2月定例県議会-発言内容(竹内久幸議員)

 

◆竹内久幸

 改革・新風を代表して質問を行います。

 昨年末の解散・総選挙において政権は民主党政権から自公連立政権にかわり、当初予算案や緊急経済対策の補正予算への対応など、本県としてもこの数カ月間大変であったかと思います。その対応に追われた知事及び関係する職員の皆さんに敬意を申し上げ、以下、質問をいたします。

 まず、阿部知事は、今回の政権交代を踏まえ、どのようなスタンスで県政運営を行っていくのか。お伺いをいたします。

 次に、一般会計当初予算案について伺います。

 2月定例県議会に提案された平成25年度当初予算案は、新たな総合5カ年計画の初年度に当たり、教育の再生、次世代産業の創出、環境・エネルギー自立地域創造、健康づくり・医療充実、雇用・社会参加促進など計画に基づく九つのプロジェクトに関連した138事業、209億円を含め、一般会計総額は本年度当初比1.3%減の8,298億円で、経済対策を柱とする国の本年度補正予算案に連動する本年度2月補正予算案約450億円の3カ月分を合わせた15カ月予算として見ると本年度当初比4.0%増の計8,748億円となっています。

 依然として厳しい県内の経済や雇用情勢に対して緊急経済対策にも配慮し、栄村の復興支援や確かな暮らしが営まれる美しい信州を目指した新たな総合5カ年計画に掲げる目標達成のため、さまざま配慮した予算を計上されていることを評価をいたします。

 その上で、幾つかの気になる課題について質問をいたします。

 県は、今回の一般会計当初予算案の編成に当たり県債を1,251億円余、国の経済対策に伴う2月補正予算案に159億円余を計上し、当初予算案では本年度当初予算より31億円減らしましたが、地方交付税の不足分を補う臨時財政対策債は713億円と本年度当初予算より23億円増加し、県債残高全体では平成29年度末には1兆6,663億円まで膨らむ見通しと試算され、厳しい財政状況となっております。

 厳しい経済・雇用情勢のもとで県民生活を守るための予算編成と理解しておりますが、しかし、かつて国が経済対策として公共事業を推進するため有利な起債と評して地方に起債の発行による事業展開を誘導した結果、地方が借金を抱え、厳しい財政運営を今でも強いられていることを忘れてはならないと思います。

 そこで、今回の当初予算案や補正予算案の中で、国が後に地方交付税措置すると言った制度を取り入れた起債額と措置率について伺います。

 また、こうした硬直化した県財政の厳しい状況について、今後の県債発行額の抑制対策をどのように考えておられるか。伺います。

 安倍政権は、経済対策として、大胆な金融緩和、機動的な財政出動、民間投資を喚起する成長戦略の3本の矢とするアベノミクスを打ち出し、現在のところ日経平均株価の上昇や円安の進行をもたらしております。しかし、株価が上がり、円安となっても、国際競争を口実に下げられ続けてきた賃上げや安定雇用の拡大が行われなければデフレ経済から脱却することができず、円安でガソリン代や電気料金、輸入食品等が値上がりし、庶民の暮らしはますます苦しくなり、個人消費は拡大しないと思われます。

 今回の県の予算案は、国の予算編成を受け、経済対策については公共事業を主とする内容となっていますが、県民の皆さんお一人お一人が経済・雇用対策について実感できることが大切と考えます。

 そこで、本県の実態経済、雇用状況を改善するため特に配慮した施策は何か。知事に伺います。

 また、当初予算案の執行による経済波及効果と新たな雇用数をどの程度見込んでおられるのか。企画部長に伺います。

 次に、国の当初予算案と関連して伺います。

 国が東日本大震災の復興財源に充てるとして、昨年4月から2年間、国家公務員給与を平均7.8%引き下げましたが、自民党政権となり、地方も国と同様に給与を削減すべきとして、地方交付税配分額のうち給与削減分に該当する4,000億円を削減するとしています。これに対して、全国知事会など地方6団体等から、地方交付税は地方固有の財源であり、地方自治の否定、地方は国以上に給与や職員削減などに努力しており、国みずからが行政改革を行うべきなど、具体的なデータによる反論が行われました。

 そこで、政府は、制度上、実施には各自治体の労使合意と議会承認に時間を要することなどを配慮し、当初予定していた4月実施を7月に先送りするとともに、給与削減分を補填するため新たに特別枠として地域の元気づくり事業費を設け、地方交付税額は前年度水準を確保し、総務相名で全国自治体の長及び議長宛てに協力を求める通知を出しました。

 この政府の対応は、協力を求めるどころか、強要であり、地域の元気づくり事業費の算定方法は財政状況が苦しい自治体へのあめであると受けとめざるを得ませんし、地方分権に反して、国が地方を統治していく中央集権化の道であり、デフレ脱却と言いながら地方の経済を停滞させる行為だと言わざるを得ません。

 そこで、この措置の影響額と知事の考え、本県の今後の対応について伺います。

 さらに、地域の元気づくり事業費の交付基準について、ラスパイレス指数試算と職員数試算の本県の金額はどの程度になるのかも伺います。

 次に、生活保護費の削減について伺います。

 今回の国の予算案は、公共事業関係費が、当初予算案が15%増、補正を合わせると7.7兆円まで拡大される一方、生活保護費や年金の削減は低所得者や年金生活者に痛みを押しつける内容となっております。特に、生活保護基準額の引き下げについては、保護費のうち食費などの生活費に充てる生活扶助費を15年度までの3年間で国費ベースで670億円、6.5%削減する方針を打ち出しており、このことは、生活保護受給者だけでなく、非課税限度額や保育料、就学援助、介護保険料、医療費など多くの国民生活に連動するばかりか、最低賃金へも影響を及ぼす可能性があります。

 そこで、この生活保護基準額の引き下げ等の国の対応について知事の考えをお尋ねをいたします。

 また、国は、連動する国の他の制度について影響を受けないように配慮するとともに、地方に対しては協力を求めるとしておりますが、本県でも各分野にさまざまな影響が及ぶと考えられますが、本県の対応と影響する制度数について伺います。

 次に、私たち会派からの新年度予算編成への提言に関する対応について知事に伺います。

 私たち改革・新風は、昨年1022日、阿部知事に対し、平成25年度予算編成と当面の課題に関する提言を行いました。この提言は、日ごろの議員活動で県民の皆さんから寄せられた要望等について会派としてまとめたものですが、県政全般についての基本的な施策として27項目、細目は218項目から成っております。

 このうち、基本的な施策27項目の主な内容は、予算編成に当たって事業評価、事業点検、議会決算審査、予算編成と連結した仕組みづくり、30人規模学級の中学3学年への拡大、信州住宅リフォーム助成金制度の多くの県民に活用されるよう進化させること、鳥獣被害対策の予算の増額、ながのパーソナル・サポート・サービス事業の継続、文化財保全予算や高等学校維持修繕予算の増額、東日本大震災復興支援のための一般任期付職員の採用等々でございますけれども、これらの私たち会派の提言についてどのように新年度予算に反映されたのか。お伺いをいたします。

 次に、雇用・経済対策について知事に伺います。

 喫緊の雇用情勢は依然として厳しい状況にあり、県内でも特に製造業で人員整理が相次いでいることから、1月18日に長野労働局は緊急雇用対策会議を開催し、当面の緊急雇用対策として、関係機関が連携して再就職者への支援を充実させ、大量離職者の未然防止に取り組むことを決めました。この緊急雇用対策会議の開催は、リーマンショック後の景気後退で人員整理が急増した平成21年4月以来4年ぶりで、いかに本県の雇用情勢が厳しいかを示しております。

 長野労働局によると、昨年11月の県内の10人以上の人員整理は計14社、524人となり、2年8カ月ぶりに500人を超え、離職者の増加傾向が鮮明になっているとのことで、足元では円安が進むなど輸出系製造業の事業環境で明るさも見られるものの、円高が続いた間に大手企業が生産拠点を海外に移す動きがかなり進んでおり、下請企業などへの影響は大きく、県内の中小企業の多くは体力を低下させていて離職が長期化するおそれがあるということでございます。

 そこで、この緊急雇用対策会議の構成員でもある県として、こうした事態に対処するため具体的に取り組む施策の内容について伺います。

 次に、新たな総合5カ年計画について知事に伺います。

 今議会では平成25年4月からの本県の進むべき方向を定める総合5カ年計画が提案されておりますが、この計画策定のため今日まで大変な御尽力をされてこられた関係する皆様に敬意を申し上げます。また、この計画の策定に当たっては、県議会に設置された中期総合計画研究会を窓口として執行部側との双方向のやりとりがされ、今回の提案に至ったことを評価をいたします。

 そこで、この新たな総合5カ年計画の今後の実行等に当たっての課題と思われることについて何点か伺います。

 計画では、豊かな県民生活を願い、健康長寿世界一の信州や世界をリードする最先端産業、世界品質の農林産物、豊かなライフスタイルを実現する信州、一人一人の力を引き出す教育県信州などを将来の姿に掲げ、今後5年間の目指すべき目標として、1人当たりの県民所得13位から10位以内、観光消費額や農業農村総生産額の増大、自然エネルギーの普及拡大、水資源の保全、県民の健康づくり・医療の充実、雇用と社会参加の促進、子育てを支える環境づくり、教育の再生などのため、部局横断的なプロジェクトを立ち上げ取り組もうとしております。

 そこで、縦割り行政の弊害を克服し、部局横断的な取り組みによって目標を達成させるため、どのような形で推進されていくお考えなのか。伺います。

 5カ年計画には、「施策の総合的展開」として、上伊那地域への工科短期大学校南信キャンパスの設置に向けた取り組みを進めます、木曽川右岸道路の整備を推進します、松本糸魚川連絡道路の整備に向けた取り組みを進めます、長野県短期大学を改組し、新たな県立4年制大学を設置します、信濃美術館の整備について検討を進めます、武道を振興するための施設のあり方を検討します等々、公共施設など大型事業についての記述がありますが、5カ年計画内に行う事業と、5年間で検討を行い、その後実施予定の区分けについて伺います。

 中期総合5カ年計画を着実に実行していくためには、厳しい県財政のもとで、計画に盛られた必要経費と財源確保の検討が不可欠であります。

 そこで、知事に伺いますが、計画に盛られた事業に必要な必要経費は検討されたのかどうか。また、その必要経費はどのくらいなのか。さらに、5カ年計画達成に向けた財源確保策はどのように考えておられるか。伺います。

 次に、信州教育の再生について教育長に伺います。

 まず、公務員である教員などのわいせつ行為や体罰行為などの不祥事が続き、本県教育への信頼が問われる中で、県と教育委員会は、教員の資質向上・教育制度あり方検討会議を設置し、同検討会議は3月末には報告書をまとめるとしていますが、この検討過程でも特別支援学校寄宿舎での指導員の女生徒へのわいせつ行為事件が起き、同検討会議の倫理向上専門部会が異例の調査を行うとしておりますが、教育委員会として「懲戒処分等の指針」の内容を変えたことも含め、今後の不祥事の再発防止対策の取り組みについて伺います。

 次に、広域連合等を単位とした教員採用や人事のあり方について伺います。

 この課題は、過去、一般質問で何度か取り上げられてきましたが、私は、寺子屋から始まった教育県長野の原点は、地域の子供たちに密着していた教育と、先生、生徒、保護者との緊密な関係にあったと思っています。教育県長野の再生について、昔よく言われたことは、校長先生や教師が学校のある地域の教員住宅や借家に生活し、生徒や保護者、地域の皆さんと日常的に接し、親しい関係にあることの大切さということでありました。学校、生徒、保護者、地域がこうした関係にあれば、それぞれの信頼関係が現在よりも増すと思いますし、保護者や地域の信頼関係を築くため教員は生徒の学力アップや人間性の形成に努力するとともに、まして不祥事などを起こす環境にないと思います。

 そこで、教員人事について、できるだけ当面は地域密着型の配置を行うとともに、今後については広域連合単位等での人事配置を可能とするよう人事権を市町村や広域連合に付与する仕組みにすべきと思いますが、お考えをお伺いをいたします。

 次に、義務教育費の国庫負担削減の影響について伺います。

 平成25年度国の一般会計予算案の文教関係では、国家公務員の給与削減を地方にも求めるための義務教育費国庫負担金の削減、小学校3年生以上で35人以下学級を保障するための教員定数増員の見送りなど、本県にとって厳しい内容となりましたが、一方で、いじめ問題への対応や通級指導、専科指導を目的とした加配教員の増員やスクールカウンセラーの中学校全校、小学校約7割への配備などの充実をするとしております。

 そこで、これらの本県の影響額と、教育予算の編成に当たって配慮、工夫された点について伺います。

 次に、再生可能エネルギーの取り組みについて伺います。

 地球温暖化対策を初め、福島第1号原発事故を踏まえ、再生可能エネルギーの普及のため再生可能エネルギー元年として取り組んでこられたことに敬意を表したいと思います。また、将来への同じ思いを共有化するため1村1自然エネルギーの推進に取り組んでこられたことに対しましても敬意を表します。

 そこで、再生可能エネルギー普及のため取り組んできた今日までの実績と、新年度予算案並びに新たな総合5カ年計画が目指す目標について、メガソーラー、バイオマス、水力、小水力など各分野別の目標について環境部長に伺います。

 また、県有施設や県有地を民間事業者が行う太陽光発電などに貸す事業を推進しておりますが、地域経済への寄与を考えれば県内事業者への誘導や県民公募などの方式を検討すべきと思いますが、知事に御所見をお伺いをいたします。

 次に、公共交通対策について知事に伺います。

 県は、新幹線が平成26年には金沢まで、さらにその後敦賀まで延伸され、また平成39年にはリニア中央新幹線の開業が予定されるなど、本県の交通が大きな転換点を迎えようとしていることや、一方で、本格的な人口減少社会の到来により持続的な地域公共交通確保に向けて真っ正面から取り組まなければならない時期であるとして、平成39年を目標年次とする新総合交通ビジョンを策定中であります。

 そして、現在、パブリックコメントを行っているビジョン案では、本県が目指す交通の将来像として、長寿社会の確かな暮らしを支える地域交通の確保、交流の結節点信州を快適につなぐ移動環境の形成、東日本と西日本、太平洋と日本海を結び海外へと広がる本州中央部における広域交流圏の構築の三つを掲げ、そのもとに、それぞれの分野での取り組みを掲げております。この新総合交通ビジョン案について、ここでは地域公共交通に絞って質問と提案をさせていただきます。

 ビジョン案では、地域公共交通について「長野県の交通の現状と将来への視点」の中で、現状のまま推移すれば将来にわたり公共交通を維持することが困難であり、地域の交通は危機的状況にあると指摘し、「長野県が目指す交通の将来像」では、大きな不便を感じずに通院、通学、買い物などの日常生活を送ることができる地域交通の確保を目指すとしております。また、「将来像の実現に向けて」では、地域の実情に即した交通サービスの確保や、より細やかで、将来にわたり継続することができる交通サービスの仕組みの構築を掲げております。この点については、このビジョンの初年度となる平成25年度予算案に、持続可能な地域交通システムへの再構築を図るとして、地域交通システム再構築促進プロジェクト事業費として490万円が計上されたことは評価をいたします。

 しかし、ビジョン案の最後が「国への提案」で締めくくられているように、厳しい県財政のもとで、県独自に地域の公共交通を守る施策がよく見えてまいりません。

 そこで、新年度予算案に計上されている地域交通システム再構築促進プロジェクト事業の結果によって、県は新総合交通ビジョン案に掲げる将来像の実現に向けて新たな県独自の事業を創設する決意があるのかどうか。お伺いをいたします。

 また、私どもは、地域公共交通再生のために市町村が事業を選択できる包括的な支援メニューを県が創設することを求めてまいりましたけれども、新年度予算案には計上されませんでした。

 そこで、今後、鉄道やバスなどの利用促進のため、駐車場を整備するなどの公共交通利用促進策についての補助制度を創設する決意があるかどうかもあわせて伺います。

 次に、関連して新総合交通ビジョンの実行体制について伺います。

 新総合交通ビジョン案に示されている「将来像の実現に向けて」の内容を具体化し実現するためには、県の取り組む姿勢が問われるとともに、執行体制を整える必要があると思います。そのためには、条例による公共交通審議会の設置により総合交通計画を策定し、具体的取り組みを行うことが求められていますし、その執行体制として例えば交通政策局の設置により取り組むことが問われていると思いますが、この点についてお伺いをいたします。

 さらに、生活公共交通維持存続のためには県民理解が欠かせないことから、公共交通利用促進県民会議などの組織を立ち上げ、県民運動を推進すべきと思いますが、取り組みの姿勢についてあわせてお伺いをいたします。

 以上で1回目の質問を終わります。

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◆知事(阿部守一)

 竹内議員の御質問に順次お答えを申し上げたいと思います。

 まず、県政運営ということで、政権交代を踏まえ、どのようなスタンスで県政運営を行うかということであります。

 私は県民の皆様方から厳粛なる負託をいただいて知事に就任しているわけでありますので、県民の皆様全体のために働くというのが私の使命であります。そういう意味で、国との関係、さまざまな課題もありますし、要請をすること、意見を申し上げること、さまざまありますけれども、どういう形の政権になろうとも言うべきことはしっかり言っていく、逆に県民の利益になることについてはしっかりお願いしていく、そういうスタンスで取り組んでいきたいというふうに思っています。

 それから、予算の関連についての御質問に順次お答えいたします。

 まず、地方交付税措置がある起債額についてでございます。

 平成25年度の当初予算案におきましては地方債1,251億円の発行予定であります。このうち交付税措置がある起債が1,071億円でございます。内訳としては、交付税措置率が100%の臨時財政対策債が713億円、交付税措置率、事業によってさまざまですが、30%から95%の建設事業債を358億円発行予定という状況です。

 2月補正予算案の経済対策分におきましては、地方債159億円発行予定でありますが、このうち地方交付税措置率50%の補正予算債を約159億円発行予定という形になっております。

 県債発行の抑制対策ということでありますけれども、昨年度策定いたしました行政・財政改革方針に基づいて、建設事業債については、平成24年度当初予算額の範囲内、ただし緊急な対応等が必要な場合はその財源として活用していきます。また、臨時財政対策債については、これはそもそも地方財政制度の大きな課題だというふうに思っておりますので、これは地方の側としては発行せざるを得ないと。交付税の身がわりでありますから発行せざるを得ないわけでありますけれども、廃止を含めた抜本的な見直しを国に対して引き続き求めていきます。また、退職手当債、行政改革推進債については、できる限り発行しないという方針で臨んでまいります。

 行政・財政改革方針に基づきまして、中長期的な視点で県財政の健全化を図ってまいります。

 次に、当初予算案において経済・雇用状況を改善するため特に配慮した施策という御質問でございます。

 厳しい経済情勢の中で、経済・雇用対策、当面の最重要課題だというふうに考えております。先ほど御答弁申し上げましたように、地方財政、非常に厳しい状況の中で、今回の国の経済対策を最大限に活用して、平成24年度補正予算とそれから25年度当初予算、一体的に編成して、国の支援をしっかり使いつつ長野県独自の取り組みも充実をさせたところでございます。

 まず、公共事業につきましては、地域防災力の向上と社会基盤の老朽化対策を重点的に実施して安全、安心な地域づくりということで、当初予算案、補正予算案と合わせて前年度当初予算対比で約29.7%、259億円上回る事業費を確保しています。

 また、個々の企業、新たな取引を拡充していただきたいということで、展示会、商談会の出展支援に重点的に予算配分を行っております。特に、今回は海外展示会に対する助成制度の充実を図ったところでございます。また、次世代産業の創出に向けまして、成長分野への企業の展開支援、そして創業しやすい環境づくりにも努めてまいります。具体的には、健康、医療などの有望分野の産業創出を図るためテクノ財団のコーディネート力を高めて、国際的な産学官連携をさらに加速させます。

 また、創業等を行う中小企業者に対して事業税の軽減措置ということで税制上からも支援を行ってまいります。

 また、障害者、母子家庭の雇用についても税制の拡充で対応してまいります。

 さらに、ものづくり産業応援助成金でこれまで企業立地等を推進してきたわけでありますけれども、ものづくり産業応援助成金について、雇用機会を拡大するという観点から、雇用者数に応じて助成率を引き上げていくという形の制度改正をいたします。また、緊急雇用創出基金を活用して1,500名を超える雇用の創出につなげてまります。

 また、ジョブカフェ信州運営事業あるいはパーソナル・サポート・モデル事業の充実で、若者あるいは就労が難しい方々のサポート体制もさらに充実をさせていただきます。

 そうしたもろもろの施策を通じて、長野県の経済、しっかりと回復軌道に乗せてまいりたいというふうに考えています。

 次に、地方交付税の給与費削減措置の影響額と元気づくり事業費の試算額についてでございます。

 地方公務員の給与、各自治体が主体性を持って判断していくべきものというのは当然の原則だというふうに私は思っております。そういう意味で、今回の交付税削減とセットになった国から地方への給与削減要請というものは地方自治の根幹にかかわることというふうに考えております。極めて大きな問題があるというふうに考えています。とはいえ、現実の対応を私どもとしてはしていかなければいけないわけでありまして、交付税が削減され財源が厳しくなる中で実際の財政運営については慎重に考えていかなければいけないというふうに思っています。政府の考え方をしっかり確認しつつ、他県の取り組み等も踏まえて、本県としての対応を考えてまいります。

 平成25年度の地方財政対策におきまして、この給与削減に見合った事業費の一部として地域の元気づくり事業費が創設をされています。

 給与費削減によります本県の地方交付税、これは臨時財政対策債分も含む数字でありますけれども、影響額は、本県の平成25年度の給与支給見込み額をもとに試算をいたしますと、およそ80億円というふうに見込んでおります。

 地域の元気づくり事業費は普通交付税で措置されることになっておりまして、各地方公共団体のこれまでの人件費削減努力を反映して、ラスパイレス指数、そして職員数削減の状況を加味して算定するということになっております。先般、国から示された資料に基づいて試算をいたしますと、現時点ではトータルで34億円程度というふうに見込んでおります。このうちラスパイレス指数による影響額13億円程度、それから職員数の削減による影響額、職員数分が10億円というふうに見込んでいるところでございます。

 それから、生活保護基準額の引き下げ等についての考えということでございます。

 生活保護制度、不正に受け取る方がいる等さまざま課題があるのは事実でありますけれども、しかしながら、最後のセーフティーネットということで、必要とされる方には確実に保護を受けていただく、そういう基本的な考え方は維持されなければいけないというふうに考えております。そういう中で、見直しに当たっては、どうしても厚生労働省と財務省が議論すると財政的な視点だけの議論になりがちでありますけれども、生活保護受給者のさまざまな実態等も踏まえて、できるだけ社会参加、自立につなげていくという視点が必要だというふうに考えております。

 国においては、今般の見直しにあわせて、生活困窮者の自立、就労支援等を強化するための新しい法律の制定を予定しているというふうにも伺っておりますので、ぜひこれは早期に具体化をしていただく必要があるんじゃないかというふうに考えています。

 生活保護費の削減の影響と対応ということでございます。

 厚生労働省から示された生活扶助基準の見直しに伴い影響が生じる制度、38ございます。県が予算措置をするなど関係している制度が21ございます。このうち県の裁量の余地があるものについては、各制度の趣旨や目的、実態を考慮して、今回の生活保護基準の見直しにおける影響ができる限り及ばないように対応していきたいと考えております。また、この他、県の裁量の余地がないものについても影響ができる限り及ばないよう国に対して要請をしてまいりたいと考えています。

 それから、改革・新風会派の皆様方から頂戴した提言の予算への反映についてという御質問でございます。

 各会派からそれぞれ御提言いただいてきているわけでありますけれども、私ども十分内容を踏まえてできる限り実現に向けて努力をしてきているところでございます。

 改革・新風からは10月の22日に多岐にわたる御提案をいただいたところでございますが、先ほど竹内議員御指摘ありました7項目についての対応を御説明を申し上げたいと思います。

 まず、事業評価、事業点検、議会決算審査、予算編成と連結した仕組みを重視することという御提言でございます。

 新しい中期計画のスタートということもございますので、政策評価と事業点検を一体化して、その結果を次の予算、次なる施策展開に反映する仕組みに再編成をしていきたいと考えております。具体的には、施策、事業ともまず自己点検を県として行います。その後、第三者による評価、あるいは県民協働による事業改善制度による点検を実施をします。この流れと並行して県議会において決算審査が行われ、その結果が伝えられるわけでありますので、こうした結果を当初予算編成にしっかりと反映していくことによってPDCAサイクルを回していきたいというふうに考えております。

 なお、こうした一連の流れには共通の事業改善シートを用いることによって、事業の簡素化、そして一貫性を確保していきたいというふうに考えております。

 それから、30人規模学級の中学校3年生への拡大についてでございます。

 国においては大変残念でありますけれども30人規模学級の拡大は見送られることになりましたが、本県では、児童生徒に対するきめ細かな指導による学力の向上等を目標として、平成25年度から中学校3学年に拡大することといたしたいと思っております。

 また、信州住宅リフォーム助成金、これは多くの県民に活用されるよう進化させることという御提言でございますが、これについては、県産材の使用量に応じた助成から工事費用総額の20%の助成に変更するとともに、構造材の使用要件を2立方メートルから1立方メートルに引き下げるということでより活用しやすい制度となるよう見直しを行いました。

 次に、鳥獣被害対策の予算増額についてでございますが、これについては、侵入防止柵等の整備事業については市町村からの要望額が減少いたしましたことから事業費については減額をいたしましたが、雌鹿の集中的な捕獲に要する経費の増額、そして射撃場の老朽施設の更新に新たに助成を行うということで充実を図ったところでございます。

 また、ながのパーソナル・サポート・サービス事業の継続との御提言につきましては、国に対して継続を要請いたしますとともに、県としての予算額9,000万円余から1億円余に増額して充実した形で実施をしてまいりたいと考えております。

 文化財保全や高等学校の維持修繕予算の増額との御提言でございますが、この2点については私もこれまで必ずしも予算措置が十分ではなかったのではないかというふうに感じていたところでございます。文化財の保存、修理につきましては、補助率を引き上げるとともに、予算額を4,000万円から約6,000万円強に増額をいたしまして所有者の負担軽減も図ることといたしております。また、高等学校の維持修繕工事につきましては、特に老朽化が著しい箇所全てについて今後3年間で完了させる道筋をつけたところでございます。

 東日本大震災復興支援のための一般任期付職員の採用につきましては、これは、被災自治体への支援はまだまだ重要不可欠だというふうに考えております。職員を派遣する上では長野県としての業務体制も確保することが必要でございますので、通常の業務体制を確保するために一般の任期付職員を採用して、それによって生み出された人員、技術職員を中心に20名を被災自治体に派遣することといたしております。

 今後とも、県議会、県民の皆様方から寄せられる御意見、御提案、十分検討した上で施策を構築してまいりたいと考えております。

 次に、雇用・経済対策についてでございます。

 緊急雇用対策としての県の取り組みについてのお尋ねでございます。

 雇用の確保、これは経済対策と並んで重要な課題だというふうに認識をいたしております。緊急雇用対策会議、先日開催されましたが、離職の未然防止策あるいは再就職支援策を中心として、当面の緊急雇用対策、これは、ハローワーク、労働局、県、関係団体等で進めていこうということで決定を見たところでございます。県としては、ジョブカフェ信州の出張キャリアカウンセリングや民間教育機関に委託して行う職業訓練のほか、国の補正予算によって創設されました緊急雇用創出基金の起業支援型地域雇用創造事業を迅速かつ積極的に活用して再就職に向けて最大限の支援を行ってまいりたいというふうに考えております。

 また、ものづくり産業応援助成金においては、新たに雇用者数に応じて助成率を引き上げるなど、企業に対して雇用の観点からの支援も充実を図ってまいります。国、県、市町村、関係機関と一体となって、人員整理等により離職を余儀なくされた方々がいらっしゃるわけでありますので、そうした方も含めた雇用の問題にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、新しい総合5カ年計画についてでございます。

 縦割り行政弊害を克服する計画推進のあり方という御質問でございます。

 本計画の各プロジェクトは、それぞれ県の部局でいえば複数の部局に関係しているものがほとんどでございます。そうした観点で、議員御指摘のとおり、縦割り行政の弊害をなくして、有機的な連携のもとに施策を推進していくということが重要だと考えております。そうした観点で、関係する部局長の中でその中心的な取り組みを行う者を総括マネジャーという位置づけを付与して、プロジェクト全体に対してしっかりと目配りをしながら政策評価の統括あるいは次年度の重点施策の取りまとめを行う、そうしたことを行っていく体制をつくっていきたいというふうに考えております。

 もとより、縦割りの弊害をなくしていく上では、こうしたプロジェクトに限らず、平素から各部局間の情報の共有化、連携を推進していくということもあわせて行っていくことが重要だというふうに考えております。

 次に、5カ年計画期間中の大型事業の事業実施と検討の区分けでございます。

 厳しい財政状況の中で、学校あるいは庁舎の施設改修なども含め大型の事業については、これは優先順位をつけながら着実に進めていくことが必要だというふうに考えております。今回の計画ではさまざまな施設の位置づけをさせていただいておりますが、工科短期大学校南信キャンパス(仮称)につきましては取り組みを進める、新たな県立4年制大学については設置するという記載にさせていただいております。これは計画期間内の施設着工または開学など事業開始を目指すものでございます。

 また、信濃美術館でありますとか、あるいは武道を振興するための施設については、これは検討を進めるという形で記載をしております。これらは、計画期間中に具体的な施設整備の検討または施設のあり方、方向性の検討を進めていきたいというふうに考えております。

 木曽川右岸道路、あるいは松本糸魚川連絡道路につきましては、これは、整備を推進する、あるいは取り組みを進めるということで引き続き整備を進めていくということでございます。

 個々の状況に応じた記載をして施策の推進をそれぞれ図ってまいりたいと考えております。

 次に、5カ年計画に盛り込まれた事業の必要経費と財源確保策についてということでございます。

 今回の総合計画、時代の大きな転換点に立って、県民の皆さんと目標を共有して進んでいく計画という位置づけでございます。具体的な事業あるいはその事業規模については、社会経済情勢の変化あるいは県財政の状況などに留意しつつ、毎年度の予算編成の中で具現化をしていかなければいけないというふうに考えております。また、新しい事業、あるいは見直す事業ということもこれからさらに検討していかなければいけないわけでありまして、計画期間中のトータルとしての必要経費を積み上げるということは現時点ではなかなか困難だというふうに考えております。

 計画の推進に当たっては、厳しい財政状況も踏まえつつ、行政・財政改革方針に基づいて財源の確保に取り組み、計画を着実に進めてまいりたいと考えています。

 再生可能エネルギーの推進に関連いたしまして、県内事業者への誘導、県民公募などを検討すべきという御意見でございます。

 自然エネルギーの普及拡大につきましては、私どもとしてもやはり地域主導の事業であることが最も望ましいというふうに考えております。今回、おひさまBUN・SUNメガソーラープロジェクトを進めているところでありますが、事業者の公募に当たりましては、地域経済への寄与を考え、県内事業者の参画、地域資金の活用、地域住民や行政が参加する運営協議会の設置、売電収益の地域への還元、こういった地域主導型の事業を進めるための要件を課して事業者を選定させていただいたところであります。

 自然エネルギーを地域経済の活性化につなげていく上では、御指摘のとおり、県内の企業あるいはNPOなどによる事業の推進、参加が望ましいというふうに考えておりますので、今後さらなる県有施設の貸し付け等の際には県内事業者の参画を確保できる手法で広く主体を募ってまいりたいというふうに考えております。

 続きまして、公共交通についての御質問でございます。

 地域交通、地域の足の確保、極めてこれからの長野県にとって重要な政策だというふうに私は考えております。

 まず、新総合交通ビジョンが掲げる目標の実現に向けて地域交通システム再構築促進プロジェクト事業を新しく創設して、公共交通の維持が困難となっている中山間地域などにおいて持続可能な地域交通システムへの転換を進めることとしております。

 まずは市町村と一緒になってこのプロジェクト事業に取り組んで、地域の実情に即した交通システムの構築に取り組んでまいりたいと考えています。

 この取り組み、成果を上げればその成果を広く県内各地域に波及させていくということが必要になってくるわけでありますが、そのために必要な施策については、これから行っていく具体的な事業の成果を検証した上で、どういった施策が効果的であるのかということは十分検討していきたいというふうに考えております。

 また、鉄道やバス利用のための駐車場整備などへの補助制度の創設ということであります。

 例えばパーク・アンド・ライドについては、長野県として例えばさまざまな情報提供等によって市町村の支援をして、県内33市町村で約4,800台分の駐車場が確保されてきているところであります。

 これからの交通を考えていく上で、国と県と市町村との関係、この交通の部分はまだまだ未成熟といいますか、国がほとんど権限、財源を握っている中で、県と市町村はある意味で試行錯誤しながら取り組んできているというのが実態だろうというふうに考えております。

 地域に密着した事業はやはり主体的に市町村に担っていただくということが重要だというふうに私は思っておりますが、例えば広域的な事業であるとか、あるいは市町村の肩を少し押して先駆的な取り組みをやっていただくような事業とか、そういうものについては県としての支援というものも考えていくことが必要ではないかというふうに思っております。

 まず、今回の地域交通システム再構築促進プロジェクト事業で具体的な成果を上げて、その次の段階でどういう仕組みが望ましいのか、そして県と市町村の役割分担はどうあるべきかということを明確にするよう考えていきたいと考えております。

 それから、公共交通審議会の設置による総合交通計画の策定と交通政策局の設置についてという御質問でございます。

 今回、新しい総合交通ビジョンを策定したわけでありますが、検討委員会を設置して広く市町村、交通事業者の御意見もいただく中で取りまとめてきているところでございます。交通ビジョン案で示された施策の方向性をしっかりと踏まえて、新しい総合5カ年計画のもとでこの交通ビジョンの具現化に向けた取り組みを進めていきたいというふうに考えています。

 交通につきましては私自身も地方の位置づけが必ずしも十分ではないというふうにかねがね思っているところでありますが、今後、県の組織体制としてどういう体制で取り組めばいいかということは、5カ年計画全体を推進していくための県組織のあり方を新しく行政機構審議会において検討していきたいというふうに考えておりますので、その中で交通政策を推進する組織のあり方について十分検討していきたいと考えております。

 それから、公共交通の維持存続に向けた県民運動の推進という御質問でございます。

 県としては、国、市町村、交通事業者の皆さんと一緒に長野県公共交通活性化協議会を設置しているところであります。引き続き、この組織を活用して、公共交通の活性化、利用促進に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 県としても、県民の皆さんに公共交通を利用してもらうことにつなげていかなければいけないわけでありますので、総合交通情報サイトというものを市町村あるいは交通事業者の皆さんと連携して開設していきたいというふうに思っておりますし、県内公共交通の利用を容易にするためのさらなる情報提供に努めていきたいというふうに考えております。単に公共交通を利用しましょうという啓発にとどまらず、具体的な情報を県民の皆様方にお届けすることによって利用促進につなげられるように取り組んでまいりたいと考えております。

 私に対する御質問は以上でございます。

 

◆企画部長(原山隆一)

 私には当初予算の経済波及効果と雇用創出効果についての御質問でございます。

 25年度当初予算のうち投資的経費が1,403億円でございます。これを事業規模にいたしますと2,207億円となります。これを初期需要額として直近の長野県産業連関表を用いて推計をいたしますと、県内では3,593億円の生産誘発額が生じます。経済波及効果は1.63倍という計算になります。

 また、雇用の関係でございますが、この生産活動に伴いまして県内で増加する雇用者数につきましては、同様に推計いたしますと理論値で年間3万1,481人となります。さらに、緊急雇用創出基金事業によりまして新たに1,553人の雇用を見込んでおりますので、合わせると3万3,034人の雇用者数となるところでございます。

 以上です。

 

◆教育長(山口利幸)

 教育の再生について3点お尋ねをいただきました。

 まず、今後の不祥事の再発防止策の取り組みについてのお尋ねでございます。

 過日、特別支援学校で寄宿舎指導員による生徒へのわいせつ行為が発生しましたことは、まことにふんまんやる方なく、断じて許せない行為でありまして、警察に通報するとともに指導員を懲戒免職としたところでございます。

 県教育委員会といたしましては、当面とり得る対策を講ずるとともに、原因を分析、検証しまして、また、あり方検討会議からの提言も踏まえまして、二度とこのような事態が発生しないよう再発防止策を講じてまいります。

 また、本件を契機としまして、被害者等の権利利益を保護し、2次被害を防ぐため、教育委員会として「懲戒処分等の指針」の公表基準について非公開もある形に改正いたしました。しかしながら、処分の非公開により原因究明や再発防止策の説明責任等が不十分になるなどとの御批判をいただいたのを受けまして、公益性と個人情報保護のバランスのありようや、その際の基準について、外部の専門家による検討会議を設置し不祥事の公表に関する検討を早急に行いまして、来年度早々にもガイドラインを策定し運用してまいりたいと、こんなふうに考えております。

 3月下旬には教員の資質向上・教育制度あり方検討会議から提言をいただく運びとなっておりまして、提言をもとに県教育委員会として不祥事防止の行動計画を策定し、不祥事の根絶と信頼の回復に努めてまいります。

 次に、教員の人事についてのお尋ねでございます。

 議員御指摘のように、教育における分権を進めることは地域や学校の多様な教育課題にきめ細かく対応するために必要であり、また、教育における権限と責任の所在を明確にする上でも検討していくべき重要な課題であると考えております。

 現在、教員の人事異動については、全県の教育水準が一定に保たれるよう全県人事としまして、1校目、2校目の教員につきましては本拠地以外の地域の中で教育実践に当たり、研修を積むことができるように配置しておりますけれども、3校目以降においては生活の本拠地とする地域での勤務ができるようにしてございます。

 市町村への人事権の移譲につきましてはあり方検討会議の採用・人事専門部会においても議論がなされておりまして、その報告書案では、今後は政府の教育制度改革の行方も注視しつつ、各市町村の意向を把握するとともに全県的な視野で検討していくとされていますので、今後については、検討会議の提言をもとに、教員の採用や配置、あるいは人事権の移譲につきましても市町村教育委員会とともに研究してまいりたい、こんなふうに考えております。

 次に、義務教育費国庫負担金の削減等と本県への影響についてのお尋ねでございます。

 まず、義務教育費国庫負担金の削減についてでございますが、平成25年度における教職員を含む地方公務員の給与につきましては、東日本大震災を契機とした防災対策等のための国家公務員の給与減額を踏まえまして、地方公共団体においても速やかに必要な措置を講ずるよう国より要請されております。これを反映しまして、義務教育費国庫負担金については、25年7月から9カ月分につきまして、一般教諭の給料で4.7%余、校長、教頭の給料で7.7%余の減額などを実施することとされており、本県では約12億円削減される見込みとなっております。

 次に、教員定数改善の見送りについてでございますが、国は30人規模学級について小学校2学年まで実施しましたが、本県では、地域の実情に応じ、活用できる国の加配教員なども充てながら中学校2学年まで拡大してきました。25年度政府予算案では、教員定数改善について、少人数学級は見送りになりましたが、新たに個別教育課題の定数改善や学校いきいきサポート人材活用事業を創設することとしておりまして、本県では、これらの新たな事業を活用しながら、25年度は30人規模学級を小中学校全学年に拡大し、児童生徒の学校生活の安定や学力の向上を図ってまいりたいと考えております。

 また、いじめや不登校対策としてさまざまな課題を抱えている児童生徒への対応といたしまして、学校現場から要望の強い福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーについて、国の拡充された補助金を活用いたしまして、5名から8名に増員することといたしました。

 なお、教員の定数改善につきましては、平成12年度以来、国の定数改善計画が策定されていないため、計画的、安定的な正規教員の採用、配置による少人数学級の推進が難しい状況になっており、県といたしましては新たな教職員定数改善計画の策定等につきまして引き続き要望してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

◆環境部長(原修二)

 当初予算案並びに総合5カ年計画で目指しますメガソーラー、バイオマス、水力、小水力の分野別の目標はどうかという御質問でございます。

 まず、再生可能エネルギーの現状、実績でございますけれども、平成22年度の長野県内の再生可能エネルギー発電設備容量、発電能力といってもいいんですけれども、これが174万キロワットでありまして、そのうち大規模水力など既存水力が163万キロワットでございまして、これを除きましたいわゆる太陽光等の自然エネルギー発電設備容量は約11万キロワットとなっております。

 新たな総合5カ年計画では、この自然エネルギー発電設備容量を24万キロワットに拡大いたしまして、最大電力需要に占めます再生可能エネルギーの発電設備容量の割合を、平成22年度58.6%に対しまして平成29年度には70%に高めることを目標としているところでございます。

 自然エネルギー発電設備容量24万キロワットの内訳でございますけれども、太陽光発電を22万キロワットに、バイオマス発電を1万5,000キロワットに、リードタイムが長い小水力発電につきましては2,800キロワットに拡大いたしまして、設備容量合計では先ほど申し上げました平成22年度の11万キロワットに比べまして約2.2倍に拡大することを目指しております。

 新たな5カ年計画の目標に向けまして、新年度予算につきましては、地域主導型自然エネルギー創出支援事業でありますとか公共施設等再生可能エネルギー導入推進事業など、地域で先行的に行う事業に対する支援を初めといたしまして、自然エネルギーの普及のための予算をお願いしているところでございます。

 また、あわせまして、先ほども御質問がございましたけれども、県有施設等を活用した太陽光発電でありますとか、小水力キャラバン隊等のエネルギー種別ごとのきめ細かな支援の仕組みを導入いたしまして自然エネルギーの事業化支援策の強化を図ってまいりたいと考えているところでございます。

 

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◆竹内久幸

 これまでのところで御要望だけ申し上げて、次の質問に入りたいと思います。

 まず、地方交付税の削減については、今回の手法というものは極めて地方に対して自治を否定するやり方である。このことが許されるとすれば、これまでの地方分権を推進していくという流れに水を差すことになる。したがって、地方交付税そのものは地方固有の財源であるということをどこの知事も言っているわけですけれども、まさにその観点をさらに強く出していただいて、これからの地方の財源の充実のほうに、逆に今回の国の行ったことを転嫁をして、より強固なものにしていただくような取り組みをぜひしていただきたいということをお願いを申し上げておきたいと思います。

 それから、景気・雇用対策について、大変厳しい雇用情勢があるわけでございますが、ぜひ長野労働局とも連携をして、先ほど答弁されたような中身についてしっかりと安心できるように取り組んでいただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 それから、新たな総合5カ年計画に基づくいわゆる財源の問題については、今の答弁を聞いておりますと、明確に示すことは検討もしていないし、できないということでございまして、その年度年度で対処していくということの答弁がございました。

 しかし、市町村と違って県の場合には実施計画をつくるわけではないので、事業の必要性も含めて、あるいは予算の確保も含めてどのように検証していくかというのは、先ほども言われた評価の制度の中でやっていくしかないということになろうかと思いますけれども、この辺はしっかり財源も見詰めながら、そうはいっても計画立てながらやっていただけますようにお願いを申し上げておきたいと思います。

 それから、教育の再生については、私は、教育委員長の議案説明を聞いておりまして抜けている部分があるというふうに感じております。また、あわせて、先ほどの風間議員に対する教育委員長の答えの中で、教育委員会として独自に今回の問題について何をやってきたのかということが抜け落ちているというふうに思っていますし、また同時に、実際に不祥事を二度と起こさないためどうするかという論議、これは大事なことですけれども、今まで教育委員会が被害者のために一体何をやってきたのかと。まさに教育の原点だと私は思いますけれども、被害に遭った子供たちのために一体何をやってきたのかという観点が議案説明の中に抜け落ちているというふうに私は思います。この点についてあえて再質問はいたしませんけれども、これから行われる他の皆さん方も含めて、教育委員会としてこれまで何を一体やってきたのかということも含めてしっかり御説明をいただき、教育の原点とは何かということを肝に銘じていただければ大変ありがたいというふうにあえて申し上げておきたいと思います。

 次に、知事が公約した各種条例の制定について伺います。

 まず、中小企業振興条例について伺います。

 中小企業の果たす役割の重要性に鑑み、中小企業の振興に関する基本理念及び基本方針を定めるとともに、県の責務等を明らかにすることにより中小企業の振興に関する施策を総合的に推進し、県内経済の持続的な発展及び県民生活の向上に寄与することを目的とした中小企業振興条例は、平成24年に制定された山形、富山、愛知、香川、愛媛、鹿児島の6県を含め、既に26道府県で制定されております。

 本県においては、企業総数に占める中小企業数は99.8%、従業員総数に占める中小企業勤務者は84.8%で、全国平均より高く、県内経済の多くは中小企業の活動によって成り立っており、地域社会の維持や雇用の確保など県民生活を支える重要な存在と言えます。

 しかし、国際的競争の激化、急速に進む少子・高齢化、人口減少、デフレ、中小企業金融円滑化法の終了などによって中小企業は極めて厳しい経営環境に置かれております。

 このような中で、時代のニーズを的確に捉え、地域資源の有効活用や本県独自の商品開発、海外も視野に入れた事業展開や販路の拡大等について、県、市町村、中小企業関係団体、県議会、大学等が連携して中小企業の振興を支え、活力ある地域社会づくりを行うための施策を総合的かつ計画的に推進するための条例が本県においても必要と考えます。

 この点、本県では、昨年9月に中小企業振興審議会が立ち上げられ、1220日には同審議会の第1回条例検討部会を開催し検討に着手したとお聞きしておりますが、今後の検討スケジュールや制定の時期についてお伺いをいたします。

 また、条例には本県の中小企業振興策の特徴を出すことが問われますが、現時点で県としてはどのような施策をお考えか。あわせてお伺いをいたします。

 次に、障害者差別禁止条例(仮称)について伺います。

 この条例の検討については、障害のある人及び家族、障害のある人の生活にかかわりの深い福祉、医療、教育、司法、雇用、市町村行政の関係者で構成する、障害のある人もない人も共に生きる社会を目指す研究会が設置され、平成23年7月から10回にわたり審議が行われ、昨年1122日に「共生社会の実現を目指して」と題する報告書が提出されています。

 また、この研究会の審議の過程では、障害を理由とした差別と思われる経験、嫌な思いをしたこと、してほしくないこと、暮らしにくさや不便さを感じたことなどの意見募集を行い、それを基礎にして差別等の定義づけの検討を行うとともに、県民の関心を高める機会とするための県内4会場での県民学習会の開催、差別等の定義づけを行うに当たってサービス提供者や雇用主等の立場及び障害者団体からの意見や考え方を参考にするために、関係する事業団体等との意見交換が4日間にわたり18事業者団体と行われました。また、意見照会も行われてまいりました。

 そして、こうして作成された報告書では条例について次のように結ばれております。「差別等に当たる行為を具体的に定義付けた上で、こうした行為は障害のある人にとって不愉快なこと、してほしくないこととして行われないよう県民共通のルールとしていくには、法的な位置付けが必要です。また、差別等が起こった場合に備えて、当事者が相互に理解し合い、後々にしこりを残さない解決を図る仕組みが用意されているということを条例により打ち出すことは、障害のある人にとっては心強い支えとなり、差別等をしてしまう可能性のある人に対しても、共に取り組もうという強いメッセージとなります。」「こうした事項を内容とする条例を制定することにより、長野県が共に支え合う共生社会を目指すという基本姿勢を明確に打ち出すことが期待されます。」としております。

 そこで、この研究会報告書の知事の受けとめと、今後、条例制定についてはどのように取り組まれるのか。お伺いをいたします。

 また、報告書の終わりには、「長野県においては、共生社会の実現に向けて、この報告書を基に必要な取組を十分に検討し、積極的に推進することを期待します。」とありますが、どのような取り組みを推進されていくお考えなのか。お伺いをいたします。

 次に、仮称でございますけれども、子どもの権利条例についてお伺いいたします。

 いわゆる子ども権利条例については、子どもの育ちを支えるしくみを考える委員会が平成23年6月に設置され、これまで9回の審議が行われ、昨年7月23日には中間取りまとめの提出が行われるとともに、ことし1月22日に行われた第9回委員会では、子供支援の論点整理、まとめが行われました。その内容は、相談、救済の仕組みとして第三者機関により相談・救済活動を行う必要がある、効果的に運用するためには条例によりその地位や権限を定める必要がある等の内容です。

 委員会では、今後さらに議論を深める必要のある課題として、支援も必要とする家庭や学校と福祉サービスを確実に結びつけることや、子供たちが安心していられる場所の確保、権利学習の推進、突発的に生じる子供に関する事件・事故に対し検証等を行う仕組みづくりの検討を行い、ことし7月に最終取りまとめを行う予定であります。

 子供の権利については、1989年の第44回国連総会で子どもの権利条約が採択、制定され、我が国は1994年に批准し、158番目の締約国となっています。しかし、1998年には、国連の子ども権利委員会が、日本政府に対して、いじめ、虐待、体罰などの暴力に苦しむ子供の権利救済制度の立ちおくれを指摘して、オンブズパーソン制度の創設などを勧告した経緯があります。にもかかわらず、近年、虐待が増加するとともに、いじめや体罰により自殺に追い込まれた事例が国内でも県内でも増加傾向にあり、社会問題となっております。

 こうした事態に国でも最近になって対策を検討するとしていますが、本県でも、子どもの育ちを支えるしくみを考える委員会の委員長が指摘しているように、いじめや体罰、虐待といった問題に対し、子供が安心して相談できる仕組み、救済できる制度をつくる必要があるとしていることから、実効性のある条例を早期に制定する必要があると思いますが、条例制定の時期について伺います。

 また、委員会の幹事会では、現在、教育委員会にあるこどもの権利支援センターを改編し、第三者機関として知事部局に置き、中立性を高めることを提案していますが、お考えをお聞かせをいただきたいと思います。

 次に、公契約条例について知事に伺います。

 公契約条例を制定する自治体は徐々に広がりを見せています。本県においては一昨年9月に公契約のあり方の中間報告がなされ、その後、知事は、議会答弁で、条例化による効果、問題点、メリット、デメリットなどの課題に対する対応策を具体的に検討し、有識者の方々の意見も聞いた上で、今年度中には公契約のあり方、県としての方向性を出したいと答弁しております。

 そこで、今年度末を迎えるわけですが、検討結果の内容と今後の取り組みについてお伺いをいたします。

 次に、新たな4年制大学の設置について知事に伺います。

 県では、県短期大学を改組し、時代の要請に対応していく新たな4年制大学を設置することとし、県立大学設立準備委員会を設置、昨年9月に「新県立大学基本構想(素案)」を確認し、意見募集を行いました。素案に示された主な内容は、理念として、ビジネスや公共政策の分野でイノベーションを起こすことのできる人材を育成し、地域社会、国際社会に貢献するとし、特色として、実践的英語力の取得で1年間の留学の義務化、異文化交流や語学力養成の場として1年間の全寮制、学部構成では、国際的な視野を持ち、地域の豊かな資源を生かして新たな可能性を生み出す人材の育成が長野県にとって喫緊の課題等として、総合マネジメント学部としております。

 この素案についての意見募集で多く寄せられた意見は、県短期大学をベースに発展的に改組すべき、1年間の留学を義務化すべきでない、1年間全寮制とすべきでない、管理栄養士養成課程を設置すべき、文化、語学を学べる学科を設置すべき等で、県は、これらの意見を踏まえ、さきの基本構想にこだわらず、教育の特性や学部・学科構成を含め、大学のあるべき姿について広く検討していくとしました。しかし、この見直しの動きに、県内の私立大学の経営者からは、少子化の中で同じような学部や学科ができれば民業圧迫になるのではないかなどの主張が活発となり、今後、関係者との調整が課題となっております。

 私は、県民が望む大学像は、何よりも、県税を使い運営する以上、多くの学生が県内に就職し、経済活性化、公的分野や福祉、教育、観光等の分野で活躍する人材を養成し、地域に貢献する姿であると思っております。また、県内の大学に入学する県内高校生が進学者の15%と少ない現実に、県立大ができれば民業圧迫になるとの意見はよくわかりますが、問題の本質は現在でも県内高校生が県内の大学へより多く進学してもらうにはどうすればよいかということだと思います。

 そこで、県と私大、高校進学担当者教諭などが日常的に連携し、どうすれば県内の大学等への進学率が高まるか協議の場を設置し、施策を打ち出していくべきと考えますが、取り組みをお伺いいたします。

 また、新たな4年制大学の設置については、このまま放置してしまうわけにはいきません。現在、大学像についてさまざまな意見が出されておりますが、今後どのようにまとめていくお考えなのか。あわせてお伺いをいたします。

 次に、関連して長野県福祉大学校の今後について知事に伺います。

 長野県福祉大学校は、昭和28年4月に保育専門学院として開設され、平成7年4月には介護福祉士養成施設の指定を受け福祉大学校を開校し、平成13年に学校教育法に基づく専修学校となり現在に至っております。学科は、保育学科、2年制、定員1学年50人、介護福祉学科、1年制、定員20人で、保育士及び介護福祉士を養成しております。

 近年の応募状況は、保育学科が推薦、一般入試含め平成16年度の135人をピークとして、平成24年度では56人と落ち込んでおります。また、介護福祉学科の応募状況は、平成11年度の61人をピークに、平成24年は23人と落ち込んでおります。この背景には、自治体が保育士の正規職員の採用を抑制する状況が続いてきたことや、介護保険制度により介護職員の給与が低く抑えられてきたことなどが背景にあると思われます。

 なお、学校長の話では、保育学科の卒業生のうち平成23年度では15人が介護福祉学科に進学するなど、保育士資格に加え複数の資格を取得しようとする学生も相当数いるとのことでございました。

 卒業生の平成23年度の他の進路では、保育学科では、保育所が公立21人、私立5人、児童福祉施設、社会福祉施設が公立1人、私立3人ですが、このうち公立の保育所へ就職した21人のうち正規職員は8人ということでございます。また、介護福祉学科の卒業生の進路は、私立の児童福祉施設が1人、公立の社会福祉施設が2人、私立が16人ということであります。

 こうした福祉大学校の現状に対し、県では、県短期大学の4大化の検討の過程で、一時期、福祉大学校も新たにキャンパスとして位置づけることも検討しましたけれども断念したという経緯をお聞きしておりますが、であるならば、新たな4年制大学の設立に当たっては、福祉大学校についても、こうした現状を踏まえ、今後の方向性も県として明確にしておくべきではないでしょうか。

 福祉大学校の今後の方向性については、これまでも諏訪広域連合から幼稚園教諭免許取得可能化の要望や、最近では同窓会から同様の要望が行われ、県の眞鍋健康福祉部長が前向きな答弁をしたと報道されました。

 こうした経過も踏まえ、幼保一元化の流れに対応するため、新たに幼稚園教諭免許の取得可能化ということを行うとともに、介護福祉学科についても、現保育学科の卒業生が多様な資格を得て就職に有利な条件を得る場となっていることからも当面残すことが必要と考えますが、福祉大学校の今後のあり方について伺います。

 次に、並行在来線存続への準備状況について知事に伺います。

 新幹線長野―金沢間の開業に伴い経営分離される長野以北の並行在来線の存続のため、県では、長野新幹線開業時の課題を教訓とし、国への新たな支援策やJR東日本への資産譲渡額の減額支援策を求めて粘り強く交渉を行ってまいりました。その結果、貨物経路確保支援として貨物調整金制度の拡充などにより年間4億円強を確保したのを初め、初期投資についての新たな地方交付税措置の創設、JR東日本からの鉄道資産の譲り受けでのJRからの支援策を含めると実質的な無償措置を実現することができ、これまで御尽力されてこられた知事初め関係職員の皆様に心から敬意を表します。

 今後は開業に向けた着実な準備と利用促進策が課題となります。そこで、開業に向けた今後の取り組みと利用促進策についての具体的な取り組みについて伺います。

 新幹線の金沢までの開業は、その効果を地域経済の活性化にも生かせるかが課題であります。そのため、富山県や新潟県は、沿線市町村と連携し、早くからプロジェクトを立ち上げ、対策を行ってきております。この点、本県ではおくれをとってきた感がありますが、最近になって広域観光整備などについて検討する組織が生まれるなど取り組みが加速してきております。

 また、1月29日の並行在来線の資産譲渡に関するJR東日本との合意の際、新幹線延伸開業にあわせた観光宣伝、キャンペーンを展開、今後も県とJR東日本は新幹線開業に向けた広域観光ルート整備、観光資源の開発、商品化や幅広い情報発信等、観光、地域振興で協力していくことを確認したとありますが、今後、観光面では具体的にはどのような取り組みをしていかれるのか。お伺いをいたします。

 さらに、新幹線延伸に伴う名称について、最近、経済団体の代表や沿線自治体の代表らが、知事に、呼び名の一部に「長野」の名前を残すためJR東日本や他県に働きかけるよう要望したのに対し、知事は県としても県内の自治体や経済団体と連携しながら北陸各県の理解を求めていく考えを明らかにしたと報道されましたが、具体的にはどのような取り組みを行われていくのか。伺います。

 次に、リニア中央新幹線開業に向けた取り組みについて知事に伺います。

 リニア中央新幹線については、現在、パブリックコメントが行われている新交通ビジョン案に、「整備効果を、広く県内に波及させるため、アクセス道路の整備や在来線の利便性向上など、関連交通網の整備に取り組みます。」とし、具体的には、県内駅とのアクセスについては、スマートインターチェンジの設置、地域道路ネットワークの整備、駅周辺駐車場の整備、バス路線の開設、バスターミナルの設置、三遠南信自動車道による県外からの利用、JR飯田線との結節、利便性向上などに取り組むとしております。

 そこで、これらの取り組みを円滑に進めていくには、今から関係市町村やJRと具体的に検討するための組織を立ち上げ、役割分担などを明確にしていく必要があると思いますが、お考えをお尋ねをいたします。

 次に、道州制論議への対応について知事に伺います。

 これまでも道州制については国会においてさまざま話題になってきましたが、さきの衆議院選挙の結果、道州制導入を公約した政党が多くを占める結果となり、何か現実味を帯びてきた感があります。こうした事態に、1月23日開催された全国知事会で、道州制に関する基本的な考え方等について、地方行政体制特別委員会委員長である上田埼玉県知事から説明が行われ、道州制に関する基本的な考え方について議論がなされました。

 この内容について報道によりますと、上田埼玉県知事からは、知事会が道州制を検討する際の基本原則が提案され、道州制は地方分権を推進するためのものでなければならない、道州は都道府県にかわる広域自治体とし、地方自治体は道州と市町村の2層制とするなど7項目を掲げた。これに対し、徳島県知事は、よい道州制は最大公約数としてこういうものだというのをしっかりと打ち出すべきだ、阿部長野県知事は、道州制については慎重に議論すべきだなどさまざまな意見が上がったが、最終的には了承を取りつけた。今後は、この基本原則をもとにして知事会の考えを国や国民に発信していくという。山田会長も、今回の給与削減問題も含め、いつも思うのは国はジャッジとボクサーを兼ねているということ、向こうは決定権を持っていると指摘した上で、だからしっかり主張できるよう頑張らないといけないと訴え、比較的消極的と言われている道州制への対応についても積極的に応じていく考えを示したというものであります。

 このように、道州制導入については新たな政治構図の中で現実味を帯びる中で、全国知事会も導入への検討に踏み込んだ感があります。

 そこで、まず長野県知事として道州制に関してどのような考え方でおられるのか。導入のメリット、デメリットも含め伺います。

 また、全国知事会で確認された道州制に関する基本的な考え方の内容について知事としてどのように対応をしていくお考えなのか。伺います。

 報道によると、全国町村会では道州制反対を表明しており、長野県町村会と町村議会議長会も1月17日に道州制反対緊急要望として、県関係国会議員に対し、道州制の導入は小規模市町村の存在を否定し、市町村の強制合併を不可避とするとして反対することを求める署名・要請活動を行い、藤原会長は、平成の大合併の検証もしっかりできていない中で道州制に踏み切るのは非常に拙速、今国会には提出せず慎重にやってほしいなどと訴えたとのことでございます。

 また、泉田新潟県知事は、1月29日に行った道州制と地方分権の講演の中で、新潟州は選択肢の一つとしてあり得ると発言したとの報道がありました。この背景には、権限、財源、責任をセットにして、身近なことは身近で決めるというのが道州制、国が区割りを決めて押しつけるのはあり得ないとの思いがあるようです。

 道州制の区割りについては、平成18年2月、内閣総理大臣の諮問機関である地方制度調査会が道州制のあり方に関する答申を行い、その中で、本県は、9道州の場合、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県とともに北関東信越、11道州と13道州の場合は茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県とともに北関東とされました。また、その後出された自民党道州制推進本部がまとめた区割り案では、9道州の場合は富山県、石川県、福井県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県とともに中部、11州の場合は岐阜県、静岡県、愛知県、三重県とともに東海とされました。

 このように、道州制に関する過去の区割りの検討の経緯の中で、本県の置かれている位置は国が所管する地方整備局が三つにまたがることや、日本の中央に位置し、広い面積を持つ本県は8県と接しているゆえに、中信、南信、東信、北信など近県との経済や交流圏が異なることから、県民の皆さんの中にはこのままでは長野県は分断されてしまうという危機感を訴える方が多数おられたことを思い出します。

 この区割りの問題について、本県がどこに位置するのか話題となっているとき山口村の越県合併問題があり、当時の知事は既に長野県は信州であると主張したことを、私は当時の知事の評価すべき数少ない一つとして思い出します。

 県歌「信濃の国」は、まさに州として本県が成り立ってきた歴史を示していると思いますし、信州州の州歌だと思います。

 また、長野冬季オリンピック開会式での文化イベントは、広い県内の伝統、文化が披露され、本県の歴史的経緯の中で、各地区の利害対立を乗り越え、オリンピックを招致し成功させるため、世界のみならず国民へ本県の結束力をアピールしたと思います。

 そこで、道州制導入に関し、国や全国知事会の対応が現実味を帯びてくる中、本県の今後の姿について、本県を分断せず、県民生活や伝統、文化を守るため信州州構想を打ち出すべきと思いますが、お考えをお尋ねをいたします。

 また、町村会や町村議長会が我が町や村の自治を守るために道州制に反対を表明していますし、県議会、経済団体、労働団体、各種団体では、この課題について本格的に検討したことはこれまでになかったと思います。しかし、道州制導入への検討が現実味を帯びる中で、本県の将来を左右する多大な問題であるだけに、本県の対応を検討するため、市町村、県議会、経済・労働団体などによる研究会を設置するなど、県の姿勢を示すべきと思いますが、お考えをお伺いをいたします。

 質問の最後の項目は森林税の活用について林務部長にお伺いをいたします。

 昨年の9月定例県議会で、平成20年4月から導入した森林づくり県民税が今年度末で5年間の期限を迎えることから、5年間継続する条例改正案が可決されました。

 現森林税では、手入れのおくれている里山の森林整備等を中心に5年間で2万3,400ヘクタールの目標に対し、今年度末の進捗率は約95%の見込みですが、今後5年間でも手入れの必要な里山1万5,000ヘクタールの整備を目標に間伐を実施するとしております。

 税の継続に当たり新規に追加された事業は、市町村による水資源の取得経費への支援や、切り捨て間伐に加え搬出間伐も対象とすること。また、変更された内容は、市町村や地域の取り組みを支援する森林づくり支援金の事業メニューを見直し、厳格化したこと。さらに、税の活用や間伐材利用への普及啓発を広く県民等に周知するため、市町村が自主的に県産材の活用について推進することや、県民が集う場所や観光地に間伐材を使った木工品を配備すること等々でございます。

 そこで、伺いますが、森林づくり県民税の主要な目的は整備のときを迎えている里山整備であり、国の補助制度も組み合わせて着実に推進するとともに、本県が森林づくりに本気で取り組んでいる県として、県産材を製品化した展示を広く観光地や公共施設等の県民や観光客に見える場所に行う信州森林税・見える化事業を本気で行い、森林県信州のイメージを広くアピールすることが本県のイメージアップとなると思いますが、林務部長の決意のほどをお伺いをいたします。

 以上で2回目の質問を終わります。

 

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◆知事(阿部守一)

 まず、私が公約した各種条例についての御質問にお答えしたいと思います。

 まず、中小企業の振興に関する条例についてでございます。

 今、中小企業振興審議会、そして同審議会の条例検討部会において議論をしていただいているところであります。来月にも2回目の部会を開催予定でございます。平成25年度中の条例案の提出を目指しまして、県内企業を初めとする各方面の皆様の御意見もお伺いしながら丁寧に議論してまいりたいと考えております。

 具体的な内容については今後の審議会の議論を踏まえなくてはいけませんが、例えば県が中小企業の皆さんと一緒になって製品等を広くPRして販路を拡大していくというようなことや、あるいは県として中小企業の皆様の受注機会の拡大を図っていく、そういうことを検討していかなければいけないというふうに考えています。中小企業、長野県経済を支えていただいている重要な存在でございますので、中小企業の皆さんの一層の支援につながるように取り組んでまいりたいと考えています。

 それから、障害者の差別禁止に関する条例についてでございます。

 障害のある人もない人も共に生きる社会を目指す研究会から報告されましたように、障害のある方の権利擁護の観点から、なくすべき差別の定義あるいは解決していく仕組みについては法的な位置づけが必要だというふうに考えておりまして、条例の制定は有効な手段だというふうに考えています。

 他方で、今国において障害者差別禁止法案、準備を進めているわけでありまして、この国の法案の内容によっては私どもが検討している条例の範囲や内容に大きく影響を与えるということになるわけであります。通常国会で国の法案提出がされるのかどうかといったようなことも注視しながら条例の制定について判断していきたいと考えています。

 また、法令の規制に基づくだけでなく、障害を理由とした差別が起こらない風土をつくっていくということも重要であります。多くの県民の皆様に障害の特性あるいは生活上の困り事を御理解いただくために、地域で障害者とともに生きるサポーターになってもらう取り組みとして、信州版あいサポート運動推進事業、新年度の予算案に新たに盛り込んだところでございます。障害者の就労を初めとした社会参加を支援し、障害の有無にかかわらず暮らしやすい長野県につなげてまいりたいと考えています。

 次に、子どもの権利に関する条例。

 子どもの育ちを支えるしくみを考える委員会で、子供への支援、そして子供支援者への支援を大きな柱として、まず子供への支援の中心的な取り組みであります相談、救済の仕組みを重点的に協議していただいているところであります。

 委員会からの最終的な報告はことしの7月の予定でありますが、これまでの御議論から県として子供の育ちを支える仕組みに関しては条例を基本に考えていくべきだというふうに考えております。ことしの11月定例会に条例案を提案すべく検討を進めていきたいと考えています。

 第三者機関につきましては、委員会は、いじめや体罰、先ほど風間議員からいじめに対しての立法措置の話もございましたが、いじめの問題、これは学校内だけではなくて社会全体にも関係してくる話だろうというふうに思います。この第三者機関、委員会では、いじめや体罰等に苦しむ子供たちが安心して相談でき、適切に救済されるためには条例により権限等を明確に定めた第三者機関により支援することが必要という御意見であります。私も、昨今の状況等に鑑みると、こうした機関を置いていくということが必要ではないかというふうに思っております。

 いずれにいたしましても、このことについては教育委員会の権限にも関連する話でありますので、教育委員会と十分連携を図りながら検討してまいりたいと考えております。

 それから、公契約条例についてでございます。

 公契約のあり方については、これまでの研究成果につきまして、昨年の10月から、専門家、学識経験者から御意見を伺いまして、こうした方々の御意見を参考として、長野県が行う契約に関する基本的な考え方について検討をしてきております。

 長野県が行う契約については、これまでも、契約の基本であります透明性あるいは品質の確保、雇用や地域経済への配慮、中小企業の受注機会の確保などが求められてきたところであります。

 さらに、近年においては、賃金など労働環境の確保に加えまして、障害者雇用あるいは男女共同参画の推進などの社会的要請も多様化しておりまして、自治体の行う契約に対してもこうした取り組みを積極的に行う優良な企業を評価することが求められております。

 こうした状況を踏まえまして、長野県が行う契約の基本的理念、県の責務、契約の相手方の責務などを明確にして県民にお示しするとともに、契約の内容に応じて実施すべき具体的施策を定めてまいりたいと考えております。

 今後、これらの内容について労働団体、経営団体との意見交換を重ねてまいります。今まさに行っているところでございますので、条例化を視野に入れてさらに具体化に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。

 次に、新しい4年制大学に関連しまして、県内大学等への進学率を高めるための取り組みという御質問でございます。

 長野県、大学には8割以上の学生が県外に出ていくという現状がある中で、県内大学への進学率の問題は、長野県の高等教育、人材確保を考える上で重要な視点だというふうに思っております。来年度、県内の大学、そして産業界、さらには県、県教育委員会や市町村を構成員として、まだ仮称でありますが、長野県産学官協働人財育成円卓会議、設置をしたいと考えております。この円卓会議の中で、議論が予定されております県内高等教育の振興、大学の人材育成能力の向上に関連して、県内大学への進学率の向上についても検討してまいりたいというふうに考えています。

 次に、大学像についてさまざま意見があるが今後どうまとめていくのかという御質問でございます。

 さきにお出しした素案におきましては、グローバル社会に対応し、地域においてイノベーションを創出できる人材を育成するということを基本に大学像を御提案をしております。基本的な考え方につきましては多くの方々からおおむね御賛同を頂戴してきているのではないかというふうに考えております。

 県内大学との競合あるいは連携というものに配慮しながら、県内での進学先を確保すべき、健康長寿県として食や健康へのより一層の貢献をすべきといったような御意見も多くいただいているところでありまして、こうした御意見、先ほどの県内大学への進学希望に応え、地域人材を育成するという観点からの御意見だというふうに考えております。

 現在、私立大学の皆さんを初め関係者の皆さんと意見交換を行ってきておりますが、県内大学が一体となって高等教育の振興を図っていくということ、それから高校生の県内進学率を上げる、例えば高校と大学との連携を強化するといったような取り組みの必要性については、これは私立大学の皆さんも私どもも基本的に同じ認識だというふうに思っております。

 今後、こうした関係者の皆様方の御意見をしっかりと受けとめつつ方向づけをして、設立準備委員会でもさらに御議論をいただいた上で、県議会の皆さん、県民の皆さんの御理解をいただける基本構想を取りまとめていきたいというふうに考えています。

 それから、福祉大学校の今後のあり方についてでございます。

 福祉大学校につきましては、新しい県立大学のあり方とあわせて総合的に検討したところでございますが、設置目的、教育内容等が大きく異なるということで統合にはなじまないという判断をいたしました。

 未満児保育の増加あるいは障害のある子供たちへの対応など引き続き保育士の一定の需要が見込まれること、また、高齢化が進む中で介護福祉士の重要性が高まっていることから、県としては、引き続き、福祉大学校を存続し、保育士及び介護福祉士を養成していきたいと考えています。

 なお、国の幼保一体化の動きにあわせまして、保育士資格だけでは必ずしも十分ではないのではないかという御議論もありますので、在学中に通信教育によりまして幼稚園教諭免許の取得を可能とするべく検討を進めていきたいと考えております。

 次に、新幹線等の関連で、まず並行在来線開業に向けた今後の取り組みと利用促進の具体的な取り組みという御質問でございます。

 長野以北の並行在来線鉄道資産につきましては35億円余でJR東日本から譲り受けまして、あわせて、それを大幅に上回る支援が受けられるという形でJRと話を決着をさせました。実質的に無償といえる形で、1月末に私とJR東日本との間の協議で合意をしたわけであります。

 また、これまで国に重ねて要請を続けてまいりました結果、全国的な貨物ネットワークを維持存続させていくという観点から、長野以北の現行信越線を貨物経路として確保していかなければいけない、そのための支援を国として行うという方向性、そして、地方財政措置としては並行在来線の初期投資に対しての地方財政措置ということが具体化をされたわけでありまして、県民の皆様の負担の軽減に一定のめどがついたというふうに考えております。

 今後、2年後に迫った開業に向けまして、しなの鉄道におきましては、経営分離のための施設、設備の整備や運行要員の養成などを進めてまいります。また、来年度中には鉄道事業の許可を取得して開業準備を本格化させてまいります。県としても、沿線市町とともに、経営基本計画に沿って必要な支援を行っていきたいと考えております。

 利用促進につきましては、今年度、沿線市町において利用促進のためのイベント、学習会などを開催いたしますとともに、住民組織を設立することとなっています。来年度には、しなの鉄道と沿線地域が一体となった運営協議会を設立して、住民参加による利用促進策を策定して利用の拡大につなげてまいります。

 また、長野以北の並行在来線には沿線に魅力ある観光資源が数多くあることから、地域活性化と一体となった利用促進を進めてまいります。

 さらに、新駅の設置についても、採算性を考慮しながら、地域の皆さんとともに検討を進めていきたいと、こういうふうに考えています。

 次に、新幹線長野以北開業に備えた観光面での取り組みについてということでございます。

 金沢への延伸は、首都圏と北陸を行き来していた人たちが、これまで、上越新幹線、ほくほく線、あるいは飛行機で行き来していた方々が県内を通過することになるわけであります。また、関西圏からの時間、距離も短縮するわけで、観光面を初めとして多くの長野県にとってのチャンスであるというふうに考えております。

 県内経済団体などから成ります北陸新幹線を活用した経済活性化協議会におきましては、構成団体のそれぞれの取り組みを今後具体化をしてまいります。市町村におきましても観光案内所の機能強化あるいは交流施設の整備などといった取り組みが進んでいるわけでありまして、県でもこうした取り組みと連携して、新駅が設置される飯山を初めとした観光地の認知度の向上、それから県内にある新幹線の駅5駅を核とした広域観光の推進、県民挙げてのおもてなし運動などを県としても重要な施策と位置づけて進めていきたいと考えております。

 具体的には、新幹線駅をハブとしたミニ観光圏づくり、あるいは、軽井沢、立山黒部アルペンルート、上高地といった国際的な観光地と富山、石川など他県の代表的観光地を結ぶ観光ルートの具体化について地域の関係者と検討を進めてきておりまして、平成25年度には商品化を終え、26年度は本格的なプロモーションにつなげてまいります。

 また、誘客の面では、新しく東京観光情報センターに新幹線誘客推進員を配置をします。旅行会社、企業への営業活動など首都圏でのPRを強化してまいります。富山県とは首都圏で、そして新潟県とは関西圏で、長野と富山、長野と新潟の観光資源を組み合わせて共同PRを行うなど隣接県との連携もさらに強化をしてまいります。

 また、JR東日本から、並行在来線の譲渡に伴いまして、観光宣伝などの支援策を実施していただけるということになったわけでありますが、県としては、金沢への延伸後の効果的な時期にJRグループと地元が連携してのデスティネーションキャンペーンの実施を要請しているところであります。JRと一緒に大きな誘客効果があらわれるように取り組んでまいりたいと考えております。

 新幹線延伸に伴う名称についてどのように取り組んでいくのかという御質問でございます。

 金沢開業時における新幹線の呼称、正式な路線名は当然北陸新幹線という形になるわけであります。しかしながら、長野開業から15年経過ということで、長野県のみならず全国的にも長野新幹線という愛称、呼称というものが定着してきているんではないかというふうに私は思っております。また、長野を経由する路線であるということが利用者にとってわかりやすくするということが利用の促進にもつながるというふうに考えております。そうした観点で、「長野」という名称が残るように取り組んでいきたいというふうに考えております。

 これまで北陸各県の皆様方とも力を合わせて一緒になって取り組んできているわけであります。大阪までの早期の全線開業ということも要望しているわけでありますが、「北陸」という名称だけでは、例えば関西から見たときに北陸でとまってしまうような誤解を与えてもいけないというふうに思いますし、オリンピックで国際的にも、長野、知名度が高いわけでありますので、「長野」という名称を存続させることが路線全体の利用拡大につながるものというふうに私は考えております。結果として北陸地方を含めた沿線全体にもメリットが及ぶというふうに思っております。

 こうした点をぜひ北陸の皆さんとしっかり共有をしていきたいと考えております。これは、経済界の皆さん、市町村の皆さんと一緒になって、それぞれの立場でそれぞれのカウンターパート、まずは北陸の皆さんの理解が私は不可欠だというふうに思っております。こうした考え方をしっかりと訴えて協力を求めていきたいというふうに思います。

 私も、北陸各県の知事にも理解と協力を求めていきたいというふうに思っております。その上で、最終的に名称を決定するJR東日本、JR西日本に対して要望をしてまいりたいと考えております。

 リニア中央新幹線の取り組みを円滑に進める組織の立ち上げについてという御質問でございます。

 リニア中央新幹線の整備効果を高める上では、リニアを基軸とした交通ネットワークの構築が不可欠だというふうに考えております。そういう意味で、今回の新しい総合交通ビジョンの中でその具体的な取り組みを掲げたところでございます。

 県では、昨年、沿線自治体と一緒に組織いたしますリニア中央新幹線県・市町村連絡調整会議というものを設置をいたしております。JR東海の参加も得てリニアをめぐる課題の検討を進めているところでございます。新しい総合交通ビジョンに掲げたリニア関連施策の実現に向け、例えば駅周辺整備のような課題については駅が設置される自治体と個別に話し合いを進めてまいります。また、広域的な連携、調整が必要な施策は、この連絡会議を活用して意見調整を図ってまいりたいというふうに考えております。

 さらに、新年度、国の交通政策審議会の答申に盛り込まれた検討の場、これは県として求めてきたものでありますが、設置される予定でございます。国、県、市町村、交通事業者の役割分担も含め、リニアの整備効果を広く県内に波及させる方策についてこの場でも検討していきたいというふうに考えています。

 続きまして、道州制の議論への対応についての御質問でございます。

 道州制につきましては、必ずしも明確な道州制像というのがはっきりしているわけでは現時点ではないのではないかというふうに思っております。考えている方によって主張が必ずしも同じではないというふうに思っておりますが、一般的に言われている道州制の導入メリットというものは、一つは国と地方の役割分担の見直しによる地方分権のさらなる推進、それから東京一極集中の是正、さらには地域経済の自立と活性化、国際競争力の向上ということが言われております。また、デメリットとして挙げられておりますのは、単なる都道府県の解体、合併ではないか、あるいは、広域自治体における住民自治が後退、今の都道府県より広い州、道州になるわけでありますから住民自治が後退してしまう、あるいは、州都になった県庁所在地以外のこれまでの県庁所在地が衰退してしまうのではないかというデメリットが挙げられているわけであります。

 私は、道州制については、今の状況に鑑みて、解決するべき課題の唯一絶対の解が本当に道州制だけなのか、あるいは道州制なのかということには甚だ疑問を持っているところでありまして、例えば必要な地域の都道府県合併であったり、あるいは広域行政機構を活用するといったようなことで、あるいは大都市制度の改革ということで対応できる部分がほとんどではないかというふうに思っております。そういう観点で、全国一律で道州という体制にすることには否定的な立場をとっております。

 全国知事会の中でも、竹内議員引用していただきましたように、さまざま議論があります。今回、道州制に関する基本的な考え方が取りまとめられたわけでありますが、全国知事会としての道州制についての賛否を明らかにしたものだというふうには考えておりません。各党が公約に掲げた道州制を検討するに当たって、地方分権の視点からの原則論あるいは留意点を列挙したものだというふうに考えています。

 知事会の中でもさまざまな考え方があるというふうに私は思っておりますので、知事会の総意が一直線に道州制に向かっていくという状況では必ずしもないのではないかというふうには思っております。全国知事会の中でも、国の動きにも対応する形になると思いますけれども、さらに議論をしていかなければいけない課題だというふうに思っています。

 それから、県民生活や伝統、文化を守るための信州州構想という御質問でございます。

 首都圏や関西圏など都市が連担している地域、これはさまざま課題があります。私がかつて勤務した横浜市も東京都と生活圏は全く一緒でありますが、東京は非常に財政力が高いという中でいろんな福祉サービス等の格差についてはさまざまな課題があるというふうに思っておりますし、国際競争力を考えたときにも、例えば東京港と横浜港の運用がばらばらであるというのは、これは日本全体の港湾の競争力が今どんどん下がっているわけでありますけれども、そういう面で課題があるという部分は問題が今の大都市制度にはあるというふうに私は思っております。

 ただ、そうした首都圏なり関西圏なりで考えられている課題への解決方法が私たちの長野県にとって同じ問題かというと、全く私は違うんじゃないかと。両地域を実際に仕事してきているわけでありますけれども、全く置かれている状況が違うわけでありまして、それを一くくりにして論ずるというのはいささか無理があるというふうに思っています。

 先般、道州制を積極的に進めていらっしゃっている関西の経済同友会の皆さんとも意見交換させていただきました。先方からの要請で道州制についての考え方を話してほしいということがありましたので、今申し上げたような考え方を申し上げて、長野県においては皆さんのような関西圏とは、皆さんの抱えている問題意識は共有するけれども、長野県と大阪周辺とは必ずしも対応策が同じじゃないんじゃないかというお話をさせていただきました。長野県の特殊性については一定の御理解をいただけたんじゃないかなというふうには思っております。

 新潟州構想、新潟県、検討しているわけでありますが、新潟州構想は、新潟県と政令指定都市である新潟市を融合させて二重行政を排除していこうということで、これはどちらかというと大都市制度と都道府県制度の矛盾の解消という側面が強いのかなというふうに私は思っています。

 私は全国一律の道州制の導入に対しては否定的な立場でありますが、先ほどお話があったように、とりわけ区割りを全国一律の視点でやっていくような乱暴なことがあってはいけないだろうというふうに思っています。そういう意味で長野県はほかの県とは全く異なる状況で、小さな町や村も多いという現状もございます。そういう意味で、国レベルでは都市部の意見を中心に恐らくさまざまな議論、検討が行われてくる状況が出てくる可能性もありますので、我々としては、単に状況に流されないようにするためには独自の視点からの検討ということも、竹内議員お話にありました信州州のようなものも含めて、長野県、これから地方はどうあるべきかということを考えていくことが必要ではないか、そういう中で国にもしっかりと問題提起をしていくことが重要ではないかというふうに考えています。

 経済界、そして市町村の皆様方との研究会という御提言でありますが、これは相手方がある話でありますので、今直ちにそれで進みますということは申し上げにくいわけでありますけれども、今申し上げた問題意識の中で、これは長野県にとって極めて重要な課題だというふうに考えておりますので、関係の皆さんの御意見もいただく中で、この問題についてはしっかり踏み込んだ検討をする場を考えていきたいというふうに考えています。

 私に対する御質問は以上でございます。

 

◆林務部長(塩入茂)

 森林税を活用して県産材の製品を展示し、森林県信州のイメージを広くアピールすべきとのお尋ねをいただきました。

 県民や観光客の皆様の目に見える場所で県産材を利活用しPRに活用することは非常に重要な視点であると認識しております。このため、森林税を活用した施策として里山の森林整備を引き続き推進するとともに、県産材の利活用や森林づくりへの参加を通じて県内外の皆様に森林税の効果を実感していただける取り組みを従来に増して推進してまいります。

 具体的には、商店街や観光地等の木質化、DIYキットや木工品の製作など、地域ぐるみで県産材をさまざまな用途に利活用するモデルとなる取り組みを新たに支援したいと考えております。

 このほか、大人から子供まで幅広く県産材や森林に親しみ、理解を深めていただく木育活動、県外の企業等にも参加いただき、本県の森林づくりの推進と地域活性化を図る森林の里親の取り組みなどを支援する事業も充実させながら、森林税の効果の見える化を積極的に進め、県内外の皆様に県産材のよさや森林の大切さを広く啓発してまいります。

 

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◆竹内久幸

 それぞれ答弁、ありがとうございました。

 最後に、二、三、御意見と御要望を申し上げて質問を終わらせていただきたいと存じます。

 まず、条例についてですけれども、中小企業振興条例は平成25年度中に制定を目指していく、障害者差別禁止条例は国の動向を見ながらまた判断をしていきたい、子ども権利条例については11月議会を目指したい、公契約条例については条例化を視野に入れさらに具体化を図っていきたいということでございましたけれども、公契約条例についてはかなり歩みがのろいような印象を持っております。ぜひ、その辺はスムーズにやっていただきますことをお願いを申し上げたいと思います。

 それから、4年制大学の設置については、産学官協働人財育成円卓会議の中で県内に進学する学生の数をどうふやしていくかということについて検討もあわせてしていきたいということでございましたけれども、円卓会議のほうはもうちょっと長いスパンの中で、人材育成を主に、企業の皆さんなども入ってやっていく会議だと思いますけれども、私申し上げているのは、もっと県内の私大の関係者、代表者ですね、それから高校の進学の担当の先生、それから教育委員会、そういうより専門的なところでどうやったらふやすことができるかという実務的なことを協議いただきたいということを申し上げたんです。強いて言えば、今まで高等教育に関して余り長野県として積極的に力を入れて取り組んでこなかったんではないかということから申し上げているので、これを当面できることとして行うことによって、毎年進学の協議はしなきゃいけないわけだし、進路の先生も毎年一人一人の指導をしなきゃいけないわけなので、ぜひその辺の連携をできる場所を単独でつくっていただきたいということを申し上げているので、そういう中身であることを改めて受けとめていただいて御検討いただきたいということをお願いを申し上げておきたいと思います。

 それから、道州制の話でございますけれども、信州州というふうにあえて言ったのは、そのことを発信することによって、基本的な自治のあり方とか分権のあり方とか、そういう根底にあるものの発信につながっていくというふうに私は受けとめております。まだ全国知事会が踏み込んだわけではないというふうに言われておりますけれども、報道のある限り、基本的方向についてはみんなが了解して今後全国知事会としても発信していくということが言われているわけで、ぜひ、そんな流れの中で、長野県の持つスタンスとして、いわゆる信州という枠をしっかり守っていくんだということの発信をしていただきたいということを申し上げているわけでございます。

 山口村の越県合併はさまざまもめましたけれども、そうはいっても、自治、その村や町が長野県を離れるといえば、それはやっぱり民主主義の中のルールで決められる話なので、例えば今現在でも文化圏とか経済圏とかが現に違うわけですよね。だから、いざとなったらばらばらにならないように今からそうした仕組みを発信していただきたい、そんな趣旨でございます。

 ぜひ、意見が賛成、反対、町村会が反対しているから反対だけの会になってしまうんじゃないかとか、いろんなことの心配があるかもしれませんけれども、そうではなくて、この長野県をどういうふうにしていくのかという観点で、市町村のまとまりを持つという意味でもぜひ検討会なりを研究いただければというふうに思います。

 以上をもちまして私たち会派の代表質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

 

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