9月定例県議会-発言内容(山岸喜昭議員)

 ◆山岸喜昭

 引き続き質問に入ります。災害等の緊急時における一般廃棄物の処理について伺います。

 本年も9月1日の防災の日を迎え、県内各地で防災訓練が実施され、県民の皆様の防災意識も改めて高揚していることと思います。

 近年は、地震のみならず、先般の18号台風を初め、局地的なゲリラ豪雨や竜巻による災害が多発しており、いつ、どこで、どんな災害が発生してもおかしくない状況にあります。こうした状況を見ても、県民の生命、身体、財産を守る行政の責任と防災体制強化への取り組みはますます重要になってきております。

 全国的には震災の教訓を生かした防災計画の見直しや有事の際における相互支援のあり方などが検討され、見直しもされております。

 我が長野県としても、いつ発生してもおかしくない災害などの緊急時に対し、教訓をしっかりと生かした見直し、点検をお願いしたいと思っているところでございます。

 災害時における相互支援協定は、これまでの経験値から多種多様な分野にわたり協定が結ばれております。

 大規模な災害が発生した場合においては大量の廃棄物が発生し、市町村等における処理体制が十分に確保できなくなる事態が想定されるため、県では長野県資源循環保全協会並びに長野県環境整備事業協同組合との協定を締結し事態に対処することになっております。

 そこで、環境部長にお尋ねします。

 震災では、廃棄物処理施設そのものが被災する中で、想定をはるかに超える瓦れきと避難生活から大量発生するごみの処理が行われてきたわけであります。県として、今回の震災を踏まえ、改めて協定内容や体制のあり方について、現在の締結している協定で迅速な対応ができるのか、検証や検討が行われているのか、また見直しなどが行われているのか。現状についてお聞きいたします。

 あわせて、災害廃棄物処理計画の策定を進めていると思われますが、県内各自治体における計画策定の状況や計画策定推進に対する県としての独自の取り組みが行われているのか。状況についてお聞きします。

 

◆環境部長(山本浩司)

 順次お答えをいたします。

 初めに、災害廃棄物に関する協定についてのお尋ねでございます。

 現在、県が締結している協定は、お話のありました一般社団法人長野県資源循環保全協会と長野県環境整備事業協同組合のほか、災害時の広域応援、相互応援に関する協定として全国知事会、中部圏知事会、関東地方知事会、新潟県との協定がございます。

 災害発生時に市町村から応援要請を受けた場合、県においては、地域防災計画に基づき、民間への協力要請、他県等への広域的な支援の要請を行うなど、これらの協定を活用し適切かつ迅速に対応をしてまいります。

 次に、災害廃棄物処理計画についてのお尋ねでございます。

 現在、国においては、阪神・淡路大震災を契機に平成10年に策定された災害廃棄物対策指針、これを東日本大震災の経験を踏まえて今年度中の改定を目途に作業を進めております。この指針では、都道府県及び市町村においては単独で災害廃棄物処理計画を策定することを求めており、策定に当たっての基本的事項を示すこととされております。

 県内では全市町村が災害廃棄物に関する計画を策定しておりますが、そのほとんどが地域防災計画に含めて記載をされております。

 県においても、多くの市町村と同様に、県地域防災計画に包括される形で災害廃棄物に関する計画を持っておりますが、今後示される指針に基づき新たに災害廃棄物処理計画を策定をしてまいります。

 なお、先ほどお話のございました相互支援協定につきましても、この一連の改定作業の中で改めて検証等を行ってまいります。

 また、県内市町村においても、今後、指針に基づき計画の策定を進めることとなりますので、県といたしましては市町村への情報提供や技術的支援に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

◆山岸喜昭

 円滑な廃棄物処理を妨げる要因は、災害のみならず、処理施設の事故や故障といった場合も十分に考えられます。処理施設の建設に当たっては、建設やプラント機械類の安全確保はもちろんのことでありますが、想定外の事故や故障といったことも十分に視野に入れながら施設内外の安全確保対策を検討しておく必要があると考えております。

 全国を見渡せば、災害発生時のみならず、一般廃棄物処理施設の故障、事故等による緊急事態発生に伴う支援や、処理施設の定期点検や改修、更新等による一時的な処理能力低下を補完する支援体制が確立している地域もあります。

 廃棄物処理における県民の安全、安心をこれまで以上に確保していく上で、現在の有事の際における廃棄物処理に係る協定内容を見直していくこと、あるいは、長野県内の全市町村を対象とした、あらゆる事態に対応でき得る幅広い協定を締結していくことはできないものか。環境部長にお聞きします。

 

◆環境部長(山本浩司)

 協定の見直しについてのお尋ねでございます。

 県内の市町村間における災害時相互応援協定につきましては、現在、全ての市町村間で締結をされております。

 お話のありました施設の事故や故障などにつきましては基本的には施設管理者または近隣市町村で対応すべきものと考えておりますが、重大な広域的事象が発生した場合等につきましては個別具体的に検討、対応してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

◆山岸喜昭

 この協定の見直しに当たっては幾つもの検討事項や克服すべき課題があるものと思っております。あらゆる事態を想定した廃棄物処理に係る長野県全体での連携を展望した相互支援体制構築に係る事案研究と内容検討は必ずや今後の廃棄物行政推進に生きていくと考えておりますので、ぜひ検討を強く要望いたします。

 続きまして、カラマツ林業の今後の展望、また方向について伺います。

 信州はカラマツのふるさと、カラマツのある風景は北原白秋の歌にも詠まれ、広く親しまれております。あの北海道の美しい景観をつくる広大なカラマツ林も、もとの苗木は皆信州から送り出されたものであります。

 林業の面からも、カラマツは県の民有林、人工林面積の52%を占めており、また、現在、県内で生産されている丸太の55%がカラマツという状況の中、カラマツ林業の成功が信州の林業を活性化させる鍵を握っていると言えるのではないでしょうか。

 さて、そのカラマツですが、現在は間伐に注力をいただいておりますが、既にそのピークは超えております。ピーク時には年間2万4,000ヘクタールの計画がされ、現在実行中の第8期間伐実施計画の最終年、平成29年には1万6,000ヘクタールの計画に減少してまいります。間伐期間を過ぎれば次は主伐と考えるのが普通であります。

 カラマツは個性豊かで、世界に誇る木であると認識をしているところであります。強度性能を生かした構造材、木肌の美しさが映える内装材、家具材、あるいは合板、土木用材として多彩な販路が期待できます。

 そこで、カラマツ林業の今後について林務部長にお聞きします。

 この先、カラマツ林業を永続的に展開していくためには、カラマツを将来どのように生かし、そのためにどのように育て、更新していくのでしょうか。カラマツ林業に対する今後のビジョンについてお聞かせください。

 また、東京オリンピックの開催が決定し、湾岸部においてさまざまな競技施設等が建設されると聞いております。東京オリンピック開催に当たっては、一極集中ではなく、地方への経済波及や、より環境への配慮等、幾つかの課題があろうかと思います。あわせて林務部長にお聞きします。

 信州カラマツは、かつては軟弱な地盤対策資材として首都圏で大量に活用されました。そこで、腐りに強い信州カラマツをオリンピック施設の地盤対策として活用いただき、出材を通じた地方の経済効果、カーボンストックとして環境にも配慮できるような取り組みを検討すべきと考えますが、お聞かせください。

 

◆林務部長(塩入茂)

 カラマツ林業の今後の展望、方向について御質問いただきましたので順次お答えをいたします。

 初めに、カラマツ林業の今後のビジョンについてのお尋ねでございますが、カラマツは本県にもともと広く自生していたことや初期の成長が極めてよいことから、戦後、県下各地で積極的に植栽された結果、その面積は現在約174,000ヘクタールに及び、その多くは伐採して利用する時期を迎えております。

 カラマツ材の利用としては、土木用材を初め、近年は本県が開発した乾燥技術等により大規模木造施設や住宅用柱材、美しい木目や色合いを生かした内装材など広く多方面にわたり活用されてきており、信州カラマツは将来にわたって有望な県産材であると考えております。

 また、カラマツ林業を永続的に展開していくための伐採跡地の更新については、カラマツ林の再生を目指して、大型苗木やコンテナ苗木を活用するなど、獣害対策を含めた低コストで確実な更新技術の開発を進めていくこととしております。

 県といたしましては、100年先のあるべき森林の姿を示した長野県森林づくり指針に基づいて、県内はもとより全国のさまざまな需要を積極的に開拓し、安定的にカラマツ材の供給ができる持続可能なカラマツ林業を目指してまいります。

 次に、信州カラマツを東京オリンピック施設の地盤対策として活用できないかというお尋ねでございますが、東日本大震災の液状化問題を契機として木ぐいを活用した軟弱地盤対策が見直されてきたことから、平成24年度はまず小規模な土木工事に対応できるよう丸太基礎杭設計マニュアルを作成するとともに、民間事業者が一体となって販路開拓などの事業展開ができるよう長野県木材協同組合連合会に土木用材部会を設置いただいたところです。

 また、昨年度から取り組んでおります信州産カラマツの丸太打設液状化対策工法の実証実験について本年末にはその検証結果が得られる予定となっておりますので、こうした体制や技術的な知見を全国の液状化問題を抱える地域でも活用できるよう、しっかりとしたマーケティング戦略を持ちながら販路開拓に向けた取り組みを実施してまいります。

 

◆山岸喜昭

 次に、景観としての森林の整備についてお尋ねいたします。

 林業としての森林管理も重要ですが、その一方で、森林は信州の景観形成に寄与しているという側面もあろうかと思います。北陸新幹線の金沢延伸、中部横断道の一部開通、平成28年度の全国植樹祭の開催、またその先には東京オリンピックの開催など、多くのお客様が信州に出かけていただく絶好の機会でもあるわけであります。

 信州を訪れる多くの皆さんは、シラカバの美しさやカラマツ林のすばらしさに信州のイメージを重ねておられることでしょう。しかし、残念ながら沿線の森林の多くは今の素材生産中心の施策の対象から外れがちで、整備がおくれ、つるが絡んだり、やぶが繁茂しているのが現状であります。また、鳥獣被害対策の面からも、集落や道路沿いの森林の整備のおくれは被害対策防止の上で懸念されております。

 現在、森林税事業である森林づくり推進支援金、野生鳥獣総合管理対策事業等にメニューがあることは承知しておりますが、予算規模が小さく、なかなか目に見えた成果につながっておりません。

 林務部長にお聞きします。

 この際、県民、国民の目に見える事業として、集中的に環境や景観整備に取り組み、森林の景観としての価値も広く内外にアピールしていくことはできないものでしょうか。お聞きいたします。

 

◆林務部長(塩入茂)

 景観としての森林の整備についてのお尋ねでございます。

 本県の森林はさまざまな機能、役割を担っており、信州の美しい景観を形成することもその一つです。それらの役割の維持増進のため間伐等の森林整備を進めているところです。しかしながら、まだまだ手入れが必要な森林が集落や道路沿いにも多く存在をしています。

 こうした中、森林税を活用した、みんなで支える里山整備事業により集落周辺の里山で間伐を集中的に進めた結果、昨年までの5年間の年平均間伐実施面積は森林税導入前の1.4倍に増加しており、事業を実施した地域の皆様からは、山がきれいになった、景観がよくなったという評価をいただいております。

 このような目に見える取り組みが県下各地で進むよう、市町村等と連携しながら、森林税事業だけでなく、国庫補助事業などのさまざまなメニューを有効に活用し、景観形成にも資する森林整備に取り組んでまいります。

 

◆山岸喜昭

 先ほど御答弁いただきました液状化地域への活用、そしてまた地盤対策への活用ということで、カラマツ林業が地域を支える産業に育つことを願いまして県当局の一層の御努力に期待を申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。

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