9月定例県議会-発言内容(山岸喜昭議員)

  

◆山岸喜昭

 改革・新風の山岸でございます。長野県の自然公園についてお聞きします。

 我が国では、すぐれた自然風景地を保護するとともに、その利用の増進を図るために、一定の地域を自然公園に指定しています。国立公園は我が国の風景を代表するすぐれた自然の風景地で、国定公園はそれに準ずるすぐれた自然風景地で、ともに環境大臣が指定しています。県立自然公園は都道府県が指定しています。

 信州では、国立公園が4地区、国定公園が3地区、県立自然公園が6地区指定されております。その面積は県全体の約21%、また、全国では第3位の広さを誇っているわけでございます。

 自然公園内では、貴重な高山植物の生息地や、特にすぐれた風景地を特別地域、そしてそれ以外の地域を普通地域として区別しています。特別地域における工作物の設置や伐採などの行為は国または県の許可が必要であり、普通地域における工作物の設置や土地の形状変更などの行為につきましては届け出が必要となっております。

 観光立県信州には年間8,700万人の人々が訪れ、そのうち山岳観光は約60万人の登山者が利用し、群馬、山梨、静岡、愛知、岐阜、富山と周辺6県とつながり、重要な観光資源となっております。

 関係の周辺市町村では、従来から、環境省や林野庁を含め市町村の相互連携により、この自然豊かな地域を次世代に継ぐべく、自然環境や自然景観の保全、利用者の安全確保に対し一体となって努力しているところでございます。しかし、今、公園利用者や山野草、高山植物愛好家の増加により、環境省、林野庁、周辺市町村を初め各種保護団体など数多くの案内板や標識を設置し、自然環境保全や利用者の安全確保を推進してきましたが、相互の連携不足により類似標識が乱立し、少なからず自然景観に影響を及ぼす結果となっております。

 また、設置した標識の管理不足により、壊れた看板、また、実体のない団体等による未許可の看板設置なども見られ、すばらしい自然景観を阻害している現状にあります。したがって、各所の強力な連携により、改めて自然景観の保全について調査、検討することが必要であります。

 乱立する標識も決して不必要なものではなく、自然環境の保全や利用者の安全確保において必要なものであることから、各団体や行政間の連携によるデザインの統一性が求められております。

 そこで、環境部長にお聞きします。

 地域が広域にわたり、それぞれの設置者の現状を把握し、各エリアごとに標識の更新及び設置についての整備計画を策定し、県が積極的に景観育成を進めるべきではないでしょうか。

 

◆環境部長(荒井英彦)

 自然公園における看板の整備あるいは統一等の御質問をいただきました。自然公園内の各エリアで看板設置について県が積極的に景観育成を進めることについてのお尋ねでございます。

 現在、国立公園では、環境省が主体となりまして、上高地などの利用者の多い地域から順次案内看板などの整備に取り組んでおり、今年度から、上信越高原国立公園の浅間山ろく地域におきましてエリア内の公共標識の整備に計画的に取り組むよう、関係機関との意見交換や現地調査などを始めている状況でございます。

 一方、国定公園、県立公園につきましては、それぞれの事業者が独自に歩道整備などをするときにあわせて看板を設置しておりまして、エリアごとに看板類を中心とした整備計画は策定されていない現状でございます。

 議員御指摘のとおり、関係者の連携不足もありまして看板が乱立していること、あるいは壊れた看板なども放置されていることから、こうしたことは景観上問題があると認識をいたしているところでございます。

 今後、浅間山ろく地域の新たな取り組み事例などを参考といたしまして、行政機関や観光団体などで組織している自然環境保全協議会などを通じまして、自然公園内の標識整備につきまして関係者の合意形成を図るように検討してまいりたいと考えております。

 

◆山岸喜昭

 ただいま、協議されるということで、よろしくお願いしたいと思います。

 そして、信州の自然公園内に設置するすべての標識について、大きさ、素材、デザイン、そしてまた外国語案内表示など、統一できることが望ましいと考えるが、いかがでしょうか。

 

◆環境部長(荒井英彦)

 看板の大きさ、また内容などの統一を図ることについてのお尋ねでございます。

 自然公園内の看板につきましては、現在、環境省が、その看板の大きさ、あるいはデザイン、材質、外国語表示などについて整備方針を策定をしまして、国立公園を中心にしまして必要な情報提供あるいは指導を行っているところでございます。

 国定公園では、県が管理する歩道での看板の設置につきましては、環境省の整備指針に基づき県が整備を進めているところでございます。そして、市町村や観光団体などが新たに設置する看板につきましては、自然公園法に基づきまして、県が看板の大きさや色彩、材質などにつきまして指導を行っているところでございます。

 しかしながら、お話にもありましたとおり、自然公園内には古いもの、あるいは設置者が不明なものも多くありまして、それらのものの統合あるいは撤去につきましては、これは大きな課題であると認識をいたしております。こうした看板のデザインや内容の統一につきましても、先ほど申し上げました看板の整備と一体的なものとして、県も参画している各地域の自然環境保全協議会、あるいは地元の関係団体などと連携を図りながら今後進めてまいりたいと考えております。

 

◆山岸喜昭

 ただいま、新たに設置する看板につきましては県が指導するというお答えをいただきました。

 また、統一標識のうち、新しく設置する誘導看板につきましては、御提案でございますが、ポイントナンバーなどを表示して、携帯電話のGPS、また、バーコードとリンクさせたり、広域行政圏のパンフレットや山岳ガイドマップ、観光情報誌などに掲載することより、利用者の利便性の向上を図り、適切な情報提供だけでなく、登山者の安全対策、また山岳遭難の防止にも大いに期待できるものと考えますが、いかがでしょうか。

 

◆環境部長(荒井英彦)

 ポイントナンバーあるいはバーコードの活用についてということでお尋ねがございました。

 議員御提案のポイントナンバーあるいはバーコードの活用につきましては、ある意味で新たな取り組みでありまして、利用者の利便性を高めるとともに、遭難防止対策などにも有効な手段ではないかと考えております。

 先ほど紹介いたしました上信越高原国立公園の浅間山ろく地域における標識整備におきましても、誘導看板へのポイントナンバーの導入が計画されているところでございます。そうしたことから、今後、その効果を見きわめながら、関係者への情報提供なども含めまして検討してまいりたいと考えております。

 

◆山岸喜昭

 ぜひ取り組んでいただきたいと思います。富士山が自然遺産になかなか足踏みをしているのはこの部分でございます。本県におきましても至急に対応されることを望みます。

 続きまして、観光立県長野再興計画についてお尋ねします。

 県観光部創設以来、県の観光PR、誘客の強化、四季折々のイベント、企画等の取り組みに対して高く評価しているところでございます。しかし、全国的な観光地間の競争が激化している中、県内観光客数は平成3年の1億700万人をピークに減少の傾向となっております。県では、観光立県長野を目指し、平成20年度から5カ年で再興計画で四つの達成目標を掲げ、その実現に向けた施策を展開してきました。

 善光寺御開帳、信州DC、ことしはアフターDCが開催されています。「未知を歩こう。信州」をキャッチフレーズに多くのイベントが開催され、期間中における観光利用者の成果は残せたものと思います。

 そこで、観光部長にお聞きいたします。

 今回、信州DCにおける経済波及効果についてどのように評価しているか。また、満足度調査から今後に取り組むべき課題は何だとお考えでしょうか。お聞きします。

 

◆観光部長(野池明登)

 信州デスティネーションキャンペーンの経済波及効果と今後の課題についてお尋ねをいただきました。

 まず、キャンペーン期間中の観光客数でございますけれども、対前年で104.8%、消費額のほうは104.4%と前年を上回りまして、経済波及効果ですけれども110億円余りに上ると試算されているところでございます。

 今後の取り組むべき課題でございますけれども、お話にもございました期間中の満足度調査等によりますと、一つは、宿泊施設の満足度に比べまして飲食店ですとか土産品に関する満足度が若干低い傾向にございました。それから、宿泊よりも日帰り客の伸びが大きかったこと、それから、地域間での観光客の増減にばらつきがあったこと等の課題がわかっております。

 また、民間の調査結果でも、長野県、全国平均に比べまして旅行の際の小遣いに使う金額が低いという傾向も見られます。

 こうしたことを踏まえまして、今後は、食ですとか土産品などにつきまして長野県ならではの魅力を持った商品開発、それから積極的なPRに取り組むとともに、県内周遊や、その土地に行かなければ体験できない魅力的な体験などで滞在期間を延ばす取り組みを関係者一体となって進めてまいりたいというように考えております。

 以上でございます。

 

◆山岸喜昭

 続きまして、信州のデスティネーションキャンペーンは終了しましたが、イメージキャラクターと「未知を歩こう。信州」は継続されます。

 そこで、計画に掲げられた八つの重点プロジェクトの中で、これからの信州の観光振興の手段として、県内10の広域行政圏で、多様な地域特性に応じた観光振興施策を明記し、各エリア内の観光関係者との協議の場の設置など連携強化と計画のフォローアップを進めてまいっていますが、再興計画を実現するために、DCにより今回の掘り起こした未知なる観光資源を活用しながら、四季折々での観光PRキャンペーンに一層の力を入れるべきだと考えますが、いかがなものでしょうか。

 そしてまた、再興計画の中で、市町村、観光業者、観光関係団体など主体別の取り組み内容が掲げられているが、県では、各地域の取り組み状況をどのように把握し、進行している地域とおくれている地域についてはどのような対応をしているか。お聞きいたします。

 

◆観光部長(野池明登)

 まず、四季折々の観光キャンペーンについてお尋ねをいただきました。

 デスティネーションキャンペーンでは、ごく一例ですけれども、例えば下諏訪町の万治の石仏ですとか、南木曽町の桃介橋ですとか、これまでなかなか全国的には注目をされてこなかった各地域の観光資源を掘り起こしをいたしまして、全国に向けて情報発信ができたところでございます。

 また、長野県、大変県土が広く、標高差もございますために、四季の変化が鮮明でございます。1年を通して多彩な魅力を観光客の皆さんに楽しんでいただける高いポテンシャルを持っている県であるというふうに考えております

 こうしたことから、来年に向けましては、秋の観光キャンペーンだけではなく、四季折々、シーズンごとに各地域の魅力をアピールしていけるような方策を関係の皆さんとともに検討してまいりたいというふうに思っております。

 また、10広域の取り組み状況と課題のある地域への対応というお尋ねでございます。

 今の観光の計画には、初めて10の広域圏ごとの観光ビジョンというものを盛り込みまして、その推進体制として地域観光戦略会議を設置をしてございます。各地域の観光振興策のうち、例えば連泊による滞在型観光の推進ですとか、ボランティアガイド等の人づくりですとか、さまざまな手段による観光情報の発信等につきましては、それぞれ地域の皆様、大変な工夫をして取り組んでいただいておりまして、大きな成果を上げているところでございます。

 一方、観光の広域的なまとまりですとか、外国人旅行者の受け入れの推進ですとか、関係者の考え方が一つにまとまりにくいもの、こういったものもございまして、必ずしも進捗が芳しくない地域もございます。これらに対しましては、例えば観光地間をつなぐ周遊型の商品づくり、あるいは外国人旅行者の受け入れの研修会ですとか、観光案内板の多言語化などを通じまして地域の熱意ある取り組みを一層応援していきたいというふうに思っております。

 以上でございます。

 

◆山岸喜昭

 続きまして、インバウンドの政策についてお聞きします。

 ことしの震災、また、原発事故、円高などから、遠のいた外国人旅行者を県内に誘致するために積極的な誘客活動が必要かと思われますが、どのように進めていくでしょうか。

 

◆観光部長(野池明登)

 外国人旅行者の今後の誘客活動についてでございます。

 日本を訪れる外国人観光客ですけれども、震災後の4月に前年の約3分の1まで減少いたしましたけれども、その後、国と地方が連携をいたしまして、海外のメディアですとか旅行会社の招聘、それから海外でのプロモーションの展開などを通じまして正確な情報提供に努めてまいりました結果、直近の8月では前年の約3分の2まで回復をしている状況でございます。

 多くの外国人旅行者を誘致をするためには、こういう大変厳しいときだからこそお互いの顔の見える信頼関係を築いていくということが大切であろうというふうに考えております。11月の中国での知事のトップセールスを初め、今後、台湾、中国、それからタイで商談会を開催する予定にしております。

 また、外国人のニーズを踏まえまして長野県の特徴を生かした新たな観光資源を発掘するために、外国人観光客向けプラチナルート発掘事業に要する経費を今定例会にお願いをしているところでございます。

 以上でございます。

 

◆山岸喜昭

 ただいまの御答弁のトップセールスは特に効果があると思います。

 そしてまた、スキーシーズンを前にしてお聞きします。

 ことしは長野スキー発祥100周年の節目の年に当たるわけでございます。これを機に、低迷しているスキー業界に対し、新たにスノーリゾート信州構築事業が進められる中、情報の発信やPR等、現在の進捗状況をお聞かせ願います。

 

◆観光部長(野池明登)

 スノーリゾート信州構築事業の現在の進捗状況についてでございます。

 県内のスキー場利用者数660万人ということで、ピーク時の3分の1以下に減少している状況でございます。そのため、新たなスノーリゾート振興策に取り組むことを目的といたしまして、県、市町村、索道事業者、スキー用品メーカー、県体育協会など52の団体による官民一体の全県的な推進体制、スノーリゾート信州プロモーション委員会を去る9月9日に立ち上げたところでございます。

 現在の準備の進捗状況でございますけれども、みんなで統一して使うキャッチフレーズを「信州はスノーリゾートの新世紀へ!」と伝えまして、既に7月に東京、大阪でスキー商談会を開催をいたしましたほか、県内小学生へのリフト優待券の配布、教育委員会と連携したその利用促進、それからレンタル用品店の優良認定制度の導入、将来を展望したシンポジウムの開催など、既に取り組みを進めましたり、準備を進めているところでございます。

 以上でございます。

 

◆山岸喜昭

 厳しい時代を迎えているわけでございますが、ぜひお取り組みをお願いいたします。

 続きまして、知事にお伺いいたします。

 知事は、東日本大震災による観光需要の減少に対し、素早く夏に向けての大型キャンペーンを実施するなど迅速な対応に努めてこられました。そして、今後、日本においては高い経済成長が見込めない中、また、長野県観光の現状を踏まえ、本県の観光産業を守るために、新しい5カ年計画に掲げるべき施策も含め、次なる観光施策をどのように考えているかお聞きしまして、質問を終わります。

 

◆知事(阿部守一)

 次なる観光施策をどう考えるかというお尋ねでございます。

 観光という観点から申し上げたときに、私は、長野県、まだまだ強みを生かし切れてないんじゃないか、やるべきことがいっぱいあるんじゃないかというふうに思っております。

 長野県の価値あるいは強みを生かしていくという観点から申し上げれば、例えば森林とか豊かな農村を活用しての森林セラピーとか農村セラピーとか、そういういやしを都会の人たちに提供するという観点での取り組みであるとか、あるいは長野県は博物館や美術館が非常に多い、これは公立、民間含めて非常に多い地域でありますが、そうした施設をもっと生かした、あるいはそれぞれの地域の伝統や文化、そうしたものをもっとネットワーク化して発展をさせていくような文化と連携しての観光であるとか、長野県の持っている強みをより生かしていくということが重要だと思っております。

 それから、移住・交流推進本部というものをつくりました。これは、いわゆる狭い意味での観光だけではなくて、子供たちの地域間の交流も含めて、あるいは今林務部で森林の里親をやっていますけれども、例えば都会の企業に森林の里親になってもらって間伐等に来てもらうとか、そういう広い意味での交流施策の推進ということも重要なテーマであるというふうに思っております。

 また、ターゲットを明確にしての誘客ということで、これから団塊の世代が高齢層に入っていらっしゃる中で高齢者のニーズというのはふえてくると思います。そうした高齢者の方々のニーズに合った観光であるとか、あるいは長野県は県外に行くとスポーツ合宿のメッカという感覚でとらえられているところもありますので、そうしたスポーツ合宿の誘致でありますとか、あるいはコンベンションやイベント等、いわゆるMICEへの取り組みといったようなことで、これは、単に宣伝するとかいうことだけではなくて、具体的につないでいくという行動が必要だというふうに思っております。

 さらには、先ほどお話ありました海外、一時的に冷え込んでおりますけれども、インバウンドについても力を入れて取り組んでいくことが重要だと思っております。

 また、観光立県ということで言っているわけでありますので、単に観光部の取り組みだけではないんじゃないかというふうに私は思っております。

 先ほどもお尋ねありました景観面、公共サインの話を含めた景観の問題、あるいは物産の振興、さらには道路の整備とか、そうしたものも含めてトータルで長野県の強み、ポテンシャルを生かした観光の振興に努力をしてまいりたいというふうに考えております。

 以上です。

 

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