9月定例県議会-発言内容(続木幹夫議員)

 

◆続木幹夫

 改革・新風、続木幹夫です。通告に従いまして順次質問いたします。
 
 まず、障害者のスポーツ活動支援についてお伺いいたします。
 
 現在、本県には、障害者専用スポーツ施設として、長野市下駒沢に社会福祉事業団が運営するサンアップルがあります。さらに、そのサテライト施設として、駒ヶ根、松本、佐久それぞれにサンスポートが開設しています。しかし、障害者専用の体育館、プールなどのスポーツ施設があるのは長野市のサンアップルだけです。
 
 したがって、中南信の障害者スポーツ関係者から聞こえてくるのは、やはり長野市では遠く利用しがたいので、中南信の障害者も健常者に気兼ねなく使える障害者専用のスポーツ施設が欲しいということです。
 
 そこで、健康福祉部長に率直にお伺いいたします。
 
 本県におかれましては、中南信地域の障害者にも使い勝手のよいスポーツ施設を中南信地域に開設すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 
 
◆健康福祉部長(三村保)
 
 障害者専用のスポーツ施設を中南信へということでございますけれども、サンアップルでございますが、平成10年度に長野市に設置されましたが、地理的に遠いということで、お話ございましたように、中南信地区にお住まいの皆様にも同種のサービスを受けていただけますように平成15年度にサンスポート駒ヶ根を看護大学内に設置しまして、温水プールを障害のある方に開放しております。以降、平成18年度には松本市に、そして平成21年度には佐久市にもサンスポートを設置しまして、それぞれスポーツ指導員を常駐させ、各地でスポーツ教室や交流イベントを開催しております。
 
 平成22年度には、看護大学温水プールを1万1,245人の方に御利用いただいております。また、中南信地域でスポーツ教室等を389回開催し、4,663人の方に御参加いただいているところでございます。
 
 お話の中南信地域への設置につきましては、厳しい県財政の状況を考えますと、まずはサンスポート駒ヶ根と松本の出張スポーツ教室等の活動を充実させること、さらには、各種スポーツ施設を利用しやすくするように市町村等に働きかけ、障害のある皆様のスポーツ活動を支援してまいりたいと考えております。
 
 以上でございます。
 
 
◆続木幹夫
 
 やはり、今日の経済状況、あるいは財政状況下では、一挙にサンアップルのような施設をつくるというのは無理があるのかもしれません。しかし、障害者スポーツの振興は知事の重点政策の一つでもありますので、何とぞ、体育館、プールなど施設を分散しても、中南信地域の障害者が気安く使えるようなスポーツ施設を充実していくよう次期中期総合計画に盛っていただきますよう要望いたしまして、次の質問に移ります。
 
 障害者の自立と社会参加の促進を図るため、障害者自立支援法に基づき実施される手話通訳者派遣事業について質問いたします。
 
 聴覚障害者にとって手話通訳を利用できることは、さまざまな社会活動やイベントなどへの参加の機会を保障し、また、情報が当たり前に享受でき、障害者とその他の者との意思疎通を図るために必要不可欠な条件であります。また、聴覚障害を持たない者にとっても、聴覚障害である方と話をしたり、こちらの意思を伝えるためには手話通訳が必要です。まさに、手話通訳は県内の多くの聴覚障害者の情報保障機能を担っております。
 
 私としましては、障害者が希望した際には必ずサービスを享受できる体制の整備、そして手話通訳ができる者の活用が至極当たり前となる社会の構築を強く望むものであります。
 
 しかし、こうした理想を描くも、現実はどうでしょうか。実際に配置できる手話通訳者はどれほどいるのでしょうか。
 
 手話通訳には幾つかの資格がありますが、国政選挙の政見放送の通訳に従事できるより高い専門性を有した手話通訳士は技能認定試験の平均合格率が20%から30%程度と大変に厳しく、合格するまでには長年の学習や訓練が必要な狭き門となっております。
 
 我々障害のない者にとって、日本語を話し、聞くことが生きていく上で欠くべからざるものであるのと同時に、聴覚障害者にとって手話は基本的人権の保障に欠かせないものの一つとなっております。このほど国会で成立した改正障害者基本法でも、初めて手話が言語として明記されました。
 
 こうしたサービスは直接は市町村が担っているものと伺っていますが、数と質の両面の充実が重要であるという考えのもとに、次の点について健康福祉部長にお聞きいたします。
 
 まず、意思疎通の困難な聴覚障害者のコミュニケーションを支援するための手話通訳者派遣事業の必要性について県としてどのように認識しているか。また、県内市町村における手話通訳者派遣事業の利用状況はどうなのでしょうか。さらに、県内の手話通訳士及び手話通訳者の人数は現在どのような状況であるのか。また、現状に対してどのような認識をお持ちなのでしょうか。さらに、手話通訳士及び手話通訳者の養成はどのようになされているのでしょうか。
 
 以上の点について健康福祉部長にお伺いいたします。
 
 
◆健康福祉部長(三村保)
 
 在宅の聴覚障害者に対する手話通訳者の派遣事業でございますけれども、平成18年度から施行された障害者自立支援法において住民に最も身近な市町村が行う事業と位置づけられ、その費用の一部を国及び県が負担しております。相互の意思伝達が困難な聴覚障害者にとって、手話通訳者の派遣は、外出時のコミュニケーションが容易になり、社会参加の機会を広げるものであると考えております。
 
 次に、手話通訳者派遣事業の利用状況ですが、この事業は本人の御希望をもとに各市町村が利用目的に合った手話通訳者を選定し派遣を行っているものですが、平成22年度で申し上げますと36市町村で4,934回の派遣を行っております。過去3年で見ますと、ほぼ横ばいの傾向となっております。
 
 続いて、県内の手話通訳士の現状です。
 
 現在、県内には、厚生労働大臣の認定を受けた認定試験に合格すると資格が与えられます高い技能を有する手話通訳士が38人、県が認定、登録している手話通訳者が137人おりまして、計175人の方がそれぞれの地域で活動されております。しかしながら、日常的に活動できる方は通訳者の高齢化や個人的な御事情からやや減少傾向にございまして、聴覚障害者の情報保障を確保するための人数としては十分とは言えない状況と認識しております。
 
 続きまして、養成についてのお尋ねでございますけれども、県では、県の聴覚障害者協会に委託して、毎年、手話通訳者を養成するための講座を開催しており、昨年度は45人の参加がございました。本年度も、長野市と松本市を会場として、基本、応用、実践の三つの課程で39回実施しております。
 
 また、既に手話通訳者として活動している方々を対象とした技術、知識を向上させるためのフォローアップ講座なども県内10カ所で計14回実施しております。
 
 県としましては、こうした取り組みを通じ、市町村や関係団体と協力しながら、手話通訳者の養成確保に引き続き努力してまいりたいと考えております。
 
 
◆続木幹夫
 
 手話通訳士が聴覚障害者と不足なく十分にコミュニケーションがとれるようになるまで10年の実務経験が必要とされていますので、その点をしっかりと御認識いただいた上で手話通訳者の養成を行っていただきたいと思います。
 
 手話通訳者の派遣事業とは別に、障害を持つ住民が日常的に訪れる行政機関の環境整備も重要です。特に、自治体の窓口には必要なときに手話通訳ができる職員を配置しておくことが障害者に優しい行政としてのあるべき姿であろうと思います。特に、一般の会話と違い、難解な語句や言い回しが多く、間違えた場合に不利益をこうむることもある行政機関での手話通訳は技術レベルの高い職員が必要と考えます。
 
 県では、各地の合同庁舎に手話通訳業務嘱託員が配置されています。手話通訳業務嘱託員は、みずからが手話通訳を行うだけでなく、公的行事等の通訳者派遣の調整や手話の普及なども行っており、地域の聴覚障害者からは非常に頼りにされている存在です。
 
 ところが、現場の声を聞きますと、手話通訳業務に携わっている職員は、嘱託員という非正規雇用職員の身分で、雇用も1年単位であるがゆえに来年はどうなるかわからない非常に不安定な状態に置かれていることに不安の声が寄せられています。報酬も満足な額ではなく、通勤手当も100円から300円という常識外の低さです。さらに、長年の業務の影響か、10人の職員の半数に手話通訳者の職業病ともいえる頸肩腕症の疑いがある状況です。その結果、聴覚障害者への支援が低下することに聴覚障害者の方々も不安を募らせています。
 
 そこで、手話通訳業務嘱託員を任用している健康福祉部長にお伺いいたします。
 
 手話通訳業務嘱託員を正職員化するお考えはないでしょうか。また、正職員化がすぐに行えない場合でも、手話通訳業務嘱託員の待遇改善は急務であると認識していますでしょうか。
 
 以上についてお伺いいたします。
 
 
◆健康福祉部長(三村保)
 
 業務嘱託員を正規職員にとのお尋ねでございます。
 
 現在、嘱託員の業務は県にとって必要不可欠であり、聴覚障害者及び手話通訳に関する相当の知識や経験が必要なものと認識しております。しかしながら、その仕事の内容を見ますと、特定の業務にある程度限定されておりまして、業務量も恒常的、平準的にあるとは言えない状況もございます。こうした仕事の内容と量、それから全体で10人という人数の規模などを考慮いたしますと、直ちに正規職員化するのではなく、知識や経験のある適任者を月20日以内で再任の期間も定めまして1年ごとに任用するという行政嘱託員制度が現在のところ適当な任用形態であろうと考えております。
 
 また、嘱託員の待遇改善につきましては、現在、県で任用している他の業務に係る行政嘱託員の待遇との整合性を図る必要もございます。業務の内容や勤務形態を考慮しながら、御指摘の点も踏まえまして、どのような措置が可能であるか人事・財政部局も含めまして詰めてまいります。
 
 
◆続木幹夫
 
 議事録を見ますと、手話通訳業務嘱託員などの非正規職員の待遇改善については、既に2008年の2月の県議会において請願が採択され、また、その後もこの本会議において幾人かの議員が質問をされているようであります。しかし、一向に待遇改善の兆しが見れないので、阿部知事にもこの非正規職員の業務実態を認識していただきたく改めて質問いたしました。県下に1万人いる聴覚障害者への福祉の低減を招かないためにも、手話通訳業務嘱託員の待遇改善を図られますようお願いし、次の質問に移らさせていただきます。
 
 私は、2007年の県議選に落選し、この4月の県議選にめでたく当選するまでの4年間、先祖伝来のわずか1ヘクタールの田畑を耕して何とか食いつないでまいりました。にわか百姓ゆえ、ろくな収入を上げられませんでしたが、そんななけなしの収入の中から土地改良区に毎年5万円ほどの賦課金を納め、さらに、折あしく、この4年の間に私が所属する区画において老朽化したかん水管の入れかえをする土地改良事業があり、その受益者負担分として35万円ほどの受益者負担金を納めました。これが大変負担となりました。
 
 そしてまた、ことしになって賦課金の額が引き上げられました。この理由として、一部の関係者からは、民主党政権になって土地改良にかかわる予算が大幅に削減されたのだから仕方がないとの返答がありました。しかし、この返答は当たりません。既に、日本の津々浦々、改良すべき農地はほとんど整備がなされ、現在ではその保守、補修しかないのですから、民主党政権のとった措置は当然のことであります。
 
 とはいえ、農産物の安定生産、自給率向上のために生産基盤の整備、維持管理は今後も大変重要で、土地改良区の果たす役割はますます大きくなっております。
 
 そこで、これからの土地改良区は、受益者たる農家に極力負担をかけないよう経営努力しなければならないと同時に、何らかの方法でみずから稼ぐ手だてをしなければなりません。
 
 では、何で稼ぐのか。それは小水力発電です。水力発電量は流量と落差で決まります。本県は急峻な地形に津々浦々農業用水路が張りめぐらされており、目を凝らして見れば小水力発電の宝庫です。
 
 小の字がつくからといってあなどってはいけません。松本市梓川上野のわずか川幅3メートルの農業用水路に国がこの10月に小水力発電施設の設置工事に着手します。完成すれば最大出力464キロワット、一般家庭800戸分の電力を賄える発電ができる予定です。売電価格がまだ確定していないので正確な数字は言えませんが、少なく見込んでも3,000万円以上の売電収益が見込めるとのことです。
 
 今まで民間がこうした小水力発電施設を設置しようとした場合、そこには必ず水利権の壁が立ちはだかり、なかなかその参入はできませんでした。しかし、みずから水利権を持つ土地改良区が小水力発電を行うということであれば、この障壁もかなり低くなります。
 
 そこで、知事にお伺いいたします。
 
 国においては再生可能エネルギー特別措置法案が成立いたしました。本県においては、県が主導して、各土地改良区に対して積極的に小水力発電を設置するよう図るべきと思いますが、いかがでしょうか。
 
 
◆知事(阿部守一)
 
 土地改良区の関係で、小水力発電、積極的に取り組むべきだという御指摘でございます。
 
 続木議員の御指摘にもありましたように、県内、農業用水路含めて急勾配な地形が多いので、小水力発電、非常に適地多いというふうに思っております。
 
 これまでも、県としては小水力発電の有力な候補地に関する調査研究やってまいりましたし、21年度からは土地改良区等関係団体を対象として農業用水を活用した小水力発電の推進に関する研修会を開催しております。
 
 今般、再生可能エネルギー特別措置法が成立したわけでありまして、来年早々には買い取り価格も出てくると思いますので、私としても、市町村の皆様との協力はもとより、土地改良区で組織されております長野県土地改良事業団体連合会の皆さん、土地改良事業団体連合会の皆さんも小水力発電について現場をごらんになったり、いろいろな取り組みを進めようとされているというふうに伺っておりますので、一緒になって、十分連携をとりながら、さらに強力に小水力発電、進めるスタンスで取り組んでいきたいと考えております。
 
 以上です。
 
 
◆続木幹夫
 
 たまたま昨日送られてきました県政タイムスにも、土地改良連合会が小水力発電に積極的に乗り出すという記事が載っておりました。しかし、土地改良区あるいは電力会社、こうした地域独占している半ばパブリックな事業体は、思いはあっても、リスクを負ってまでなかなか新たな事業に乗り出すということは難しい面があります。しかし、ここで県が強力に主導して農業用水路への小水力発電の導入を図っていただければさらなるエネルギーの地産地消体制が進むと思われます。
 
 どうか、県におかれましては、農業用水路への小水力発電の導入を積極的に主導して図っていただくことをお願いして、質問を終わらさせていただきます。
 

 

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