11月定例県議会-発言内容(依田明善議員)

◆依田明善

 南佐久郡選出の依田明善です。まず初めに、酪農について質問をさせていただきます。

 本年8月7日と8日の2日間にわたって一般社団法人中央酪農会議による緊急記者会見が開かれました。その主な内容は、円安が進んだことにより牧草などの輸入価格が急騰し、酪農家が大きな打撃をこうむっている、このままでは廃業に追い込まれる酪農家は後を絶たないといった窮状を訴えるものでした。

 2010年の農林センサスによれば、全国で酪農を営んで生乳を販売している農家は約2万2,800戸、昭和40年には約115,300戸ということですから、実に5分の1に激減しております。逆に、一酪農家にて飼育する牛の平均頭数は、当時三、四頭だったものが現在では約70頭前後ですから、およそ18倍前後にふえました。

 その主な要因としては、生乳の冷蔵技術の向上や輸送コストの低減により都市近郊の酪農家以外からも生乳が確保できるようになったからだと言われております。したがって、小規模な酪農家はいつしか姿を消し、酪農の適地と呼ばれるような地方において大規模の酪農家が生き残ったというわけです。

 しかしながら、規模が拡大すればリスクも高まります。例えば輸入粗飼料、つまり牛の餌代などが高騰した場合、経営は一気に打撃をこうむります。今まさにその状態にあるわけですが、そこで、私は、酪農の実態を調査すべく、現在200頭ほどの牛を飼っている県内の酪農家を視察して回りました。

 まず驚いたのは機械設備の数々です。例えば、牧草を刈り取るための機械と大型トラクター、牧草を粉砕して混ぜ合わせる機械と大型トラクター、さらには1セット70万円もする搾乳機が何台も設備されておりました。加えて、生乳の滅菌装置や貯蔵タンク、牧草などを運ぶ大型トラックや堆肥を扱うための重機、子牛の体を温めるための暖房施設などなど、ざっと見積もっただけでも億単位の資金が投入されておりました。しかも、経営者はもともと小規模な酪農を経営されてきた皆さんが多く、潤沢な資金や強力な後ろ盾のないケースがほとんどです。したがって、基本的には借金をするわけですが、国や県からの支援もあるとはいえ、相当の覚悟と努力をもって今日まで経営されてきておるわけです。

 経営の大規模化は必然的に資金の膨大化を招き、同時に、牛飼い以外に経営者としての力量も身につけなければなりません。このような厳しい環境を反映してか、全国的に見ても酪農家は減少の一途をたどっております。当然ながら乳量は減りますので、その分をほかの生産者がカバーするわけですけれども、それでも毎年減っております。さらには、投機的マネーの流入によって穀物相場は高騰し、しかも為替が円安に振れたことにより純粋に為替だけの影響で輸入の乾牧草が25%以上の値上げとなっております。また、中国においても、食生活の向上により畜産、酪農ブームが起こり、輸入乾牧草の需要がふえていること、あるいは、温暖化や原発事故などの影響も絡み合い、これらも牧草の価格高騰の要因になっております。

 そこで、質問ですけれども、輸入乾牧草には安定基金のような制度もなく、経営をタイムリーに直撃しているという現状に対して県として何らかの支援策を講じることができないかというのが1点。

 2点目、乾牧草の輸入から自給飼料の生産へと営農改革を進める中において、その転換には時間も資金も要します。そこで、その間の運転資金の減少分の融資や利子補給の対策を講じていただくことができないかということ。

 3点目として、このところ政府・与党から減反政策の見直し案が出され、飼料用米に転作した場合は収穫量に応じて10アール当たり5万5,000円から105,000円の交付が決定いたしました。このことが、酪農経営のみならず、肉牛などの畜産経営全体にどのような影響を及ぼしていくとお考えか。お尋ねをいたします。

 4点目として、長時間で苛酷な労働を緩和させるための対策をお聞きいたします。

 酪農という業種は、何十頭、何百頭という生身の牛を365日管理し続けるということです。冠婚葬祭に顔を出すこともできない、旅行もままならないといった話は昔から耳にします。搾乳、いわゆる乳搾りの作業だけを見ても、朝と晩の2回搾乳を行い、終了すればその都度殺菌しなければなりません。さらには定期的な検査もあり、消費者の安心、安全も確保しなければなりません。現在はヘルパー制度もあり、牧草栽培などを手がけるコントラクター組織等の存在もあるようですけれども、それらは十分に機能しているのでしょうか。県としての見解と独自の対策などがあればお聞かせください。

 5点目として、酪農は、単に牛乳及び乳製品を提供するのみならず、日本の農村景観の維持、牧草など自給飼料の生産による耕作放棄地の利用、野菜農家に対する堆肥販売など、循環型社会の構築などの観点で有効的な側面が多いと思いますけれども、その点の見解もお聞かせください。

 6点目として、TPPにおいては農水省も厳しい試算をしておりますが、日本の酪農に対して今後どのような影響を及ぼすと考えられるか。大規模経営を行っている北海道を含め、果たして日本の酪農に未来はあるのか。

 以上、農政部長にお尋ねをいたします。

 もう一つ、7点目として、教育的な見地からお尋ねいたします。

 酪農は、生き物を扱うという点で、餌やりや排せつ物の処理、出産や病気への対応など苦労の多い仕事です。私が牛舎を訪れたときにも生まれたての子牛がおりました。聞けば毎日のように出産があり、多いときには1日に三、四頭生まれることもあるそうです。また、おなかがすけば牛たちは大きな声で鳴き始め、暑過ぎても寒過ぎても牛は体調を崩しますので、温度調整も重要な仕事です。

 そこで、この酪農を教育的な見地からより多くの子供たちに体験させてはいかがでしょうか。五感を通じて食や命の大切さを学び、働くことの大切さを学ぶには絶好の職場だと思います。県としても、酪農体験学習のカリキュラムを充実させ、もっと積極的に学校教育の中に取り入れるべきだと思いますが、教育長の御見解をお聞かせください。

 また、酪農は朝暗いうちから作業が始まります。これもあわせて子供たちに体験させてあげたいと私は思います。

 このところ部活動の朝練廃止の話題が急浮上しておりますけれども、これについては先日ある地域の母親から私は気合いを入れられました。私たち農家は朝の2時や3時には畑で仕事をしている。子供はなるべく早く学校に行かせ、勉強や部活に打ち込んでもらいたい。朝練を一律になくすなんてとんでもない話だという訴えでした。もっともだと思います。

 お金持ちになるのも、スポーツがうまくなるのも、それは人が寝ている間に努力するというぐらいの信念がなければ実現いたしません。ましてや、社会人になれば飯前仕事をしなければならない場面は幾らでもあります。そんな当たり前のことすら、さも悪いことであるかのように脳裏に刷り込まれ、のんきに、あるいは過保護に育った子供たちに果たして明るい未来はあるでしょうか。

 農業における話の中で、なぜ外国人実習生に頼るのか、日本には職を求めている若者がたくさんいるではないかということをおっしゃる方がおります。確かに、農家としては、言葉が通じ、車の免許証も所持している日本の若者を喉から手が出るほど欲しいわけです。ところが、どんなにアルバイト情報を出しても、それに応じる若者は極めて少ないそうです。農業は汚い、きつい、危険といったネット上の大げさな書き込みなどにおじけづき、農作業なら私に任せなさいといった覇気のある若者がいなくなってしまった、あるいは、たとえ来たとしても短期間で逃げ帰ってしまう若者が多いと農家の皆さんは心底嘆いております。

 このような若者の労働力の低下という情けない状況を招いた最大の原因は、私は家庭や学校における労働教育にあると思いますが、少なくとも酪農による早起き体験や早朝作業はその問題を克服する一助にはなると思います。そのことを含めまして教育長のお考えをお聞かせください。

 

◆農政部長(中村倫一)

 酪農家の皆さんへの支援などについて6点の御質問をいただきました。順次お答えをさせていただきます。

 最初に、輸入牧草の高騰に伴う支援についてでございます。

 輸入牧草の価格は、主産地でございます北米の不作と急激に為替レートが円安に転じたことなどから非常に高騰をいたしておりまして、配合飼料価格の高どまりの影響を受けている酪農経営をさらに圧迫する形となっていると認識をいたしているところでございます。

 県といたしましては、円安基調によりまして輸入牧草価格の高どまりも懸念されることから、この生産経費の上昇によります経営への影響を緩和する措置を講ずるように生産者団体の皆様方とともに国に求めてまいりたいというふうに考えております。

 二つ目の自給飼料の生産の支援についてでございます。

 御指摘のように、輸入飼料は内外の経済情勢や牧草の作柄の変動によりまして価格の上昇や供給不足となることなどがありますことから、輸入飼料に依存し過ぎない酪農経営に転換して経営の安定化を図るためには御指摘のように自給飼料の生産拡大が重要であるというふうに考えております。

 実際に自給飼料の生産、増産を行いますために必要な運転資金といたしましては、農業近代化資金やスーパーS資金、これを活用していただくことができますし、このための農地の確保ですとか機械設備の導入に当たりましては、強い農業づくり交付金や経営体育成支援事業、さらにはスーパーL資金なども活用していただくことができます。

 御希望の農家の皆様方に対しましては、各地域の農業改良普及センターがそれぞれの労働力や経営収支などの状況に応じまして生産計画の作成や技術指導などの支援をしてまいりたいというふうに考えております。

 3点目の飼料米の増産のための交付金が畜産経営に及ぼす影響、効果についてでございます。

 国の米政策の見直しによりまして、稲作農家の飼料米生産意欲を高めるための交付金が来年度から増額されることになりました。他方、畜産での飼料米の利用を増加させてまいりますためには、家畜の種類にあわせまして飼料米を押し潰したり、あるいはやわらかくするなどの加工をした上で、適正量を混ぜ合わせた配合飼料として適正価格で安定供給をする必要がございます。

 現在、本県を含みます多くの府県におきましてはこのような加工・流通体制が整っておりませんので、県内における飼料米のほとんどにつきましても、もみのまま使用できます養鶏の飼料として利用されているのが実態でございます。

 県といたしましては、畜産農家と稲作農家の皆様方の所得の確保と経営安定を図る観点から、国に対しまして、配合飼料メーカー等を含めた飼料米の集荷、加工、流通体制の整備を早急に進めるように要請をしているところでございます。

 4点目の酪農の労働条件の緩和対策についてでございます。

 酪農は、年間を通じて毎日の搾乳や管理作業などがございまして休みがなく、自給飼料の生産のときには多忙な時期になりますと長時間労働が続くなど、労働の実態としては大変厳しいというふうに認識をいたしております。

 御指摘の酪農ヘルパー制度につきましては、酪農家が病気になられたときや旅行にお出かけになるときに搾乳作業ができない場合、経営者にかわりまして作業を行うヘルパーを派遣する制度でございますが、県内には五つの組合が組織をされておりまして、1年間で延べ約1万人のヘルパーが酪農家に派遣されまして酪農家の休日の確保などにも効果を発揮しているというふうに認識をいたしております。

 また、自給飼料生産を行う集団でございますコントラクターにつきましては県内には九つございまして、昨年は実績といたしまして189.3ヘクタールで牧草や青刈りトウモロコシなどの飼料の生産に従事していただいております。これも畜産農家の作業軽減に大変役立っているというふうに認識をいたしているところでございます。

 県といたしましては、さらに多くの地域でコントラクターの育成に取り組みをさせていただきますとともに、飼料作物生産や飼養管理の省力化技術の開発、普及などによりまして引き続きゆとりある持続的な酪農経営の実現に向けた支援をしてまいりたいというふうに考えております。

 5点目の酪農が地域の産業や社会に果たしている役割についての認識でございます。

 酪農は、議員御指摘のように、食肉処理ですとか飼料、医薬品の製造、販売など地域の関連産業と深くつながりを持っている大変裾野の広い産業でございますとともに、食育や情操教育の面につきましても大きな役割を果たしていると思っております。

 県内10カ所にございます酪農教育ファーム、これは酪農家の皆様が実施をしていただく制度でございますけれども、これにつきましては平成24年度の実績で県内外から7万4,000人余りの小中学生を受け入れていただいているところでもございます。

 このように、酪農は、地域の重要な産業としての役割を持っておりますとともに、美しい信州の農村景観の保全、あるいは資源の循環、地域の雇用や教育、観光など大きな役割も果たしているというふうに認識をいたしているところでございます。

 最後に、TPPによります酪農への影響についてでございます。

 政府が3月15日に公表いたしました試算の中では内外価格差が大きい国内の乳製品につきましては外国産に置きかわる可能性が大変高いというふうに指摘をしておりますし、牛乳につきましては北海道産の安価な原料が本州向けに供給されることなどによりまして極めて甚大な影響があるとしているところでございます。

 こうした状況にならないように、政府は、現在、乳製品を含む重要5品目などの聖域の確保については国益を守り抜くように全力を尽くす考えであるというふうにしているところでございまして、県といたしましても、乳製品などの重要5品目を関税撤廃の例外にするように引き続き国に強く要請しているところでございます。

 以上でございます。

 

◆教育長(伊藤学司)

 酪農関係に関しまして教育関係で2点御質問を頂戴いたしました。

 まず、学校におきます酪農体験についてでございますが、しあわせ信州創造プランでは農林業体験などの体験活動推進を教育再生プロジェクトの取り組みの一つに位置づけておりまして、県教育委員会では重点施策として取り組んでいるところでございます。

 子供たちの社会性や自主性を育むためには農林業体験は極めて重要と考えており、児童生徒の発達段階に応じて酪農体験を行うことも大変意義のある活動というふうに認識をしてございます。

 現在、本県では、小学校においては10校を超える学校でヤギの飼育を行っており、餌やりや清掃などの世話をしながら命の大切さなどを学んでございます。また、中学校におきましては酪農農家で職場体験学習をしている生徒もいるなど、地域の実情に応じ酪農体験にも取り組んでいるところでございます。

 具体的にどのような農林業体験をするかにつきましては地域の実情を踏まえて考えていくものでございますが、県教育委員会としては地域の特色ある産業と連携したキャリア教育が推進されるよう支援してまいる所存でございます。

 続きまして、若者の労働力低下等の現状についてのお尋ねでございます。

 酪農を初め、さまざまな職種におきまして、現在、若者の早期離職等が社会問題となっているところでございます。若者たちに望ましい勤労観や職業観を育んでいくためには、発達段階に応じたさまざまな社会体験を通してキャリア教育を推進していくことが重要というふうに私どものほうでも受けとめてございます。

 今後、それぞれの地域におきまして地域の実情に応じたキャリア教育が推進されていくことが大変重要でございますので、県としても、市町村と連携を図りながら、地域の産業界の方々にも加わっていただくキャリア教育推進体制の整備を支援していくことなどを通じてさまざまな職場におきます体験活動を通してキャリア教育を推進し、若者の勤労観や職業観をしっかりと育んでいきたいというふうに考えております。

 

◆依田明善

 それぞれ御答弁をいただきました。農政部長おっしゃるとおり、酪農にはおいしい牛乳や乳製品の提供のみならず多面的な機能が多く、日本各地において何としても存続させなければならない重要な産業であります。にもかかわらず、多くの酪農経営者は今まさに存亡の危機に立たされております。中には、時給に換算すればアルバイトよりも安いと訴える経営者もおりました。

 乳価の交渉においては確かに5円の値上げで決着しましたけれども、TPPの今後の行方も含め、個人の努力ではどうにもならないところまで追い詰められていくことは必至です。ぜひ、県としても、力強く、なおかつスピーディーな支援をお願いしたいと思いますし、国に対しても同様の働きかけをお願いをいたします。

 また、教育的な見地からも酪農に期待するものは大きいと思います。勤勉なる日本人というのは自然と生まれてくるものではなく、実際の作業を通して子供の時代から育てるものだと思います。そんなことからも酪農の重要性や有用性を再認識していただければと思います。

 次に、山岳遭難防止対策についてお尋ねいたします。

 山は男のロマンであるといった時代もかつてありましたが、今は山ガールと呼ばれるようなうら若き女性なども山を目指す時代になりました。もちろん、登山が人気を博すこと自体は喜ばしいことだと思います。しかしながら、最近は山をなめているとしか言いようのないような遭難事故がふえていることも事実です。

 そんな中、有識者等から成る山岳遭難防止対策検討会が10月に開催されました。その中で遭難防止対策についてはどのような議論がなされたのか。観光部長にお伺いいたします。

 また、いざ事故が起きた場合は警察や山岳遭難防止対策協会などの活躍に期待するところは大きいわけですが、聞くところによりますと、装備品などにおいて自分の所有物を使わざるを得ないようなケースもあるとお聞きしております。

 山の日の制定も控え、山岳観光の新しい時代を迎える中、隊員の確保や装備品等の充実が求められているわけですが、県警としてどのような対策を講ずるおつもりか。お聞かせください。

 

◆観光部長(野池明登)

 山岳遭難防止対策検討会においてどのような議論が行われているかというお尋ねでございます。

 本県の山岳への入山者が増加している中で、遭難件数、遭難者ともに本年も既に昨年を上回り、4年連続して過去最多を更新するという、お話にもありましたとおり大変憂慮すべき状況にございます。

 このような状況を踏まえまして、より効果的な防止対策を検討するため、有識者等から成る検討会を10月に設置いたしまして、これまでに2回開催したところでございます。

 この検討会では、まず本県における山岳遭難の現状と遭難者の特徴を4点に整理をいただきました。遭難者の約8割を中高年登山者が占めるということで体力や健康の衰え等を十分に認識していない方が多いという点、それから、経験の少ない登山者が多く、十分な知識、技術を習得していないという点、また、遭難は人ごとと思っておりまして、山の危険を十分に認識していない登山者が多いという点、さらに、外国人登山者が増加しておりますけれども、自分の国の山と本県の山の違いについて情報不足、理解不足があることでございます。

 このような認識の整理のもとで、今後の防止対策につきましては、登山者に対する情報提供や意識啓発、登山口における有効な指導のあり方、登山届の提出義務化や入山規制の必要性といったテーマに沿って御議論をいただいておりまして、具体的には、例えば、よりリアルに危険性を伝えるために遭難発生箇所を具体的に明示したマップの作成ですとか、本格的な登山と観光的な散策の境界を明確に示すための標識の整備ですとか、夏山常駐パトロール隊の配置期間の延長、登山口での相談員による山際作戦、こういったさまざまな御提案をいただいているところでございます。

 また、登山届の提出義務化や入山規制の必要性につきましては現在各委員に御意見を伺っておりまして、次回の検討会におきましてさらに議論を深めていただく予定にしております。

 今後は、この検討会における議論を踏まえまして、各地区の遭対協など関係団体と具体的な方法等についてさらに議論を行い、より効果的な遭難防止対策を講じていきたいというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

 

◆警察本部長(山崎晃義)

 山岳遭難の救助体制に対する御質問をいただきました。

 先ほど議員の御指摘いただいたとおり、本県におきます山岳遭難、これは近年増加傾向が続いておりまして、本年の発生件数、死者数とも昨年を大幅に上回っているという状況にございます。

 山岳遭難救助活動は、警察の力だけでは足りず、各地区の山岳遭難防止対策協会、いわゆる遭対協の民間救助隊員の皆様方、また消防機関のお力添えがあって何とか成り立っているというのが実情であると思います。

 まず、県警の救助体制について御説明させていただきますが、県警の山岳遭難救助隊は、主要山岳地帯を管轄する県下5警察署のほか、本部地域課、警備部機動隊、航空隊の中から指名された隊長以下30名で編成しておりまして、春山や夏山の登山者が集中する最盛期には北アルプス穂高連峰涸沢に常駐するなどして山岳パトロールや遭難救助に当たっております。

 また、県警ヘリコプターによる救助活動も年々増加しておりまして、現在は救助活動の主流となっており、危険度の大変高い山岳地帯において多くの遭難者を救助しているところでございます。

 先ほど議員から山ガールのお話をいただきましたが、現在、隊員全員が男性でございますが、最近の遭難者のうち4人に1人が女性というような現状も踏まえまして、今後は女性の山岳遭難救助隊員の配置も必要であるかというふうに考えているところであります。

 次に、遭対協の体制でございます。

 遭対協ですが、県下13地区にございまして約1,000名の方々が救助隊員として登録されております。地元警察署長の要請によりまして、警察と連携して救助活動や登山者の指導に当たっていただいているというところでございます。

 各地区の遭対協の隊員の皆さん、それぞれ御自分の仕事を持ちながら、遭難の発生時に出動していただいておりますけれども、仕事への支障とか隊員の方々の高齢化などの課題を抱えておりまして、若手隊員の確保に苦慮している地区もあるというふうに伺っております。

 警察におきましては、県警救助隊や航空隊と地区遭対協との合同訓練を通じて若手隊員の皆様の技術向上を支援しているところでございます。

 遭対協の隊員の皆様は、隊長以下、大変高い士気のもとで活動していただいておりまして、大変我々は心強く、感謝しているところでございます。

 最後に、救助用の装備品についてでございます。

 救助用の装備品は地元の地区遭対協の予算で購入しておりますほか、県遭対協救助部を担当しております警察本部地域課が随時各地区で必要とする装備品を調査して配備をしておりまして、地区遭対協の経費負担を補助しているところですが、全遭対協救助隊員の個人装備品まではなかなか補助が行き届いていないという現状でございまして、隊員個人の装備品を使用して御協力いただいているところであります。

 遭難の増加に歯どめがかからないといった現状のもと、隊員の皆様の出動の機会も増加しておりますことから装備品の消耗も激しいところではございますが、限られた予算の中で装備品の充実を図り、安全を第一とした救助体制の維持に努めております。今後も山岳遭難の増加が予想されることを踏まえ、山岳パトロールなどの遭難防止対策の強化も必要なことから、隊員の皆様が安全に活動できるよう救助用の装備品の充実を図っていければと考えております。

 

◆依田明善

 それぞれに御答弁をいただきました。

 なぜ山に登るのか、そこに山があるからという言葉は余りにも有名ですが、なぜ信州の山に登るのかと聞かれたときに、多くの登山者がそこに安心感があるからと答えていただけるような新たなる価値観の創造は大切だと思います。ぜひともそんな体制もさらに強化していただきますよう関係者各位の今後のさらなる取り組みに御期待申し上げまして、一切の質問を終わります。ありがとうございました。

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