2014.11月定例県議会-発言内容(山岸喜昭議員)

 

◆山岸喜昭

 おはようございます。順次質問に入ります。

 本年は、相次ぎ大きな自然災害が多発し、多くの方々が犠牲になり、負傷したり、住宅の全半壊やライフラインの寸断、土砂崩れ等による交通網の寸断など大きな被害が生じ、被災された皆様には心からお見舞いを申し上げるところでございます。

 この災害に際しまして、国や自衛隊、県警、消防などの関係者による救助活動に加え、県も、危機管理部を中心に各部が連携され、地域の復興に向けた支援に取り組まれていることに対しまして心から感謝を申し上げるところでございます。

 さて、今回の噴火災害の教訓から、山岳、火山防災への関心が高まり、施策が大きく見直されようとしています。

 日本の屋根と言われる山岳県である長野県には、浅間山を初め6火山があり、さらに隣接する県境付近には白根山ほか4火山があり、合わせて10の活火山に囲まれております。

 地元活火山の浅間山を抱える小諸市として、浅間山と共生する持続可能な地域をつくるためにはどのような対策をとっていくことがベストであるか。お聞きいたします。

 現在の浅間山は、噴火警戒レベル1で平常の状態であり、火口から500メートルまで入山可能となっております。小諸市では、登山者の安全対策として、浅間山周辺の3カ所に4基の避難施設、シェルターを設置し、また、観測機器設置は、気象庁だけでも地震計が7台、高感度の遠望カメラが2台、傾斜計が4台、空振計が4基、光波距離計が1基を設置し、衛星測位システムのGNSSは地震や山体の伸びや膨らみなどの変化を観測をしているところであります。

 気象庁のほかに、国土地理院、防災科学技術研究所、東大地震研究所、関東地方整備局など機器を設置し、長野県も高感度の遠望カメラを備え、全国トップクラスの機器を備えた観測体制を整えているところであります。

 また、近隣市町村との火山防災対策連絡会議を設け、気象庁や各市町村、小諸、佐久、御代田、軽井沢と群馬県の長野原、嬬恋との連携を図りながら、噴火への対応の確認や登山者への安全確保に努めているところでございます。

 しかし、火山、地震等いつ発生するかわからないのが現状であります。今、世界各地、また日本におきましても各地で異常なほどに火山活動が活発化してきております。東日本大震災から各地で多発している地震などの影響で、日本中の火山が噴火の準備に入っていると思われます。

 まず、危機管理部長にお聞きします。

 浅間山の登山者の安全対策、火山観測体制の強化について、常時観測体制が敷かれている浅間山には年間7万5,000人の登山者があり、重要な観光資源でもあります。国、県はどのような取り組みをしていくのか。また、浅間山へのシェルター、放送施設などの充実はどうされていくのか。また、放送施設やシェルター等の施設の維持管理をしていくには単独市町村では限界があります。支援策を何かお考えか。

 また、浅間山の火山防災対策につきましては浅間山火山防災協議会にて検討されております。これまで、防災対策につきましては、浅間山周辺市町村において防災マップが策定されるとともに、レベルに応じた登山規制、交通規制が実施されることが決まっております。

 また、レベル4から5の避難対策として国でも着手している融雪型火山泥流事業や発生時の交通規制箇所などは申し合わせておりますが、住民を対象とした具体的な避難計画は検討中という状況であります。

 火砕流や溶岩流など大きな被害が予想される火山現象に対する防災対策はこれからという状況であります。これからどのような調査を行い、具体的な検討をしていくのか。協議会の火山専門委員とハザードマップを明確に示し、作成し、計画的に検討していく必要があると思います。しかし、難しい火山の噴火予知と防災面の充実させるために必要な調査活動やシミュレーションなど十分に行えない状況であり、予算確保など支援していくことはできないか。お聞きいたします。

 

◆危機管理監兼危機管理部長(青柳郁生)

 浅間山の火山防災、安全対策についての御質問にお答えいたします。

 浅間山の観測体制強化につきまして、浅間山は24時間常時監視している火山が全国で47ある中の一つとされております。平時から火山観測体制を強化し、火山ごとに専門家による知見を集積しておくことは極めて重要と考えておりまして、県は、火山研究者の育成、観測設備の増設による監視体制の強化について国に要望を実施いたしました。

 なお、全国知事会からも同様の要望を行っていただいているところでございます。

 また、浅間山火山防災協議会には、東京大学名誉教授荒牧教授、また東京大学地震研究所の武尾教授にも参画いただいておりまして、専門的な意見を踏まえ、浅間山火山防災の議論を進めております。

 登山者の安全確保のため、山頂付近での噴石による被害を防止するためのシェルター、放送施設等の整備を行っていく必要があると認識しております。火山ごとに活動状況等が異なりますことから、火山防災協議会の議論を踏まえ、必要な支援を行ってまいります。

 なお、市町村等のシェルター設置が促進されますよう、国の補助制度の補助率上乗せを国へ要望するとともに、県による補助率の上乗せを検討してまいりたいと考えております。

 また、ヘルメットにつきまして、万が一の場合に備え、緊急に配置が必要な部分を県が一括購入し、小諸市には300個を配置すべく、今議会の補正予算をお願いしているところでございます。

 今後、市町村や専門家の意見を伺いながら、登山者に注意喚起する看板や放送施設等の整備に対する支援なども検討してまいりたいと考えております。

 続きまして、避難計画の検討でございます。

 浅間山火山防災協議会は、平成25年8月に、従前からありました浅間山火山防災対策連絡会議を改組し、設立されたものでございます。

 浅間山の防災対策につきましては火山防災協議会におきまして協議がなされております。噴火警戒レベル3までの警戒区域の設定や登山道の入山規制箇所、道路の規制箇所の選定等を行い、関係者が情報共有を行っております。現在、中噴火でも発生が懸念されます積雪期の融雪型火山泥流の防災対策を検討しており、発生時の交通規制箇所について決定され、避難計画の検討を行っている状況でございます。今後、この協議会におきまして噴火警戒レベル4ないし5の大規模な噴火時の防災対策の検討を行うこととしてございます。

 この大規模噴火時の検討に当たり、協議会では、浅間山は火口から500メートルが常時入山規制されていること、火口付近に居住地がないことなどの理由から、火山専門家の御意見を踏まえ、降灰対策の検討を優先して着手しており、その後、火砕流などの事象の検討を行っていく予定としております。

 避難計画の策定に当たりましては火山ハザードマップの作成が必要となりますが、過去の噴火事例等や火山専門家の知見も踏まえて協議会において作成の検討を行っております。

 県といたしましても、市町村等関係機関と連携し、浅間山の防災対策が着実に進展するよう努め、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

◆山岸喜昭

 ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 次に、企画振興部長にお聞きします。

 浅間山の登山道は方向により携帯電話の電波が届かない地籍があり、緊急時の安否確認を行う際に不都合が生じております。ついては、山間部における携帯電話の不感地域の解消に向けて、関係機関、また企業等に働きかけはできないものか。

 続きまして、観光部長にお聞きします。

 噴火予知連では火山速報に取り組むが、小諸市においては、年間7万5,000人を数える登山者に、浅間山倶楽部ポータルサイトシステムを使い、登山口で登山者が入山時に携帯QRコードからサイトに登録すると、下山登録するまでの間、急に火山活動が変化したときや気象警報や情報がメールに配信されるシステムを利用しています。山岳情報発信システムとして大変すぐれているシステムであります。県内活火山にこのシステムの活用を取り入れることはできないか。お聞きいたします。

 

◆企画振興部長(原山隆一)

 山間部における携帯電話の不感地域解消に向けた取り組みについての御質問でございます。

 山間部における携帯電話の通話エリアにつきましては、山小屋の周辺あるいは山の稜線では順次通話可能区域が拡大しておりますけれども、谷合いなどでは通話ができない区域が引き続き存在している状況でございます。

 これまで、県としては、携帯電話の不感地域の解消に向けまして、市町村との連携による実態調査や携帯電話事業者への要望活動、さらには過疎地や辺地など地理的に条件不利な地域に対して基地局を整備する際の市町村への補助などを行ってきたところでございます。

 不感地域の解消は登山者のさらなる安心、安全の確保につながることから、このたびの御嶽山の噴火災害を踏まえまして、山間部におけるサービス提供の拡大について早急に携帯電話事業者へ強く要望することとしております。

 

◆観光部長(野池明登)

 県内活火山における浅間山倶楽部ポータルサイトシステムの活用についての御質問でございます。

 県の御嶽山噴火災害を踏まえた対応方針におきましては、県内活火山の防災対策として山頂周辺における放送設備等の整備などとあわせて、緊急時における登山者等への火山防災情報の迅速、的確な提供方法を各火山防災協議会において検討するとされているところでございます。

 この検討に際しまして、浅間山周辺5市町村で運用している浅間山倶楽部ポータルサイトですとか自治体が配信する災害情報を一定のエリアに一斉配信する緊急速報エリアメール等のシステムの効果、課題を提供をしてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

 

◆山岸喜昭

 登山届等を検討される中で、ぜひポータルサイトシステムをつなげていただければと思っているところでございます。

 続いて、警察本部長にお聞きします。

 遭対協の装備についてであります。

 県下には複数の遭対協支部があり、それぞれの地域におきまして山岳救助活動をしているところであります。山岳遭難救助のために警察署等に装備品を保管しているが、これらの装備品は今回の御嶽山噴火災害時にしっかりと活用されたのかどうか。

 また、これらの装備品の貸し出しについては制限があると聞いております。遭難者の捜索等にフルに能力を発揮してもらうため、突発的な災害発生時、遭対協の装備品を貸し出して有効活用させることが適策と思うが、出動する消防署員等に貸し出しすることはできるのか。この点についてお聞きします。

 また、県は、火山ガス検知器を県内全消防本部に配置と噴火災害から登山者を守るため避難拠点にヘルメットを装備しますが、遭対協の倉庫にある装備品が大変古くなっております。今後の遭対協の装備品の更新、充実はどのようにお考えか。

 山岳救助に関する知識や技術の向上についてお聞きいたします。

 地元の遭対協隊員などは地理や登山道を把握しているが、警察、消防署員、消防団員等においては異動等により地域の山岳危険地区や登山道を認知している職員は少なく、山岳観光県を目指し、多くの登山者や海外からの登山者がふえる中、関係機関との連携や警察署員の山岳救助に関する知識、また技術の向上についてはどのようにお考えか。お聞きします。

 

◆警察本部長(山崎晃義)

 山岳遭難防止対策協会の装備等につきまして4点お尋ねをいただきました。順次お答えさせていただきます。

 まず、御嶽山噴火時の遭対協装備品の活用についてでございますが、今回の御嶽山噴火に伴う登山者救助に際しては、噴火警戒レベルが3の危険区域内での活動となりますため民間救助隊員の出動は要請しておりませんが、遭対協で装備いたします救助用シートを御遺体を現場からお連れする際に使用しております。木曽地区山岳遭難防止対策協会保管数では不足したため、他の地区遭対協で保管するシートも活用し装備を運用いたしました。

 次に、遭対協装備品の消防署員等団体への貸し出しに関してでありますが、遭対協装備品は各地区の遭対協隊員等が遭難者を救助する際に部隊として使用する装備品を優先し、購入、配備しておりますが、これらは一般的な遭難者救助に対応する装備品であります。

 突発的な災害時等において状況により他の機関に貸し出して有効活用することはよいと思われますが、その使用に当たっては専門的な知識や技能を必要とすることから、警察や遭対協、消防等救助機関が日ごろから連携し、救助訓練を行うなどして効果的に活用することが必要と考えております。

 次に、救助用装備品の更新、充実についてですが、救助用装備品は地元の地区遭対協の予算で購入しているほか、県遭対協救助部を担当する警察本部地域課が、随時、各地区で必要とする装備品を調査して、装備品の更新、充実を図っているところです。しかしながら、全遭対協救助隊員の個人装備品まではなかなか補助が行き届かない現状でありまして、隊員個人の装備品を使用して御協力をいただいているところであります。

 今後も山岳遭難の増加が予想されることを踏まえ、山岳パトロール等の遭難防止対策の強化も必要なことから、隊員が安全に活動できるよう救助用装備品の充実を図ってまいりたいと思っております。

 次に、関係機関との連携や署員の知識、技能の向上についてですが、警察では、毎年、警察本部主催の救助研修会を開催しているほか、各地区でも警察署が主体となっての救助訓練を実施して、遭対協の隊員の皆様のほか、警察官の技能向上を図っております。

 本年は、初めて長野中央警察署に山岳高原パトロール隊を結成して、遭対協隊員の皆さんの協力を得て、戸隠山等の山岳パトロールや救助訓練を実施させていただきました。

 今後は、この山岳高原パトロール隊を全警察署で結成させ、必要な装備品の配備や地元遭対協等と連携した山岳パトロール等を行ってまいります。

 また、仮称ですが山岳安全対策課を新たに設置し、総合的な安全対策を強化して、各警察署や関係機関との合同訓練等を開催するなど、警察署員や遭対協隊員の山岳遭難救助の知識や技能の底上げを図ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

◆山岸喜昭

 遭対協、また署員の皆さんの知識向上、技術の向上、また体力増強が必要だと思っているところでございます。

 浅間山、また御嶽山など、噴火警戒レベルは火山によって警戒範囲が変わってくるわけでございます。避難勧告、また登山規制は災害対策基本法によりまして市町村長の権限とされておりますが、大変難しいことであります。気象庁や学識経験者の危険性を、観測による科学的判断と地元自治体の安全と周囲の居住環境や社会生活を見ながら決断されるわけであります。これは大変時間のかかることであります。一日も早い規制の緩和、そしてまた復興を願い、質問を終わります。

 

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