2015.2月定例県議会-発言内容(山岸喜昭議員)

 

◆山岸喜昭

 順次質問に入ります。最初に、地方創生について伺います。

 昨年11月、まち・ひと・しごと創生法と地域再生法の一部を改正する法律の地方創生関連2法案が成立し、これを受けて、国は長期ビジョン、総合戦略を閣議決定をしたところでございます。

 人口減少とそれに伴う地方経済の縮小を克服していくことはどの地方にとっても喫緊の課題であり、県においても、また県内の市町村においても地域特性に応じた地方版総合戦略の策定が必要であると思うところであります。

 知事にお聞きします。 県においては既に人口定着・確かな暮らし実現会議を設置して議論が進められており、また市町村においても取り組みが始まっておりますが、地方創生に対する考え方と今後の進め方についてお聞きします。

 平成27年度中に策定することとなる地方版総合戦略について、現在、県の総合5カ年計画、しあわせ信州創造プランがスタートして2年経過したところであります。当然、このプランにおいても人口減少への対策は考えられているが、このしあわせ信州創造プランと地方版総合戦略との関係はどうなるのか。お聞かせください。

 続いて、企画振興部長にお聞きします。 地域の特性を踏まえた地方版総合戦略の策定は、県内に多い小規模町村にはかなりの重荷になると思うところであります。県内77市町村全部で地方版総合戦略を策定することが努力義務になっており、既に地方版総合戦略の策定に向けて動き出している市町村もあります。

 今後、県の戦略と市町村の戦略とが並行して検討されていくことになると思うが、地方の戦略は国の戦略と比べより具体的な取り組みを迫られるが、77市町村がばらばらでなく、互いに連携し、相乗効果を上げるような調整を県として行っていくべきと考えるが、いかがでしょうか。

 また、整合を図る過程では、より住民に近く、その声を反映しやすい市町村側の考え方に軸足を置くべきと思うが、現在、県の人口定着・確かな暮らし実現会議における議論が先行して行われているが、特に本県においては地域ごとに環境や特性が大きく異なっており、県の会議で方向性を決めていくことに難しさがあるように思われます。

 地方創生における県と市町村の役割、またそれぞれの戦略の守備範囲についてのお考えをお聞かせください。 
 
 
◆知事(阿部守一)
 
 しあわせ信州創造プランと人口定着・確かな暮らし実現総合戦略との関係についてという御質問でございます。

 しあわせ信州創造プランは県政運営の基本となります総合計画でございます。人口減少社会の到来を見据えて、誇りある暮らし実現プロジェクトあるいは活動人口増加プロジェクト、こうしたプロジェクトを推進しているところでありますが、国が地方創生として取り組もうとしている考え方、方向性、先取りしている部分があるというふうに考えています。

 人口定着・確かな暮らし実現総合戦略におきましては、しあわせ信州創造プランの取り組みを着実に進めていくことはもとより、人口減少の抑制と人口減少を踏まえた地域社会の維持、活性化の施策分野について、新しい視点も加えて、基本的方向性や具体的施策を取りまとめて実行してまいります。

 また、人口定着・確かな暮らし実現総合戦略は平成27年度から31年度までの5カ年間を対象としております。しあわせ信州創造プランの計画期間は29年度までになっておりますが、その以後も見通したものという形で取りまとめていきたいと考えております。

 以上です。  

 
◆企画振興部長(原山隆一)
 
 まず、地方版総合戦略策定における連携についての御質問でございます。

 県の総合戦略と各市町村の総合戦略がばらばらでなく、目標設定や施策の方向性について整合性をとりながら策定していくことが重要であるというふうに考えております。

 既に、地方創生の主要な分野であります少子化対策については、昨年12月に長野県子育て支援戦略を県と市町村との協働のもとで取りまとめておりますが、今後、他の分野におきましても県と市町村との協議の場などを活用して進めてまいりたいというふうに考えております。

 同時に、市町村同士がさまざまな分野におきまして広域的な視点で連携して取り組んでいくこと、これも重要な視点でございます。これにつきましては、広域圏ごとに県と市町村とで設置しております地域戦略会議におきまして一つの市町村だけで完結しない広域的課題とその進むべき方向性について議論を行いまして、問題意識の共有を図りながら、県、そして各市町村の総合戦略の策定に反映していくこととしております。

 次に、地方創生における県と市町村の役割と戦略の守備範囲についてでございます。

 県は、市町村を包括する広域の地方公共団体といたしまして、広域にわたる施策や基盤的な施策を中心として総合戦略に盛り込むとともに、市町村間の取り組みに関する連絡調整や市町村への支援を行います。

 また、市町村は、基礎的な地方公共団体として、地域の特色や地域資源を生かした、住民に身近な施策を総合戦略に盛り込むとともに、市町村の連携に関する施策に取り組むという役割分担、守備範囲というふうに考えておりますが、県と市町村が整合をとって総合戦略を策定していくために人口定着・確かな暮らし実現会議に市長会、町村会に参画いただいて議論いただいておりますほか、県と市町村との協議の場や地域戦略会議等で意見交換を行ってまいりたいと思っているところでございます。

 以上です。   
 
 
◆山岸喜昭
 
 次に、本県におけるインバウンドツーリズムの拡大についてお伺いします。

 少子・高齢化による人口減少が懸念されている我が国において地域社会の活性化と雇用機会の拡大を図るためには、訪日外国人の旅行者の誘致を強化し、世界の観光需要を取り込むことが重要であります。

 将来的に訪日観光旅行者が3,000万人に達すると、国内旅行消費額は2010年の1兆3,000億円に対して4兆7,000億円に上がり、雇用効果は25万人から83万人に拡大すると見込まれております。

 インバウンドツーリズムの振興は国の成長戦略の柱の一つと捉え、次のさらなる経済成長の起爆剤となり得る重要な産業であります。これを契機に、インバウンドツーリズムの振興は、観光庁とともに、関係省庁、各地方自治体、観光関係企業を初め、我が国の最重要課題の一つに位置づけられており、外客誘致に取り組む関係者との連携を図っていかなければなりません。

 観光部長にお聞きします。 これからの海外における事業企画は、外国人目線でのプロモーションを展開し、市場動向の変化に迅速に、また臨機応変に対応していくことが重要であります。これからの国内観光地との競争に打ち勝ち、さらに長野ブランドを海外に発信するにはどのようなプロモーション活動を展開していくのか。また、受け入れ態勢整備、魅力ある観光地づくりはどのように取り組むのか。お聞きします。

 続きまして、免税店やクレジット対応の促進についてであります。 春節での中国、台湾から訪日される観光客が激増しています。メード・イン・ジャパンを求めて、個人消費平均23万円という爆買いをしている姿には、ただただ驚くばかりであります。

 インバウンド消費とは訪日外国人が国内で行う消費のことをいいますが、それほどちまたにあふれているわけではないこの言葉に注目を集める理由は、今、訪日外国人の増加の著しさとその消費意欲の旺盛さによります。

 日本全体の人口が減少して消費が伸び悩む中で、2014年の訪日外国人の旅行者数は昨年より約30%ふえて1,341万人となり、過去最高を記録しました。また、消費額でいえば、訪日外国人消費動向は総額が2兆305億円、1人当たりの単純計算では15万円余りに達し、買い物と観光で55%を超えると言われています。

 外国人が日本を訪れる目的は、安心、安全な国をつくる日本人と触れ合いたい、よいものを追求する日本の製品を買いたい、日本の四季折々の日本の生活を体験したいということであり、まだまだ拡大の余地があります。日本全国どこでもインバウンド消費を拡大するチャンスでもあります。

 また、訪日外国人が増加した要因としては、円安の進行、東南アジアの訪日ビザの緩和、昨年10月に外国人旅行者向け消費税免税制度が改正され、免税販売の対象となっていなかった消耗品や酒類、化粧品を含め全ての商品に消費税免税の適用が拡大されたことが挙げられており、国内において他の県、他の地域と競い合うためには消費税の免税店となってそれを表示することが重要であります。改正をきっかけに免税店をさらに拡大し、増加する訪日外国人旅行者の潜在的な需要を喚起することで経済の活性が見込まれます。

 地元国内最大級の軽井沢アウトレットモールは、26万平方メートルの敷地内に239店を有し、外国人観光客を乗せたツアーバスの来訪実績が昨年度より7割増加しております。年間売り上げ400億円、来場者800万人を目指しているところでございます。こうした外国人観光客のニーズが高い無料Wi-Fiサービスを導入し、快適なインターネット環境を提供しプラザ内の利便性を図り、フロアガイドや現在55店舗の免税店がサービスに努めているところであります。

 訪日外国人旅行者や海外に対する免税制度の周知、長野県どこでも免税でのショッピングを楽しんでいただくための免税店拡大に向けた小売事業者への情報発信が必要であります。

 そこで、免税店になることは個々の店舗や施設が考えて決定することでありますが、今回の制度改正を契機として長野県内の免税店を拡大することで海外に県内特産品をアピールしたり観光客を誘致したりする手段となり、免税制度の周知や免税店の拡大のための取り組みが必要であると考えます。

 観光部長にお聞きします。 県内の免税店登録数はふえていますが、平成26年4月現在51店舗であり、観光立県長野としては余りにも受け入れ窓口が少な過ぎるように思われます。免税店の拡大に向け、県内の事業者向けに制度の相談窓口を開設したり、免税店であることを示すステッカーや標識などを設置し、どこにあるのかという情報発信をすることが必要であるわけでございます。

 これから免税店拡大についての取り組みはどうされるのか。外国人旅行者の認知度を高めるため県内の免税店に関する情報発信はどのように取り組まれているのか。お聞きします。

 また、外国人が不便と感じていることとして、外国人が持っているキャッシュカードが使えるATMがセブン銀行、ゆうちょ銀行に限られていること、クレジットカードが使える店舗や施設が限られていることがあります。最近では、スマートフォンに取りつけるだけでカード決済ができる機器が比較的安く手に入るので、訪日外国人だけでなく日本人の観光客にも喜ばれると思います。

 クレジットカードが使える旨の表示は、免税店である旨の表示とともに、訪日外国人に対する招き猫のようなものであると考えますが、クレジットカード対応の推進についてお聞きいたします。


 
◆観光部長(野池明登)
 
 順次お答えを申し上げます。

 まず、インバウンドツーリズムの拡大についてでございます。

 長野ブランドを海外に発信するため、どのようなプロモーション活動を展開をしていくのかという点でございます。

 海外へのプロモーション、エリアを絞った誘客とインパクトのある情報発信に重点を置いて展開をしてまいりたいと考えております。エリアを絞った誘客ですけれども、訪日旅行者が急増するタイをターゲットに、昨年11月に現地コーディネーターを設置をいたしましたので、この方を活用いたしまして、メディア、現地旅行会社、ブロガーなどとのネットワークを構築をいたしまして積極的に営業を展開することで長野の認知度が飛躍的に向上するように取り組みを行ってまいるところでございます。

 また、東南アジアにも積極的に展開をしていくこととしております。その際、PRの場で使う、アジア、欧米などそれぞれの地域で興味を引くプロモーションビデオ、こちらのほうを現在作成をしておりますので、市場の特性に合った情報発信を行ってまいりたいと考えているところでございます。

 2点目の、外国人旅行者の受け入れ態勢の整備や魅力ある観光地づくりへの取り組みでございます。

 海外からの誘客を図る上で外国人が快適に旅行できる受け入れ環境の整備、大変重要でございます。中でも、無料公衆無線LAN整備に対する要望が最も多い状況にございます。これに対応するために、来年度は、特に要望の強い宿泊施設と駅やバス停等の交通の要所におきまして無料公衆無線LAN環境を集中的に整備をし、県全体の受け入れ環境の底上げを図ってまいりたいと考えております。

 また、魅力ある観光地づくりということで、県内3カ所程度で、外国人やインバウンドの専門家の視点を生かして、何気ない日常に埋もれている地域の新たな魅力の発掘と発信に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

 2点目の、免税店やクレジット対応の促進についてでございます。

 まず、免税店の拡大、その情報発信でございます。

 県では、県内の免税店登録数をふやすため、県内の土産物店など観光事業者を対象に昨年は諏訪市と白馬村で説明会を開催をいたしまして、このほか千曲市などでも観光事業者の主催の説明会が開催をされ、大勢の方の参加をいただきました。  このような取り組みによりまして、県内の免税店登録数、昨年4月の51軒から半年で88軒へ1.7倍に増加をしておりまして、効果があらわれていると考えているところでございます。

 今後も、こういった説明会を重ねるとともに、県のホームページでも制度がわかり申請書もダウンロードできるようにするなど、登録数の拡大に努めてまいりたいと考えております。

 免税店に関する情報発信につきましては、免税店であることを示す国の統一のデザインの普及に努めますとともに、免税店リストを公開している日本政府観光局、JNTOのホームページと県観光外国語サイトをリンクをさせましてより身近に免税店情報を取得できるように改善をしてまいりたいと考えております。

 次に、商店のクレジットカード対応の推進についてでございます。  観光庁が行った外国人の旅行中に困ったことというアンケート調査で、両替やクレジットカードが16%で5位となっておりまして、この利便性の向上を図り消費を喚起するためにはクレジットカードの導入促進は極めて有効な手段であるというふうに考えております。しかしながら、クレジットカードの導入につきましては、議員の御指摘にもございました、機器の導入費、維持費、決済手数料等がかかることなどで中小企業者は導入に消極的にならざるを得ない事情もございました。

 しかしながら、近年、初期費用や維持費がほぼかからずに手数料も安い方法として、スマートフォンやタブレットを利用しクレジットカード決済を行うモバイル決済という新しい技術が開発をされ、中小事業者でも比較的手軽にクレジットカード決済を導入することが可能となってまいりました。

 県といたしましては、経済団体等と協力をいたしましてこのモバイル決済についてのセミナーを開催するなど、中小事業者の皆様向けに新しい技術の周知を図ることでクレジットカード対応を促進してまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。          
 
 
◆山岸喜昭
 

 ぜひ免税店のほうを進めていただきたいと思っているところでございます。

続きまして、「ずく出し!知恵出し!おもてなしプロジェクト」についてお聞きします。 日本一のおもてなし県を目指すとした「ずく出し!知恵出し!おもてなしプロジェクト」は、2年を迎える中、観光客に対してだけでなく、地域や職場など身近な立場からあらゆる場面でのおもてなしを想定しているというが、県民の認知度を上げる取り組みや、おもてなし宣言の登録状況、おもてなし信州しぐさ、フェイスブックなどの具体的な取り組みの実績や、日本一のおもてなし県に向けた成果はどのようなものか。観光部長にお聞きします。 

◆観光部長(野池明登)
 
 おもてなしプロジェクトの取り組みの実績と日本一のおもてなし県に向けた成果ということでございます。

 このプロジェクト、県民の認知度を高めることがまず重要ということで、テレビ、ラジオによるPR、新聞広告などを実施をしているところでございます。

 また、県民みんなで取り組むことを狙いとしたおもてなし宣言のほうですけれども、観光事業者だけではなく、企業、団体、学校など約4万5,000人の皆様に登録、そして実践をいただき、宣言内容のほうはホームページで御紹介をさせていただいているところでございます。

 気配り、思いやりなどの信州らしいおもてなししぐさ、公募をしているところですけれども、現在200件以上の取り組みが寄せられておりまして、フェイスブックでは企業、団体等が行っているさまざまな取り組み事例などを掲載し、機運の醸成を図っているところでございます。

 日本一のおもてなし県を目指すということで取り組んでいるわけですけれども、まず足元の取り組みが重要ということで、挨拶や声がけなど、おもてなしの基本となる行動を県民誰もができるようになることが重要と考えております。

 今年度新たに開講いたしましたおもてなし未来塾では37名の塾生が修了をいたしました。これらの皆様、今後、県内10広域の企業や地域に戻りまして、おもてなしのリーダーとして一人一人の県民に浸透するように積極的に取り組んでいくこととしているところでございます。

 以上でございます。

 
◆山岸喜昭
 

 それぞれお答えをいただきました。 インバウンドプロジェクトは大変重要な施策であるわけでございます。長野県の山岳や高原、美しい景観、伝統文化など常に新しい情報発信をしていくことが大事であります。 北陸新幹線延伸により、さらに多くの交流が予想されます。善光寺の御開帳も間近に迫り、海外からの参拝客も大いに期待をしているところであります。また、軽井沢サミット開催が決まりますと、さらに注目される長野になってまいります。 今がチャンスと捉え、さらなる飛躍を期待しまして、質問を終わります。ありがとうございました。 

 

 

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