9月定例県議会-発言内容(続木幹夫議員)

◆続木幹夫

 改革・新風の続木幹夫です。順次質問いたします。

 まず、私からも、才教学園で適切な免許を持たない教諭が授業をしていた問題についてお聞きいたします。

 西沢議員も発言いたしましたが、私はこの問題の一番の被害者は才教学園に通う児童生徒であると思います。才教学園には私の地元塩尻市からも多くの児童生徒が通っていますが、この問題が発覚して以来、幾人かの保護者が私のところに来て、学園内の大きな混乱と不安な状況を訴えてきました。とりわけ、この保護者が心配することは、今まで社会のルールは守りなさいと説いていた教師が、実はみずからが社会のルールを破っていたという現実に無垢の小学生が直面し、明らかに大きなショックを受けていて、親としてもどのように対応したらよいのかわからず、子供のこれからの人格形成に大きく影響を及ぼすのではないかということを心配しています。

 また、先日、才教学園のスクールバスを見かけたのですが、全ての窓をカーテンで覆い、バスの中が見えないようにして走っていました。この中には当然才教学園に通う児童生徒が乗っていたはずで、この児童生徒たちはどのような思いでこのバスに乗っていたのでしょうか。なぜ、何の罪もない幼い子供たちがこのように世間の目をはばかるような行動をとらなければならないのか、とらされているのか。私は怒りを覚えました。

 先ほど西沢議員の質問に、県も検査の過程で瑕疵があった旨の答弁がありました。ということであれば、このような尋常ならざる思いをさせられ傷ついた子供たちに対して何らかのケアをする責務が県にもあると思いますが、県としてどのような対応をなされるのか。総務部長に伺います。

 また、一部の県民が学園に交付した補助金を県に返還させるよう求める住民監査請求を起こしましたが、県としては今まで交付した補助金を返還するよう学園に請求するのか。総務部長に伺います。

 さらにまた、12月と来年3月に支払う予定だった計約1億500万円の補助金を支給停止するとのことですが、このまま補助金の停止が続けば才教学園は一層経営難に陥ることが予想され、児童生徒にこれまでのように十分な授業を受けさせることができるのか保護者は非常に不安に思っています。

 そこで、補助金の停止はいつまで行い、また、再開するとすれば、いつ、どのような段階で再開をするのか。総務部長に伺います。

 一方、一部の保護者や関係者からは、免許のない教員が授業を行っていたとはいえ、児童生徒には高い学力をつけさせ、多くの生徒を県内のトップ校に進学させているのだから、これ以上事を荒立てず、児童生徒には今までと同様に平穏な教育環境に戻してほしいという声もあることも承知しています。私も、一刻も早くこの件についてはけりをつけて、児童生徒たちには平穏な教育環境を取り戻してほしいと思います。

 しかしながら、ここで、いかに実績や功績があったとしても、社会のルールを犯したものは相応の罰を受けなければならないということを子供たちにもしっかりと示さなければならないと思います。その意味で、今県警は教育職員免許法違反の疑いで捜査をしていますが、学園理事者への処分は司直に任せるしかないのですが、県も、現地調査の際に提出された教員の時間割り表をほかの資料と照合せず、違反状態を見逃していたとの報道がされています。これが事実だとすれば、今回の事案は県にも責任が生じてくると思いますが、総務部長に見解を伺います。

 いずれにしても、今後、補助金の問題やイメージダウンによって学園の運営が相当厳しくなると思われ、多くの保護者は、今までのような教育環境を保てるのか、その点を不安に思っていると同時に、今までの進学実績を頼りに学園には今後も通わせたいと思っています。

 そこで、県としては、一定のけじめをつけた後、これからも才教学園の子供たちが安心して学べるよう、学園の存続に向けた施策を講ずるべきと思いますが、私からはこの件について知事に伺います。

 そして、この問題が発覚後、県は他の私立学校にも同様な状況がないか調査し、その結果、他の私立学校にはなかったとのことですが、県は、こうした学校法人の認可や検査のほかにさまざまな許認可権を有しており、認可した施設や団体などの設置等の許認可に関する審査、そして設置後の検査の責務を負っていますが、こうした審査や検査において今までともすればなれ合いや見落としがあったのではないかと危惧されます。

 そこで、この際、今後こうした問題が再発しないよう、全ての部局において現在行っている審査や検査の内容が適正かつ厳正、厳密に行われているか再点検すべきだと思いますが、総務部長に伺います。

 

◆総務部長(岩﨑弘)

 才教学園の問題について数点にわたってお尋ねをいただきました。順次お答えを申し上げます。

 まず、児童生徒の心のケアに対する対応についてという点についてでございます。

 御指摘の点について、児童生徒にとって信頼を寄せていた校長あるいは教頭先生が事件を引き起こしたということ、それによって学級担任が変更になるなど教育環境に変化が生じたこと、こういった事態については児童生徒にとっての心の負担になっているものというふうに推察することはできるというふうに思います。

 私どもとしても児童生徒の様子には強い関心を持っております。したがいまして、学校にはその状況などについて確認をしてきているところでございます。現状について私どもがお聞きしているところでは、2学期当初不安を感じていた子供たちも現在は落ちつきを取り戻して学校生活を送っているということ、月1回程度スクールカウンセラーによる相談日を設けておりまして、これまで2回相談をして、生徒、保護者から相談を受けているということ、そういったことをお聞きしているところでございます。これからも、学校とは連絡をとりながら、必要な相談に応じていきたいというふうに考えております。

 続いて、2点目の補助金の返還についてというお尋ねでございます。

 今回の事案の事実についてはまことに遺憾なことでございまして、県では今回の事案の事実関係、原因の究明、再発防止策の策定などにつきまして才教学園に要請をしているところでございます。また、県も事実関係や原因の調査を継続しているところでございます。

 今年度の補助金あるいはこれまでに交付した補助金の取り扱いについてでございますが、今回の事案の全体像を把握をしました上で対応することが適当、あるいは必要というふうに考えているところでございます。

 3点目でございます。県にも責任があるのではないか、あるいは瑕疵があったのではないかという御指摘でございますが、才教学園が長期間にわたって免許法違反の授業を行わせていたという今回の事案については、全国的にも例はなくて、特異な事例だというふうに認識をしております。

 その上で、違反を発見できなかったのは、才教学園から提出された教員に関する定例的な報告などに事実と異なる記載がそれとわからない形でされていたということ、加えて、免許法の遵守は当然であるというふうに考えていたこと、県としてはそう考えていたということから疑いの目を持たなかったということに原因があるというふうに考えております。

 平成18年2月に県が現地調査を行った際に教員の時間割り表の提供を受けたことも事実でございます。当時の県の担当職員、才教学園の担当の双方へ聞き取り調査を行っておりますが、提供された経緯については明らかになっておりません。当時はさきに申し上げたような状況下で、教員免許の種類と時間割りの突合が必要であるというまでの認識は持っていなかったのではないかというふうに推測をしているところでございます。

 免許法違反が長年にわたったことは大変残念なことでございまして、今回の事案の全体を把握していく中で県としても反省すべき点を確認をいたしまして、今後の私学行政の中で生かしてまいりたいというふうに考えております。

 続きまして、許認可における審査や検査内容の調査についてという御指摘でございますけれども、県におきましては学校法人のほかにも複数の許認可権限を有しておりまして、許認可に当たっての審査や許認可団体に対する検査を行っております。例えば、施設開設に当たっての部内審査委員会における審査、開設後の専門部署における現地監査の実施、こういったことをそれぞれの部署において対応してきているものというふうに考えております。

 許認可に関する審査や検査内容について全ての部局で調査すべきとの御提案についてでございますけれども、新規の申請に関する審査あるいは定期的な検査、監査、そういったものを行う中で、その方法が最適かどうかということを常にチェックしながら、より効果的、効率的な実施方法に向けて改善をしていくという意識を職員あるいは職場がしっかり持つことが肝要だというふうに考えております。

 したがいまして、今回の事例を踏まえてさらに適正な審査、検査に臨んでいくように、機会を捉えて周知徹底を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

 

◆知事(阿部守一)

 才教学園についての御質問でございます。学園の存続に向けた施策を講じるべきと思うがいかがかという御質問でございます。

 才教学園、私学の独自性を生かして、小学校からの英語授業の実施、少人数教育、小学校での専科教育の充実など特色のある教育を実践してきた学校であります。才教学園には今まさに学んでいる子供たちが約500名いらっしゃるわけで、今回の事件、その子供たちには何の責任もないわけであります。

 今回の事件の反省、信頼回復に向けた真摯な取り組みについては学園に厳しく求めていきたいと考えておりますが、将来に向けては、子供たちの教育環境を守っていくことについて県としても可能な協力をしていきたいと考えております。

 以上です。

 

◆続木幹夫

 ただいま総務部長からは、既に、才教学園、平穏に戻っているという答弁がございましたが、これはちょっと認識が違う。私が直接保護者から聞いている限りでは、いまだに混乱していて、中の多くの児童生徒は転校も考えているといった状況であるようです。そういう意味で、繰り返しますが、この事件の一番の被害者は才教学園に学ぶ子供たちです。一刻も早く児童生徒が平穏に安心して学べる教育環境にしていただくことをお願いして、次の質問に移ります。

 次に、知事の歴史観等について伺います。

 阿智村に、県も7,000万円の出資をして、満蒙開拓平和記念館がこの4月25日に開館いたしました。開館式には知事も出席されました。私も出席し見学してきましたが、そこには、関東軍に見捨てられた開拓民がソ連軍や現地の中国人に追われる際の筆舌しがたい悲惨な体験談がつづられていました。私は、この体験談を読み、改めてさきの大戦、戦争とは何だったのか考えさせられました。

 そこで、知事に伺います。

 知事も開館式に出席された際、館内を見学されたと思いますが、知事におかれてはこの平和記念館を見てどのような感想を持たれたのか。伺います。

 また、私は、たとえ地方自治体の首長や議員であっても、歴史観が議員や首長の政治行動を決める大きな要因になると思っています。

 そこで、伺います。

 さきの大戦とはどのような戦争であったと捉えていますでしょうか。とりわけ、日本が中国を初めアジア各地で行った戦争は侵略戦争であったのか、それとも自衛、防衛のためのいたし方ない戦争であったと捉えているのか。伺います。

 そして、さらに、今、安倍自民党政権は、憲法を拡大解釈、あるいは変えて、集団的自衛権の行使容認を図ろうとしています。

 集団的自衛権については、平成22年の9月定例県議会において、村石正郎議員の質問に対して、知事は現憲法下では集団的自衛権の行使はできない旨の答弁をしていますが、その考えは今も変わりがないか。伺います。

 

◆知事(阿部守一)

 歴史観等についての御質問に順次お答えしたいと思います。

 まず、満蒙開拓平和記念館を見てどう感じたかということでございます。

 満蒙開拓平和記念館、大勢の皆さんの熱意で開館にこぎつけたわけであります。私も開館式に出席をさせていただいて記念館を見学をさせていただきました。本当に希望を持って満州に渡られた皆さんが、敗戦によって悲惨な逃避行あるいは収容所生活に至った経過、写真であるとか資料により大変胸に迫る形で説明をされております。

 また、体験者の記録、さまざまございます。私も、拝見をして、本当にこれがこの世の現実なのかというふうな思いでいっぱいであります。例えば旧ソ連軍の侵攻に伴う逃避行では、仲間の団員らが空腹などで次々倒れ、死の逃避行だった、逃避行の最中、泣き声で居場所がわかってしまうとして多くの子供が川に流され命を落とした、開拓団員の大勢が栄養失調や疫病で亡くなり、畑の遺体は次第に山となっていった等々、本当に人間として耐えがたい証言がたくさんあります。

 現地で命を落とされた方々、あるいは残留を余儀なくされた方々、あるいはそうした方々の御遺族のお気持ちを思うと、二度と決してこうしたことが繰り返されてはならないという決意を新たにしたところでございます。

 それから、第2次世界大戦の捉え方についてでございます。

 我が国の政府、これまで、総理大臣談話として、終戦後の節目節目において見解を国際社会に向けて発信をしてきております。例えば、戦後60年、小泉内閣総理大臣談話では、「先の大戦では三百万余の同胞が、祖国を思い、家族を案じつつ戦場に散り、戦禍に倒れ、あるいは、戦後遠い異郷の地に亡くなられています。また、我が国は、かつて植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。こうした歴史の事実を謙虚に受け止め、改めて痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明するとともに、先の大戦における内外のすべての犠牲者に謹んで哀悼の意を表します。悲惨な戦争の教訓を風化させず、二度と戦火を交えることなく世界の平和と繁栄に貢献していく決意です。」と。私は、こうした見解、真摯に受けとめて尊重したいというふうに考えております。

 現在の平和、繁栄、戦争によって心ならずも命を落とされた多くの方々のとうとい犠牲の上に成り立っているということに常に私たちは思いをいたすべきだというふうに思っております。

 二度と戦争の惨禍が繰り返されることのないように、恒久平和の実現に向け、国際的な相互理解のもと、未来志向で日本としての責任を果たしていくということが重要だと考えております。

 集団的自衛権の行使についてででありますが、平成22年の9月定例会におきまして基本的には政府見解と同じ意見であるというふうに御答弁申し上げましたが、現在においても政府見解も変わっておりませんし、私の意見も変わっておりません。

 以上でございます。

 

◆続木幹夫

 ただいまの知事の集団的自衛権に対する答弁で、当時の政府見解と変わらないということで、当時は民主党政権でございました。当時私が思っているところは、民主党政権、集団的自衛権の行使は容認しないという立場だったと思いますので、知事も集団的自衛権については行使すべきではない、こういった考えであると捉えております。

 さきの大戦で日本は大きな犠牲を払い、そして大きく反省し、今の日本があります。日本が直接攻められているわけでもないのに、再び他国と戦闘ができるようにしようなどということは愚の骨頂であります。このことを主張して、私の一切の質問を終わります。

カテゴリ

アーカイブ