6月定例県議会-発言内容(山岸喜昭議員)

山岸喜昭

 おはようございます。順次質問をいたします。

 昨日、諏訪議員の質問から、遭対協の遭難対策、出動や訓練状況の答弁をいただきました。私からは、事故対応から事故防止予防策についてお伺いいたします。
 県全域の山岳で遭難事故が多発しており、過去最悪の数字となっております。また、ことし1月から5月までの山岳遭難発生状況を見ますと、県内で69件の山岳遭難が発生し、18人の方が亡くなりました。ことしも大変厳しい状況が続いております。
 そこで、遭対協の副会長でもある教育長にお尋ねします。
 中高年を初めとする登山初心者の多くが無装備、無知識で、山岳案内人をつけない、山岳会に属さないいわゆる未組織登山者であると考えられます。また、首都圏や県外からの登山者が多く、その人たちへの遭難防止予防策として情報提供や研修など事前の取り組みが必要だが、どのようにお考えか。お聞きします。

 続いて、観光部長にお聞きします。
 昨年より信州登山案内人制度を設けましたが、信州登山案内人として登録している地域別の案内人はどのくらいいるのか、案内人の講習会は実施はどのようにしているのか、県独自の登山案内人は遭難予防に有効利用していくべきと考えるが、お願いいたします。
 また、安全な登山のためにわかりやすい登山道が必要と思われます。
 そこで、環境部長にお聞きします。
 国立公園、自然公園などは、環境また事故防止予防のために登山道の整備、道標の設置など必要と考えるが、夏山を迎え、整備状況と今後の具体的な取り組みについてはどのように考えているか。お伺いいたします。

 

◆教育長(伊藤学司)

 山岳遭難防止対策についてお答えをいたします。
 山岳会等に属さず、山岳に関する知識や技術を習得する機会の少ない、いわゆる未組織登山者に対する注意喚起、意識啓発は、遭難防止対策の大変重要な視点だというふうに考えてございます。
 このため、本県では、本年度、新たに、年齢や男女を問わず親しまれている漫画「岳」の主人公を活用した啓発用ポスターやチラシを都市部の登山用品店等に掲示するなど、登山者の目にとまる啓発事業を展開しているところでございます。
 また、登山者自身の研修の場として、山岳総合センターにおける年間を通じた安全登山講習会や、県遭対協と県山岳協会との共催による夏山登山教室に加えまして、本年度は、民間企業が開催するイベントとタイアップし、首都圏における講習会を初めて開催しているところでございます。
 さらに、県内外の団体や企業などに、講師として、遭難防止のノウハウを有する山岳遭難防止アドバイザー、仮称でございますが、このアドバイザーを派遣する事業を新たに開始する予定にしてございます。
 今後も、全国の登山者を視野に、ニーズや課題の把握に努めながら、より効果的な遭難防止対策に努力してまいりたいと考えております。

 

◆観光部長(野池明登)

 信州登山案内人の地域別の人数、遭難防止への活用等についてのお尋ねでございます。
 信州登山案内人、旧制度から移行した方が270人、新制度になって登録した方が138人、現在合計408人が登録をいただいております。
 専門とする山域ごとの登録、これは新しい制度になってからの方々の登録でございますけれども、北アルプスが最も多く119名、次に中央アルプス・南アルプスが60人、八ヶ岳が67人、御嶽山が43人、北信五岳・志賀高原・関田山脈が38人、浅間・奥秩父が35人、このようになっております。

 次に、講習会でございますが、案内人が安全で楽しい登山を提供するため、新制度におきましては県で開催する研修会の受講を義務づけているところでございます。昨年は、山岳の歴史ですとか、もてなし等の座学研修を2回開催いたしまして286人が参加、安全確保や搬送技術習得のための実技研修は11回開催をいたしまして232人が参加をいただいております。このほか、救急法につきましては、各地の消防署あるいは日赤の講習会に参加をいただきまして、登録更新時にその受講証を提出、確認をさせていただいているところでございます。
 信州登山案内人が遭難防止に担う役割でございますが、案内人は、山岳の気象ですとか、遭難者の救出法、搬送法、応急手当てなど、いわゆるセルフレスキューに精通をした地元の山のエキスパートでございます。いざというときはリーダーとして事故防止のための措置をとらなければならない存在でもございます。
 また、案内人は地域の遭対協に属している方も多く、案内人としての長年の経験ですとか案内業務の中で得られる現場の最新情報をもとにしまして、登山者への相談、指導、あるいは救助に当たっている実態がございます。
 県では、山岳遭難防止の面でも登山案内人の活躍の場をさらに広げてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。

 

◆環境部長(山本浩司)

 登山道の整備、道標の設置等についてのお尋ねでございます。
 議員御指摘のとおり、山岳環境の保全、事故防止のためには、登山道の整備、道標の設置などは極めて重要であると認識をしております。
 登山道の整備や道標の設置等の多くは市町村や山小屋関係者によって実施されておりますが、県としましては、民間企業からの寄附金やふるさと信州寄付金を活用し、山岳環境の保全や登山者の安全確保のため、市町村や山小屋関係者に対し支援をしているところでございます。
 本年度も、当初予算に7件600万円を計上したほか、今定例会におきましても6件3558,000円の補正予算をお願いし、夏山シーズンを迎え、登山道の整備や道標の設置の支援を順次進めることとしております。

 次に、今後の取り組みでございますが、近年、中高年登山者、山ガール、ツアー登山者など、登山者層の多様化に伴い、山岳環境の保全と適正な利用などが大きな課題となっております。
 このため、本年度は、関係する市町村の担当者等とワーキンググループを設置し、山岳環境をめぐるさまざまな課題の整理を行い、その後、広く長野県の山岳環境のあり方について検討する場として、国、県、市町村を初めとした関係機関、関係団体や山小屋関係者等による山岳環境連絡会の設置を進めてまいりたいと考えております。
 あわせて、今年度、検討を進める上で必要となる県下の登山道の利用状況、荒廃の程度等の現況を把握するための調査を実施をしてまいります。今後、これら調査の結果を踏まえ、山岳環境の保全を進めるための方針策定の検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

 

◆山岸喜昭

 続きまして、高校の特色学科についてお伺いします。
 5カ年計画の基本理念に「一人ひとりの学びが生きる教育立県信州の創造」を掲げ、知・徳・体が調和し、社会的に自立した人間の育成を目標に取り組む中で、「信州に根ざし世界に通じる人材の育成」が基本施策であります。
 その中で、高校の特色学科の充実があります。特色学科につきましては、理数科、英語科、国際教養科、体育科などがあり、さらなる充実を図っている中で、地元小諸にあります小諸高校音楽科こそ信州に根差した世界に通用する人材の育成の場として高く評価しているところでございます。
 ピアノ、声楽、弦楽器、管・打楽器の専攻があり、今年度より電子オルガン専攻を設け指導に当たっているところでございます。
 成果として、県、東海、中部など大きな大会で金賞、グランプリなどを毎年のように受賞し、高い評価を受けているところであります。
 また、生徒の大学進学実績が高まっており、4年制大学へ8割が進学、本年度は管楽、声楽家を目指す3名が芸大に合格、ほか、公立、私立の音大へと進学をしているところであります。

 教育長にお聞きします。
 小諸高校の音楽科には各地で活躍している講師を初め優秀な指導者の充実がされ、東北信地方では音楽科の存在は周知されているが、これから中学校や音楽教室にも学科の魅力や情報を発信し、全県各地にいる将来期待される人材の掘り起こしが必要と思うが、いかがでしょうか。
 そしてまた、特色学科の活動や成果の課題研究の発表はそれぞれの学校で行われています。特に、音楽科はレベルが高く、各大会で優秀な成績をおさめているが、教育委員会として、広く県民や学生に知ってもらうための場、発表会などをふやすことはできないのか。
 そしてまた、グローバル社会に対し、世界につながる力の育成として、世界レベルの演奏やレッスン、そして同世代の音楽家に直接触れたり、異文化を体験し、視野を広げ、芸術、文化にイノベーションを創出していく人材育成が求められるが、どのようにお考えか。お聞きします。

 

◆教育長(伊藤学司)

 小諸高等学校音楽科についてのお尋ねについてお答えいたします。
 現在、小諸高等学校の音楽科に在籍している生徒の出身地区の割合は、東北信の生徒が80%、中南信等他の地域の生徒が20%でありまして、議員御指摘のように東北信出身の生徒が多数を占めている現状にございます。
 このような状況を踏まえまして、全県への周知のために、全県の中学校及び音楽教室に対して学校案内、体験入学、定期演奏会等の案内を発送するとともに、中学校や大手楽器店主催の会合への訪問を実施しているところでございます。さらに、今年度から、松本と伊那で中南信地区対象の学校説明会を新たに実施をし、音楽科の生徒による発表や職員による実技指導を予定しております。
 今後も、全県の中学校や音楽教室等に対しさまざまな機会を利用し情報発信をするとともに、音楽科の魅力を知ってもらう努力を継続し、有望な人材の発掘に努めてまいりたいと考えてございます。

 次に、広く県民や中学生に知ってもらうための場でございますが、現在、小諸高等学校独自の取り組みといたしましては、定期演奏会や音楽科の生徒による演奏会を、毎年、小諸と長野の2カ所で開催をしてございます。また、卒業予定者による演奏会も小諸で実施していると承知してございます。
 県教育委員会といたしましても、このような学校の取り組みを支援し、音楽科を広く知ってもらうためにさらに努力をしてまいりたいと考えております。

 最後に、グローバルに活躍する人材の育成についてでございますが、小諸高等学校におきましては、世界で活躍している日本人講師による公開レッスンを実施し、音楽を通して世界に羽ばたく人材育成に努めているところでございます。
 県教育委員会といたしましては、グローバル人材の育成のために、今後、海外留学の支援や県外の音楽科のある高校との交流、さらには知事部局とも連携を図りながら、支援等の方策について研究をしていきたいというふうに考えてございます。

 

◆山岸喜昭

 ぜひ、海外留学、また外人講師の採用等を御検討いただければと思います。
 知事にお聞きします。
 芸術文化分野で県内に根差して活躍できる人材育成には、小諸高校を含め県内多くの若者が将来県内で演奏活動などを展開できる環境づくりなどが必要であると考えるが、いかがでしょうか。

 

◆知事(阿部守一)

 演奏活動の環境づくりについての御質問にお答えいたします。
 心豊かな社会をつくり出していくためには、文化、芸術を支える人材の育成は重要なテーマだというふうに考えております。
 平成22年度から、長野県ゆかりの若手のプロまたはプロを目指す音楽家や美術家などを発掘して県立文化施設等での発表の場を提供するとともに、若手芸術家の活動情報などを県などのホームページで発信する若手芸術家支援事業、NEXTという事業を行ってきております。
 現在、この事業、130名の若手芸術家が登録をしていただいておりまして、このうち若手の音楽家は、小諸高等学校音楽科卒業生の方16名を含む73人の方に御登録をいただいております。
 平成24年度末までに、コンサートあるいは演劇の舞台発表会を11回、展覧会を6回開催いたしまして、延べ59人の若手芸術家の発表の機会を提供させてきていただいております。
 また、今年度から、若手芸術家の活動機会をさらに広げようということで観光との連携ということを考えております。ホテル、旅館での発表の場を提供することによって新しい活躍の場を提供していこうということで、若手芸術家観光コラボレーション事業という事業を新しくつくらせていただいたところであります。
 こうした支援、これからも行っていきたいと思いますし、また、しあわせ信州創造プランの中で「個性際立つ文化芸術の振興」ということを位置づけさせていただいておりますので、しっかりとこうした若手の芸術家の活躍の場の提供、あるいは人材の育成に取り組んでいきたいというふうに思っております。
 以上でございます。

 

◆山岸喜昭

 ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。続きまして、国道141号の4車線化についてお伺いいたします。
 佐久小諸ジャンクション周辺については、佐久市ではバイパスの4車線化工事が完成し、141号佐久小諸ジャンクションから臼田方面は大分交通量の緩和がされてまいりました。しかし、小諸市内におきましては、交通量が多いにもかかわらず、その整備が大変おくれております。特に、佐久小諸ジャンクションと国道18号線を結ぶ区間の平原交差点周辺は、東御市、小諸市、佐久市、御代田町方面からの幹線道路であり、4車線からいきなり2車線になるいわゆるボトルネックになっているため接触事故が多発している地帯であり、朝夕の通勤時においては大渋滞を起こし、冬場の降雪時には大事故を誘発しかねない状況が懸念されております。
 こうした中で、中部横断自動車道八千穂インターまでの工事が進み、供用開始に伴う社会環境の変化にもかかわらず、国道18号交差点から美南交番までの延長900メートルの暫定4車線化については、その後、事業化がされておりません。
 建設部長にお聞きします。
 インター接続のため、佐久小諸ジャンクション、141号から18号へつながる小諸方面への沿線の交通量が増加しており、周辺の接続幹線道路の整備は急務であるが、佐久小諸ジャンクションから佐久南インターまでの1日の車両の通行状況はどうであるか。そして、141号線の1日の車両の通行や交通状況はどうであるか。
 また、平成5年に141が開通し、4車線化の用地確保もされているが、20年の経過と行政の担当者の異動などある中で、引き継ぎや地元地域の要望などは十分に把握されているのか。
 そしてまた、当幹線は、緊急輸送路として第1次指定も受けている路線でもあり、県民の安心、安全のライフラインを確保するための災害対応についても、重要路線でもあり、南北佐久を結ぶ佐久平の主要幹線道路として地域経済発展に寄与することが大いに期待されていますが、4車線化の完成について今後の計画や方針についてお伺いいたします。

 

◆建設部長(北村 勉)

 国道141号の4車線化について4点御質問をいただきました。
 まず、中部横断自動車道の通行状況についてのお尋ねでございます。
 中部横断自動車道の1日当たりの交通量については、平成24年3月の調査時で、佐久小諸ジャンクション付近では約4,700台であり、佐久南インターチェンジ付近では約7,800台となっております。

 次に、国道141号の1日の車両の通行や交通状況についてのお尋ねでございます。
 国道141号の1日当たりの交通量は、平成23年7月の調査時で平原大橋付近では約1万7,400台であり、平成2310月の調査時で跡部交差点付近では約1万5,600台となっております。
 また、国道141号の混雑度は、平成22年度の道路交通センサスによりますと、小諸市美南交番から国道18号間の暫定2車線区間は1.36で、ピーク時を中心として混雑が発生している状況です。
 4車線化となっている佐久市上小田切から小諸市美南交番までの一部暫定2車線部分を含んだ区間の混雑度は0.47から1.13で、全体としては大きな混雑は見られておりません。

 次に、地元要望の把握についてのお尋ねでございます。
 長期にわたる事業を進めるに当たっては、常に地元要望をよくお聞きし、内容を把握することは極めて重要なことであり、市町村や地元代表者等との懇談の場を設け、意思の疎通を図っております。今後も、事業推進に当たっては、地域の要望や状況を十分に把握し、取り組んでまいります。

 次に、4車線化に向けての今後の計画の方針についてのお尋ねでございます。
 長野県総合5カ年計画において、小諸市平原から佐久市跡部までの暫定2車線区間の4車線化については、渋滞安全対策として計画期間の平成29年度までに事業着手することとしております。
 暫定2車線区間は約1.7キロメーターあり、主な構造物として橋梁の拡幅工事があります。具体的には、しなの鉄道をまたぐ平原大橋、橋長約200メーターと、千曲川を渡る浅蓼大橋、橋長約400メーターがございますが、この橋梁拡幅工事については、関係機関と調整を図るなど、より早期に事業着手ができるよう準備を進めております。
 以上でございます。

 

◆山岸喜昭

 ぜひ早期の事業着手をお願いしたいところでございます。続きまして、AEDの設置についてお伺いいたします。
 最近、AEDが活躍しているわけでございまして、私の目の前で実際に起きた事件でありますが、ある席で突然倒れまして、意識不明、心肺停止、参加者がおろおろする中で、行政の職員の適切な判断で、心肺蘇生、心臓マッサージ、そしてAEDを使っての救助活動により一命を取りとめることができました。
 また、早朝からの早起き野球の試合中にも発生したことがあり、多くの球友の適切な判断で一命を取りとめることができました。
 現代社会、このような事故が多くなり、AEDの必要性を肌で感じたところであります。
 健康福祉部長にお聞きします。
 AEDの取り扱いは消防署で講習会等を開催し、公共施設や大型商業施設、ホテル、旅館等に設置されておりますが、地域での設置場所がなかなかわかりづらいのが現状でございます。車のナビゲーションにはコンビニが地域の案内のポイントとして表記されているが、このような身近な深夜営業施設にも設置を進めることはできないものか。これを御提案いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

 

◆健康福祉部長(眞鍋 馨)

 AEDの設置についてのお尋ねでございます。
 財団法人日本救急医療財団によりますと、平成25年6月現在、県内に設置されているAEDの登録件数でございますが、これは4,597件ということでございます。1件で2台というところもございますので、一つの場所で1件と数えているんですけれども4,597件ということでございます。場所は、医療機関、介護福祉施設、公共施設、民間事業所等さまざまな施設のAEDが登録されているところでございます。
 人口10万人当たりで分析してみますと、これは212.7件となりまして、全国でも上から4番目に多いと、そういう状況にございます。
 AEDの設置につきましては、日本循環器学会のAED検討委員会などが設置基準などの提言をまとめております。この中では設置の推奨度を3段階に整理しているところでございまして、まずはAEDの設置が必須と考えられる施設としては、乗降客の多い駅や空港、学校、スポーツ施設、利用客の多い公共施設などが掲げられております。次いで、設置が推奨される施設といたしましては、公民館、郵便局、中規模の商業施設などが掲げられてございます。最後に、設置を考慮してもよいと思われる施設の中にコンビニエンスストアやガソリンスタンドなどが掲げられているところでございます。
 議員御提案のコンビニエンスストア等の深夜営業施設についても、第3段階目の設置を考慮してもよいと思われる施設に該当しているところでございます。
 県といたしましては、救命率の向上のためにはAEDは可能な限り身近な施設にも設置されていることが望ましいというふうに思っておりますので、今後、各消防本部とも連携いたしまして救命講習や啓発活動を進めていく中で、コンビニエンスストアを含めた中小規模の商業施設における普及にも努めてまいりたいというふうに思っております。
 以上です。

 

 

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