であるという点は議員御指摘のとおりでございます。今年度から、「地域に飛び出せ!信州元気づくり実践塾」、これを開講いたしまして、志があってもきっかけやノウハウがなくて地域づくり活動に至らない人材を、フィールドワークを通じてノウハウを身につけてもらい地域づくり活動につなげていく取り組みを実施しているところでございます。

 今年度の卒業生の中には、早速、仲間を募って地域づくり団体を立ち上げ活動を開始した者や地域づくりイベントを計画している者もいらっしゃいます。また、地域内で人材確保が難しい農山村地域では地域おこし協力隊に地域づくりの一翼を担ってもらう例も多く見られます。

 県としても地域おこし協力隊の導入促進を図っておりますが、隊員のスキルアップ研修を実施いたしまして地域で活躍できる環境整備を行っております。さらに、県職員が地域に飛び出して地域活動を通じて共感力の向上を図ることを目的に、地域に飛び出す職員支援研修を今年度から実施しているところでございます。

 引き続き、市町村や各種団体、NPO、地域住民と一体となって地域課題に取り組む風土を育てながら、地域づくりの原動力となる人材の育成確保に取り組んでまいりたいと考えております。

 

◆依田明善

 御答弁いただきました。

 ぜひとも、行政サイドとして、ボランティアで頑張っている地元の皆さんに対ししっかりと理解し支援していただけることをお願い申し上げたいと思います。

 民間のボランティア団体等にみずから飛び込み、一緒に汗を流す行政マンも時々いらっしゃいますが、当然民間人からの評価は高くなります。逆に、無関心、無理解の態度や言動がかいま見える行政マンには批判が集まりやすくなります。

 自分の仕事だけしていればよいのか。地方創生に向けて、民間人、公務員、政治家、全ての人々に突きつけられている課題だと思います。そんなことを申し上げまして、一切の質問を終わります。




 

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