9月定例県議会-発言内容(竹内久幸議員)

◆竹内久幸

 質問に入ります前に、どうしてもというので御報告を申し上げます。先日、向山議員に6人目の孫、私も4人目の孫が生まれたことをまず報告して質問に入ります。

 国の信濃川水系河川整備計画の策定については、計画案が示され、今後、関係省庁協議や関係知事の意見聴取を行い決定される段階となりました。

 平成20年に策定された長期的な視点に立った整備基本方針では、立ヶ花の計画高水流量は毎秒9,000トンを目標としていますが、おおむね30年間を目標とする今回の計画案では、上流部は昭和58年9月洪水と同規模の洪水に対応することとし、立ヶ花の計画高水流量を毎秒7,300トンとし、それに必要な堤防整備や河道掘削等を下流側の整備状況などに配慮しつつ実施するとしており、これまでたびたび水害に見舞われてきた本県にとって、計画案に盛られた整備箇所等が今後確実に実施され、30年と言わず、少しでも早く整備されるよう国と連携して取り組むことが問われております。

 そこで、何点か伺います。

 まず、この計画策定の過程で県として盛り込むべき課題として取り組んできた内容と現時点での成果は何か。建設部長に伺います。

 また、今後、知事の意見聴取が行われることになりますが、その時期と、申し上げる意見の内容について知事に伺います。

 次に、県管理のいわゆる中抜け区間の対応について伺います。

 県では、これまで、千曲川や犀川、天竜川の県管理区間の中抜け区間について、国土保全上など特に重要な河川であり、日常的維持管理を初め洪水時の対応等を適時的確に実施するためには国において一元管理することを求めてまいりました。

 しかし、今回の計画案には、上流部会での審議の過程で、現段階では既存のままで計画を策定するとされ、位置づけられておりません。安心、安全な河川管理は本来水系一貫管理が原則であり、国の管理責任が問われることであり、このまま放置することはできません。

 この問題について寺島義幸衆議院議員がことし5月14日の国土交通委員会で取り上げたのに対し、太田国務大臣は、どういうふうに管理をしていくのかということについては検討させていただきたいと答弁しています。

 この問題は歴史的な課題であり、知事には河川整備計画案の承認時に強く意見を表明していただくとともに、これを機会に、全国的には4水系あると言われている信濃川、阿賀野川、大淀川、淀川で中抜け区間として県管理が強いられている本県を初め、新潟県、福島県、鹿児島県、宮崎県、滋賀県が一致結束して連携し、国に対し直轄区間編入への要請活動を行うときであると思います。

 そこで、本県がその事務局を務める決意で今申し上げた各県に働きかけ、中抜け区間解消のための組織を設立し、国に要請活動を行うべきと思いますが、知事の決意を伺います。

 次に、何といっても、過去、歴史的に水害に見舞われてきた流域の皆さんの関心は、今回、計画に盛られている整備箇所はいつ整備されるのかということであります。そこで、今回策定される整備計画に示された整備箇所の実施年次計画はあるのか。また、計画案に示された内容を早期に実現するための本県の今後の取り組みについて建設部長に伺います。

 次に、河川整備計画は環境対策も定めることになっておりますが、今回示された案には多自然川づくりの推進や、魚が上りやすい川づくりの推進などの取り組みが示されていますが、外来魚の駆除対策などの具体的な取り組みについては記載がされておりません。

 この課題に、ことし8月に行われた第5回全体調整会議の中で出された委員の意見で、外来魚が長野県から新潟県内に流入しており、最近問題となっている、魚類については遡上ばかりで、降下についての記載がない、降下についても記載してほしいという指摘をしていることが気になりました。

 そう言えば、最近、私の地元では千曲川で釣りをしている人の姿を見かけなくなり、漁連の関係者にお聞きすると、原因は外来魚やカワウによる被害も深刻だが、河川環境も悪化して魚が減っているとの指摘がございました。

 そこで、この整備計画策定に際し、河川環境の整備について県としてどのような意見を要請してきたのか。建設部長に伺います。

 また、外来魚が長野県から新潟県内に流入し、最近問題となっているとの指摘は、国のみならず、本県が対策を行っていないとも受け取られますが、この指摘に対する本県としての対策と、外来魚駆除対策で本県の水産試験場において電気ショック装置、ひき縄の開発に取り組んでおられるところですが、その実用性について農政部長に伺います。

 

◆建設部長(北村勉)

 信濃川水系河川整備計画の策定について4点の御質問をいただきました。順次お答えをいたします。

 まず、河川整備計画策定の過程において県として取り組んできた内容と現時点での成果についてでございます。

 県としましては、昭和58年、平成16年、18年などの大水害を受け、中野市立ヶ花や飯山市戸狩の狭窄区間、さらに中野市岩井・田上地区や飯山市蓮地区等での無堤地等の解消が非常に重要な課題であるとの認識を持っております。しかしながら、下流、新潟県内の整備状況から、長野県内の本格的な改修が進められない状況がございました。

 このことから、県としては、早期に下流部を含めた水系全体の整備計画を定め、整備が進められるよう国に求めてまいりました。その結果、段階的な整備目標を定めて着実に整備を進める方針が明確にされたことから、水系全体としての上下流バランスをとりつつ、県内の河川改修事業に着手されたことが成果であると考えております。

 次に、整備箇所の実施年次計画についてでございます。

 河川整備計画では、計画流量の目標や整備区間や工法等について定めることとされております。今回の信濃川水系河川整備計画案に盛り込まれた事業は、今後おおむね30年間に実施することとされており、具体的な実施年次計画につきましては個々の事業実施段階において示されることになります。

 次に、早期に実現するための本県の今後の取り組みについてでございます。

 今回の河川整備計画案に位置づけられた直轄区間の整備を早期に進めていただくためにも、県管理区間の飯山市桑名川や下境の築堤事業などを推進することが重要であると考えているところでございます。県としてこうした取り組みに一層力を注ぐとともに、国に対しましては計画案に盛り込まれた整備事業の一日も早い完成を強く要望してまいります。

 次に、河川環境に関する意見についてでございます。

 信濃川水系河川整備計画案の策定過程において、住民意見の聴取はもとより、学識者会議の中で河川環境の整備を初めとしたさまざまな議論が行われてまいりました。この学識者会議の上流部会には県農政部の職員が委員としてかかわるとともに、建設部はオブザーバーとして参加しております。従来からサケ等が遡上できる環境づくりについて要望してまいりましたが、この会議では多様な生物の生息環境の確保や市民が川に近づけるような環境整備に関する意見もありました。

 県といたしましては、このような意見が今回の河川整備計画に反映され、河川環境の整備につながるものと考えております。

 以上でございます。

 

◆知事(阿部守一)

 信濃川水系の河川整備計画策定に関連しての御質問にお答えします。

 まず、河川整備計画策定に係る意見聴取の時期と意見の内容についてということでございます。

 現在、国土交通省では、河川整備計画案につきまして農林水産省あるいは経済産業省等関係省庁等への意見照会に向けた手続が行われている状況であり、県への意見聴取は10月になる予定というふうに聞いております。意見照会が来てからしっかり考えていきますが、意見を述べる際には、河川法の手続に従いましてまずは関係市町村の意見を取りまとめていきたいと思います。そして、水系一貫の治水安全度の向上が早期に実現されるよう求めていきたいと考えております。

 次に、いわゆる中抜け区間解消のための各県との連携組織という御提案でございます。

 千曲川、犀川は国土保全上、国民経済上特に重要な河川であることは、これは論をまたないというふうに思います。日常的維持管理を初め洪水時等の対応を適時的確に実施するためには国における一元管理が必要だというふうに考えております。これまでも直轄編入の要請活動を行ってまいりました。

 こうした中で、同じような県と共同歩調で取り組んでいくということは重要な視点だというふうに私も考えます。

 ただ、中抜け区間を有する各県は、整備が必要な区間があるところ、ないところ等の違いもございますし、直轄の編入に対してさまざまな考え方があり得るものというふうに考えております。中抜け区間解消のための共同歩調の可能性について、まずは各県の考え方を確認していきたいというふうに考えております。

 千曲川、犀川につきましては少なくとも一元管理が必要だというふうに考えておりますので、新潟県と連携して中抜け区間の直轄編入ができるよう取り組んでまいります。

 また、今回、河川整備計画、意見の照会があった際には、意見としてこの中抜け区間の直轄編入について強く求めていきたいと考えております。

 以上です。

 

◆農政部長(中村倫一)

 長野県から新潟県への外来魚の流入に対する対策についてのお尋ねでございます。

 外来魚には主にブルーギル、そしてまたオオクチバス、コクチバスなどが上げられますけれども、近年、信濃川の中下流部におきましてはコクチバスが徐々に増加してきておりまして、また、全国的にも湖沼などから河川へと生息域を広げつつあるのが現状でございます。

 県といたしましては、平成20年度から採捕した全ての外来魚の再放流、リリースを禁止をいたしておりまして、漁業者などに啓発をいたしまして生息域の拡大と増殖の抑制に努めるとともに、漁業被害を防止するため漁業協同組合に対して外来魚の駆除にかかる経費の助成をしているところでございます。

 しかしながら、湖沼や小河川などにおきましては駆除対策の効果が認められますけれども、千曲川のような大河川におきましては有効な駆除対策、駆除方法がございません。したがいまして、現在、水産試験場におきまして御指摘のような効果的な駆除方法の開発に取り組んでいるところでございます。

 2点目の電気ひき縄でございますけれども、水産試験場が平成22年度から開発を進めております電気ひき縄につきましては、ロープにぶら下げた複数の金属ワイヤーから放電をする仕組みになっておりまして、河川の流れの中でこれを移動しながら引いてまいります。付近の魚を一時的に電気で麻痺をさせまして外来魚のみを網で捕獲するという方法をとろうとしているものでございます。

 現在、試作品の実用性を検討しているところでございますが、水深ですとか川幅、そしてまた流速など環境条件が地域によりましてさまざまな河川で実用化をするにはまだ性能が十分でないというふうに感じておりまして、実地試験を重ねることによりましてさらなる改良を進めてまいりたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

 

◆竹内久幸

 中抜け区間の解消につきましては、これは歴史的な課題でして、かねがね要望してきているわけですけれどもなかなか実現しないということで、やはりやるんであれば今がチャンスであるというふうに思います。ぜひ、他県の意向などもしっかり確認していただいて、連携できるところとはそうした組織をつくって一緒に国に対して気持ちを一つにして要望していくということが最善であると思いますので、作業を進めていただきたいということをお願いを申し上げたいというふうに思います。

 次に、道州制論議への対応について知事に伺います。

 私は、2月議会で、道州制に関し、国の対応が現実味を帯びてきた中、本県の今後の姿について、本県を分断せず県民生活や伝統文化を守るため信州州構想を打ち出すべきことや、本県の将来を左右する多大な問題であるだけに、本県の対応を検討するため、市町村、県議会、経済界、労働団体などによる研究会を設置するなど県の姿勢を示すべきことを質問をいたしました。

 この問いに、知事は、区割りなど全国一律の道州制の導入に対しては否定的な立場ですが、小規模な自治体が多い特性を持つ本県においては信州州のようなものも含め独自の視点からの検討も必要であり、国に問題提起していくことが重要、経済界、市町村の皆様方との研究会という提言については関係者の皆さんの御意見もいただく中で検討する場を考えていきたいとする趣旨の答弁をいたしました。

 そして、4月に、道州制に関し国の動向や他県の状況を的確に把握し、道州制に対する長野県の考え方を明らかにするとともに、長野県の特性を踏まえた対応や国への提言を行うため、庁内にワーキンググループを設置をいたしました。

 そこで、まず、このワーキンググループのこれまでの取り組みと検討内容、今後の取り組みについて伺います。また、本県が一つになってまとまっていくためには、市町村や各種団体と連携する組織の設置が今後必要となると思いますが、お考えをあわせて伺います。

 道州制については、国政のみならず、道州制に賛同する知事や政令市長も積極的に関与する動きが活発化してきたのが最近の動きと言えます。例えば広島県では、今年度、地方分権の推進に向けた他県との共同研究をスタートさせるために当初予算に1,100万円を計上し、都道府県を欧州中小国並みの経済力を持った10程度の広域自治体に再編する試案の取りまとめ作業を進めているとのことであります。

 この背景には、地方分権の論議で国のリードに従うばかりでなく、積極的に提言を行い、地域浮揚につながる制度設計をかち取りたいとのことで、一自治体で検討を進めるだけでは大きなインパクトになり得ないとし、他県と歩調を合わせ国へ働きかけていくことにしたということであります。

 このように、道州制を前提として他県と連携する自治体が今後も拡大していくことが予想される中で、本県は庁内でのワーキンググループで国への提言をまとめようとしているわけですが、それだけでは大きなインパクトにはなり得ないと思います。そればかりか、気がつけば周りの自治体では道州制を前提にした既成事実だけが積み上がっていて、手おくれということも考えられるわけであります。

 そこで、本県として、現在、道州制に否定的であったり慎重な立場の他県と連携し、共同した取り組みを行うべきと思いますが、知事の決意を伺います。

 

◆知事(阿部守一)

 道州制への対応という御質問でございます。

 まず、庁内ワーキンググループの検討状況についてでございます。

 庁内ワーキンググループにおきましては、これまで大森彌県政参与をお迎えをして会議を開催するなどして現在までに5回ワーキンググループの会合を開いております。第4回の会議におきましては、大森参与にも御出席いただいてアドバイスを受けながら、道州制基本法案への対応あるいは道州制賛成という主張に対する検証を行って、道州制基本法案(骨子案)への長野県としての意見を取りまとめたところでございます。

 これを踏まえて、7月に全国知事会議が行われましたが、その席におきまして、私のほうから道州制ありきの基本法案には反対であること、そして道州制の議論があたかも究極の地方分権というふうに語られる場合がありますが、しかしながらこれは国のあり方にも大きく影響する話でありますから、国のあり方を明確にすべきであるといったようなことについて意見を述べ、出席した知事と議論を行ったところでございます。

 今後、現行の地方自治制度を前提としながらも、まだまだ地方として自治の強化に向けて取り組むべきことはたくさんあるだろうというふうに考えております。長野県独自の自治のあり方について、このワーキンググループを中心に検討していきたいというふうに考えております。

 それから、連携組織の設置ということで御質問でございます。

 市町村、これは道州制導入によりまして大きく影響を受ける可能性があるわけでありますので、市長会、それから町村会、それぞれの会議の席におきまして市町村長の皆様方と意見交換を行わせていただきました。町村会、これは、町村長の総意として道州制反対の特別決議、あるいは国会議員への道州制反対の緊急要望を行ってきているところでありまして、多くの県内の町村長の皆様方は道州制に明確に反対ということをおっしゃっております。また、市長会も、会として統一的な見解は出されていませんけれども、出席をされた市長からは、国と道州の具体的な役割分担が議論されていないのではないか、道州制のイメージが湧かず、導入の必要性があるのか懐疑的だという意見が多かったというふうに感じております。

 さらに、5月20日に県と市町村の協議の場を行いましたが、その席で、藤原町村会長から、道州制については市長会、町村会とも県と同じ認識で取り組んだ方がよいのではないかという御提案がありまして、両会も県のワーキンググループにオブザーバーとして御参加をいただく形をとらさせていただいているところでございます。5月末に開催した第3回の会合から事務局職員が議論にも参加をしていただいて情報の共有化を図らせていただいております。

 また、経済団体の皆様方とは個別にお話をさせていただく機会がありましたが、まずは各団体の内部で道州制に対する認識あるいは知識、そうしたものを高めていきたいというお考えでございます。こうしたことから、当面は経済団体あるいは各種団体との問題意識の共有に努めていきたいというふうに考えております。

 今後、国の動向を見定める中で、さまざまな団体、市町村の皆様方と連携した行動のあり方については考えてまいりたいと思っております。

 それから、同じ立場の他県との連携についてという御質問でございます。

 先ほども触れましたが、7月に開かれた全国知事会議におきまして、道州制基本法案について対応をまとめるに当たりまして2日間にわたりまして非常に議論が活発に行われたところでございます。知事のスタンス、賛成、反対、両方ある状況でありますが、少なくとも道州制基本法案、今示されている骨子について最低限明確にすべき事項について意見交換を行いましたが、さまざま立場の違いはありますが、現在の道州制基本法案(骨子案)、そのまま受け入れることはできないという認識は一致をしたところであります。

 先般、「河北新報」が私のところにも取材に参りました。推進派の知事と反対、慎重の知事がいる中で、私が最も反対派の急先鋒ではないかというスタンスで取材を受けたわけでありますけれども、知事会で反対の立場で発言された知事も何人かおられますけれども、道州制のイメージ自体がまだ確たるものがないわけでありますので、当然、それとの関連で、それぞれ反対のスタンスも全く同じかどうかというと、いささかそこは疑問もあるかなというふうに思っております。例えば、今の時点ではどうかというような視点だったり、あるいは内容次第ではあり得るけれども今の内容ではどうかと、慎重、反対の意見もいろいろな考え方があるわけでございます。今後、道州制基本法案の動きによりましてはさらに知事会で議論を深めていかなければいけないと。

 私は、基本的には知事会全体で一致結束できることが重要だというふうに思っておりますし、少なくとも今の骨子案に対しては同じスタンスだというふうに思っております。そうしたスタンスを基本的には私は維持していくように取り組みたいと思いますが、しかしながら、場合によっては推進したい知事と慎重、反対の知事とが見解を異にするというようなこともあり得なくはないわけでありまして、そうした状況も見きわめながら他県との連携については考えてまいりたいというふうに思っております。

 以上でございます。

 

◆竹内久幸

 道州制の問題につきましては、これまで出されている法案、自民党案とかを見ますと地方分権ということを進めるということが書かれているだけで、あとは法案が可決されれば5年後までには道州制に移行しますよと。要するに、法案が可決してから中身を検討すると、こういうことになっているわけです。しかし、今の国政の状況を見ていますと、道州制の基本法案が可決される可能性が大でありまして、そうした状況の中で、そのときになって分権のあり方について検討していくということだけでは手おくれになってしまうのかなと。

 先ほど、私、広島県の例を申し上げましたけれども、広島などではもう既に自分たちで連携すべき県を決めたり都市を決めたりしながらその具体像を描いているということがあるわけでして、どうあるかはともかくとして、そうした具体的なことを想定しながら住民の皆さんを巻き込んで論議していくことが大事ではないかなということで提言を申し上げました。ぜひ、他県との連携も含め、御検討をいただきたいことを改めて申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

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