11月定例県議会-発言内容(山岸喜昭議員)

 

◆山岸喜昭

 順次質問いたします。最初に、経済・雇用対策についてお聞きします。

 11月の政府の月例経済報告によりますと、7―9月期の実質国内総生産が、前期比、年率換算で3.5%減と大幅なマイナスとなり、世界経済の減速などで事実上日本経済が景気後退局面に入ったということでございます。

 また、日中関係悪化も打撃となり、輸出が前期比で5%減と大幅に減少しております。さらに、国内家電の量販店大手3社もテレビ販売が7割も落ち込むなど生産減少にも歯どめがかかっておりません。また、個人消費も減速感を強めるなど、経済の低迷は内需全般に波及しつつあります。

 こうした状況を反映して、最近の県内企業を見ますと、9月に富士通が信濃町にある工場を解散する方針が表面化し、120人が県外グループへ異動、10月には東芝が佐久工場を柏崎工場に移管し、100人の従業員の異動を求めると発表、11月、JX日鉱日石エネルギーは佐久市にあるスペースエナジーの従業員219人を対象に希望退職を募ると発表、11月、電子楽器のローランドが松本工場の生産部門を浜松市に移転し180人を削減する方針を出し、同じく11月に、光学・計測機器製造のセコニックが池田町の事業所の縮小を図り45人の人員整理、同じく11月に、精密・電子部品製造のミスズ工業は諏訪工場で130人ほどの希望退職を募集、箕輪工場は閉鎖する方針を発表したわけでございます。

 このように最近の動きを概観しただけでも、大手製造業の生産拠点再編が県内の雇用に大きく影を落とし始めております。

 円高の定着、新興国の台頭による国際競争力の低下で、大手メーカーは相次いで国内生産を縮小し、工場の統廃合を加速させつつあります。加工組み立て型産業に特化した県内製造業の雇用は今後厳しい局面を迎える可能性が指摘されております。

 大手メーカーの生産拠点再編や工場閉鎖を含む大規模な退職者募集や人員削減は、その下請を担う中小零細企業にも関係し、地域に及ぼす影響は大であり、年末の近い時期であり、相談窓口の設置などの対応が早急に必要となっております。

 そのような中で、佐久地域は、早々に佐久公共職業安定所雇用対策推進協議会を発足させ、支援体制を整えているところでございます。

 そこで、商工労働部長にお聞きします。

 日本経済の景気が後退局面に入ったと言われる中、長野県の景気対策について、今、地域が一体となって対応を考えていかなければならない段階に来ていると思いますが、県は今後どのような対応をしていくのか。お聞かせください。

 そして、このような深刻な県内の雇用情勢に対する認識と、離職者、失業者等に対する再就職支援対策など今後何らかの支援策が必要と思いますが、どのような支援を行っていくのでしょうか。お考えをお聞かせください。

 

◆商工労働部長(太田 寛)

 県内の経済・雇用対策について質問をいただいております。順次お答え申し上げます。

 まず、景気後退局面に対します県の対応でございます。

 輸出依存度が高く、経営基盤が必ずしも磐石でない中小企業が多い本県経済にとりまして、海外景気の減速は大変厳しい状況をつくっているというぐあいに認識しております。

 このような状況を受けまして、環境や医療など将来有望な分野での販路開拓などに県も地域と一緒になって取り組んでいるところでございまして、今回の補正予算におきましても、来年2月に開催されます新エネルギーの専門展示会でありますエネテック・ジャパン2013を初め、国内外の国際的な展示会、商談会への出展支援事業を計上させていただいたところでございます。

 また、年末資金の借り入れ、それから来年3月の金融円滑化法終了を見据えた資金繰りの相談に応じます年末金融・金融円滑化対応相談窓口を、一昨日、1126日から県庁の経営支援課、各地方事務所商工観光課に開設したところでございます。これと同時に窓口を開設していただきました県下70の商工会などと連携いたしまして県内経済の下支えに取り組んでまいりたいと考えております。

 さらに、地域経済の活性化に向けましては、各地で行われる事業に県もその応援に加わるなど、地方事務所と本庁が連携した取り組みの徹底を図ったところでございまして、具体的には、市町村などが行います観光イベント等に県も積極的に加わるとともに、地方事務所の職員等の企業訪問の際には、県の支援策に加えて、市町村などの関連支援施策も同時にお知らせしていきたいというぐあいに考えております。

 今後とも、景気浮揚による一日も早い地域経済の立て直しに向けまして、地域が一体となった機動的な対応を図っていきたいと考えております。

 あわせまして、雇用情勢に対する認識でございます。

 1031日に長野労働局が発表いたしました9月の県内の有効求人倍率は8月と同じ0.80倍となっておりまして、全国平均の0.81倍を下回っているところでございます。

 長野労働局では、雇用情勢は依然として厳しい状況にあり、持ち直しの動きに足踏みが見られると判断しております。

 県といたしましても、中国経済の減速あるいは対中国輸出の減少などを背景といたしまして、経済・雇用情勢は当面厳しい状況が続くものと認識しております。

 離職者、失業者に対する再就職支援に対する対策についての御質問でございますが、御指摘がございましたような大規模な人員整理の対応に関しましては、議員御指摘のとおり、11月8日、佐久地域におきまして雇用対策推進協議会を開催いたしまして、国、県、地元の市、経済団体が一体となって迅速かつきめ細やかな対応をしていくことを確認したところでございます。

 また、1121日には、諏訪地域におきましても同じく雇用対策推進協議会を開催して関係機関が連携した支援策の強化を確認しておりまして、その他の地域でも今後同様な協議会が開催される予定でございます。

 これら地域単位での関係機関の連携強化に加えまして、12月3日には、長野労働局と合同で、経済団体も含めました県レベルの関係機関の連絡会議を開催いたしまして支援策の連携、協議を進めることとしております。

 県といたしましては、各地で離職を余儀なくされた方々に対しまして、長野労働局、それぞれ地域のハローワークなどと連携いたしまして、具体的にはジョブカフェ信州が現地に出向いて実施いたしますキャリアコンサルティングや技術専門校が民間教育訓練を活用して行います職業訓練によるスキルアップなどに力を入れてまいりたいと考えております。

 また、先ほどの景気の動向に関連をいたしますが、県内の約200社の主要企業から直接事業活動に関する最新情報あるいは企業の方々が必要としている新たな支援策をお聞きするということで、先週の1119日から緊急の企業訪問を始めたところでございます。こういった聞き取りを通じまして企業の動向やニーズ、生の声を把握いたしまして、必要な支援策を講じてまいりたいというぐあいに考えております。

 

◆山岸喜昭

 早急な支援対策が必要かと思われますので、よろしくお願いしたいと思います。

 次に、スノーリゾートの現状と今後の取り組みについてお伺いいたします。

 長野県のスキー場の利用者数は、平成4年の2,119万人をピークに減少し、昨シーズンは697万人とピーク時の約3割にまで減少しているのが現状でございます。また、県内のスキー場の数は、平成8年の110カ所をピークに、15カ所減少して現在95カ所となっております。長野県のグリーンシーズンの入り込みはやや上向き傾向にありますが、冬場の利用者の大幅な減少が県の観光客数の低迷に大きく影響している状況でございます。

 観光部長にお聞きします。

 スキー場利用者の減少の要因をどのようにとらえ、分析しているのか。お聞きします。

 また、昭和33年以来、白馬八方、岩岳、栂池高原といった長野県を代表するスノーリゾートを開発し運営してきた東急グループが白馬から撤退すると報じられました。突然の発表であり、地元を初め県内関係者も大きな衝撃を受けたことと思います。

 そこで、日本スキー場開発(株)がこれらの運営を引き継いでいくことになったと聞いておりますが、県はこの経営交代をどのように受けとめているのでしょうか。観光部長にお聞きします。

 

◆観光部長(野池明登)

 スノーリゾートの振興につきまして2点お尋ねをいただきました。

 まず1点は、スキー場利用者の減少要因でございます。

 長野県の利用者数、昨年は、その前の年の震災からの立ち直りということで若干増加をいたしましたけれども、平成4年をピークに減少傾向が続いていることは御指摘のとおりでございます。

 要因でございますけれども、全国的にもスキー、スノーボードのマーケットは縮小を続けております。その要因として、厳しい経済情勢からの可処分所得の減少ですとか、少子化、高齢化が進んでいるという社会的な要因に加えまして、近年、都市部の若者が自動車を保有しない傾向にあること、また、親がスキーをやらない世代になりつつあること、このようなことが考えられるところでございます。

 2点目の東急グループの撤退についての受けとめでございます。

 東急グループは、お話にありましたとおり、昭和33年に白馬観光開発株式会社を設立をいたしましてスキー事業を開始して以来、半世紀以上にわたりまして長野県のスノーリゾートを牽引をしていただいたところでございますけれども、グループの経営改革の中で、本年11月、その全株式を日本スキー場開発株式会社に売却をしたという経緯でございます。

 日本スキー場開発(株)の役員の皆さんと、知事、私もお会いをいたしまして、そのとき役員の皆様がおっしゃられていたことですけれども、安売り競争に陥らずに、サービスや質の高さで競争力をつけ、県内の他のスキー場と共存共栄をしていきたい、また、安全面など必要な投資はきちんとして白馬というブランドをしっかりと守っていきたい、そんな意気込みを話していただいたところでございます。

 既に県内2カ所でスキー場を経営をしておられ実績を上げている会社でございます。また、大町市から小谷村までの一体的なリゾート運営によるスケールメリットも発揮できるということで、県としても期待をさせていただいているところでございます。

 以上でございます。

 

◆山岸喜昭

 このようにスキー、スノーリゾート観光の厳しい現状を踏まえまして、スキー振興のために、索道組合から、昨年、県内小学生を対象に13万枚のリフト券を無料配布されましたが、リフト券の回収は1万4,700枚の約1割ほどで、効果も限定的なものでありました。今や、子供や若者、若い親たちのスキー離れが目立っております。

 観光部長にお聞きします。

 県は、スノーリゾートについて、今年度の取り組みで、どのような目標で、何を重点に、どのようなPR活動に取り組んでいかれるのか。お聞きします。

 続いて、教育長にお聞きします。

 このような状況の中で、オリンピック開催地でもあり、信州を代表するスポーツであるスキーの振興を図るためにも、児童生徒が郷土の文化ともいえるスキーにもっと親しむ機会が必要であると思いますが、もっとスキーの回数をふやすようなことは考えられないでしょうか。お聞きいたします。

 

◆観光部長(野池明登)

 今シーズンの取り組み方針と目標についてのお尋ねでございます。

 まずは、次世代のスキー人口を本格的に創出をするためには、何よりも、子供たち、そしてその家族がスキー場へ来て楽しさを実感してもらうということが大変重要と考えているところでございます。

 このため、今年度は、子供たちが楽しみながら上達できるレッスンプログラム、手ごろな価格帯のファミリーパック商品、優良品のレンタル、家族でゆったり食事ができるスペースの優先確保、各スキー場のさまざまな取り組みございますけれども、それらをファミリースタイルという共通のキャッチフレーズでプロモーションを官民挙げて行っているところでございます。

 スノーリゾートの今シーズンの目標でございますけれども、スキー場利用者数を毎年その前年よりふやしていくということで、今シーズンは700万人を目標に掲げております。また、県内の小学生に配布するリフト優待券の利用者数、先ほどお話があったとおりの現状にございますけれども、配布方法にもいろいろ工夫を加えまして、昨年度に5,000人を加えまして2万人を目標にしております。また、信州スノーキッズ倶楽部の入会者数も2万人を目指しまして、関係団体と連携を密にいたしまして現在取り組んでいるところでございます。

 以上でございます。

      

◆教育長(山口利幸)

 学校におけるスキー教室についてのお尋ねでございます。

 本県においては、小学校ではスキー、スケートを中心に、また、中学校では集団登山を中心に、本県の豊かな自然環境を活用しまして多彩な学校行事が実施されております。これらの実施に当たりまして、各学校においては、今、学習指導要領の改訂の節目に当たっているわけでございますけれども、それに伴い増加した授業時間を確保するため学校行事の精選を行い取り組んでいるところでありまして、本年度の予定を申し上げますと、本年度のスキー教室は、小学校が360校で96%、中学校が32校で17%、高等学校が20校で19%、それぞれ計画されておりまして、このところ一定の実施率を保っている状況にございます。

 したがいまして、今後、スキー教室の回数をふやすためには、限られた総授業時間の中でさらなる学校行事の精選が必要となるほか、また、保護者の経済的な負担の増加といった課題もございます。

 このため、県教育委員会といたしましては、学校におけるスキー教室の継続した実施とともに、先ほど観光部長が答弁申し上げたように、子供向けの取り組みを広く学校に普及することで児童生徒が家庭や地域においてスキーに親しむ機会がふえるよう努めてまいりたいと、こんなふうに考えております。

 

◆山岸喜昭

 ぜひ長野県のスキー人口の増加を望むところでございます。

 続きまして、信州教育についてお聞きします。

 人づくりの観点から見た信州教育のあり方について、一日の計は朝にあり、一年の計は元旦にあり、十年の計は樹を植えるにあり、百年の計は子を教えるにあり、教育は百年の計と言われます。人づくりはまず教育からというわけですが、教育はまさに国家の長期戦略でもあり、人材の育成こそが国家の要諦でございます。今、日本はそれをもう一度しっかりと再認識する必要があると思います。

 教育は百年の計といいながら、近年の日本の教育政策を見ると、基本方針が大きくぶれているといった感は否めず、朝令暮改と言っていいほど制度や方針がしばしば変えられています。ゆとり教育で総合的な学習の時間が注目されたかと思うと、学力が低下したからゆとり教育を見直そうといった意見が出たり、詰め込み教育は悪いとか、偏差値教育でいいのかなどの批判が出たかと思えば、薄い教科書でいいのかという声に反応して教科書が厚くなるというように、次から次へと変更、改革が行われているのが現状でございます。

 人材の育成は国家、社会のあらゆる分野の発展の基礎となるものであり、古今東西を問わず、教育政策は国家の重要課題でもあるわけでございます。教育は社会的存在としての人間一人一人の価値を高める作用であり、学校教育、社会教育、生涯教育、文化、芸術、スポーツに関する施策など、教育に関するあらゆる政策は人材の育成という視点を第一に行われるべきであると考えます。

 そこで、新任されました教育委員長にお聞きいたします。

 人材の育成、人づくりという観念から教育をとらえた場合、これからの長野県の教育は何を重視し、何に力を入れていくのか。長野県の未来に向け夢を託す子供たちにどのような信州人に育てていきたいと考えるのか。お聞きします。

 

◆教育委員会委員長(櫻井久江)

 長野県教育が目指す人材育成についてのお尋ねでございます。

 本県では、これまで、知・徳・体が調和し、社会的に自立した人間の育成を大切にし取り組んできております。また、このことは今後も引き続き取り組んでまいります。

 そのために、子供たちが自然体験、社会体験などを通じて感性を磨き、規範意識や思いやりの心を持ち、将来の夢や目標に向かってたくましく生きていく力をはぐくむ教育を重視をしてまいります。

 また、学校を開き、地域の教育力を活用し、学力、体力の向上も含めた取り組みを進めてまいります。

 こうした教育の推進により、豊かな人間性を備え、郷土に愛着と誇りを持ち、地域を担い、世界に貢献できる信州人に育てていきたいと考えております。

     

◆山岸喜昭

 続きまして、理想の教師像についてお聞きします。

 日本は悠久の歴史と文化を持った国であり、そして何よりも世界にたぐいまれな自然と四季に囲まれた美しい国であり、豊かな水と緑が山河に広がっております。

 自分が生まれてきた国を誇りに思うことはとうといことであり、この思いを子供たちに伝えることが実は教育の淵源なのであります。ところが、戦後の教育は制度が変わり、方向が変わってきて、自分の国を知らない若者、自分の国を愛せない国民がふえているのではないでしょうか。

 子供の自由、人権、個性、一見耳あたりのいい言葉が現場に流れていますが、それは一方でわがままな子供を育てていることにつながっているとも言えます。大きな話題となっているいじめの問題も、他人への思いやりや想像力の欠如、他人の痛みがわからないことに起因していると考えます。

 教育は人なりと言われております。教師とは、崇高な理念を持ち、思いを語り、気高き理想で理想に迷う子供たちを導くことが求められております。

 教育委員長にお聞きいたします。

 教育制度のあり方や教員の資質が問われる中で、教育委員長が考える信州教育を語り、教える理想の教師像とはどのような指導者を指すのでしょうかお聞きして、私の質問を終わりにいたします。

 

◆教育委員会委員長(櫻井久江)

 信州教育の理想の教師像についてのお尋ねでございます。

 議員御指摘のように、教員は、その存在が子供に影響を与え、子供とともに成長していくものであると理解しております。

 よって、本県では、教育の本質を問い、常に学び続ける教員、子供の思いを感じ取り、一人一人を大切にする教員、よりよい教育を求めて協働的に力を発揮できる教員であってほしいと考えております。こうした教員が子供や保護者の信頼を得ていくと考えております。

 古い話になりますが、私の子供が教員採用試験を受けさせていただいたときに、平谷の林芋村先生の句が出題をされました。

 「深雪せる野路に小さき沓の跡われこそ先に行かましものを」。平谷は阿智村の隣で本当に寒いところでありまして、雪の降るところです。そこを小さい靴の跡があって、子供が先に行ってしまった、ああ、何ということだ、冷たかったであろうという子供を本当にいとおしむその心が私は大事だというふうに思っております。本当に小さいことではあるかもしれませんが、こういう気持ちこそ本当に大切だと思っております。母親が子供をいとおしむように子供を慈しんで見ていただきたい、個人的にはそういう思いであります。

 そういう句を出されたということ、そのとき本当に感動いたしまして、今はっと思い出したところでございます。

 以上でございます。

 

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