11月定例県議会-発言内容(下沢順一郎議員)

 ◆下沢順一

 おはようございます。まず、本庁組織の改正についてであります。

 知事の議案説明の中では県民文化部を新設とありましたが、前回までの説明の折には生活文化部でありました。

 そこで、お聞きいたします。

 素案に対するパブリックコメントを初め、県民からの声はどのようであったか。

 パブリックコメントやさきの県議会での議論等を踏まえ、素案から最終案に至る変更点、改善点は何か。

 本庁組織を新年度改正した場合、現状のままの現地機関との整合はどのように図っていくのか。

 以上、3点、総務部長にお聞きいたします。

 次に、担当部長の設置について議案説明では検討するとなっていますが、さきの議会答弁では知事の思いが強く感じられたのは私だけだったでしょうか。条例事項ではないにしても、設置を目指すならば明確に方針を示すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 行政機構審議会の答申案にその後の検討を経て最終案になったと思われますが、知事が目指すものとなったのか。また、今回の改正で特に県民に対し訴えたいことは何か。

 以上、2点、知事の思いを伺います。

 

◆総務部長(岩﨑弘)

 本庁組織の改正についてでございます。

 本庁組織の改正に対するパブリックコメント等の状況についてということでお尋ねをいただきました。

 9月3日の第3回行政機構審議会におきまして本庁組織の改正素案を公表いたしまして、10月2日から1カ月間パブリックコメントを実施をいたしたところでございます。県民の皆様や職員などから50件余りの意見をいただいております。

 このうち県民の皆様からは、組織改正の必要性など組織再編全般に関する御意見、また、担当部長の設置など部局横断的課題への対応に関する御意見、そのほかに、新設を予定しております県民生活部門に関して、部の設置に賛同という御趣旨、あるいは生活文化部(仮称)とした名称が業務をイメージしにくいといった内容のほか、母子保健業務の所管についてなど比較的多くの御意見をいただいたところでございます。

 2点目の改正案における素案段階からの変更点についてでございます。

 ただいま申し上げたパブリックコメントや先般の9月定例会でいただきました御意見などへの対応案を含めて行政機構審議会において御審議をいただき、去る1021日に「県の行政機構のあり方について」と答申をいただいたところでございます。この答申内容を踏まえて庁内検討を行い、1025日の行政・財政改革推進本部におきまして県として本庁組織の改正案を決定をいたしたところでございます。

 御指摘の変更点についてでございます。2点申し上げますけれども、素案段階では生活文化部としていた部の名称につきまして、子供や若者を含む県民の生活に関連した業務を一体的に推進する体制を構築するという趣旨から県民文化部に変更いたしました。

 もう1点申し上げます。県立大学設立準備を所管する部について、これまでの経緯を考慮いたしまして素案段階の県民生活部門というところから総務部に変更いたしました。

 主な見直しについて申し上げました。

 3点目でございます。本庁と現地機関の整合性についてということでございます。

 今回の組織改正は中長期的な視点に立ってしあわせ信州創造プランを着実に推進することを主眼としておりまして、本庁部局の組織体制を中心にした県の行政機構のあり方を行政機構審議会に諮問いたしまして、その答申に沿った改正を予定しているものでございます。

 今回の改正案では、現地機関が担当している業務の一部は新設する県民文化部が所管するというものも出てまいります。基本的にはこういった状況でも現地機関における業務体制には変更がございません。そういったことから業務に支障を来すことはないというふうに考えておりますが、それでも引き続き本庁と現地機関で十分に連携をとりまして、円滑な業務の推進が図れるように努力してまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

 

◆知事(阿部守一)

 組織改正についての御質問にお答えを申し上げたいと思います。

 まず、担当部長の設置についてということでございます。

 社会情勢の変化等に伴いまして、昨今、一つの部局だけではなかなか解決できない複合的、横断的な課題が増加をしてきております。こうした課題に柔軟かつ的確に対応するための体制のあり方ということで、例えば他県で導入されております次長制度でありますとか、あるいは部局横断的な形での本部といった組織体制等も含め庁内であり方を検討してまいりましたが、簡素で効率的かつスピード感を持って対応できる体制という趣旨から今回の担当部長の導入について行政機構審議会において説明をして、審議会からも設置が適当という御答申をいただいたところであります。

 現在、県議会の皆様方に組織条例の改正を御提案させていただいている段階でありますので、私とすれば、これをお認めいただいた上で、組織規則で定める担当部長の配置について具体化を図ることが適切だろうというふうに考えておりますので、そういう観点で今回の議案説明におきましては検討という形で表現をさせていただきました。

 部の枠組みが確定をいたしました後、来年4月の新体制スタートに向けて、横断的、時限的な重要課題に一定の権限を持って対応する担当部長の配置について具体化を図ってまいりたいと考えております。

 それから、組織改正に当たっての基本的な考え方ということであります。

 今回の改正案、庁内でも議論を十分に行い、また行政機構審議会における御審議、さらには県議会、県民の皆様方からの御意見等も踏まえて取りまとめたものであります。

 しあわせ信州創造プランの実現に向けまして、特に地域振興関連施策の一体的な推進、文化施策の充実、産業施策を総合調整する体制の整備、私としてもかねてから必要だ、重要だということを申し上げてきたわけでありますが、こうしたものも盛り込んでいるところでありまして、私が目指す方向性に合致するものと思っております。

 県民の皆様方には今回の組織改正が県民の皆様方のニーズにしっかりと応えることができる組織体制を構築するものであるということを十分御理解いただいた上で、確かな暮らしが営まれる美しい信州の実現に向けてともに取り組みを進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

◆下沢順一郎

 続いて、しあわせ信州シェアスペース(仮称)について3点知事にお聞きいたします。

 一つとして、今回の提案は東京観光情報センターとアンテナショップを統合していくコンセプトですが、各県ではその方針によって機能分散をしているところもあります。

 秋田県では、知事の強い希望で、交通会館にある秋田ふるさと館のほかに、品川駅前のウイング高輪内にあきた美彩館を開設いたしました。ウイング高輪という京急グループの建物に入ることで、例えば、本年、JRとは全く関係なく、秋田フェアを10月の1カ月間開催しています。なぜなのかと聞いてみました。答えは、ウイングに入っていただいていますからとのことでした。秋田県は、これによって、東京だけでなく、品川から横浜、神奈川までも商圏に入れたわけです。

 また、福井県では、ふくい南青山291のほか福井銀座ショップを開設しました。福井県知事は、ふくい南青山291は福井県全体の物産や農産品あるいは福井でビジネスをされている方たちの拠点となる場所であり、複合的な施設なので、それに対するサテライト店を銀座に設けた、これからは特に食事専門店としてのサテライトショップを出店して首都圏における福井の食の魅力について情報発信の強化をするとしています。

 これらのように、出店コンセプトの重点の置き方により、機能を集積させたほうがよいのか、分散させ機能を高めたほうがよいのか判断されるということではないでしょうか。

 そこで、今回、統合していくとした判断と分散させるという判断の選択はどのような経緯で行われたのか。お聞きします。

 次に、秋田県はアンテナショップの必要性を次のように示しています。これまでは消費者ニーズに十分応えられる商品の提供ができなかった、そこで、マーケットインの視点から新商品開発や販売戦略等の専門家を生産現場に派遣し、売れる商品づくりを支援する必要がある、また、東京アンテナショップやあきた美彩館を拠点に、首都圏マーケットの情報収集とそれらを食品事業者へフィードバックすることで消費者ニーズを踏まえた商品づくりを進めていくと明確なコンセプトがありました。

 そこで、お聞きいたします。

 費用対効果の面からも長野県のために何をフィードバックしていくのか、何を長野県の産業のために行おうとしているのかが重要なポイントだと思いますが、御所見をお聞きします。

 次に、グーランキングによると、行ってみたい都内のアンテナショップランキング1位は北海道どさんこプラザ、2位は銀座わしたショップ、3位は新宿みやざき館KONNEです。都心にいながらちょっとした旅行気分を味わうことができるのが全国の都道府県が設置しているアンテナショップ。地域の特産品を販売するだけでなく、その土地のメニューが味わえる飲食スペースを併設したり観光情報を提供したりと工夫を凝らしている、物産館人気は旅行先の人気が影響する傾向があるようですとグーでは紹介しています。

 知事は、コアな信州ファンづくりを目指すようですが、首都圏の人々に行きたいと言われるようなアンテナショップを求めてどのような工夫が必要だと考えるのか。

 以上、3点、お聞きいたします。

 

◆知事(阿部守一)

 しあわせ信州シェアスペースについての御質問に順次お答えしたいと思います。

 まず、分散型なのか集積型なのかということの判断でありますけれども、今回、新しい首都圏総合活動拠点の整備に至った理由の一つは、整備構想の冒頭にもお示ししておりますが、今、東京観光情報センターございますが、施設が狭い、あるいはわかりづらい、そういう御意見を多数いただいてきております。こうしたものをより発信力を高くしていかなければいけないということで、移転をして、より広い場所で、信州のすぐれた「コト ヒト モノ」、トータルで発信することによってコアな信州ファンをふやしていきたいと考えております。

 このためには、信州らしい空間の中で物を買う楽しみ、食べる楽しみ、観光・交流情報、移住・就職相談、ビジネスチャンスの創出、こうした機能が一体としてあるということが必要だと考えております。一体的な機能を持たせるということが費用対効果の面でも経済的であるというふうに考えております。

 こうした基本的なコンセプトにつきましては、市町村との協議、あるいは有識者の皆様方での検討会議等においても議論され、共有されているというふうに考えているところでございます。

 それから、産業振興のため何をフィードバックし、何を行うかということでありますが、今回の活動拠点の狙いは信州と首都圏との強固な関係性をつくるということであります。これによりまして、県産品の購入、あるいは繰り返し人々が訪れていただくことによります県内経済の活性化、あるいは移住、2地域居住など交流人口の増加、こうした地域の活性化につなげていきたいと考えております。

 このため、1階のリビングスペース、2階のキッチン・イベントスペースにおきましては、本県の健康長寿を育んだ農畜産物あるいは伝統工芸等、長野県の強みをしっかりと発信をしていきたいと思っておりますし、また、4階のコワーキングスペース(共働利用オフィス)におきましては、さまざまなアイデア、ネットワークを持った人々のうち長野県に強い関心を持っていただく方にお集まりをいただいて新しいビジネスチャンスの創出あるいは販路の拡大につなげていきます。

 この拠点につきましては、県内の市町村、あるいは企業、団体の皆様方にも十分御活用いただき、首都圏のニーズを直接把握をしていただく場にもしていきたいというふうに思っておりますし、また、私ども県としても、消費動向を初めとする首都圏の情報を県内の市町村、企業にこの拠点での取り組みを通じてしっかりとフィードバックをすることによって、県内の商品あるいはサービスの開発、改善、そうしたものにつなげていきたいと考えております。

 それから、行ってみたいと言われるような工夫ということでございます。

 今回の活動拠点でターゲットとしておりますのは、一過性の個人消費者ではなくて、みずからの日常生活における課題解決あるいはビジネスの展開に信州が育んできたさまざまな価値や美しく健康なライフスタイルを取り込んでいこうという、長野県、信州に対して強い関心を持っていらっしゃる方、あるいはそういう関心を強く持たれる方をつくっていこうという場であります。

 このため、活動拠点、単に行ってみたいというふうに思っていただく工夫から一歩踏み込んで、信州をその方々にとってかけがえのない存在として日常生活あるいはビジネスにおいて捉えていただく長期的、継続的な関係性を築くための工夫が必要だと考えております。

 具体的な工夫といたしましては、1階のリビングスペースにおきましては、単なる物産の販売ということにとどまらず、生産者、製作者との触れ合い、あるいはそうした物産が生まれてきた風土あるいはストーリー、そうしたものを伝える仕掛けを通じて信州のよさ、すばらしさというものを体感をしていただきたいと思っております。

 また、2階のキッチン・イベントスペースにおきましては、食をテーマにした健康づくりの講演会あるいは信州長寿食の料理教室等を通じて、長野県の健康長寿を育んできた食材、こうしたものが都会の人々の日常生活に取り入れてもらえるような仕掛けを考えていきたいと考えております。

 また、4階のコワーキングスペースにおきましては、信州に関心をお持ちの方々が集まることによりまして、密度の高い商談あるいは具体的なビジネスチャンスの可能性を高めていきたいと考えております。

 こうしたことによりまして、首都圏の方々に、長期的、継続的な関係性、一方通行ではない双方向の関係性を信州との間で築いていただく、そうした拠点にしてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

◆下沢順一郎

 せっかく出すんであれば、しっかりと運営の中に専門的なマネジャーさんとか、そういった方を入れて運営ができるような形をとったほうがいいんじゃないかなというふうに思います。ぜひ御検討いただければというふうに思いますので、よろしくお願いします。

 続いて、大型商業施設出店に関する取り組みについてお聞きします。

 現在、松本市では、中心市街地に隣接した約6万2,500平米の敷地に大型の商業施設の出店が計画されています。一方、中心市街地の商業においては、超少子高齢型人口減少社会の中で年々商業販売額が減少しています。このような中で、大型商業施設の出店は中心市街地の衰退を招くことにつながると危惧されているわけです。また、周辺の住民からも、交通渋滞、住環境の悪化などの不安の声が聞かれています。

 大規模小売店舗立地法に基づき県に届け出が出された場合、松本市の町づくりにふさわしい開発となるような適正な指導を期待するものでありますが、いかがでしょうか。知事にお聞きいたします。

 

◆知事(阿部守一)

 松本市の町づくりにふさわしい開発に関する適正な指導についてという御質問でございます。

 今、大規模小売店舗立地法につきましては、大型商業施設の立地に関しまして、交通渋滞あるいは住環境の悪化など生活環境の保持の観点からのみ地域と調整することが可能ということで、かつてに比べるとかなり権限が制約された形になっております。

 しかしながら、新聞報道等、私も拝見をしておりますが、松本市への大型商業施設の出店が中心市街地に及ぼす影響を懸念する声があるということも聞いており、私も強い関心を持っているところでございます。

 本日、この件に関しまして松本の商工会議所から御要望をいただくという予定になっております。県として、地域にふさわしい町づくりのあり方等についてどういう支援が可能であるのか、地域の皆様方と一緒になって考えてまいりたいと思っております。

 以上でございます。

 

◆下沢順一郎

 強い関心を持っていただいているということでございますので大変ありがたいことです。ぜひお願いしたいと思いますし、要望ですが、山梨県知事はイオンモールから許可申請が提出された計画の回答に、渋滞激化などの都市計画上の問題点が解消できるショッピングセンター規模として売り場面積を60%縮小することが必要だというふうに回答しておりました。阿部知事にもこのような英断をぜひお願いしたいと思います。

 続いて、上高地地域の諸問題について質問いたします。

 御承知のとおり、上高地は自然公園法に基づく国立公園の特別保護地区等に指定された我が国屈指の景勝地であります。また、国内外から毎年140万人近い観光客を迎えています。この雄大な景観やたぐいまれな自然環境は信州のブランドイメージさえも支えており、長野県を代表する山岳観光地でもあります。

 その上高地は、上流からの大量の土砂の流出、堆積に加え、支流からの土砂の押し出し等により梓川の河床が年々上昇しています。そして、大雨のたびに、ホテル、旅館などの観光施設が浸水する被害や、支流からの押し出しにより歩道や橋などの施設が流失したり孤立する被害がたびたび発生しています。

 このまま河床上昇を放置すれば、上高地の景観に悪影響を与えるだけでなく、観光客の安全や、施設に大きな被害を与える災害の発生も懸念され、さらには、このままでは上高地が土砂に埋もれてなくなってしまうのではないかとの危惧が非常に高まっています。

 県が河川管理者としてかつては毎年継続して行っていた河童橋下流に当たるウエストン碑前の梓川の堆積土砂の除去等については河床上昇対策としては有効な事業であると思いますが、平成22年以降中断しています。本年度は県単の河川改修事業としてウエストン碑周辺で土砂堆積の除去を予定しているとのことですが、県としても毎年継続して実施することが重要と考えますが、今後の計画について北村建設部長にお聞きいたします。

 上高地内の左岸登山道についてです。

 この歩道は河童橋から横尾地区までの梓川左岸に沿った歩道で、北アルプス南部の槍ヶ岳や穂高岳へ入山するメーンルートであり、河童橋から明神、徳沢地区への探勝路として年間数十万人もの利用があるにもかかわらず道の管理者が不在となっています。毎年発生する土砂の押し出しや落石等の対応、また、日常の維持管理から流失、決壊等の災害の復旧に至るまで、地元にとっては大きな負担になっています。

 実は、この路線は昭和57年まで県道槍ヶ岳上高地線として供用されていた歩道で、供用廃止後の昭和59年以降も、県が環境庁等の補助金を活用し、木橋、護岸、トイレ等の整備を行ってきたと聞いております。その後、国の三位一体の改革以降、県の関与が消極的となり、木道等の老朽施設の更新を誰が行うかなど大きな問題となっている状況です。

 現在、地元松本市では、県も含めた各関係機関での役割分担や共同管理の検討を含め、この機会に歩道の管理者をぜひ明確にしていきたいとしています。県のかかわりも深く、信州の山岳観光を支える重要な路線であることからも県が主導的かつ主体的に関与していくことが必要であると考えますが、今後の県の姿勢について山本環境部長にお聞きいたします。

 これらの問題は30年以上前から叫ばれており、国のさまざまな機関や長野県もかかわってきました。かつて長野県が昭和53年から上高地地区保全対策検討会を組織し、事務局を務めながら、洪水、土砂対策などの総合的な計画の樹立と対策を推進するよう国に対し粘り強く働きかけなどを行った結果、昭和59年に4省庁(国土庁、環境庁、林野庁、建設省)による保全整備計画が策定され、明神地区本流等での砂防事業の実施につながった経過があります。しかし、その後は当組織もなくなり、現在に至っています。

 上高地は中部山岳国立公園内に位置しており、このようなさまざまな諸問題については本来は国が主導的に解決に向けた対策を講じるものと理解していますが、なかなか進展が見られません。

 そこで、長野県がリーダーシップを発揮し、より踏み込んだ形で国の機関へ抜本的、総合的な対策が講じられるよう強く働きかけていく必要があると考えますが、知事の見解をお聞きいたします。

 また、毎年増加している山岳遭難の防止対策を進めるため、この夏、上高地の横尾地区に登山相談所を設け、遭難事故発生箇所等を明示した大型地図を提示しながら、県の山岳推進員を中心に対面での指導啓発を期間限定で実施をいたしました。地域の山岳関係者によると非常に効果的な取り組みであったとの評価とともに、今後はぜひ登山相談所としての開設を強く望む声が地域関係者から上がっています。

 遭難防止対策はやはり水際での指導啓発が重要であり、横尾地区は県内では最も多くの年間10万人の登山者が通過する登山拠点であることから相談所の常設は非常に有効な対策の一つであると考えますが、今後の対応についてお聞きし、あわせて常駐パトロール隊の設置期間の延長についても、今後の計画について伊藤教育長にお聞きいたします。

 

◆建設部長(北村勉)

 上高地ウエストン碑前の堆積土砂の除去等についてお答えをいたします。

 河床に堆積した土砂の除去等の維持管理は、河川の持つ治水機能を保持する観点から重要なことと認識しております。

 近年、県では、ウエストン碑周辺の中ノ瀬園地において、河床の状況を見ながら、平成18年、21年に堆積土砂の除去を実施してきたところでございます。本年度につきましては、延長200メーターにわたり1,400立方メーターほどの堆積土砂の除去を、環境省との協議を経て、観光シーズンの終わる冬季に実施することとしております。

 今後も、環境省や国土交通省等関係機関と連携しつつ、河床の状況を確認しながら堆積土砂の除去を実施し、治水機能の保全に努めてまいります。

 以上でございます。

 

◆環境部長(山本浩司)

 上高地の左岸登山道についてのお尋ねでございます。

 上高地の左岸登山道は、河童橋から槍ヶ岳へ至る道として、また、涸沢、穂高岳、蝶ヶ岳等の北アルプス南部地域の山々の玄関口として上高地の歴史とともに成立してきた道でありますが、議員御指摘のとおり、管理者が不明確となっているのが現状でございます。

 左岸登山道につきましては、国立公園ではあるものの現状では国が管理している部分は限定的であり、平時の維持管理につきましては沿線の山小屋関係者や松本市に実施していただき、また、大雨等による災害が発生した際には県も協力して復旧に当たっているところでございます。

 今後とも、左岸登山道につきましては、緊急性のある修繕や災害復旧など喫緊の課題につきましては適宜適切に県単独予算により実施してまいりたいと考えております。

 また、左岸登山道は国立公園の核心部でありますことから、来年度開催を予定しております登山道等の山岳環境を検討する連絡会議での検討を見据え、国立公園の整備や管理のあり方について地元松本市と連携し、上高地の抱える課題を整理、検討してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

◆知事(阿部守一)

 上高地地域の諸問題についての国への働きかけについての御質問でございます。

 下沢議員御指摘のとおりだと私も思います。国立公園の整備は国が主体的に主導的に取り組んでもらいたいというふうに思っております。

 平成17年度の国の三位一体の改革で、原則として、国立公園内、国が事業を執行するという方向になったにもかかわらず、なかなか十分そうした姿が見えないなというふうに思っております。

 先般の政府主催の全国知事会議で、実は、私のほうから、国立公園については環境省がより踏み込んだ、責任を持った対応をしてほしいという趣旨で発言しようと思ったんですが、時間が限られている上に石原環境大臣が途中で御退席されたんで発言機会はなかったんですが、しかしながら、そうした考え方についてはしっかりと国に対して伝えていきたいというふうに思います。

 世界水準の山岳高原観光地をつくるというのが私ども長野県の方針でありますから、ぜひ、環境省においても国立公園区域についてはしっかりとした環境整備を図っていただきたいと思いますし、私どものほうからもそうした強い要請を行っていきたいと考えております。

 以上です。

 

◆教育長(伊藤学司)

 横尾地区におきます登山相談所の常設等についてのお尋ねでございます。

 山岳遭難事故の未然防止対策として、最終のとりでとなる登山相談所等での直接指導の重要性は議員と同じ認識でございます。このため、本年の夏には効果的な直接指導のあり方を検討するため、上高地の横尾地区において、地元の地区遭対協と連携し、過去の遭難発生場所を示す地図等を活用した指導をモデル的に行ったところであり、登山者からは危機管理意識が高まったという感謝の声が多数寄せられるなど一定の成果が得られたものと評価をしております。

 今後の登山相談所の活動の充実や夏山常駐パトロール隊の期間延長につきましては、こうした成果や山岳遭難防止対策検討会におきます専門家の意見も踏まえながら、地区の遭対協との連携を図りながら具体的な取り組み方策を検討してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

◆下沢順一郎

 治水機能の保全に努めてまいるということですので、ぜひ今後ともしっかりとお願いしたいと思いますし、それから、管理者の不明な点につきましては、ぜひ今後も松本市としっかりと協議していただいた上で管理していただきたいなというふうに思います。

 三位一体改革の後、県が設置した施設の再整備というのは確かに国であるわけですが、維持補修に関しては県が行うということになっているはずですので、きちっとした維持管理を行う責任はあると思います。なかなか十分な予算もとれないので、ぜひお願いしたいと思いますし、新たな維持管理体制構築に向けて県の主体的な関与を強く求めたいと要望しておきます。

 次に、新県立大学の県内4地域における意見交換会における要望の取り扱いについてお聞きしてまいります。

 各大学が共存できるような学部・学科構成とするべきだとか私立大側の理解を得る努力が必要というような点については、今後どのような取り組みをされていくお考えでしょうか。髙田総務参事にお聞きいたします。

 

◆総務参事(髙田幸生)

 意見交換会での意見に対する取り組みについてのお尋ねでございます。

 今後、教育内容、経費等を検討していくに当たりまして、基本構想を周知するとともに、県民の皆様からも広く意見を聞くことを目的に県内4カ所で意見交換会を開催し、延べ約300人の方に御参加をいただきました。

 高校関係者、大学、経済界、市町村、栄養関係、保育園、幼稚園等関係の皆様に意見交換をしていただくとともに、一般来場者からも御意見を頂戴したところでございます。その中では、御指摘のような各大学が共存できるような学部・学科構成とすべきなどの意見が出たほか、社会的必要性を考えると現在の定員では足りない、あるいは大学間で協力してアピールすることで県外から学生を呼べるのではないかとの御意見も出されたところでございます。全体といたしましては、県立大学の設立に向けて賛同する御意見が多かったと認識しているところでございます。

 意見交換会で行いましたアンケートでは、7割を超える皆様から地域を支える人材の育成という視点から新しい県立大学に期待するとの回答をいただいており、意見交換会を通じ新県立大学に対する県民の皆様の御理解が一層深まったものと考えております。

 いただいた御意見は、今後、県立大学設立準備委員会に設置する教育課程・教員選考専門部会や施設整備専門部会での議論等に反映させるとともに、引き続き県内私立大学を含む関係の皆様とも丁寧な意見交換を行ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

◆下沢順一郎

 意見交換会の30秒3人というのは、どう考えてもいただけないんじゃないかなというふうに思います。もう少し県民の意見を真摯に受けとめるような配分があってもしかるべきではないかなということは指摘したいと思いますし、私立大側の理解を得るためのさらなる努力はかなり必要だというふうにこれも指摘しておきたいと思います。

 それから、理解を得るという点で再質問をさせていただきます。

 先ごろ名古屋で開催されました中部圏知事会議の席で、人材の育成をテーマとして新県立大学の基本構想をパワーポイントで説明した後、司会者の開学時期の問いに対して、検討中であるが最速29年度または30年度、まだ決めていないと知事が発言されておりますが、発言の真意について知事にお聞きし、一切の質問を終わりとさせていただきます。

 

◆知事(阿部守一)

 県立大学の開学時期についてでありますが、基本構想上、施設整備の検討等とあわせて決定をしていこうということで記載をさせていただいております。そのことについて申し上げたということでありまして、今まさに、施設整備の検討部会、検討を始めておりますので、そうした中で施設整備も具体化してまいりますし、また、カリキュラムの検討もできるだけ早く検討に着手していきたいと思っております。

 そういう中で、しっかりとした形で開学年次を確定をさせていきたいというふうに考えております。

 以上です。

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