11月定例県議会-発言内容(山岸喜昭議員)

 ◆山岸喜昭

 おはようございます。順次質問に入ります。北陸新幹線延伸後の誘客促進策についてであります。

 金沢延伸が間近に迫り、北陸新幹線(長野経由)、また、車両名も発表され、「あさま」も継続して使用することが公表されましたことは、私も県民の一人として大変喜ばしいことであると思っているところであります。

 2年後の27年、28年は、実は本県の観光産業にとりまして非常に大切なときであると認識をしているところであります。開通するとその翌月の春には善光寺の御開帳、秋には日本最高地点を走る小海線の小諸―小淵沢間の全線開通80周年記念を迎え、さらに、翌年28年春には諏訪の御柱祭、また、天皇皇后両陛下をお迎えしての第67回全国植樹祭、夏の全中体育大会開催など、このわずか2年の間で大規模な行事がめじろ押しとなっております。

 長野県は、同じ観光県の北海道や沖縄とは違う、山岳、高原などの強みを生かし、新しい観光や生活スタイルを提案できる魅力ある観光県であります。しかし、本県はPRや情報発信がもう一つであると感じているところであります。

 先日、熊本に現地調査に行ってまいりました。御存じ、熊本を代表するゆるキャラ「くまモン」の調査であります。

 熊本県では、九州新幹線開通をビッグチャンスと捉え、大いに期待をするが、一方、逆に、通過駅になることや人口の流出に危機感を抱き、知名度や認知度向上を図るために県としてどういう取り組みをするのか検討され、日本国内各地でのPR活動に使用するマスコットキャラクター「くまモン」を発表しました。それから、目標、狙いを絞っての宣伝活動であります。それは、特に中心地大阪を狙い、「くまモン」をPRすることに集中した取り組みであります。

 ゆるキャラグランプリで優勝を獲得し、「くまモン」商標の無料化を図り、商品化を進めてきました。そのおかげか、開業後の旅客流動は前年比54%アップ、今年度はJALの「AIRくまモン」、海外でもフランスなどヨーロッパで商品化され、マスコミの取材は無数であり、認知度は首都圏などで85%以上、商標効果は24年には293億円と言われております。

 先日は蒲島知事とニューヨークへ訪問し、九州観光のPRをしたとのことであります。また、先週には松本市や県庁に出没し、「くまモン」、「アルクマ」のコラボレーションと話題に事を欠きません。

 観光部長にお伺いします。

 長野県としても、延伸を間近に迎えるに当たり、さまざまな大型行事とあわせて楽しくストーリー性のある誘客戦略の取り組みが必要かと思うが、いかがか。

 また、知事がトップセールスで観光PRや海外や各地への訪問の際には、県の観光キャラクター「アルクマ」も効果的に活用すべきではないか。

 毎年同じような観光宣伝戦略をしていても効果は上がりません。新たな施策で信州の強みや誘客促進策を展開する必要があると考えますが、どのような施策をしていくか。伺います。

 

◆観光部長(野池明登)

 北陸新幹線(長野経由)の金沢延伸と大型行事にあわせた楽しくストーリー性のある誘客戦略についてのお尋ねでございます。

 新幹線長野―金沢間の開業後は、お話にありましたとおり、善光寺御開帳、諏訪大社御柱祭など大型催事が続きます。こうした催事にはたくさんの人が集まるわけでございますけれども、開催地だけではなく、県内での周遊、宿泊につなげていくことが大変大事であるというふうに考えているところでございます。

 このため、開催地と周辺地域をつなぐ旅行商品の開発、これはもちろんでございますけれども、お話にありました楽しいストーリー性のある誘客の工夫、例えば朝や夜に楽しんでいただき宿泊にそれが結びつくナガノワイン応援団の飲食店との連携ですとか、善光寺でいえばお朝事、温泉地でいけば朝市などがございます。また、JR飯山線で「走る農家レストラン」、しなの鉄道で検討しております観光列車など乗ること自体が目的となる列車、松本城の観光人力車ですとか上田城のおもてなし武将隊、小諸が舞台のアニメツアー、中山道等の街道歩きなど、信州の旅行を楽しんでいただく素材はたくさんございますので、それを、もう1カ所、もう1泊につなげていただけるような仕組みづくり、仕掛けづくりに市町村の皆さんと一緒に取り組んでまいりたいというふうに思っております。

 2点目の知事のトップセールスの際の「アルクマ」の効果的な活用についてでございます。

 長野県観光PRキャラクター「アルクマ」ですけれども、全国的にも人気、認知度が向上をしてきているところでございます。先ごろ行われましたゆるキャラグランプリにおきましても、1,580体エントリー中28位と健闘をしたところでございます。

 最近では、アクティブなイメージづくりのための「信濃の国ダンス」を習いましたり、長野県の特産品とのコラボレーション商品として「信州アルクマそば」ですとか「アルクマりんご」の開発、販売がなされております。また、全国放送のクイズ番組、それからダンス選手権への出演、女性ファッション誌への出演などもございます。活動の場が広がっているところでございます。

 知事トップセールスの場面でも「アルクマ」は大変注目をされますので、ふさわしい場面に大いに活用をしていきたいというふうに思っております。

 それから、3点目の新たな施策による誘客促進策の展開についてでございます。

 最近の旅行スタイル、体験ですとか交流、趣味や知的欲求を満たすものへと変化をしてきておりまして、こうしたニーズを踏まえた誘客の工夫をした取り組みが大変重要になってきております。

 例えば食、旅先を決定する上で大変重要な要素でございますけれども、今月、金沢で開催をいたしました旅行商品商談会におきましては、各地域の旅行商品や観光素材をセールスするだけではなく、農政部、商工労働部と連携をいたしまして、リンゴ、ワイン、ジャム、信州サーモンなど信州の特産品をセールスする物産商談会を北陸では初めてでございますけれども開催をし、好評を得たところでございます。

 また、発信力の強化といたしましては、長野県、美しさと健康、山岳、高原、この強みをキーワードにいたしまして、例えばロングトレイルなどの新しいアクティビティーの普及、ワイン、野菜など食を生かしたツーリズムの提案など、誘客施策を新たな発想で工夫をして展開をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

 

◆山岸喜昭

 続きまして、北陸方面へ向けた市場展開、また情報発信についてお伺いします。

 長野県においては、県外にて、観光産業振興のための企業誘致、観光誘客の情報発信、移住・交流の相談業務、県内産品のシェア増加と販売強化を図っているところであります。

 北陸圏は、アジアからの観光客の玄関口として既に新潟、石川、富山、能登など地方空港があり、また定期コンテナ航路を受け入れている状況もあり、商談会や情報発信により新たなインバウンド路線の開発や、企業、産業の路線開拓や農畜産物の販売促進に結びつくものと考えられます。また、商圏人口は150万人と試算し、首都圏ほど競争力が厳しくなく、実利を得られる地域と捉えております。

 商工労働部長にお聞きします。

 開通を契機に、北陸の掘り起こしは、県内産業も活気づき、新しい市場開拓など今後の高い期待度が感じられるため、北陸方面に向けた何か新しい施策が必要であると思うが、いかがでしょうか。

 観光部長にお聞きします。

 首都圏の拠点としてしあわせ信州シェアスペースを整備し、信州の価値向上や信州ブランドの発信をするとしているが、これまでは、発信できるものをまだまだ発信できていない、発信しているようでなかなか情報は伝わっていないのが現状であると思いますが、情報発信機能の充実や強化が必要と思うが、どのように運営をしていくのか。また、拠点での信州ブランドにふさわしい商品や物産、サービスを提供する仕組みはどのようにするのか。これを機に、拠点としてしあわせ信州シェアスペース情報発信拠点を新たに北陸圏にも必要であると思うが、いかがでしょうか。伺います。

 

◆商工労働部長(太田寛)

 北陸方面に向けました市場開拓等の新しい施策についての御質問でございます。

 北陸新幹線の金沢延伸に伴いまして企業の事業活動が広範囲となり、新たな販路拡大等ビジネスチャンスの拡大が予想されることは議員御指摘のとおりでございます。

 本年3月には、富山・長野経済・観光連携会議が富山市で開催されまして、両県知事を初め、経済団体、観光、農業の関係者などが一堂に会しまして、新幹線延伸を活用いたしました長野、富山両県の産業連携等地域の活性化について意見が交わされたところでございます。

 こうした中、県では、10月に、富山県と共同で、香港、台湾、ロシアなどの海外からバイヤーを招聘いたしまして、電子部品や加工食品などの商談会を富山市と長野市で開催したところでございます。

 また、今月初めには、石川、富山、福井3県の金融機関の合同商談会が富山市で開催されましたが、県と小諸市、飯山市など8市町村が共同で、企業誘致のために、これは新しい試みでございますが、共同ブースを設けて出展いたしました。さらに、この機会に、県と同じく市町村が共同で26社の地元企業も訪問いたしまして県内の産業団地や助成制度等をPRするとともに、立地意向など個別の相談も行ったところでございます。

 北陸地域との交流に関しましては、各県の特産物をコラボレーションした新商品の開発や、本県企業の強みでございます精密加工技術を生かしました企業間連携などが期待されるところでございまして、県では今後も見本市や展示会への共同出展等を企画するほか、企業誘致も含めまして北陸地域との経済交流が一層活発になるよう取り組んでまいりたいと考えております。

 

◆観光部長(野池明登)

 しあわせ信州シェアスペースに関しまして順次お答え申し上げます。

 まず1点目の情報発信機能の充実強化のための運営方法についてでございます。

 御指摘のとおり、長野県、日本一の健康長寿ですとか、それを育んできた食文化、美しい県土、伝統工芸や先端産業のすぐれたわざなど、すぐれた資源は数多くございますけれども、それがなかなか十分には知られていないという状況もございます。これを解消するためには、首都圏という巨大なマーケットですので、それに漫然と発信をしていても効果は低いということで、一つとしては関係性を築いていくターゲットを明確に見定めるということが必要ではないかというふうに考えております。

 例えば、首都圏に住んで近隣に定期的に通える実家ですとか地域がなく、旅行や趣味の活動に積極的なシニア富裕層のコミュニティーですとか、あるいは市民大学など仕事とは別の環境や地域活動に興味を持つビジネスマン層ですとか、子供たちへの情操教育に対して関心の高い母親コミュニティーですとか、そういった対象を具体的に考えてまいりたいというふうに思っております。

 二つ目といたしましては、この拠点で実際に触れたもの、味わったもの、経験したものが首都圏の皆さんの日常生活に継続的に取り入れられるようにしたいというふうに考えておりまして、例えば長野県内の地域に実際に足を運んでいただける連続セミナーですとか、キッチンスペースを信州食材を利用して開催をするですとか、よりリアリティーを持って長野県を体感してもらうための豊富な映像コンテンツの用意ですとか、そういった工夫をしてまいりたいというふうに思っております。

 2点目の信州ブランドにふさわしい商品、サービスの提供の仕組みでございます。

 この拠点のテーマ、信州のすばらしさ、よさを丸ごと共有をしていただきたいということで、ここで販売する商品、紹介する文化、いずれもそのものの質の高さ自体は大切でございますが、それに加えて、その背景にある風土、生産者のこだわりを伝えるものにしたいというふうに思っております。

 具体的な方法といたしましては、例えばでございますけれども、農産物の生産者、工芸品の製作者によるトークライブですとか、信州をより深く知っていただく、そして現地にも訪れていただく、仮称でございますが、信州銀座すずらん通り大学ですとか、こういったものも考えていきたいと思っております。

 また、新商品などを販売するチャレンジコーナーの設置を例えばいたしまして、商品の評価ですとか消費者の反応を生産者にフィードバックをする試み、それから商品のディスプレーなどに関しては有識者からの的確なアドバイスをいただいてまいりたいというふうに思っております。

 3点目の北陸圏への情報発信拠点の整備でございますけれども、北陸新幹線(長野経由)の金沢延伸によりまして長野県のマーケットとしての北陸圏の重要度はますます高まってまいります。しかしながら、情報発信拠点のようなハードということになりますと立地ですとか費用などの面でなかなか難しい課題が存在します。

 このため、県と市町村、観光関係者が連携をいたしまして、今年度はJR金沢駅におきまして3回の観光PRを実施をいたしましたほか、今月は金沢市、富山市において旅行商品造成商談会を開催するなど、北陸圏からの誘客に向けた積極的な情報発信に取り組んでいるところでございます。

 また、3月に行われた富山・長野経済・観光連携会議、7月に行われました長野、石川両県知事懇談会におきましては、それぞれの県の情報や観光資源を相互に発信をしていくことについて合意をいたしておりますので、それを具体化してまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

 

◆山岸喜昭

 続きまして、信州らしいおもてなしの取り組みについてお伺いします。

 先ほどの質問でも挙げました大型行事を目の前にした長野県にとっては、まことに時宜を得たものであります。しかし、観光立県である長野の観光産業は、全国の中で旅館やホテルの倒産件数が一番多いのが本県であります。

 私が現場で感じていることは、長野県の観光産業全体が非常に弱くなってきているのが現状であり、観光振興の中心である宿泊施設や観光産業そのものが非常に投資力がなくなってきております。これを機に、工夫を凝らし、個性を出し、観光産業を再生し、活力を持たせることが必要であります。

 日本一のおもてなし県を目指す「ずく出し!知恵出し!おもてなしプロジェクト」を宣言しました。信州のイメージは、十州から成り、高山あり、高原あり、山あり、平らありの日本の田舎の代表と言われる県であります。これをキーワードに、ハードも大切でありますが、これからは心と心のつながるハートであり、観光客を迎える気持ちは兄弟や親戚をお迎えするような温かい触れ合いがおもてなしではないでしょうか。

 そして、広い信州には地域地域のそれぞれ特色あるおもてなしがあります。これが信州の宝と捉えております。信州独自の方言でもあるずくを出し、県民一丸となって汗を流し、対応することが感激を呼び、おもてなし満足度が上がるものと思うところであります。

 おもてなしという言葉は観光事業関係がイメージされますが、全ての県民が参加のもと、スキルアップしていかなければなりません。おもてなしを県民運動に広げていくことが大切であります。

 観光部長に伺います。

 このおもてなしプロジェクトを着実に推進し、真に日本一のおもてなし信州をつくり上げるためにどのような方策、施策を考えているのか。

 県内宿泊施設の苦境は続き、誘客力強化に向けた官民一体となった地道な観光振興策や各地域の魅力を高める取り組みが欠かせませんが、毎年同じような観光PRをしていても効果はありません。さまざまな大型行事を控え、県民参加のおもてなしに盛り上げていくには市町村とどのように連携をしていくのか。また、宿泊施設など観光事業者の特色ある取り組みを引き出していくためにはどのような施策を考えているのか。

 また、観光部長の考えている信州のおもてなしの心とはどのように捉えているのか。お聞かせください。

 

◆観光部長(野池明登)

 おもてなしに関して3点お答えをさせていただきます。

 ただいまの御質問にありましたおもてなしの心、考え方、御指摘のとおりというふうに考えております。

 おもてなし県長野をつくり上げるための施策でございますけれども、おもてなしの向上を目指すためには、1人の100歩よりも100人の1歩、多くの県民の皆さんの主体的な参画こそ重要であるというふうに考えております。

 まず、基本的な考え方といたしまして、おもてなしを、挨拶などの振る舞い、身だしなみなどの装い、そして地域の美化などのしつらい、この3要素に分類をいたしまして、相手の気持ちになって行うことということを共通の認識にしたいというふうに思っております。

 具体的な事業といたしましては、それぞれがまずできることで一歩を踏み出してもらうおもてなし宣言の登録、それから、地域ならではのおもてなし事例を動画で募集をいたしましてホームページで紹介をすることによる普及、広がり、すぐれたおもてなしの実践を掘り起こして光を当て顕彰するおもてなし大賞の創設、それから、何よりも地域のおもてなしをリードしていく人材の育成、信州おもてなし未来塾の開校など、県がマニュアルなどをつくって型どおりに普及を図るのではなく、より多くの県民の皆さん、観光関係者の皆さんの主体的な参画を促進をする取り組みを息長く継続をしてまいりたいというふうに考えております。

 2点目の市町村との連携、観光事業者の特色ある取り組みを引き出す施策でございます。

 今回のおもてなしプロジェクトのコンセプト、事業内容を検討するため、信州キャンペーン実行委員会の中に市町村、観光関係団体の皆さん、経済団体の皆さんにも参画をいただきまして検討を重ねてきたところでございます。

 このプロジェクトは地域に浸透をさせていくことが何よりも重要でございますので、市町村に担ってもらう役割は大変大きなものがございます。広報等を通じた県全体の機運の醸成ですとか、おもてなし宣言の掘り起こしですとか、市町村の皆さんとはさまざまな面で協力・連携関係を築いていきたいというふうに考えております。

 また、観光事業者の皆さんの特色ある取り組みを引き出すための施策でございますが、ユニークな効果的な取り組みをフェイスブックで紹介をすることにより多くの方々にそれを広めていきましたり、おもてなし大賞に積極的に応募をしてもらうことで事業者の皆さんのイメージアップにもつながる、そしてそれが同時にモチベーションの向上にもつながる、こういった取り組みをしてまいりたいというふうに思っております。

 それから、3点目の信州のおもてなしの心をどのように考えるかという点でございます。

 長野県民の間には、昔から、隣同士助け合う思いやりですとか、お互い日々気持ちよく暮らすための気配りなどがございました。例えば、雪かきや草取りにしても、少し隣の分までやってあげる隣三尺という習慣ですとか、野菜などの収穫物がたくさんとれたら隣近所におすそ分けをするなど、日常生活の中におもてなしの心が刻まれているというふうに思っております。

 こうした、口に出さなくても相手のことを考えてさりげなく行うおもてなしこそが信州らしいおもてなしの伝統ではないかというふうに思っております。これらをもう一度思い起こして、ずくと知恵を出して信州の隅々までおもてなしの心を広げていきたいというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

 

◆山岸喜昭

 続きまして、知事のトップセールスについてお伺いします。

 就任以来、国内、県内にとどまらず、中国や台湾、ヨーロッパ等海外にも積極的に出向き、企業誘致や農作物の販路拡大、観光などさまざまな分野でトップセールスをされてこられました。

 私は、顔の見える交流が大切、重要であり、今後ともトップセールスは積極的に行うべきと思っております。

 先月も、河北省友好提携30周年を機に中国などを訪問されました。今回の河北省との会談が多くの成果を得られるよう今後どのように取り組んでいくのか。知事に伺います。

 

◆知事(阿部守一)

 河北省との今後の交流についての御質問でございます。

 今回、友好提携30周年ということで河北省を訪問してまいりました。これまで先人の皆様方が築いてこられた友好、交流の歴史を踏まえて、両県省の未来につながる方向性、張慶偉河北省の省長との間でお話をすることができました。

 山岸議員御指摘のとおり、組織間の関係であっても、人間同士の顔の見える関係づくり、信頼関係づくり、大変重要だというふうに考えております。

 今後の河北省との交流につきましては、河北省側、さまざまな課題がございます。医療、介護、あるいは環境問題、中国全体の課題でもあると同時に河北省にとっての課題でもあるわけであります。そうした河北省に関心の深い分野、あるいは冬季スポーツの国際大会の開催、先般、冬季オリンピックに北京と河北省が誘致に手を挙げたという報道等なされておりましたけれども、私ども長野県は冬季オリンピック・パラリンピック開催をした地でもありますので、そうしたノウハウ等の提供、そして、逆に、私どもの企業あるいは観光にとってプラスになるように、双方にとってメリットがあるウイン・ウインの互恵的な関係をぜひつくっていきたいというふうに考えております。

 今後、先般の会談で話をさせていただいた方向性を覚書という形で文書でまとめていきたいというふうに考えておりますし、また、両県省の具体的な実務レベルでもしっかりこれから話し合いの場をつくっていきましょうということを確認しております。これは、省長との間の関係性、そしてそれぞれの関係部局がしっかりと実務レベルでも、課題に対して、そして取り組むべき事項について一つ一つ具体化をさせていきたいと考えております。

 河北省との交流につきましては、これまでの歴史を踏まえてさらに未来志向で、双方にとってプラスの関係性になるように私自身も積極的に取り組んでいきたいと考えております。

 以上です。

 

◆山岸喜昭

 続きまして、県の治安状況についてお伺いします。

 特殊詐欺が全国で131億円、前年同時期の約1.4倍に上り、過去最高になっております。次々と手口を変え、ことしに入って県内でも急速にふえ、日々、ずる賢く、多様化した新しい詐欺の手口が広まっており、過去最悪のペースになっております。

 なぜ、今、長野県が狙われているのか。守られるべき県民の大切な財産が狙われており、極めて深刻な状況にあります。巧妙でストーリー性があり、気がついたときには巻き込まれてしまう特殊詐欺はもはや県民にとって身近な犯罪となっており、誰もが被害に遭う可能性があります。

 警察本部長に伺います。

 特殊詐欺の被害が県内で急速に広がっており、新聞では毎日のように掲載され、過去最悪のペースであります。なぜ、今、長野県が狙われ、被害が急増しているのか。信州人はだまされやすいということなのでしょうか。捕まえにくい特殊詐欺の被害状況と検挙状況をお知らせください。

 呼びかけやパンフレットだけでなく、今後の被害防止対策はどのような取り組みをしていくのか。お聞かせください。

 

◆警察本部長(山崎晃義)

 山岸議員からの御質問にお答えする前に、今回、塩尻署員が偽証罪によりまして送致されましたことにつきましては、法を守り厳正に職務を執行すべき警察官がこのような事案を起こしたことはまことに遺憾でございます。県民の皆様に深くおわびを申し上げたいと思います。

 今後、適正な捜査を着実に推進することによって信頼を積み重ねてまいりたいと思っております。

 それでは山岸議員の御質問にお答えさせていただきます。

 まず最初に、県内の特殊詐欺被害の認知状況ですが、本年10月末で認知件数が148件、被害額が8億1,342万円余りとなっておりまして、前年同期比で認知件数でプラス79件、被害額でプラス5億3,713万円余りというふうになっております。

 一方、全国における本年9月末現在の特殊詐欺の認知状況の前年同期比も、認知件数でプラス約2,600件、被害額でプラス約96億円となっており、全国的にも昨年を大きく上回る被害が発生している状況でございます。

 県内におけます増加の要因につきましては、さまざまな要因が推測されますが、例えば県内において犯罪が行われても、こうした犯罪の組織幹部は首都圏におりまして、なかなか主要幹部が検挙されるリスクが低いというような理由が考えられます。

 また、直接現金を手渡す受け取り型では、被害に遭われた方々が新幹線を利用して都内まで呼び出され、現金をだまし取られている被害も発生しているところでございます。

 次に、特殊詐欺の検挙状況につきまして申し上げます。

 特殊詐欺の検挙状況は、本年10月末で特殊詐欺の本犯2919名を検挙しておりまして、前年同期比は検挙件数でマイナス42件、検挙人員でプラス8名となっております。また、特殊詐欺の犯行を助長する犯罪の検挙状況は、本年10月末で4938名を検挙しているところでございます。

 次に、特殊詐欺の被害防止対策でありますが、犯行手口と被害予防策などの広報・啓発活動、電話による個別注意喚起などの先制・予防的防犯指導、金融機関窓口における水際対策、この3本柱で被害予防活動を行っているところであります。

 今月からですが、これらの活動をさらに強化し、金融機関等との連携により窓口へ来られる被害者の多くを占める高齢者の皆様方への声かけを強化すること、また、県の消費生活室と連携いたしまして特殊詐欺等悪質商法被害防止キャンペーンなどを行っております。

 また、これから年末年始を迎えます。12月から実施いたします特別警戒に当たっては、金融機関やコンビニエンスストアなどへの警察官の立ち寄り警戒の強化を行います。また、これとあわせて、顧客への防犯指導の徹底を要請してまいりたいというふうに考えているところです。

 このほか、犯行手段が携帯電話によるものがほとんどであることから、現在、迷惑電話等のサービス事業にある非通知電話の拒否設定や留守番電話の普及促進について通信事業者とも検討しているところでございます。

 いずれにいたしましても、被害を抑止するためには、関係機関の御協力や、また県民の皆様からの情報提供が不可欠でございますので、さらなる御協力をお願いしたいと思います。

 

◆山岸喜昭

 ありがとうございました。

 高齢者をだまし、財産を奪い取ることは許されることではなく、毅然とした姿勢で臨み、県民の安全、安心を確保するセーフコミュニティーや県民から信頼される強い警察組織をつくっていかなければなりません。

 年末年始を迎え、県警の皆さんのさらなる活躍に御期待を申し上げ、質問を終わります。ありがとうございました。

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