6月定例県議会-発言内容(下沢順一郎議員)

下沢順一郎

 長野県立4年制大学について、第6回大学設立準備委員会からその後の記者会見などについてお聞きしてまいります。

 マイク状態が悪かった準備委員会の質疑から確認いたします。中村委員から新県立大学の財務内容についての質問があり、試算が添付されていないことについて、場所の問題もあるが、全体の財務的な問題はまとまっているのかと指摘されていました。財務について試算内容をお聞きいたします。
 山浦委員から、授業料について、切磋琢磨を促すのであればイコールフッティングでなければならないと指摘をされています。授業料について、特に公立と私立との間で授業料の格差が生じることについて考え方をお聞きします。
 小宮山委員から、管理栄養士の養成課程は将来構想に関する検討委員会の長い検討の過程で突然出てきたもの、理念があってどういう大学をつくるべきかという議論をしないと禍根を残す、また、他大学との差異も不明確なままであり、結論を出すには時期尚早と言われています。見解をお聞きいたします
 中嶋委員から、新しく突出した大学をつくっていく中で、管理栄養士の養成とか県短大を引きずっている形で組み込んでいいのか、県内の大学や専門学校と協力するネットワークが必要ではないかという疑問に関してお答えください。
 三神委員から、資格に関しての誤解があるように思う、職歴によってはその資格がなければつけない場合もあれば、また資格の有無によらずつける職もある、今後、TPPとか2国間協定などグローバルな視点で食について考えなければいけない事案が出てきたときに対応できる人材を養成しなければいけない、例えばモンサント社の訴訟に対応できる人材の養成が必要だとする趣旨を提言していることについて。
 以上5点を副知事にお聞きいたします。

 傍聴後、住吉学長から、9月に出た案から新しい案になったようだが、この間、準備委員の先生方は会議を開いているわけでもないのに変更されてしまっているのはおかしいのではないか、通常、どのような意見が持ち込まれようとも、知事が任せた委員の方々がどのように判断するかを待ってから案を変更させるべきだと思うが、委員に無関係に準備室が勝手に操作してよいものか、手続が全く逆転しているのではないか、誰が主役なのかという疑問に関して知事の見解をお聞きします。
 学長のリーダーシップが発揮できる運営体制を掲げ、これからは学長の話は今後最も重要な部分であるとしていましたが、学長の意向により基本構想の解釈が変更されることはないか。知事にお聞きいたします。
 6月24日の記者会見の折、知事は管理栄養士課程を取るだけの大学ならつくる必要はないと発言されておられましたが、それでよろしいか。確認をさせていただきます。

 

◆副知事(和田恭良)

 準備委員会における委員の発言につきまして県としての考えについてお尋ねでございます。順次申し上げたいと思います。
 まず、設置場所に関連し財務的に試算しているかとの御発言でございますけれども、委員会では、事務局から運営費、建設費とも確定的な試算を示す段階ではない旨お答えした上で、目安として国際教養大学の例を引きながら、運営費交付金は10億円程度が見込まれるが、変動幅は相当大きいと答えたところでございます。
 変動要素が多いので、今後、カリキュラム等細部を決めていく中で具体的な運営費試算を示してまいりたいと考えております。
 また、建設費につきましても、今後、基本構想をもとに施設整備計画を策定し、教室や設備等の具体的な内容を詰めていく中でお示しをしたいと考えております。

 次に、授業料についてのお尋ねでございます。
 山浦委員の発言は、競合するところがあるとすれば、県の財政状況も踏まえ、学費もイコールフッティングの考え方もある程度盛り込んではどうか、つまり条件を同じにしたらどうかという考えを示されたものと受けとめております。
 授業料については、山浦委員御指摘の点に加えまして、大学運営上の観点、あるいは学生や保護者の負担の観点なども大変重要であると認識をしております。今後、具体的な計画をつくっていく中で、教育内容、教員配置、運営費等の詰めを行いまして、他の公立大学の状況なども勘案しながら設定してまいりたいと考えております。

 次に、小宮山委員から、管理栄養士の養成課程について結論を出すには時期尚早であるという意見がございました。小宮山委員の御発言は、健康文化学科の入り口と育成する人材の出口の問題、カリキュラム等について検討が不足しているのではないかという趣旨と理解しております。
 まず、入り口についてでございますが、管理栄養士を目指す県内高校生が年に120名程度県外大学に進学しているという状況がございまして、県立大学に養成を設けることで県内高校生の県内進学の選択肢を広げることになると考えております。
 出口としては、地域の食育のリーダーやビジネス展開ができる人材を育成し、新たな活躍の場を広げていくことを目指しておりまして、そのため、食や健康に関する専門性とともに、英語力、マネジメント力、食ビジネスを展開するための力なども身につけることができるような教育内容としていく予定でございます。
 こうしたことから、新しい県立大学は、機能性食品や医薬品開発などを目指す信州大学、また、食と栄養のスペシャリストの育成を目指す松本大学とは、目指す人材像、教育内容、就職先が異なる特徴的な学科になるものと考えております。

 次に、管理栄養士の養成についてでございます。
 新しい県立大学は、新しい大学像のもとに、よりグローバルな視点からつくり上げていくものと理解をしております。健康文化学科も、健康長寿を支えてきた信州の健康文化を継承し、発展させる人材や担い手を育成するという健康長寿世界一の長野県ならではの特色ある学科と考えております。健康文化学科の中の食健康コースでは、管理栄養士の資格取得を可能といたしますが、グローバルな視野を持ち、地域にイノベーションを創出できる人材育成という新しい大学の基本的な方向性を踏まえたものにしたいと考えております。
 食や健康に関する専門性を学び、地域の食育のリーダーとして、あるいは食、健康の観点から海外も視野に入れビジネス展開ができる人材を育成し、新たな活躍の場を広げていくことを目指しております。

 県内の大学や専門学校とのネットワークの必要性についてでございますが、健康文化学科に限らず、限りある教育資源を有効に活用し、充実した教育を行っていく上で大変重要なことと認識をしております。県の看護大学や信州大学、私立大学の皆様と連携協力し、長野県ならではの魅力ある教育内容を提供してまいりたいと考えております。

 最後に、食についてグローバルな視点で考える必要がある事案が出たときに対応できる人材を養成しなければならないという三神委員からの提言でございますが、三神委員からの御発言は、食や健康に関する社会の人材ニーズに対応できるように、ニーズをリサーチしながら広い力を身につけていく必要があるとの趣旨と受けとめております。健康文化学科における食健康コースにおいても、卒業後のキャリアパスを考え、広く世界の食に関する事情にも目を向け、国際的な食の安全管理やグローバルな視野でのビジネス展開ができる人材育成を目指すなど、委員の御指摘の趣旨を踏まえ、今後カリキュラムの検討などを行っていくことが必要と考えております。
 以上でございます。

 

◆知事(阿部守一)

 県立大学に関連しての御質問に順次お答えを申し上げます。
 まず、住吉学長の御発言としての、手続が逆転しているのではないかという御趣旨についての見解という御質問でございます。
 学長の御発言の内容を直接把握しているわけではないわけでありますが、準備委員会の議論について私が承知しているところでお話を申し上げたいと思いますが、素案を提出いたしましたのは昨年9月の委員会でございます。その素案をもとにいたしまして、パブリックコメント等を経て、そのパブリックコメント等を踏まえた修正案を提出する旨、委員の皆様方から、これは事務局で修正をかけますよということは御了解いただいて進めてきています。
 9月の設立準備委員会におきましては、健康文化は長野県から発信できる重要な要素だ、また、最初、研究センターという形の位置づけになっておりましたが、学科等を立てて人材育成すべきだという御意見が出たところであります。その後、県議会におきまして管理栄養士課程を設置すべきという御意見等もいただき、またパブリックコメント、全体で785件、御意見をお寄せいただいたわけでありますが、そのうち461件が管理栄養士養成課程設置すべきという御意見でございました。
 このほか、経済団体、高校、大学など関係者の御意見もお伺いする中で、設立準備委員会の委員からも御意見を伺う中で原案を策定したところであります。
 この間、県におきましては、しあわせ信州創造プラン、まさに並行して策定していたわけでありますけれども、重点プロジェクト等を具体化をする中で最終的に健康長寿世界一の信州というのを目指す姿の中に位置づけたところでございます。

 第5回の委員会、これは3月25日でございますが、管理栄養士養成課程の設置等についての御意見、私立大学、関係団体から御意見をいただきました。その上で、事務局から学部・学科はどういう形がいいかということを論点として提示をさせていただいた上で、そうした中で健康文化の継承、発展への貢献について委員から御意見が出たわけであります。例えば、健康文化の中で管理栄養士の養成は大きな役割を持つのではないか、また、食という県政課題と結びついた県立大学をつくるべきではないか、また、健康に近いリベラルアーツ的な学習をする中で資格も取れる道を探るべきではないか、こういった御意見をいただいたほか、大学全体のあり方として新しい大学をつくるという原点を忘れてはならないという御意見もいただいたわけであります。
 こうした御意見を受けて、第6回の設立準備委員会、6月19日でございますが、ここにおいて基本構想原案を提出したという状況でございます。
 したがいまして、手続的に逆転をしているというような御指摘があったかどうか私確認はしておりませんけれども、必ずしもそうしたことではないのではないかというふうに思っております。
 それから、学長の意向により基本構想の解釈が変更されることはないかという御質問でございます。

 新しい大学の学長につきましては、基本構想に掲げられた理念、教育目標、そうしたものを実現していくにふさわしい方にぜひ御就任いただきたいというふうに思っております。したがって、基本構想、これは県としてこういう枠組みで進めていこうというふうに決定をしたわけでありますので、そうしたことを踏まえて進めていっていただくということが前提だと考えております。
 今後、開学に向けて具体化をしていく中では、学長になられる方の教育に対する識見、大学運営に対する意向、そうしたものを具体化の過程で織り込んでいくわけでありますが、それによりまして基本構想がさらに確かな形で具現化されていくものというふうに考えております。

 管理栄養士を取るだけの大学ならつくる必要はないと言ったことについてでございます。
 新しい県立大学の基本構想におきましては、グローバルな視野を持ち、地域イノベーションを創出することができる人材という基本的な考え方、これは大学全体に貫かれているところであります。総合マネジメント学部に加えて健康発達学部を加えた2学部制としたわけでありますが、基本的な考え方は全て同様ということであります。その中で、健康文化学科、長野県の健康長寿を継承、発展させていくということを目的としておりまして、管理栄養士の資格取得のみを目的としたものではなく、健康文化を世界に発信し、健康な社会づくりを牽引できる人材、地域の食育、食ビジネスへの展開などにより幅広い分野で活躍できる人材を育成していく、こうした高い志のもとで、そうした趣旨の発言を私からさせていただいたところでございます。
 以上でございます。

 

◆下沢順一郎

 基本構想を決定し発表されたわけですから、9月の案と今回の構想との試算の違いくらいはわからないと4年制大学をつくることが目的なのかと指摘されても仕方がないと思います。施設整備の不確定の要素があり、今の段階では申し上げられないと記者会見での答弁もありました。とすれば、大ざっぱに言ったらまあこれくらいかというものも出せるはずです。先ほど交付金というようなお話がありましたが、もう少し突っ込んで答えていただきたいと思います。知事にお聞きいたします。
 就職先に関しても、職域の拡大、開拓を私大側とともにやっていきたいという表明が以前ありました。であるならば、少なくとも条件として授業料は同じにしなければ、お互いに競い合ってよくしていこうなどとは言えないのではないでしょうか。知事の見解を求めます。

 それから、公共経営コースに関して人材育成のイメージができません。一方で、食に関しては県の政策全体として力を入れるという知事の発言もあることから、公共経営コースの中に一つのブランチとして食にかかわる内容を取り入れるものとすればグローバルな人材育成と整合性がとれると思いますが、知事の見解をお聞きいたします。
 また、学長に関しては、具体化の過程でというようなことだと思いますが、参事から精力的に進めていくとの答弁が昨日ありましたが、知事の考えを改めてお聞きいたします。

 

◆知事(阿部守一)

 大学についての御質問に順次お答えしたいと思います。
 まず、財政的な試算についてでございます。
 これにつきましては、先ほど副知事から答弁申し上げましたように、運営費、建設費、確定的な試算を示す段階ではまだないというふうに考えております。今後、より具体的な施設建設等の検討をする中でお示しをしていきたいというふうに考えております。
 それから、授業料についてでございます。
 授業料の設定につきましては、これはイコールフッティングという御指摘も一定程度御意見としては理解できるところはありますけれども、他方で、これは県として行っていく教育として多くの学生に教育機会を提供するということも片方で必要ではないかというふうに考えております。
 先ほど来申し上げておりますように、松本大学の同様の課程と全く同じようなものをつくるという考え方に立っているわけではないわけでありますので、今後、具体的な運営計画を策定する中で運営経費等を詰めて、他の公立大学の状況等も参考にしながら授業料は設定していきたいというふうに考えております。

 それから、健康文化学科については公共経営コースの中で行えばいいのではないかということであります。
 健康文化学科、先ほど申し上げましたが、長野県らしい特色ある学科を目指していこう、健康長寿世界一の長野県にふさわしい学科にしていきたいというふうに思っております。そうした観点で、ビジネスも視野に入れて活躍できる人材を育てていきたいというふうに考えております。
 公共経営コースにつきましては、公共政策の企画立案等ができる人材育成を目的というふうに考えておりまして、必ずしも食、健康について専門的な知見を持っている人間を養成しようということではないわけでありますので一体にしていくということは難しいというふうに思っておりますが、ただ、公共経営コースと健康文化学科、十分連携を図りながら、相互に効果が上がるようにしていくということが重要だろうと思っております。

 それから、学長については、これは基本構想を取りまとめた次のステップとしては最も重要なテーマだというふうに思っておりますので、今回の基本構想にふさわしい、そして教育に対する熱い思いを持った方をぜひ選任できるように取り組んでいきたいというふうに考えております。
 以上です。

 

◆下沢順一郎

 第6回の準備委員会の1人だけ反対とした取りまとめに関してお聞きいたします。
 6月19日の報道によれば、個別にいろいろと教えていただく中でそういう考え方である、賛成であるということは私も確認しておりましたので、あえてきょうここで反対をされたとは受けとめていなかったということですという発言を副知事はされております。これでは、委員との個別のやりとりで賛成しているということは事前に確認しているので、会議の中では反対されたという受けとめではないということになり、今回の会議は中嶋委員に言わせるとセレモニー、つまりやらせであり、参加された委員は困惑しております。副知事は誰とどのような確認をされたのか。はっきりとお答えください。
 また、準備委員会は知事の諮問機関でありますので、副知事が事前に調整をつけ、審査当日の意見はまるで参考意見だとするまとめ方だったことについて知事の意見を求めます。

 

◆副知事(和田恭良)

 記者会見での発言でございますけれども、これまで開催した委員会での御意見のほか、事前に委員から御意見をお伺いしながら事務局で基本構想原案を取りまとめたものでございまして、委員の御意見を一定程度承知しているという趣旨での発言でございます。
 委員の意見を事前に聞くことということでございますけれども、これにつきましては、委員会の最初から事務局職員が委員の皆さんのもとへ何度も足を運び、県立大学に対する考え、意見をお聞きするなど大変御協力をいただいてきたところでございます。委員会で話し合う時間にも限度がございますし、委員の数も検討項目も多い場合には個別に委員のお考えや意見を聞くことも必要でございまして、さらに、当日都合のつかない委員もございまして、委員会での発言を補うものとして参考にさせていただいたところでございます。

 それから、基本構想の取りまとめに当たりましてでございますけれども、当日は基本構想の原案を五つほどに区切りまして、それぞれ委員の意見を頂戴した後、反対意見がないかを確認しながら進めまして、最後に全体を通しての確認をさせていただきました。
 委員の皆様の意見も多岐にわたっておりまして、部分を捉えれば反対のように聞こえるところもございますが全体としては賛成ということもございますので、区切りごとに反対意見がないかを確認をさせていただきました。
 なお、修文で可能なものにつきましては委員長に一任していただくという形で意見を反映しておりまして、今回は13カ所ほどの修正を行い、案としたところでございます。
 以上でございます。

 

◆知事(阿部守一)

 準備委員会での議論のまとめ方についてであります。
 これは今副知事から御答弁申し上げましたが、和田副知事が準備委員会委員長として責任を持って取りまとめていただいたものというふうに考えております。
 なお、前回の準備委員会の終了後、委員の皆様方と短時間でありましたが私昼食を一緒にとらさせていただきましたが、その場において委員の皆様方から議事進行等につきまして特段の異論はないというふうに認識をしております。私もいろいろ懇談をさせていただきましたが、きょうのまとめ方はいかがなものかというような御指摘はその場ではございませんでした。
 以上です。

 

◆下沢順一郎

 昼食の席でというようなお話でございましたが、その場で言う委員の方々はかなり度胸があるなというふうに思いますので難しいことかもしれません。
 今後の諮問機関のあり方について疑問を呈したとも言えるのではないでしょうか。最終的に知事が依頼した委員の疑問が残っていながら、会議の中で解決の道筋をつけずに結論を出してしまったという点、それから熟議を尽くしていないのではないかという点、議事録を県民にオープンにしてから是非を問うべきであったという点について知事の見解を求めたいと思います。

 

◆知事(阿部守一)

 先ほどから、私、そして副知事のほうから御答弁させていただいておりますようなプロセスを経て基本構想の策定に至ったわけであります。これは、最終的には一部の大学の御意見とは必ずしも一致していないところがあるわけでありますけれども、しかしながら、新しいものをつくっていくときに、もちろん全ての皆様方の意見を全て反映するという形が望ましいというふうには思いますが、しかしながら、現実には選択をし、決断をしていかなければいけない中で今回基本構想という形で取りまとめさせていただいたわけであります。

 パブリックコメント等もこれまでも行ってきたわけでありますが、パブリックコメントの中の意見、これも全て反映されているわけではありません。委員会で御議論をいただいた結果として今回の基本構想に至ったわけでありますので、そういう意味で、私とすれば、これまでさまざまなプロセスを経てきたわけでありますが、しかしながら例えば最も関係が深いと思われる私立大学等とは、これまでもそうでありますし、これからも真摯に意見交換させていただく中で長野県の高等教育がしっかりと発展していくように県知事として取り組んでいきたいと、そういうふうに考えております。
 いたずらに議論を先延ばしすることによって意見対立を激しくするようなことは私は避けるべきだというふうに思っております。しっかりとした高等教育をつくっていくということが、私としてはさまざまな御意見を持たれている方に対する一つの回答であるというふうに考えております。
 以上です。

 

◆下沢順一郎

 6月19日に構想案発表に伴うコメントを出した松本市菅谷市長に対して、私のところには何の連絡もないとし、松本市が本当に御意見があるのなら直接おっしゃっていただく必要があると思うと発言された報道を受け、菅谷市長は6月21日付で新県立大学の設置についての要望書を提出しています。要望書に対して知事の見解をお聞きいたします。
 塩尻市小口市長も、大学が潰れる時代に公が関与して税金を使ってつくる必要は全くないなどとコメントを出しています。コメントに対する知事の見解をお聞きいたします。

 

◆知事(阿部守一)

 お答えします。
 まず、松本市長からの要望書についての見解ということであります。
 松本市長から出されております要望書の趣旨は、県内の他大学、とりわけ地元の松本大学を意識されていらっしゃるんだろうというふうに思いますが、競合を懸念されての御意見だというふうに考えております。
 先ほども申し上げましたけれども、私立大学とはこれまでも真摯に議論をさせていただきましたし、これからも高等教育振興という観点でぜひ一緒に取り組ませていただきたいというふうに思いますし、また、私立大学の皆様方からも準備委員会で御発言等いただいているわけでありますが、例えば住吉学長からは、新しい大学のビジョン、前回の委員会、前々回の委員会に出されているような方向性については、新しい大学のビジョンが今後の社会のあり方を展望しながら、それに応えた大学をつくりたいという視点、委員の先生方の希望が貫かれており、私立4大学の皆様の考え方との共通点が多いというような御意見を頂戴したわけであります。
 また、他大学からも、例えば受験資格の上でのハードルを課してはどうか、あるいは魅力的なカリキュラムで人材を育ててはどうかという、県立大学全てに対して反対ということよりは、むしろ前向きに、私立大学ではなかなか実現し得ないようなところをしっかり取り組めという御趣旨のお話もいただいております。先日私がお話させていただいた際にも、そういった趣旨のお話を受けたところであります。
 したがって、私どもとしては、この高い志をしっかり貫いて、私立大学ではなかなか取り組みにく
い、例えばグローバル化の視点等を持ったそうした大学を志を下げることなくつくっていくということが私立大学の期待に応える方向でもあるし、また松本市長からの御要請にも応える方向性だというふうに思っております。
 高等教育振興については、全体的に各私大とも十分連携しながら取り組んでいきたいと思っております。

 それから、塩尻市長のコメントは、これも私直接今回お伺いをしているわけではないわけでありますが、大学については一般的には積極的なお考えではなかったというふうに私は承知しております。
 ただ、私も、大学教育に対しての問題点ということで村石議員の御質問に対してもお答えさせていただきましたけれども、例えば、大学、入るときまでは一生懸命勉強するけれども、それからはなかなか勉強しないとか、そういうこれまでの大学に対して指摘されていたような問題をそのまま放置して対応するということであるのであれば御指摘のような不要論というのもあり得るだろうというふうに思いますが、しかしながら、今回は、これまでの大学のあり方とは一線を画していこう、学長のリーダーシップもしっかり確立させていこう、そして本当に勉強をしていく環境をつくっていこう、そして県立大学として県の政策推進にも役立つ大学にしていこう、産業振興にも役立つ大学にしていこうということで考えているわけでありますので、そうした観点で私どもは基本構想のもと進んでいきたいというふうに考えております。
 この点について、また塩尻市長と直接お目にかかる機会もあると思いますので、そういう際に率直に御意見を直接伺ってみたいというふうに思っております。
 以上でございます。

 

◆下沢順一郎

 知事はよく広く県民の意見を聞くという言葉を使われますが、今回こそそれが必要なときはありません。その最終決定過程にも問題があることがいろいろと指摘されております。
 知事の考え方を取り入れた基本構想をせっかくつくり上げたわけですから、今こそ県民に広く意見を聞く必要があるのではないかと考えますが、知事の御意見を再度お聞きしたいと思います。

 

◆知事(阿部守一)

 お答えします。
 基本構想策定のプロセスにおきましてもパブリックコメント等させていただきました。ただ、まだ基本構想の段階でありまして、これから基本構想をもとに細かいカリキュラム設定等を詰めていかなければいけないわけでありまして、せんだって松本大学にお伺いした際も、そういう際にはぜひ御意見いただきながら進めさせていただきたいという話もさせていただきました。
 また、大学をつくっていくということになれば、もちろん、県民の皆様方、そして学生、若者たち、そうした世代にもしっかりと新しい大学の考え方を伝えていかなければいけないというふうに思っておりますので、これからさまざまな場面で、まず大学の基本構想を具体化するプロセスにおいて関係方面の御意見を聞きながら進めていきたいというふうに思いますし、また、大学像については、県民の皆様方にも広くしっかりお伝えするようなプロセスを経る中で多くの皆様方の期待に応えることができる大学にしていきたいというふうに考えております。
 以上です。

 

◆下沢順一郎

 プロセスの中でそういったことができるように位置づけていただけたらというふうにとても思います。
 関係市町村並びに私大側と十分協力して、これからせっかく新しい大学ができるのであれば、県民に祝福されて船出ができるように高等教育の振興のために取り組んでいただきたいと申し上げまして、質問を終わりといたします。御清聴、ありがとうございました。

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