2014.6月定例県議会-発言内容(依田明善議員)


◆依田明善

 それでは順次質問をいたします。まず初めに、子育て中の女性の就業支援について御質問させていただきます。

 産業労働部では新年度の新規事業として子育て女性の就業促進事業をスタートさせました。就業相談、情報提供、就職セミナー等を行い、さらには専門の女性アドバイザーを設置し、長野ハローワークと連携しながら事業の展開を図っているということですが、現在の取り組み状況はどのようになっているのか。

 また、就業困難者のための就業サポート事業の中において、ハローワーク求人情報端末を地方事務所等に設置するようですが、どのような効果を期待されておられるのか。

 さらに、仕事と家庭両立支援促進事業を行っておりますが、短時間正社員制度や在宅勤務制度等の導入を企業に促す中で、今、実際には何社ぐらいがどのような勤務制度を導入されているのか。

 以上、産業労働部長にお答えをいただきたいと思います。

 また、ひとり親家庭の就労・自立支援事業が現在取り組まれておりますが、実際にどのような資格取得がなされているのか。さらには就労支援や相談も行っているようですが、その効果と実績はいかがか。県民文化部長、お答え願います。

 もう1点気がかりなのは、これらの事業は主に商工業が対象になっていると思いますが、今や農林業と商工業は一つの産業として連携する時代であり、農業も対象にするべきだと思います。

 私の地元南佐久郡においては、わずか十数年前までは、農業の求人広告を出せば都会に住む男女が1,000人規模で集まってきました。ところが、近年は激減の一途をたどっています。なぜそうなってしまったのか。その原因の一つにインターネットの影響があります。農作業は汚い、きつい、危険といった書き込みや、中には職業差別ともいえる悪意に満ちた書き込みなどがウエブ上にあふれております。これでは人は集まりません。

 実際の農作業はどうでしょうか。農業経験のない主婦であっても、日中好きな時間帯にできる仕事はたくさんあります。例えば、種まき、苗の植えつけ、草取り、箱づくりなど、なれてくれば3時間程度の作業でも大変はかどるようになります。

 農家サイドにしても、言葉の苦労が要らない、自動車免許の取得者も多い、だから日本人を雇いたいというのが本音です。しかし、現実は厳しい。結局、外国人に頼らざるを得ない。そんな現在の状況があるわけです。

 ある農家は、求めている人の来ない求人なんて、広告代を毎年どぶに捨てているようなものだと吐き捨てるように言っていたのが印象的でした。

 このように、農家では日本人の働き手を心待ちにしております。したがって、子育て中の女性就労については農商工を絡めたきめ細かな情報提供の拡大を目指すべきだと思いますが、産業労働部長の御見解をお聞かせください。

     

◆産業政策監兼産業労働部長(石原秀樹)

 御質問の4点、順次お答えいたしたいと思います。

 まず、子育て女性の就業促進事業の取り組み状況についての御質問でございます。

 この事業は、子育て中の女性の就業促進を図るため県下全域での巡回相談に取り組むほか、ハローワークと連携いたしまして、長野地区にございますマザーズコーナーに女性就業アドバイザー1名を配置いたしまして、国の機関と一体となりまして積極的に女性の就業支援を図ろうとするものでございます。

 この事業はスタートして間もない状況でございますが、相談件数は6月20日現在で63件、うち2名の女性が正社員として就業が実現しております。

また、就職に役立つ無料職業訓練や、税金や保険、保育など女性向けの情報提供セミナーを、昨日、長野地区で第1回目を開催いたしました。このセミナーは今後順次県下全域で進めてまいりたいと考えております。

 今後も、働くことを考えている子育て中の女性に向けてこの事業の周知を図りながら、一人一人のニーズにもきめ細かく対応した支援を行い、それぞれの希望する就労に結びつけてまいりたいと考えております。

 次に、二つ目の就職困難者の就職サポート事業に期待する効果についての御質問でございます。

 この事業は、県がこれまで支援対象としてまいりました障害者、母子家庭の母、中国帰国者に加えまして、本年度、新たに子育て中の女性にも範囲を広げ、ハローワークと同じサービスを提供しようというものでございます。

 ハローワークの膨大な求人情報はことし9月から自治体でも利用することが可能となりますので、本県は、全ての地方事務所に端末機器を設置し、子育て中の女性の方々などの就労に向けてのマッチング機能の強化を図ってまいりたいと考えております。

 端末機器には毎日更新される3万5,000件以上の最新の求人情報が閲覧でき、ハローワークに行かなくとも紹介状を発行することができます。今後は、この機能を十分に活用いたしまして、就職に困難さを抱えている方々に寄り添って、それぞれの希望する働き場所を一緒に見つけてまいりたいと考えております。

 三つ目の仕事と家庭の両立支援促進事業の状況についての御質問です。

 この事業は、多様な働き方の普及とワークライフバランスの啓発を進めながら、子育てや介護がしやすい環境の実現を目指すものでして、昨年の10月から進めているものでございます。

 これまでの子育て等応援制度導入推進員の精力的な企業訪問の結果、目標の30社を大きく上回る72社におきまして多様な勤務制度の導入が行われました。

 具体的な導入内訳でございますが、短時間正社員制度が53社、在宅勤務制度が4社、フレックスタイム制度が2社、そして法定期間を上回る育児休業や介護休業制度が17社となっております。

 今後は、こうした新しい取り組みを始めた優良企業の事例集を作成いたしまして、さらに多くの企業の方々へ周知してまいるとともに、関心を示している企業に対しましては再度アプローチを行いまして、多様な働き方が可能な制度導入の推進に取り組んでまいります。

 最後に、就業支援に関する情報提供の拡大についての御質問でございます。

 子育て期の女性の就業促進につきましては、先ほどお答えしましたとおり、巡回相談やセミナーなどを通じまして女性のニーズを把握し、それに基づいて求人開拓などを行っているところでございます。特に、個別の相談の中では、農業を含む県内産業のすばらしさを伝えつつ、子育て期の女性一人一人の意向に沿うような形で、商工業にこだわらず、長野県農業担い手育成基金など農業関係機関からも情報をいただき、求職者に提供しているところでございます。

 なお、農業担い手の確保といたしましては、これまでも合同企業説明会の中で農業を希望する方々向けのブースを設けまして就農相談にも応じてきたところでございます。

 以上でございます。

 

◆県民文化部長(藤森靖夫)

 ひとり親家庭の就労・自立支援事業の効果と実績についての御質問でございます。

 この事業につきましては、低い所得水準にあるひとり親家庭の就労を支援し、経済的な自立を図るということを目的として行っている事業でございます。この中で、資格といたしましては看護師、准看護師、保育士、介護福祉士等でございますけれども、その資格取得のために2年以上養成機関で学ぶ方に対しまして月額10万円を給付するなどの支援を行っております。

 昨年度は全県で100人の方が給付金を受けておりまして、このうち県で給付を行っておりますのは町村にお住まいの方でございますけれども、13人となっております。

 このほか、就労支援といたしましては、経理ですとか医療事務等の専門性の高い講座の受講料に対する助成でございますとか、パソコン、簿記など就職に役立つ知識を得ていただくための講習会の開催を行っておりますほか、本庁と県内四つの保健福祉事務所に就業支援員を配置をいたしまして、ひとり親等を対象にいたしまして相談でありますとか無料職業紹介を行っております。

 就業支援員の活動を通しまして毎年200名を超える方が新たに就職している状況でございまして、昨年は207名、一昨年の平成24年は254人となっております。

 以上でございます。

 

◆依田明善

 それぞれに御答弁をいただきました。片や子育て中のために短時間の勤務を求めている人々がおります。片や短時間の勤務体制を歓迎する企業や農家もおります。その間に入ってマッチングを進めるというのは行政の大変重要な仕事だと思います。

 農政部においては農業振興に御尽力をいただいておりますが、産業労働部においても農作業について正しい情報提供やイメージアップをともに図るべきだと思います。ぜひとも働く意欲のある日本人に万遍なく仕事が回るような事業に発展することを期待いたします。

 次に、子育て中の女性をサポートする実家機能の充実について御質問いたします。

 地域で子育てを支えるというお題目はどこでも耳にいたしますが、現実は孤立感を抱えている母親は多いようです。また、それが高じてくることにより虐待につながったり鬱病につながったりする現実もあるようです。

 虐待をする親は、みずからも虐待を受けてきた歴史を持つ人が多いとお聞きします。その結果、家にもいづらくなり、家出をした先で異性と出会い、若くして結婚し子供を授かるというパターンが多いようです。しかも、その後の子育てに関しては、自分が苦労してきた分、温かい家庭を築きたい、立派な親になりたいと思い込む傾向にある。結果としておのれのキャパを超えてしまい、虐待につながったりネグレクトにつながってしまうというようなお話も伺っております。

 実家に頼るという選択肢もあると思いますが、かつて虐待を受けてきた実の親とはうまくいっていないケースも多く、帰りたくても帰れないといった状態の人々が多いとお聞きします。

 あるところでは、子供の泣き声と母親の叫び声が聞こえるとの通報があり、調査の結果、夫もそろって10代、いわゆる子供が子供を産んだというような状態であり、社会経験もなく、親としての力量もなく、家計も苦しいということが判明いたしました。しかも、夫の実家は遠方であり、奥さんはかつて虐待を受けていた親の元には帰れないというお話をお聞きしました。

 このような背景をどう考え、県としてどのような取り組みをされておられるのか。県民文化部長にお聞きいたします。

 さて、ここで問題になるのが実家という存在です。安心できる実家がある方は結構ですが、そうでない方も多い。したがって、心のよりどころになるような実家機能を持った空間というものを地域の中で確保していく必要があるのではないかと思います。

 6月10日のとある新聞に「広がる なかまほいく」という記事が掲載されました。埼玉県のあるNPO法人が、育児中の親同士で子供を預け合う仲間保育を進めているということです。核家族世帯がふえる中でリフレッシュする時間をつくることが目的で、顔見知りのママ友に預けることが可能であり、その間、買い物をしたり、睡眠をとったり、趣味に没頭したりと自分の好きなことができるということで評判になり、県内外に広がっているようです。

 また、今ある地域住民の相互援助活動としては、働きたい、あるいは体調が悪いといった親にかわって、一般市民が保育園や幼稚園の送り迎え、帰宅後の一時預かりなどを支援するファミリー・サポート・センター事業がありますが、本県での実績はどうなのか。

 ただし、子育て女性の支援活動を長年やっておられるある方は、次のようなことを指摘しております。一つ目、コミュニケーション能力が低いために、仲間の中に入ってこれない親がふえている、二つ目、休日をDVDやゲームで過ごす夫がふえており、休日のほうが育児が大変だと訴えている主婦がふえている、三つ目、妻が夫に求めている育児と夫がよかれと思ってやっていることが見事に違っているということであります。

 いずれにいたしましても、かつては大家族の中で、あるいは実家のもとで学べたことが、今は核家族化のためにできなくなっている。ここを何とかしなければ問題は解決しないと思います。

 核家族化の進むイギリスで30年以上前から続いているホームスタートという取り組みがございます。家事や育児のプロが毎日の生活の中で手助けし、若い夫婦の自立を促しながら、だんだんに手を離れていくというサービスです。これなどはまさに実家の両親のような役割であり、大変好評のようです。

 長野市においても、もんぜんぷら座の近くでこのホームスタートが始まるようですが、農村向けの取り組みとして私も一つ提案があります。

 今、全国各地において限界集落が問題になっております。しかし、まだまだ元気な高齢者も多い。人情味もあり、世の中を生き抜く知恵も備えておられる。しかも、畑もあり、山もあり、空き家も確保しやすい。そこに注目するべきだと思います。

 幸い我が県は、車で三、四十分も走れば、のどかな田園地帯にたどり着きます。子育て中の家族の皆さんに、指定した空き家、空き地、畑や野山を開放し、ルールを決め、自由に利用していただく。時にはお泊り会を開いてもいいでしょう。そこで交流をしていただくわけです。

 また、地元の有志の方に野菜づくりを教えてもらい、収穫の喜びを味わっていただく。地元の皆さんと親しくなれば、子育てのアドバイスや、時には御年配の皆さんから叱咤激励を受けるような場面も出てくることでしょう。真剣に叱ってくれる人がいる、そこが大事だと思います。

 このように、限界集落などといった負のイメージが先行する農村部に対しては新たなる価値を見出していく必要があると思います。我が県もこういった地域住民による子育て支援を推進するべきだと思いますが、県民文化部長の御見解をお聞かせください。

 

◆県民文化部長(藤森靖夫)

 子育て中の女性のサポートに関する御質問でございます。

 まず、児童虐待等の背景と県の取り組みについてでございます。

 子供、子育ての社会環境が変化する中、県下の児童相談所におきます虐待の相談対応件数は、平成25年度1,358件ということで過去最高になっております。

 子供の虐待が起こる原因といたしまして、国の母子保健計画、健やか親子21検討会報告書では四つの要素を指摘をしております。一つは、多くの親は子供時代に大人から愛情を受けていなかったこと、二つ目として、生活に経済不安や夫婦不和などのストレスが積み重なって危機的状況にあること、三つ目として、社会的に孤立し、援助者がいないこと、四つ目として、望まぬ妊娠や育てにくい子など、親にとって意に沿わない子といった四つが指摘をされているところでございます。

 児童虐待への対応といたしましては、虐待に至る前の発生予防、そして虐待が深刻化する前の早期発見、早期対応、三つ目として適切な子供の保護と保護者支援が重要となっております。このうち発生予防につきましては、児童相談所を中心といたしまして、市町村や関係機関で構成をいたします子どもを守る地域ネットワークとの連携を図りまして、地域における幅広い関係機関の機能を活用した切れ目のない支援体制によって、社会的な孤立あるいは援助者のいない母親等が児童虐待に至らないよう、ハイリスク家庭に寄り添う支援をしているところでございます

 続きまして、ファミリー・サポート・センター事業の実績ということでございます。

 本県の事業の実績でございますけれども、平成24年度時点でございますが、77市町村のうち35市町村で事業が実施されております。会員登録の状況でございますけれども、子供の預かりを依頼したい会員が7,705人、子供の預かりを行う会員が2,072人、両方に登録されている会員が630人、計1万407人というような状況になっております。

 続きまして、地域住民による子育て支援体制づくりということでございます。

 議員御指摘のとおり、NPO法人などの活動によりまして地域住民の相互援助活動としてさまざまな取り組みが行われているものと認識をいたしております。

 県では、保育所による保護者支援だけではなく、こうした地域住民による子育て支援体制づくりが今後ますます重要になるものと考えております。

 そうしたことから、先ほどのファミリー・サポート・センターも同様の取り組みかというふうに思いますけれども、県では、本年度から、ファミリー・サポート・センター事業でありますとか市町村独自の子育てサポーター事業を初めといたしまして、地域での子育て支援活動に協力していただける人材を養成する子育てサポートステップアップ事業というものを実施することといたしております。

 県といたしましては、引き続き、地域住民による子育て支援体制づくりのため、こうした人材確保などの支援に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

◆依田明善

 御答弁いただきました。人と人との触れ合いが少な過ぎる、特に御年配の皆さんと若い皆さんがまるで別世界に住んでいるような世の中、これではどんな立派な法律や条例をつくってもしっかりした子供は育たないと思います。やはり、人生の達人が若い人たちに教えるべきは教えていかなければいけないと思います。

 ぜひとも子育て中の若い皆さんがさまざまな人々とかかわり合いを持てるような取り組みと御支援を期待申し上げまして、一切の質問を終わります。ありがとうございました。

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