11月定例県議会-発言内容(続木幹夫議員)

 ◆続木幹夫

 順次質問いたします。まず、ICT教育と反転授業について伺います。

 ICT教育とは、情報通信技術、つまりICTを駆使した教育のことであり、既に全国の教育現場でその導入が図られているところであります。

 そして、反転授業とは、このICT教育の中の教育手法の一つで、生徒たちが新たな学習内容を自宅でビデオやタブレット端末などを使って予習し、教室では講義は行わず、逆に、従来であれば宿題とされていた課題について教師が個々の生徒にあわせた指導を行ったり、生徒が他の生徒と共同しながら取り組む形態の授業で、既に佐賀県の小学校などで取り入れられています。この教育方法は、学力向上、とりわけ応用力の向上に効果があるとの報告もあり、注目されています。

 佐賀県では、このICTを積極的に利活用した先進的ICT利活用教育推進事業に取り組んでいます。そして、ICT教育に取り組む目的として、一人一人の個性や能力に応じたわかりやすい授業の実現、時間的、空間的制約を超えて、いつでも、どこでも、誰でも受けられる教育の実現、特別支援教育などにおける児童生徒の機能障害に対する補完、代替機能の付与、これからの国際社会で生き抜く力の必須となる情報活用能力、いわゆる情報リテラシーの習得、向上、さらに教職員の負担軽減を掲げ、多岐にわたる今日的教育課題を解決するために有効な手段であると捉え、積極的に教育現場へのICTの導入を図っています。

 そこで、教育長に伺います。

 ICT教育についての本県での現状と課題、これからの導入方針、そして反転授業についてのお考えについて伺います。

 

◆教育長(伊藤学司)

 ICT教育と反転授業についてのお尋ねでございます。

 多様な情報を活用する能力や他者と協働するコミュニケーション能力を向上させるため、ICTを活用した教育は大変有効であるというふうに認識をしております。

 本県では、タブレット端末を活用するなど先進的に取り組んでいる学校も一部にはございますが、ICTを積極的に活用した教育は全体としてはまだ十分には進んでいないという状況と認識をしてございます。

 このため、県教育委員会では、今後、小中高、特別支援学校にモデル校を指定し、子供たちに確かな学力をつけるためにICT機器を積極的に活用した効果的な指導方法の成果を積み重ねるとともに、その成果を普及することによってICT機器を積極的に活用した教育を推進してまいりたいと考えてございます。

 なお、議員御指摘の反転授業につきましては、ICT機器を活用した取り組みの一つであり、従来の授業形態を大きく変える可能性を持っておりますが、一方で、家庭における学習環境の差が子供たちの理解に影響するのではないかなどの指摘もあるところでございまして、今後の先進地域における取り組みを注視してまいりたいと考えております。

 

◆続木幹夫

 さきに行われた全国学力テストでは、本県は応用力という面で全国平均より劣っているという分析結果もあります。また、一説には、この反転授業、10年後には理科や数学の授業の主流になるのではないかとされていますので、どうか本県においても早急にその研究を進め、導入を図ることをお願いして、次の質問に移ります。

 次に、捕獲のプロ集団の育成について伺います。

 野生鳥獣の捕獲については、本議会においてもたびたび論議され、オオカミ、吹き矢、わな等々さまざまな提案がなされているところでありますが、これといった抜本的な解決策が見出せないでいるのが現状であります。

 そこで、私も、かくなる上は自衛隊の出動をとも考えたのですが、いろいろと調べてみましたが、やはりこれも難しいようです。しかし、事ここに至っては百家争論している場合ではありません。

 10月に私どもの会派で八ヶ岳高原を視察してまいりましたが、そこの管理人の方は、このままニホンジカなど野生鳥獣がふえ続ければ、20年後には食害によって丸裸になってしまうのではないかと嘆いておられました。

 環境省も、このまま新たな抜本的な手を打たない場合、ニホンジカは12年後の2025年には日本全体で現状の倍の500万頭になると試算しております。

 そこで、林務部長に伺いますが、本県は、特定鳥獣保護管理計画を立て、ニホンジカを毎年3万5,000頭ずつ捕獲し、最終的には1万頭まで減らす計画を立てていますが、現時点でこの計画どおりに捕獲が進んでいるのかどうか。そして、今後、この管理計画で書かれている管理の手法で計画達成ができると考えているのか。伺います。

 

◆林務部長(塩入茂)

 捕獲のプロ集団の育成について御質問いただきました。

 特定鳥獣保護管理計画に基づくニホンジカの捕獲の進捗状況と計画達成の見通しについてでございます。

 本県では、平成23年度から5年間実施しております第3期特定鳥獣保護管理計画に沿って毎年計画的に捕獲を進めることで、平成22年の推定生息頭数105,000頭を平成27年度までに3万5,000頭まで減らす計画を定め、将来的には1万頭まで減らすことを目標にしております。

 この計画に対する捕獲の実績については、平成2324年度2カ年の目標頭数6万頭に対して101%の6万835頭を達成しております。本年度においても、10月末現在の捕獲頭数は2万3,197頭で対前年同期比128%となっております。計画期間半ばではございますが、順調に捕獲が進んでいると認識しております。

 今後は、捕獲を進める中で新たな課題となっている雌鹿捕獲の促進のため、県下一斉雌鹿捕獲強化期間を設定して一層の捕獲対策の強化を図るとともに、モニタリングにより捕獲の効果を検証しつつ、計画目標が達成できるよう取り組んでまいります。

 

◆続木幹夫

 ただいま林務部長から目標達成ができるという答弁いただきましたが、ちょっと想定外の答弁でございまして、6月に私がジビエの質問をしたときに、昨年度は3万5,000に対して2万7,000というように聞いておりましたし、また、林務部長のおっしゃられるとおりにこの計画で目標達成されるということであれば、誰も野生鳥獣について悩む必要はないわけですし、ここにおいても論議されるわけではないわけでございます。

 再度質問いたしますが、この計画で本当に目標達成ができるのか、あるいは管理計画で書かれている従来の手法で目標達成できると確信しているのか。再度林務部長にお伺いいたします。

 

◆林務部長(塩入茂)

 先ほどお答えしました第3期の特定鳥獣保護管理計画、この目標につきましては平成23年度から27年度までの計画でございます。23年、24年度につきましては、合計で6万頭の計画に対して先ほど申し上げたとおり6万835頭、これは実績でございますので計画どおり進んでいるというふうに思っております。

 ただ、現在、先ほど申し上げましたとおり、課題となっている部分につきましては雌鹿の捕獲が計画に対し若干進んでいないということがございますので、雌鹿の捕獲を非常に強化するということがこれからの大きな課題でございますので、27年度までの保護管理計画については目標達成は可能だと思いますが、その後につきましては、モニタリング調査しながら、最終目標につきましては今後しっかり検討していかなければならないと思いますし、取り組んでいく必要があると考えております。

 

◆続木幹夫

 再度林務部長には答弁いただきましたが、私は林務部長の見通しは非常に甘いと思っております。

 私は、現在のようなボランティア頼みの体制では目標達成は無理だと思います。私は、かくなる上は、県下の各地域に狩猟をなりわいとする、言うなれば捕獲のプロ集団を組織し野生鳥獣の捕獲に当たるしかないと思うのであります。

 その先進事例として、小諸市役所では、3年前から野生鳥獣捕獲の専任者を1名置き、成果を上げていて、私もこの方にヒアリングしてまいりましたが、この専任の職員を配置してから野生鳥獣の捕獲数が24年度には前年度の約2.5倍にふえ、本年は最終的に昨年度よりその捕獲数がさらにふえるとのことです。

 この方の主な捕獲方法は、わなを仕掛け、わなにかかった野生鳥獣を猟友会などの支援を得て捕獲に当たるというものです。

 しかしながら、既に幾つか課題を抱えており、一つは、この方は小諸市役所の職員という立場ですから捕獲の範囲は基本的には小諸市内ということですが、何せ相手は野生鳥獣ですから、小諸市内にとどまらず、地区外の猟友会などの人たちとも連携を図りながら捕獲に当たらなければならないとのことです。

 私は、小諸市のように、県下の各市町村に捕獲の専門職員を配置できればよいと思うのですが、しかし、公務員という身分で専任者を置くというのは費用対効果あるいはマネジメントという面から難しいと思います。

 そこで、例えば、提案ですが、捕獲を主な業務とするNPOを県下各地域に設立させ、県はその団体に例えば森林税などを財源に助成金を出し、そしてある程度の所得保障をしてやり、言うなれば捕獲のプロ集団によって野生鳥獣の減数を図るしかないと思うのですが、いかがでしょうか。林務部長に伺います。

 

◆林務部長(塩入茂)

 NPOなどの野生鳥獣を捕獲するプロ集団の組織化、育成についてのお尋ねでございます。

 NPO法人や事業者による捕獲の実施につきましては、現在、環境省において、鳥獣の捕獲等を専門に行う事業者を認定し、安全性を確保した上で業務の円滑な実施と効率的な捕獲を促進する制度の創設について検討が進められております。

 県といたしましても、効率的な捕獲を進めるためには専門的な技術を有する担い手の確保や組織的な捕獲体制の構築が重要であると認識をしております。市町村長が市町村職員や猟友会員などを任命し編成する鳥獣被害対策実施隊や、集落ぐるみで捕獲や防除を行う集落等捕獲隊の充実強化を図って捕獲を推進しているところです。

 今後は、国の検討の動向を注視しながら、これら専門的な技術を有する捕獲者を有効に活用して、さらに効率的、効果的な捕獲が進められる体制を市町村や猟友会等の関係者と協力して整備してまいりたいと考えております。

 

◆続木幹夫

 ただいま林務部長から答弁ありましたとおり、実は、この提案をしたのは、国が2015年に鳥獣保護事業者を認定する制度を創設することを検討しているという報がありましたのでこうした提案をいたしました。ぜひ、この制度を制定した後は、この事業を利用して捕獲のプロ集団をつくり捕獲に当たっていただきたいと思います。これには大きな財政支出も伴うと思いますが、私は、今何らかの抜本的な施策をとらなければますます事態は深刻になると思いますので、ぜひここで大胆な施策をとることをお願いして、次の質問に移ります。

 次に、子ども支援条例(仮称)について伺います。

 県当局におかれては、子どもの育ちを支えるしくみを考える委員会において熱心な議論がなされ、本年7月に委員会から提出された最終取りまとめを踏まえ、条例制定に向け取り組まれていることと承知しております。

 この条例の名称は未定ですので、以下、子ども支援条例と言わせていただきますが、私は、基本的には子供の権利に係る条例は制定すべきという考えであり、条例化する以上、単なる理念条例では意味がなく、子供や親から相談を受けたり、申し立てがあれば調査し、必要があれば勧告、是正要請などを行う機関の設置がこの条例と一体不可分であると考えます。

 そこで、この最終取りまとめを見ますと第三者機関のあり方の概要も提示されています。しかし、この概要図を見てもいま一つ具体的なイメージが湧いてきません。

 知事は、本年6月定例県議会で、清沢議員の第三者機関にかかわる質問に対して、費用対効果を全く度外視するというわけにはいかない、費用対効果というものも勘案しながら、県の政策としてどういう具体化をすればいいかということを考えていきたいと答弁しておられます。

 そこで、知事に伺います。

 この答弁から5カ月経過しており、また、昨日からパブリックコメントが実施され、子ども支援条例の骨子案が示されました。そこで、現時点でこの第三者機関は具体的にどのような組織とするお考えなのか。伺います。

 また、知事といたしましては、この骨子案を踏まえて、全体としてどのような実効性のある仕組みをつくろうと考えているのか。伺います。

 

◆知事(阿部守一)

 子ども支援条例についての御質問にお答えを申し上げたいと思います。

 第三者機関のイメージと全体の仕組みについてということであります。

 まず、子ども支援条例につきましては、施策を総合的に推進し、子供の最善の利益を実現していくということを目的にしています。

 御質問にありました第三者機関、これは、地方自治法に基づく附属機関として、有識者等3名以内で組織する委員会というものを現在想定をしております。

 委員会の役割は、子供の人権侵害に関する案件で解決が困難なものについて、相談者からの申し出に基づいて第三者的な立場で問題の解決や救済に当たるということにしております。

 また、調査の結果、明らかに子供の人権が侵害され、救済を図る必要があると認められる場合には、関係する県の機関に対し是正、改善措置等を行うよう意見、勧告することを想定をしております。

 また、この委員会と新たに設置を考えております子供に関する総合相談窓口につきましては、受付窓口を一本化するなど相談から救済まで一体となって対応できる、相談される側の方々にとってわかりやすい仕組みにしていきたいと考えております。

 また、全体の仕組みでありますが、子供を支援するための理念に基づきまして、子供の支援や子供を支える側への支援に関して施策の基本的方向性を定めてまいります。そのことによりまして、例えば子ども会活動やボランティアを通じた子供の社会参加の促進でありますとか、放課後児童クラブや児童館等子供が安心できる居場所の整備、相談窓口の整備等による保護者あるいは学校関係者等に対する支援、こうしたことを通じて、全ての子供たちが将来に希望を持ち、みずから成長する力を十分に発揮して伸び伸びと育つことができるよう、さまざまな施策、取り組みを展開してまいります。

 現在、パブリックコメントを実施中でございます。さまざまな御意見を伺う中で、広く県民の御理解が得られる条例にしていきたいと考えております。

 以上です。

 

◆続木幹夫

 先日、公契約条例にかかわる勉強会がありまして、その折、講師は、最初から完璧な条例を目指してはいけない、それがたとえ理念条例のようなものであっても、制定後、実効性のある条例に育てていけばよい旨の発言がありました。

 私は、この子ども支援条例についても多々御不満のある議員の方もいらっしゃると承知しておりますが、まずは制定し、意義ある条例としていこうではありませんか。

 以上で一切の質問を終わります。

カテゴリ

アーカイブ