2015.2月定例県議会-発言内容(続木幹夫議員)

 

◆続木幹夫

 順次質問に移ります。小中学校の統廃合について伺います。

 文部科学省は、昨年の12月、公立小中学校の統廃合を促すために、統合の際の基準を、現行の小学校で4キロメートル以内、中学校で6キロメートル以内としている通学距離に加え、通学時間がおおむね1時間で統合できるという、今までよりも遠くの学校と統合できるようにするとの新基準を示しました。この基準には強制力はなく、基本的には市町村の教育委員会が判断するというものでありますが、本県には77市町村もあり、場合によっては市町村を超えて組合立として統合することも考えられ、そうした場合にはやはり県が調整に乗り出さなければならないと思います。

 そこで、教育長に伺います。 本県としてはこの文科省が出した統廃合の新基準に対してどのような対応をするつもりでしょうか。そして、もし県として小中学校の統廃合を積極的に進める方針とした場合、本県においてはどのくらいの小中学校が統廃合の対象となるのか。伺います。
 
 
◆教育長(伊藤学司)
 
 文部科学省の小中学校の統廃合の基準への対応についてのお尋ねでございます。

 県教育委員会では、文部科学省における検討よりも早く、昨年4月に少子・人口減少社会に対応した活力ある学校環境のあり方及び支援方策を策定し、魅力ある学校環境の姿や、望ましい学校規模、学級規模の提示、また統合や小規模校の連携等による活力ある学校モデルの提案とともに、県の役割として、統合や連携による地域ごとの特色ある取り組みへの支援を明記するなど、市町村の主体的な取り組みを後押しをしているところでございます。

 文部科学省が1月下旬に策定をいたしました手引は、学校統合による魅力ある学校づくり、また創意工夫を生かした小規模校の存続等、市町村が主体的に選択した取り組みを支援する位置づけとされ、一律の基準ではなく、あくまで対応の目安であると承知をしてございます。

 この県の支援方策、また国の手引ともに統廃合ありきの方向性に立つものではなく、内容にそごはないことから県としては県の方針に影響は生じないものと認識をしてございまして、今後も、県の役割として、統合や連携による市町村の主体的な特色ある取り組みを支援をしていきたいというふうに考えてございます。

 次に、統廃合を積極的に進める方針の場合の対象校についてとのお尋ねでございますが、今申し上げましたとおり、県教育委員会の支援方策、また文部科学省の手引はいずれも統廃合の基準を明確に定めているものではございませんので、統廃合の対象となる学校が何校かということをお示しすることはできないわけでございますが、例えば文部科学省が学校統合等により適正規模に近づけることの適否を速やかに検討する必要がある目安として示してございますクラス替えができない規模、すなわち小学校であれば6学級以下、中学校であれば3学級以下について申し上げますと、昨年5月1日現在のデータでいきますと、本県では小学校139校、中学校36校が6学級以下、3学級以下にそれぞれ該当しているという状況でございます。

 
 
◆続木幹夫
 
 次に、地場産業活性化戦略支援事業について伺います。

 阿部知事と加藤副知事におかれましては、太田副知事のものについてはまだ間に合っていないようでございますけれども、常に漆塗りのネームプレートを率先してつけていただき、また、2012年の6月定例県議会における私の一般質問で漆器などの伝統的工芸品産業の振興にかかわる質問をしたところ、早速、補正予算により地場産業活性化戦略支援事業を実施していただきました。知事におかれては漆器に殊のほか思い入れがあるようで、木曽漆器の産地塩尻市民の私にとってもとてもうれしく思っているところであります。 そして、この事業を契機に進めている取り組みとして、先ごろ東京ドームで開かれた全国最大規模の食卓関連商品の展示会、テーブルウェアフェスティバルに木曽漆器を出展したところ、このブースには昨年の2倍の来場者があり、大盛況であり、木曽漆器の関係者は大変喜んでいるところであります。

 そこで、この地場産業活性化戦略支援事業の実施によって伝統的工芸品産業の振興にどのような効果、実績があったのか。そして、今後は本県の伝統的工芸品産業をどのように振興していかれるのか。産業労働部長に伺います。
 
 
◆産業政策監兼産業労働部長(石原秀樹)
 
 伝統的工芸品産業の振興についての御質問でございます。

 御質問の地場産業活性化戦略支援事業では、専門知識を有するプロジェクトマネジャーが伝統的工芸品の各産地を訪問しまして、新しい商品の企画からPRパンフレットの作成まで、さまざまな相談にアドバイスを行っております。 また、御指摘の東京で開催されました国際的な展示会への出展などを通じまして販路開拓にも支援を行っております。 その結果、展示会における商談件数が延べ120件を数えるとともに、そのうちの3分の1の約40件で販路開拓や新しい商品企画につながってきております。 また、これらの過程におきまして、各産地では、消費者ニーズに応じた商品開発の必要性やPR手法の向上に対する意識が高まったほか、産地間、事業者間の連携も深まったものと考えております。

 これらの状況を踏まえまして、来年度は、さらにパワーアップした伝統的工芸品産業魅力アップ・創造事業によりまして販路開拓や後継者育成をさらに充実させるとともに、地域資源製品開発支援センターと連携して新しい商品開発を促進するなど、各産地の実情に応じたきめ細かな支援に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 
 
 
◆続木幹夫
 
 次も伝統工芸品産業の振興にかかわる質問ですが、漆器のユネスコ無形文化遺産登録についてお伺いいたします。

 2013年12月、和食が、国連教育科学文化機関、通称ユネスコの無形文化遺産に登録され、そして、昨年11月には和紙もユネスコの無形文化遺産に登録されました。そして、今、漆器も、石川県輪島市の漆器工芸作家、以下、漆芸家と言わせていただきます、が中心となって日本の漆文化をユネスコの無形文化遺産に登録をするよう求める活動が、石川県知事を先頭に行われているのを御存じでしょうか。 漆器は英語で「japan」と表記されるように、漆器もまた、和食や和紙と同様に、日本独自の特産品であります。

 和紙については、無形文化遺産に登録されたのは国の重要無形文化財に指定されている埼玉県の細川紙、岐阜県の美濃紙、島根県の石州半紙の三つの産地であります。しかし、日本には和紙の産地はほかにもあり、本県にも飯山市の内山和紙があります。その中で特に有名な越前和紙がなぜか登録されず、当地の人たちは非常に悔しがっているということであります。

 そこで、私が懸念するのは、もし漆器がユネスコの無形文化遺産に登録されたときに、そこに木曽漆器が入っていなかったら塩尻市木曽平沢の漆芸家たちはどんなに悔しがるだろうということです。 日本には、漆器の産地が、木曽漆器のほかに、紀州漆器、会津漆器、越前漆器、山中漆器などがあります。それぞれの産地の漆器にはそれぞれ特色があり、誇りを持っています。木曽平沢の漆芸家たちも、木曽漆器は、いずれの産地のものよりも技術的に高く、丈夫で比較的安価であり、ふだん使いの漆器に向いていると自負しています。しかしながら、木曽漆器は、率直に言って、先ほど挙げたいずれの産地よりも生産量が少なく、いまひとつ知名度、ブランド力ともに若干劣っていることを否めません。

 いよいよ、来月14日、北陸新幹線が開業し金沢まで延伸されます。この開業によって首都圏の多くの乗客が長野を素通りしてしまうことが懸念されています。 私は、2012年6月の定例県議会で、長野に比べ金沢がまさっているものは何かといえば、その一つはやはり加賀百万石の伝統工芸ではないかと主張いたしました。くしくも、昨日のテレビニュースで、新しい金沢駅には加賀の伝統工芸がふんだんに施してあると伝えられておりました。 したがって、私が、ここで、地元の木曽漆器の振興、さらにはユネスコの無形文化遺産への登録を訴えるのは、何もこの微妙な時期に地元向けのリップサービスということではなく、本県の伝統工芸品を代表する木曽漆器のブランド化はそのまま本県の伝統工芸のブランド化につながると考えるからであります。

 塩尻市では、生産量をふやすために、市内の旅館や飲食店が漆器を購入した場合、その購入費の半額を補助する制度があり、500万円の予算がつけられていますが、しかしながら、塩尻市だけでは宿泊施設や飲食店は少なく、この予算も未消化で終わっているようであります。そこで、県でこのような助成制度を設けていただければ漆器の普及にさらに大きな効果があると思われます。 また、塩尻市では、市内の小中学校に漆塗りの箸を配布し給食で使用しております。そこで、県としても、木育の一環として、本県内の小中学校に漆器を配布し給食で使う、このようにしたらどうでしょうか。 そして、ブランド化の一環としては、長野オリンピックではメダルに木曽漆器が施され、話題となりました。

 そこで、2020年の東京オリンピックにも何らかの形で木曽漆器を生かすことができないかということです。例えば、メダルのケースに木曽漆器を施したものにするなどということも考えられます。 いずれにしましても、石川県では、知事を先頭に、漆器のユネスコ無形文化遺産登録に力を入れています。 そこで、本県においても、石川県同様、知事が先頭に立ち、木曽漆器のユネスコ無形文化遺産登録に積極的に運動をするべきと思いますが、知事にお伺いいたします。 
 
 
 
◆知事(阿部守一)
 
 お答えします。

 長野県、伝統工芸品の振興にこれまで以上に力を入れていこうということで取り組んでおります。

 先ほど具体的には部長からお答えしたとおりでありますけれども、長野県の強み、そして世界に対して長野県のよさを発信していく上では、伝統的な技術、技法、こうしたものをしっかりと次世代にもつなげていくということが重要だと思っております。

 ユネスコ無形文化遺産への木曽漆器の登録というお話でございますけれども、昨年の12月に木曽漆器工業協同組合の皆さんと県政ティーミーティングで懇談をさせていただいたときに、こうした話題が出ました。私も非常に興味深くお話をお伺いしたわけでありますが、ユネスコ無形文化遺産、国の重要無形文化財として指定された民俗芸能や工芸技術などの中から、国により、ユネスコ、国連教育科学文化機関に提案され、そこで審議の上登録されるという形になっています。

木曽漆器は、良質な木材と伝統的な技術、技法の積み重ねにより育まれました本県が誇る伝統工芸品でありますが、指定に当たって必要となります伝統的な技法等を保存、継承する保持団体がないことなどの理由から国の重要無形文化財になっていないという現状であります。漆器では現在輪島塗だけが指定されているという状況であります。 木曽漆器のユネスコ無形文化遺産登録については、その前提となります国の重要無形文化財の指定ということが必要になってまいります。国の重要無形文化財の指定ということも含めて、関係団体や地元の市の意向も踏まえて、今後、検討、研究していきたいというふうに考えています。 以上です。
 
 
◆続木幹夫
 
 ただいま知事から答弁がありましたとおり、ユネスコの無形文化遺産に登録されるにはまず国の重要無形文化財とならなければなりません。そういう意味で、ただいま知事からまず国の重要無形文化財に指定されるよう努力するというお言葉を聞きましたので、よろしくお願いいたします。

 次に、木育についてお伺いいたします。 今、塩尻市では片丘地区において信州F・POWERプロジェクトが着々と進んでおります。この4月には、いよいよ全国でも最大級の製材所が稼働いたします。言うなれば、本年は本県にとって林業の再興元年ともいえる年です。そして、塩尻市では、今、この信州F・POWERプロジェクトを機に木育が盛んに行われるようになりました。 木育とは、木と触れ合うことにより、木を学び、自然とのかかわりを主体的に考え、豊かな心を育むことでありますが、筑波大学ではこの木育についてその効果を検証いたしました。その結果、木育は明らかに子供の情操教育の一環としてとても有効であるという報告をしています。

 長野県は、全国でも森のようちえんが多く、森の中で子供を育てる取り組みが盛んですが、今後、この木育について本県ではどのように進めていくつもりか。林務部長に伺います。 また、知事は、さきの知事選で、木と森の文化を長野県に根づかせると公約いたしました。そこで、知事に伺いますが、具体的にどのような施策を考えているのかお伺いして、私の一切の質問を終わらさせていただきます。 
 
 
 
◆林務部長(塩原豊)
 
 木育推進についてお尋ねをいただきました。

 県では、信州F・POWERプロジェクトを初めとする施策によりまして自立した林業の確立を目指しておりますとともに、県民の皆様に大切な資源である木材に対する親しみや理解を深めていただくことを目的に、平成20年度から木育推進事業を実施しているところでございます。

 これまでに、63の市町村、170カ所で事業が実施され、林業体験や木工体験を通じた学習活動が行われております。また、来年度は、身近な木製品のメンテナンスを通じて木のよさを学ぶ木製品再生活動も新たなメニューとして追加したいと考えております。

 今後の取り組みといたしましては、木育推進事業を平成29年度までに県内の77の市町村全てで実施するとともに、また、各地域のみどりの少年団活動や、さらには企業の皆様が独自に取り組んでおられる木育活動とも連携をいたしまして、子供から大人までが木と触れ合える機会をふやしてまいります。  以上でございます。


 
◆知事(阿部守一)
 

 木と森の文化の創造に向けた施策という御質問でございます。 私、長野県、あるいは長野県に限らず、日本の美しさ、よさの原点というのは、やはり木と森の文化に根差したものがあるというふうに思っております。 県土の8割が森林という長野県においては、森林を生かして取り組んでいく、そして暮らしの中にもっと木の文化を取り入れていくということが重要だというふうに考えております。 信州F・POWERプロジェクトを通じて、一つは林業県へ転換していかなければいけないというふうに思っておりますが、それとあわせて、新しい分野で木材を活用する、あるいは暮らしの中に木材を取り入れていく、そうした取り組みをどんどん進めていきたいと思っております。

 例えば、さまざまな場所での木の活用という観点では、しなの鉄道の車両の内装木質化をしておりますし、また長野駅の木製大ひさし、こういう部分で長野県の木のすばらしさというものを発信をしていきたいと思います。 また、自然エネルギーの普及拡大を目指しておりますが、その中でも木質バイオマス、非常に重要なエネルギー源でもあります。まき、あるいはペレットストーブ、こうしたものをもっともっと普及拡大をさせて暮らしの中に木のエネルギーを取り入れていきたいと思います。加えて、おけ、たる、そうしたものが今木以外のものに置きかわってしまっている部分がありますけれども、もう一回、木のすばらしさというものを再認識して普及拡大をしていきたいと思っています。 加えて、観光面でも、来年度に向けて、森林セラピー、力を入れて取り組んでいこうと思っておりますが、こうした森林セラピーであるとか、あるいは山の日というものを通じて、森林と観光あるいは医療、健康づくり、こうしたものをしっかりと結びつけることによって、木、森、こうしたものを核にした新しい産業もつくり出していきたいというふうに考えております。

 こうした取り組みによりまして、長野県の強みであります森の恵みを暮らしの中に取り入れて、木と森の文化を長野県から発信をしていくべく努力をしていきたいと考えています。 以上です。

 

 

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