2014.2月定例県議会-発言内容(下沢順一郎議員)

 

◆下沢順一郎

 2014年度予算についてお聞きします。

 財務省の試算によると、10年後には国債発行残高が1,000兆円を突破し、2023年度時点の年間利払い費は現在の2倍以上の26兆円に達する見込みです。財政を一層圧迫する要因となりそうですが、問題はこの試算根拠で、名目経済成長率を3%、10年国債の金利を17年度以降2.4%としている点です。

 また、黒田日銀総裁によると、名目成長率3%、実質成長率2%を来年達成する予定になっています。経済の基本的な考え方からすると、物価が上がれば金利も上昇します。そして、長期金利1%上昇により金利負担は1年目10兆円、2%になれば20兆円の金利負担が増加することになります。

 そこで、3点、総務部長にお聞きします。

 ここ3年余りの県債発行残高、年間利払い費の推移と今後の発行予定についてお聞きします。

 現在、0.6%前後で発行されている10年債の金利を17年度以降2.4%と設定した点についてどう捉えるか。お聞きします。

 県として、長期金利上昇による長野県債への影響、新規発行への考え方をお聞きします。

 また、今回の補正予算は、麻生財務大臣によると、4-6月の消費税増税による経済の落ち込みへの影響を最小限に抑えるために組んだものです。

 そこで、2014年度予算と一体的に編成された今回の国の補正予算に関してお聞きします。

 政府は、昨年秋の行政事業レビューの結果を14年度予算案に反映し、一般会計ベースで約4,600億円を削減したと公表しました。ところが、成立した今年度補正予算で、削減したはずの事業の少なくとも8割に当たる約3,600億円が復活していたというものです。

 総理大臣は、執行段階で対象事業の絞り込みを行うなど厳格な対応を行うよう関係省庁に指示した、明らかにおかしいものについては執行しないことは当然だと答弁しています。

 そこで、2点、お聞きします。

 県民協働による事業改善制度を重視する知事として、このような予算づけの仕方をどう考えるのか。お聞きします。

 安倍総理大臣の国会における答弁によって、長野県の予算執行上どのような影響が生じると考えるか。総務部長にお聞きします。

 先日、政府は、2013年度中の実施を求めていた公務員給与削減に応じなかった市町村に対し、ことし5月に配分予定の公共事業関連の補助金を減らす方針を固めたとの報道がありました。国の意向に従わない自治体に対する事実上の制裁措置ですが、県内の市町村への影響はどうか。また、このようなことは地方分権に逆行するのではという指摘について知事としてどのように考えますか。また、今後、国に対しどのように対応していくのか。

 以上、知事にお聞きいたします。

 

◆総務部長(岩﨑弘)

 2014年度予算につきまして私に4点お尋ねをいただきました。順次お答えをさせていただきます。

 まず1点目でございます。過去3年間の県債発行残高と年間利払い費の推移、今後の県債発行予定についてという点でございます。

 県債残高につきましては、平成22年度末は1兆5,595億円、23年度末におきましては1兆5,708億円、24年度末は1兆5,854億円となっております。

 公債費中の利子額でございますけれども、平成22年度は256億円、23年度は258億円、24年度は250億円となっております。

 今後、平成30年度までの県債発行見込み額についてでございますが、中期財政試算において一定の仮定で算定をしたところ、25年度は1,208億円、以降、26年度1,152億円、27年度1,103億円、28年度1,122億円、29年度1,140億円、30年度は1,104億円と見込んでいるところでございます。

 2点目の10年国債の金利を平成29年度以降2.4%と財務省が試算した点についてどう捉えるかというお尋ねでございます。

 財務省の試算でございますが、一定の経済前提を仮置きした上で、後年度の歳入、歳出がどのような姿になるかについて機械的に試算をしたものというふうに聞いております。歳出のうち国債費については10年国債の金利を用いて推計しておりますけれども、名目経済成長率3%程度の実現などを目指した場合の金利は、市場に織り込まれた金利の将来予想を加味して平成29年度以降2.4%としているものと認識をしております。

 3点目の長期金利上昇による長野県債への影響、新規発行の考え方というお尋ねでございます。

 県債の発行利率の決定方法につきましては、借り入れる資金によって異なるわけでございますけれども、財政融資資金などの発行利率については国債の市場流通の利回りを基準に決定していくことから、財務省の試算どおりに長期金利が上昇した場合、利子負担は増加をしてまいります。

 新規に発行する県債については、将来に過度な負担を残さないよう、長野県行政・財政改革方針に基づいて、可能な限り発行の抑制に努めてまいりたいと考えております。

 続きまして、おかしいものは執行しない等、国補正予算に関する総理大臣答弁の県予算執行への影響についてというお尋ねでございます。

 これについては、国から特段の連絡はなく、現在のところ執行停止等の影響は承知をしておりません。経済対策として計上した趣旨を踏まえ、国、県とも迅速かつ着実に執行していくべきものというふうに考えております。

 以上でございます。

 

◆知事(阿部守一)

 国の予算に関連する御質問を何点か頂戴いたしました。

 まず、国が行政事業レビューで削減した事業を補正予算で復活させたという御指摘であります。

 御指摘の秋のレビュー、概算要求提出後に外部有識者と各府省の担当者がPDCAサイクルを徹底するため、特に、事業目的の明確性、あるいは事業の有効性、実効性、より低コストな手法への改善可能性、こうした観点から議論するものだというふうに承知をしておりまして、報道されているものは無駄なんてという形で報道されておりますけれども、この事業の中身をよく見ると、無駄だとか廃止だとか、そういうことを判定する趣旨で行われているものではないんじゃないかというふうに思っております。

 新年度予算を削減して補正予算で復活させたということが言われているわけでありますが、無駄、廃止という判定を受けて新年度予算への計上額を減額したものではなくて、個々に見ると、こういう点が必要なんではないかというような指摘が、例えば農地の利用集積については、農地の滞留防止に対する対応が不十分であり、都道府県知事へのインセンティブ付与などが必要ではないかということに対して、26年度予算への反映としては、そういうことをちゃんとやっていきますというようなことで対応をされていたりするわけでありますので、この報道のされ方が本当にそうなのかというところに疑問を持つ部分がございます。

 そういう中で、補正予算については、新年度予算と一体的に編成される中で、事業の必要性、これは個別に財務省が厳しい予算の中で見ているはずですので、1件1件審査する中で計上されたものというふうに考えております。

 それから、いわゆるがんばる地域交付金の県内市町村への影響についてという御質問でございます。

 これも、新聞で報道されているので、私もどういうものなのかというのを担当課に聞いてみたりしたわけですけれども、いわゆるがんばる地域交付金のことだというふうに思います。

 国の平成25年度補正予算によります追加公共事業を行う市町村に対して、その地方負担額を基本に財政力に応じて算定、交付されるものというふうに受けとめております。市町村職員の給与水準あるいは職員数削減等を考慮した加算があるというふうに聞いております。

 ただ、現時点ではその交付金の具体的な算定方法を国から示されておりませんので、市町村への影響についてはよくわからないというのが現状であります。

 国においては、行革努力により財源を生み出し、地域活性化等に取り組んでいる市町村への応援という見解を示しております。現段階では、引き続き情報収集に努め、市町村への情報提供等を行っていきたいと考えております。

 以上です。

 

◆下沢順一郎

 しっかりと情報収集をお願いしたいなというふうに思います。続いて、長野県産農産物の輸出についてお聞きします。

 農林水産省から、2013年の農林水産物及び食品の輸出額は前年比22.4%増の5,506億円で過去最高だとの発表がありました。これまで最高だった1984年の5,328億円を上回ったというものです。海外での和食ブームや円安を追い風に、アジア向けが大きく伸びたもので、2020年までに1兆円の達成を目指して規制解除の働きかけを強めるとのことです。

 また、世界全体の食の市場規模は、2020年には現在の約2倍の680兆円の成長が見込まれています。海外は、特に東南アジアは、今後の経済成長とともに、長野県産農産物の有望なマーケットになっていきそうです。

 農林水産物の輸出促進策として、農水省は輸出国別、品目別の輸出戦略を策定しています。それによると、水産物、和牛、日本酒、青果物などの日本を特徴づけるコンテンツの輸出モデルを確立し、重点品目、重点市場への支援を集中させることとなっています。

 県としては、平成18年から台湾と、平成20年から香港と、平成21年からタイと、平成24年からシンガポールと長野フェアを開催し、友好的な取引関係を保っています。

 私も、台湾と香港の長野フェアを視察した折、そのような関係を構築する一方で、フェア以上の広がりをつくることが今後の施策を展開する上で重要だと感じたものです。

 そこで、今後はさらなる輸出拡大策が必要と思われますが、現在の長野県の農産物の輸出状況と今後の取り組みについて農政部長にお聞きいたします。

 

◆農政部長(中村倫一)

 長野県産農産物の輸出状況と今後の取り組みについてのお尋ねでございます。

 最初に、平成24年の輸出実績につきましては、生産者などが輸出を目的に出荷したものにつきましては、果実、野菜など園芸品目がおよそ8,000万円、米が500万円、計8,500万円となっております。このほかに、生産者が国内向けに出荷したものが国内の輸出業者によりまして卸売市場から買い上げられまして輸出されているものが多数ございます。

 次に、今後の輸出拡大につきましては、継続的な商業ベースでの輸出拡大を重点目標といたしまして、輸出先をアジア諸国の中でも経済発展が著しいシンガポール、香港、台湾、タイ、これを重点国・地域といたしまして、輸出品目につきましてはリンゴのシナノゴールドやブドウのシャインマスカットなど信州の魅力ある農産物を重点品目といたしまして、国の作成いたしました輸出戦略とも歩調を合わせまして、積極的に取り組むことといたしております。

 具体的には、シンガポール、台湾などでの長野フェアを引き続き開催することに加えまして、平成26年度は、輸出に意欲的な事業者と県とで本年2月に立ち上げました農産物輸出事業者協議会におきまして、香港の食品関連コンサルタントを活用して、県産農産物に対する現地の販売店ごとのニーズや輸出ルートの情報を収集いたしまして、この情報に基づく商談活動などを行うこととしております。

 また、リンゴにつきまして、中間所得層にも受け入れられる価格や品質での輸出も拡大するために、新たな鮮度保持技術を使った船舶輸送によりますテスト輸出などにも取り組むことといたしております。

 県といたしましては、今後、多くの農業者や事業者の皆様が輸出に積極的に取り組める環境を整えまして、県産農産物の輸出拡大に努めてまいります。

 以上でございます。

 

◆下沢順一郎

 アメリカでも干ばつ被害は50億ドルにも上ると言われております。フードインフレも心配される事態です。生産性の向上とともに、地産地消の一層の推進が期待されます。

 そこで、長野県農業の生産を伸ばすとともに、海外への販売力強化はまさに時宜を得たものであると思われますので、しっかり頑張っていただきたいと思います。

 続いて、新県立大学についてお聞きします。

 新県立大学構想の見直しを求める会は、11万人を超える署名を知事宛て提出いたしました。知事は実態を知らないのではないか、誰かがどこかで私たちの意見をとめて、知事まで私たちの声が届いていないのではないかなどとの声がたくさん聞かれましたので、生の声をお届けしますので、お答えください。

 通告の順番を変更して、関係者の声からお聞きいたします。

 まず、第2次長野県教育振興基本計画のポイントの1番には、長期的な視点を意識しとあり、人口減少の本格化など時代が大きな転換点を迎える中でおおむね20年後を見据えてと前提条件を設定して基本計画を立てています。そもそも、20年後の子供の数は今の3分の2になる見込みがあり、児童減少による小中学校の規模縮小の課題があると計画の中でも指摘されています。にもかかわらず、今回、4年制大学の設置をうたっています。

 一方では、人口減少に対応した新しい学校づくりについて一緒に考えていきましょうと言いながら、4年制についてはとにかくつくるんだと言っているわけです。この点をどのように考えているのか。お聞きします。

 また、本日の朝刊のように、長野大学が上田大学にならざるを得ない時代です。今後の大学減少時代に、全国の4年制大学が心配している点は何であると捉えているのか。お聞きいたします。

 続いて、公立大学法人についても意見がありました。なぜ看護大学と新県立大学を統合しないのですかというものです。統合して単一の大学とすれば、大学設置は学部増の計画で済みますし、人件費の節約にもなるはずですが、なぜできないのかという疑問がありました。そこでお聞きいたします。

 次に、県内学生の8割が県外に流出しているという問題ですが、そもそも長野県は、大学進学率は高校3年生全体の40%で全国的には30位ほど、専門学校へは23%で全国3位、短大へは島根県と同率で全国1位なのです。このうち83.6%が県外流出だということが今回の最大の理由となっていますが、では、新しい大学ができた場合、一体これらの数字がどの程度改善されるのですか。お聞きいたします。

 また、報道によると、長野経済研究所では、魅力的な企業が県内に少ないことも流出の一因と分析し、大切なのは大学や企業を含め県全体の魅力を高めることだと指摘していますが、知事の御意見はいかがでしょうか。

 次に、先日の清沢議員の質問にもはっきりと答えられておりませんので、お聞きします。

 県内私立大学との溝が埋まらない中で構想案が進められていますが、今後どのように県内私立大学との融和を図っていくのか。具体的な案をお聞きします。

 特に、予算に盛られている私立大学振興策は私大懐柔策と県民からは見られていますが、どう思われますか。

 以上、4点、知事にお聞きします。

 次に、97億円の試算根拠について髙田総務参事にお聞きします。

 建設工事単価を、他の県立大学を参考にして、平成7年建設の看護大学、福祉大学より低い平米当たり326,000円とした算出根拠を示していただきます。

 また、97億円という数字は現時点での必要な経費を見込んだものだということです。学長も、教員構成も、カリキュラムや教育手法の全容も決まらない中で、箱物だけの概算を発表するというのは本末転倒ではないでしょうか。資材費や人件費の高騰が言われているため、今後、建設工事単価が変動する可能性もあると思われますが、どのようにお考えか。お聞きいたします。

 

◆知事(阿部守一)

 県立大学についてのさまざまな関係者の声ということでお尋ねをいただきました。

 さまざま意見交換、これまでも県民の皆さんとさせてきていただいているわけでありますが、まずとにかくつくるんだよと言っているように聞こえると。これは、とにかくつくるということではなくて、しっかり志の高い、本当に県内のこれからをしょって立っていただけるような人材をつくるべく大学をつくっていこうというふうに考えております。

 人口減少における大学減少時代に4年制大学が全国で心配しているのは何かということは、これはまさに御質問の中にあった話でありますが、人口減少期においていかに学生を確保して大学の機能を充実させ、使命を果たしていくか、このことが私立大学の皆さんの課題だというふうに考えております。

 県内の学長の皆さんともお話をさせてきていただいておりますけれども、まさにこれから少子化、先ほどの宮澤議員の御質問では、少子化ではなくて、もう少子時代であります。長野県の人口も減っていくことが見込まれる中で、それに対して、私は、教育、人づくりをしっかりすることによって長野県を継続的に元気を持ち続けられる県にしていかなければいけないというふうに考えております。そういう意味で、この問題意識をぜひ私立大学の皆さんとは、私は一定程度共有できているというふうに思っておりますが、ぜひ前向きな形で取り組んでいきたいというふうに思っております。

 看護大学と県立大学、統合しない理由ということでございます。

 大学を統合する効果としては、一般的にはスケールメリットによる教育、研究の充実でありますとか大学運営の効率化といったようなことが期待されるわけでありますが、御存じのとおり、看護大学と新県立大学、設置目的にかなり違いがあります。また地理的にも離れております。直ちに、教育、研究の充実、効率化に大きなメリットを期待しづらいというふうに思っております。

 また、それ以上に、私としては、今申し上げたように、それぞれの大学が充実した教育をして使命をしっかり果たしていけるようにしていくということがあわせて重要だというふうに思っております。

 こうしたことから、現時点においては看護大学と新県立大学を統合するという考えで事業を進めているわけではありません。

 次に、県外流出がどの程度改善されるか、また、大学、企業を含め県全体の魅力を高める必要性ということでございます。

 新県立大学の定員、これは、私立大学との関係もこれあり、240名定員1学年ということで考えております。今、県内の大学の定員が約3,300であります。また、県内の高校を出て県内の大学に進学している若者たちが約1,500人という状況であります。

 定員ベースでみれば240人ふえれば約7%ふえるという形になりますし、県内進学者に対するウエートでいけば約15%ということになります。新しい選択肢を提供していこうということで今回考えておりますので、そういう意味では一定程度高校生の皆さんの期待には応えることができるんじゃないかというふうに思っております。

 また、県立大学設置の有無にかかわらず、県の魅力を高めていくということは当然必要なことだというふうに思っております。産業面、教育面を含めて県の魅力を高めていかなければいけないわけでありますが、県内の大学、先ほど子供が少なくなる問題を申し上げましたが、もう1点、課題としては、長野県は県外に対する進学者の数、ウエートが非常に高いということもあります。やはり県内高校と大学との関係性ということも含めてしっかり考えていくことが必要だろうというふうに思っております。そういう意味では、県と県内大学が力を合わせて高等教育の振興に取り組んでいく必要があると考えております。

 どのように県内私大と連携を図っていくのか、特に私大振興策は私大懐柔策と県民からは見られているが、どう考えるかと。

 全くそんなつもりはありません。これで懐柔策といったら、私立大学の皆さんに大変失礼な話だと私は正直思っております。

 県と県内私立大学とが力を合わせてさまざまな取り組みをしていくということが長野県の高等教育、ひいては長野県全体の発展にとって重要だというふうに私は思っております。

 学生の確保あるいは大学機能の充実、こうした本来の課題に一緒になって向き合うということが重要だと思いますし、そうした中でおのずと一致点を見出していくことができるんじゃないかというふうに私は考えております。

 具体的な案はあるのかという御質問でありますが、そうしたことについては、ぜひ、松本大学の学長ともお会いする際に、私から、率直に、私の思い、考えをお伝えをさせていただければというふうに思っております。

 また、高等教育振興策、しあわせ信州創造プランで方向性を打ち出してきているものであります。大学・地域連携事業補助金等を計上させていただいているわけでありますけれども、大学の知を地域に還元すると同時に、長野県で学ぶ魅力を県内外に発信していくものというふうに位置づけております。これらは私立大学の皆さんと意見交換をする中で出てきた事業でございます。長野県の高等教育振興の新しい一歩となるものというふうに考えております。

 以上でございます。

 

◆総務参事(髙田幸生)

 初期投資額における建設工事単価の算出根拠と今後の見込みについてのお尋ねでございます。

 今回お示しした大学施設整備に係る概算初期投資額は、県の平成26年度営繕予算単価を施設の所要面積に乗じるほか、必要な設備の経費を考慮して現時点で見込んだものでございます。

 この所要面積につきましては、国が定める大学施設に係る設置基準等や学生数が同規模の他県の公立大学を参考に、基本構想に示した特色ある教育を行うことを前提として、なるべくコンパクトな施設規模とし、既存の施設も活用するなど、効率的な施設づくりに配慮して算定したものでございます。

 これら概算初期投資額と所要面積から、新築部分に係る単位面積当たりの建設工事の費用を算出したところです。

 初期投資額に関しまして、今後の建設単価の変動について現時点で見込むことは難しいと考えておりますが、特色ある教育が行われるよう、また効率的な施設となるよう配慮しながら整備を進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

◆下沢順一郎

 大学進学率という点においては、短大に通っていた学生の数がそのまま4年制に移行するわけですから、それほど影響がないわけですよね。4年制大学を含めて県外に行く子供たちが7%なのか15%なのかわかりませんけれども、それになるということには相当壁が高いんじゃないかなというような気がいたします。

 まして、さまざまな私大融和策については、松本大学の学長と会わないとわからない、あるいは松本大学の学長と会ったときに話すということであれば、これは積極的なことなのかなというふうにちょっと思わざるを得ないですね。

 試算について言えば、326,000円というのが平成7年度建設した看護大学や福祉大学よりも低いという点がどうもおかしいと思うんです。同程度の大学で、同程度の規模で、しかも同程度の施設を持っているところで算出するならまだしも、どういう大学を選んだのか。再度お聞きしたいと思います。

 

◆総務参事(髙田幸生)

 先ほど申し上げましたように、学生数が同規模の他県の公立大学を参考にいたしましたが、ただいまお尋ねの県看護大学、それから福祉大学との違いでございますが、特に看護大学、福祉大学につきましては校舎の全棟が新築でございました。それから、ある程度の用地費がかかってございます。このあたりが大きな違いとなって出ているというふうに考えております。

 

◆下沢順一郎

 政府の試算するインフレ率を鑑みましても、人件費だとか資材費の高騰が起こり、必ず平米単価は上がっていくわけです。どうも試算根拠にはっきりしない部分が相当あるなというふうに思うわけです。この点はしっかりと指摘しておきたいと思いますし、将来の県財政への影響を捉えて限度額もしっかりと決めておかなければならないんじゃないかなというふうに思います。

 さて、以下、再質問をさせていただきますが、けさの新聞を見て驚きました。「長野大、公立大へ移行方針」。長野大学を運営する学校法人が、上田市を設立主体とする公立大学法人への移行を目指す方針を固めた。少子化で大学間の生き残り競争が激化する中、公立大にすることで授業料を引き下げたり、市と協力して地域と密着したカリキュラムを導入したりして学生の確保につなげたいと本日の信濃毎日新聞の1面に大きく取り上げられているではありませんか。我々の心配が現実の問題となってあらわれた瞬間でした。

 さらに、記事でも指摘されているように、「長野大学が公立大学法人の運営になれば、県が18年度の開学を目指す4年制の県立大と合わせ、東北信地方に公立大が2校できることになる。」ということになります。

 そこで、知事の見解をお尋ねいたします。

 このようなことは、いきなり大学側が要望を出し、上田市側がわかりました、そうしましょうなどというわけにはいかないということです。知事はいつからこの事実をつかんでいたのでしょうか。

 

◆知事(阿部守一)

 長野大学が公立大学法人化の要望書を上田市に対して出そうという話があるというのは、私は昨日の段階で担当部局から話を聞かせていただきました。

 これは、上田市とまずは長野大学がどういう考え方をとるかということで、先般、野原学長とお話をさせていただいたときにも、この点について言及は特にございませんでした。

 以上です。

 

◆下沢順一郎

 どう考えてもそれはちょっと異議があります。次年度予算への影響がはかり知れないのに、何も知りませんでしたでは通らないと思います。大学サイドから、あるいは自治体サイドから相談が必ずあったはずです。再度お答えください。

 

◆知事(阿部守一)

 次年度予算への影響という観点、どこに着目されての御指摘かということは十分わかりませんけれども、先ほど申し上げたとおりの状況であります。

 私としては、昨日の段階で、長野大学の公立大学法人化に関する要望書が学校法人長野学園から上田市長宛てに出されるという動きがあるということを担当課から聞いたという状況であります。

 

◆下沢順一郎

 記事にもあるとおり、上田市長が「学園の方針をしっかりと受け止めている。」とあり、上田市長も理事として名前を連ねている大学です。

 しかも、政令市でない自治体が公立大学法人の設立主体になる場合は県の許可が必要だということで、最終的には県が許可することになっています。となれば相談がないわけがありません。本当に相談がなかったのか。再度知事にお尋ねします。

 

◆知事(阿部守一)

 再三御答弁申し上げているとおりであります。

 恐らく、これは、上田市がどういう形で受けとめられるかわかりませんけれども、上田市と長野大学の間で話が具体化すれば県のほうにもお話をいただけるものというふうに考えております。

 以上です。

 

◆下沢順一郎

 仮にその話が本当であるとすると、特別秘書も置いているにもかかわらず情報収集体制に問題があるのではないかと指摘したいと思います。

 県が今回のケースを認可した場合、自動的に公立大学を設置することになるわけですが、少子化で大学経営も厳しくなる一方のこの時代に、公立を2校、しかも東北信に2校という、それこそ南北問題になりそうな予感がするものをつくろうとしているわけです。

 授業料の安い公立大学への移行が県内各私立大学に与える影響についてどのように考えておられますか。知事にお聞きします。

 

◆知事(阿部守一)

 今回の、仮にということでありますので、これはまず上田市なり長野大学のお考えをお聞かせいただかないと、それについて直接言及することは差し控えたいと思いますけれども、ただ、先ほど来繰り返し申し上げておりますけれども、これは、下沢議員もまさに御承知のとおり、全国的に子供の数が減る中で、どこの私大でも人口減少にどう立ち向かうかということが大きな課題になっているわけであります。そういう中で、長野大学としては、将来に向けての方向性としてこういうアクションを起こされたものというふうに私は認識しております。

 何度も繰り返し答弁申し上げておりますけれども、長野県が本当にこれから地域間競争に勝ち抜いていくためには人材こそが命だというふうに私は思っております。そういう中で、後ろ向きな方向ではなくて、前向きに県内の高等教育をどうしていくのかということをぜひしっかりと私立大学の皆さんと一緒になって取り組んでいくことが、これは長野県にとって極めて重要だというふうに考えております。

 そうした中でこうした動きが出てきているというわけでありますので、まずは、私としては、これに対する評価というものは、上田市あるいは長野大学がどういう考えでどういう進め方をしようとしているのかということを十分把握した上でなければ、この場でお話することはなかなか難しいなというふうに思っております。

 以上です。

 

◆下沢順一郎

 まさに少子・高齢化の時代、大学経営は腹をくくらなければならないときに来たということであります。

 知事は、野原学長さん以下、学長さんと話してきたにもかかわらず、一定程度共有できているというふうに御自分では判断されているようですが、今回の件を知らなかったというのであれば、話し合いというものは学長さんの本音を引き出すこともできない、ただの形式的な話し合いだったのではないでしょうか。

 しかも、今後、これを契機として私立大の公立大移行への流れが加速するようなことも考えられます。県立大の4年制化が一つの引き金となっているように映ります。

 知事は学長と本音の話し合いができていたのか。再度お聞きいたします。

 

◆知事(阿部守一)

 私は野原学長とは非常に率直なお話ができたというふうに思っております。

 これは組織として仕事をしているわけでありますから、例えば、私も、全て私が抱えていることを全ての状況において全部話をするというわけにはいかない場合もあるわけであります。お互い相手の立場を尊重しながら、共通できるところは一緒に取り組んでいく、こういう姿勢で私立大学の皆さんとは取り組ませていただきたいというふうに思っております。

 

◆下沢順一郎

 全く腹の探り合いだという会談だということですね。

 さて、今回の長野大学が公立大へ移行するという本日の記事は、この少子化の時代にあって、県立大4年制化の必要性を再度問い直すべきという問題がなされているとも言えます。

 また、今回の件を受けて、県内の高等教育のあり方や新県立大学設立に関しても改めて議論をし直していく必要があると考えるものです。

 一度立ちどまって、本当にこのままでよいのか考えるいいチャンスではないかと思いますが、いかがでしょうか。知事にお聞きします。

 

◆知事(阿部守一)

 大学の問題については、私は何度も繰り返し申し上げてきておりますけれども、これからの長野県が本当に元気な長野県でい続けるためには、例えば人口ピラミッドを見ても18歳人口から上のところは極端にくびれています。これは、大学の問題だけではなくて、雇用の場も含めてしっかり対応しなければいけないわけでありますけれども、しかしながら、産業についても、地域についても、元気にしていく上では人材をどう育てるかということが最も重要だというふうに私は考えております。

 高等教育の議論、私はさまざま議論がこうやってなされていくことは長野県にとって必要だというふうに思っております。ただ、後ろ向きに、今のまま立ちどまっていこうということではなくて、将来に向けて長野県の教育をどうするのか、人材育成をどうするのかということを真剣に考える契機にぜひしていきたいというふうに思っております。

 そういう中で、私立大学の皆様方とは引き続きしっかり意見交換をさせていただきたいというふうに思っております。

 少子化の流れでありますとか、あるいは多くの学生が県外大学に進学しているという状況は、これは私どもが立ちどまっていて解決する問題ではないというふうに思っております。ぜひ前向きな議論を進めていきたいというふうに思っておりますので、御理解をいただければというふうに思っています。

 以上です。

 

◆下沢順一郎

 県民との対話に私は心がけてきましたというようなむなしい言葉だけはやめていただきたい。署名活動をしていた県民としては納得できませんというふうに言わざるを得ないと思います。

 11万人という署名数についてどう捉えるのか。最後に知事にお聞かせいただきます。

 

◆知事(阿部守一)

 署名については、松本大学関係の皆様方がお越しいただいたときにも、これは、自分たちの母校であったり、松本大学を愛する皆さんの思いが形になっているというふうに思っております。

 そこは私としてもしっかり受けとめさせていただきますが、しかしながら、県全体を考えたときにどういう方向に進むべきかと。これは、私と県議会の皆様方が責任を持ってしっかりと考えていくべきテーマだというふうに考えております。

 以上です。

 

◆下沢順一郎

 11万人の署名を一部という言い方だけはやめていただきたいなと思いますし、改めて広く県民の声を聞くまたとないよい機会ですので、知事の英断に期待いたしまして一切の質問といたします。ありがとうございました。

 

カテゴリ

アーカイブ