2月定例県議会-発言内容(続木幹夫議員)


◆続木幹夫

 改革・新風の続木幹夫です。それでは順次質問いたします。

 まず、信州F・POWERプロジェクトについて伺います。

 昨年9月、阿部知事と小口塩尻市長とで、国内でも最大規模の製材所と木質バイオマス発電所とが併設された施設の建設計画が発表されました。この計画が具現化すれば本県の林業と山林の様相を一変するものとして驚きをもって迎えられ、小口市長は、塩尻市にとって100年に一度の挑戦として、新年度予算案に関連費として9,716万円を計上し、全市を挙げてその受け入れに向けて取り組んでいるところです。

 しかしながら、最近になって、このプロジェクトに対して、規模が適正なのか、あるいは縮小すべきではないかという声が内外から頻繁に聞こえてくるようになりました。そして、こうした声に影響されてか、私の地元でも一部ではありますが不安の声が上がってきていることを心配しています。特に、不安として聞こえてくるのは、やはり年間20万立米もの間伐材が十分に供給できるのか、あるいは、無理やり木材を調達しようとする結果、周辺の山林ははげ山になり、数年のうちに供給が尽きてしまうのではないかといった懸念の声まで上がっています。

 これらの懸念については、さきの本会議や委員会で林務部長が重ねて回答しているところではありますが、まだこれらの懸念に対して一部市民に理解が得られていません。

 そこで、林務部長に伺います。

 この規模となった根拠と約20万立米もの間伐材が永続的に搬出、供給できるのか。その見込みと方法について伺います。

 

◆林務部長(塩入茂)

 信州F・POWERプロジェクトに関連して、木質バイオマス発電の規模と間伐材等の供給見込みについてお尋ねをいただきました。

 信州F・POWERプロジェクトで建設する発電施設の規模は、長期的な経営の観点から主となる大型製材施設が本格稼働した場合の木材使用量、先ほど言われました年間20万立方、これを根拠としているところでございますが、具体的には、製材に向かない材や製材端材、これが年間15万立方発生する上、端材は乾燥しているために効率よく発電できるため発電規模を毎時1万キロワットに設定したものでございます。

 間伐材等の資源は、半径50キロメートルの集材範囲の民有林の毎年1年間の増加量だけでも73万立方ございます。これを持続的に活用していく方法としましては、路網の整備、関連する事業体の機械化等を集中的に進める林業経営団地の設定を行い、木材の生産性の向上を図りながら確実に供給できる体制を整えます。

 また、効率的な木材供給体制も必要となりますので、今後、サプライチェーンセンター機能を持つ体制の構築を通じ、木材の物流管理等のシステムづくり、持続的な森林活用や木材の取引に係るルールづくり、合法証明の発行の仕組みづくりなどを行い、持続的な供給を確実なものにしてまいります。

  

◆続木幹夫

 ただいま林務部長から回答をいただきましたが、まだちょっと具体的ではない部分がありますが、聞くところによると、いわゆるQアンドAのようなもの、あるいはそういった資料がつくられているということで、そういったことを期待しまして、私としましては地元に帰ってあらゆる手段を講じて現在の不安払拭に努めたいと思います。

 さて、そこで、塩尻市民が不安に思っていることは間伐材のことばかりではありません。この計画が事業化されれば、1日当たり往復で大型トラック約110台が通行すると試算されています。とりわけ、長野自動車道のインターチェンジから計画地に至るルートは幾つか想定されていますが、いずれのルートも大型トラック延べ110台もの通行に耐え得るものではなく、大幅な改良整備が必要となります。これらの改良整備を塩尻市が一手に担うのは塩尻市にとって大きな負担となります。

 また、さらに、施設建設予定地に隣接する二つの河川についても、安全性を確保するために砂防工事も必要となります。

 このことについては、先日、地元の対策委員会が知事に要望書を提出したところではありますが、県道や河川など県が当然負うべき部分については県に整備していただけると思いますが、それ以外についても、本県林業活性化のためにこの施設を塩尻市が受け入れるわけですから、整備、改良に伴う財政的な支援もしていただけるのか。知事に伺います。

 いずれにしても、先ほどから何度も申しますが、塩尻市は信州F・POWERプロジェクトに対して、当初計画、つまり年間製品出荷量2から3万立米の製材所、毎時1万キロワットの木質バイオマス発電所を想定し、さらには、この発電所から排出される毎時160トン、80度Cの温水を利用しての農業施設等の建設に向けてプロジェクトチームを立ち上げました。全市を挙げてこの実現化に向けて既に走り出しました。したがって、もしここで事業縮小、変更などということになれば大きな混乱をもたらします。

 この事業は知事が命名したほどの知事肝いりの事業と認識しています。したがって、この事業の成否は何より知事の意気込みにかかっていると思います。

 そこで、この事業に対しての知事の意気込みも改めて伺います。

 

◆知事(阿部守一)

 信州F・POWERプロジェクトについての御質問でございます。

 まず、道路、河川など関連施設の整備支援についてという御質問でございます。

 御質問にもありましたが、このプロジェクト、塩尻市を初め、国も含めて、産学官一体で進めていこうというものであります。塩尻市、地元の皆さんの御協力には感謝を申し上げたいというふうに思います。

 先般、地域の皆さんから、道路、河川など周辺環境の整備についてさまざま御要望をいただいたところであります。このプロジェクトを実現していく上では課題が幾つかあろうかというふうに思いますが、しかしながら、御指摘あったような市が本来行うべき道路などへ直接支援するというのはこれはなかなか困難だというふうに思っております。県、市それぞれ役割を踏まえつつも、相互に協力し合って課題を解決していかなければいけないというふうに考えています。

 それから、信州F・POWERプロジェクトへの意気込み、私もF・POWERプロジェクトはいろんなところでこれまでも御説明をしております。長野県、森林県だけれども林業県ではないという思いの中で、本当に長野県が林業県になるにはこのプロジェクトの成否に長野県の浮沈がかかっているというふうに考えています。そういう意味で、このプロジェクト、是が非でも成功させていかなければいけないというふうに考えておりますし、このプロジェクト、全国的にも類がない先進的な取り組みでもあります。そういう意味で、全国にも、あるいは世界にも発信できるプロジェクトだというふうに考えています。総合5カ年計画の中にもしっかりと位置づけております。

 続木議員御質問の中にも、いろいろ御懸念が示されているというお話もあります。私もそういう声を伺うこともありますが、林務部ともそういうところはしっかり話して、まだまだ我々のほうの伝達というか説明が行き届いていないところもあるんじゃないかと思いますので、しっかりと疑問には答える中でこのプロジェクトを全力で進めていきたいと考えています。

 以上です。

    

◆続木幹夫

 先ほど知事からも回答がありましたとおり、この事業は全国でも前例のない事業ですので、これからさまざまな課題が出てくると思いますが、計画どおり平成27年度事業開始を目指していただき、翌平成28年に本県で開催される全国植樹祭は、ぜひ本県林業復興の象徴となる塩尻市で開催していただくことをお願いして、次の質問に移ります。

 次に、政治教育について伺います。

 昨年12月の総選挙は、消費増税、社会保障制度改革、TPP、原発など、これからの日本の行く末を大きく左右する争点があったにもかかわらず、投票率は59.32%、本県においても63.36%で全国で4番目に高い投票率ではありましたが、やはり過去最低の投票率でした。我が会派がこの1月に下伊那で行った県政対話集会においても、こうした低投票率を憂えた質問が県民から出されました。

 私は、この中で特に問題と思われるのが、20歳代から30歳代にかけての若者の投票率がより低くなってきているということです。平成5年7月に行われた第40回衆議院議員選挙のときの投票率を見てみますと、20代から30代にかけての投票率は60歳以上の投票率より15ポイントほど低かったものが、今回はその差が25ポイントも低くなっていて、その差は徐々に拡大してきています。

 そこで、選挙管理委員長に伺います。

 こうした回を追うごとに低くなる投票率、とりわけ若者の投票率の低下が著しい要因はどこにあると思いますか。お伺いいたします。

 

◆選挙管理委員会委員長(深沢賢一郎)

 若者の投票率低下の要因についての御質問でございます。

 有権者の投票行動につきましては、一般的には、選挙の争点となる事柄や政策、天候など種々な要因が影響するとされておりますが、とりわけ若者の投票率が低い原因については、財団法人明るい選挙推進協会が過去に実施した年代別の意識調査の結果等によりますと、他の世代に比べて政治的関心や投票義務感が低く、また政治的無力感が高いからであると言われております。

 

◆続木幹夫

 ただいま選挙管理委員長から説明をいただきましたが、選挙管理委員長の御配慮とは思いますが、一番の理由は、我々政治に携わる者が有権者の負託に応えていないというのが一番大きいと思います。とりわけ、さきの民主党政権は、2009年の総選挙において国民の大きな期待を受けて誕生したにもかかわらず、その政策はぶれにぶれて国民の期待を大きく裏切り、結局、政治など誰がやっても同じという考えを大きく印象づけてしまったことにもあると思います。このことについては、民主党の一員である私としても大変残念で悔しく思っております。

 しかし、このまま投票率が低下し、とりわけ若者の投票率が低い状況であると、ただでさえ少子・高齢化が進む状況下において、若者の意思がほとんど反映されない政策がまかり通ってしまうのではないか。つまり、次世代に大きなツケを残しても今さえよければよいといった政治が行われるようになってしまうのではないかと危惧されるところであります。

 そこで、若者が政治に関心を持ち、選挙権を行使させるにはどうしたらよいのか。それにはやはり教育が重要だと思います。

 選挙は、私たち国民が政治に参加し、主権者としてその意思を政治に反映させることのできる最も重要かつ基本的な機会であり、歴史的にも一たび施政者の選択を間違えるととんでもないことになるということを果たして学校で教えているのでしょうか。

 そこで、教育長に伺います。

 現在、政治に対する判断力や批判力を培い、主権者としての自覚を養うことを目的とするいわゆる政治教育はどのように行われているのでしょうか。その現状について伺います。

 

◆教育長(山口利幸)

 政治教育の現状についてのお尋ねでございます。

 国民の政治参加に関しましては、小中学校では、社会科で参政権や選挙の仕組みなどについて学習しております。高等学校では、公民科におきまして民主政治の原理や議会制民主主義の意義などについて学習しております。

 この学習を通しまして、選挙は国民の意思を政治に反映させる重要な機会であることや、選挙への参加が国民の願いを実現させる第一歩であることを学習しております。また、投票率が低い昨今の状況は教科書でも取り上げられておりまして、この課題を考えることで民主主義のあり方を学習しております。

 具体的な取り組みといたしましては、中学校では、投票の義務化、これが話題になったことがございますけれども、投票の義務化について新聞記事をもとに話し合ったり、消費税増税の是非について政府や住民の立場に立って考え、見方や考え方を深めたりしております。また、町の環境行政について研究し、環境政策に関する提言をまとめ、町議会で発表した例もございます。

 高等学校では、昨年12月の衆議院議員総選挙にあわせて模擬投票を行った学校もございます。承知している範囲で申し上げますと、6校で約800名の生徒が候補者の主張について考えた上で模擬投票をし、選挙の仕組みや投票の意味について学習したところでございます。このような取り組みは主権者としての自覚と責任を育むものであると認識しております。

 政治の抱えている課題を扱った学習や選挙に関する体験的な学習は政治への関心を高めるもので、ひいては投票率の向上につながるものであります。今後、このような学習を多くの学校に広げ、主権者としての自覚を培ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

◆続木幹夫

 ただいま教育長から御説明いただきましたが、私の小中学校、高校のころを思い起こしますと、実際の政治課題を取り上げてディベートをするというようなことはなかったころに比べると政治教育をしているかなと思っているところでございますが、私の小中学校のころ、つまり1960年代は学生運動華やかかりしころで、連日学生たちの過激な行動がテレビで映され、親からはたとえ東大に行っても学生運動だけはするなと言われたものです。

 ところが、いざ大学に入ってみると学生運動などは全く影を潜め、周りは政治には無関心なノンポリと言われる学生ばかりでした。一転してどうしてこのような状況になったのでしょうか。やはり、その一つの要因として教育にあるように思います。

 過激な学生運動の反省からか、若者が政治に関心など持つと政治がやりにくくなる、あるいは、教育は政治的に中立であるべし、教師に特定のイデオロギーなど植え込まれたら大変なことになるという考えからか、知らしむべからず、よらしむべしといった教育、つまり政治に関心など持たなくてよろしい、政治家や官僚に任せておけばよいといった、なるべく政治から遠ざけるような教育がなされてきたように思えてなりません。

 今は東西冷戦が終わりました。したがって、私は、学校での政治教育においても、委縮することなく、もっと現実の政治に対する科学的判断力や批判力を培い、主権者としての自覚を養うような教育を強化すべきと思いますが、教育委員長にお伺いいたします。

 

◆教育委員会委員長(櫻井久江)

 主権者としての自覚を養う教育についてのお尋ねです。

 私は、合併前の清内路村の懇談会で、ときには中学生も加わり、多くの村民がこれからの村づくりについて熱心に討論し、施策を提案し、具体化させていった姿を今思い起こします。

 これからの国や地域を担う子供たちが主権者として自覚を深め、行動できる力を身につけていくことが非常に大切であると思います。そのために、子供たちが、知識を学ぶだけでなく、今ある地域や政治の課題について議論したり解決策を考えたりする学習が重要であると考えます。

 長野県は地域の行事に参加する子供の割合が全国一であり、村おこし、町おこしなど自分の住む地域の活性化にかかわる学習が多く行われております。地方自治は民主主義の学校と言われますが、このような取り組みの中で民主主義の原理を学び、主権者としての自覚を養う教育をさらに推進してまいりたいと思います。

 

◆続木幹夫

 有権者が政治に無関心で低投票率を喜ぶのは、既得権益者とそれに支援されている政治家だけです。ノーベル平和賞受賞者のエリ・ヴィーゼルは、無関心は常に強者の利益になると言っています。今、日本の政治も強者の論理で進められようとしています。

 教育県長野としては政治教育にももっと力を入れていくべきだということを主張しまして、私の質問を終わらさせていただきます。

 

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