2014.9月定例県議会-発言内容(中川博司議員)

 

◆中川博司

 おはようございます。改革・新風の中川博司です。最初に、長野県の健康長寿の取り組みについてお伺いいたします。

 9月15日には県内各地で敬老の日の行事が行われています。私も地元の敬老会に呼ばれ、挨拶をいたしました。さて、何を話すかと考

 

えたときに、長野県が平均寿命でも健康寿命でも日本一ですと切り出し、なぜ長野県が健康長寿県なのかという理由は、農家が多い地域

 

では、年をとっても田んぼや畑で一生懸命働いて、野菜をいっぱい食べているからですとお話をし、また、町場では、この地域はきより

 

がよくて、よく公民館で健康教室に誘い合って出かけて保健師さんのお話を聞いたり、おしゃべりしてよく笑っているからですとお話を

 

します。

 長野県では、ことし6月、食育推進全国大会を開催し、阿部知事はしあわせ健康県を目指してACEプロジェクトスタート宣言を発表

 

しました。アクション、チェック、イート、体を動かす、健診を受ける、健康に食べるということだそうです。

 そこで、長野県の健康増進政策について健康福祉部長にお伺いします。

 まず、健康寿命についてです。

 国は、第2次健康日本21で健康寿命の延伸と健康格差の解消を目指すとし、健康寿命については国民生活基礎調査では愛知県と静岡県

 

が日本一、介護にかからない期間などから算出した健康寿命日本一は平均寿命と同様に長野県です。

 さて、平均寿命については、市町村別の統計が発表され、男性では北安曇郡松川村が日本一となりました。それでは、市町村別の健康

 

寿命は計算されて発表できる状況にあるのか。また、その活用方法についてどのようなお考えをお持ちか。お伺いします。

 次に、食と健康について4点お伺いします。

 長野県が平均寿命、健康寿命日本一となった原因はさまざまあると思いますが、食の果たしてきた役割とこれまでの取り組みについて

 

どのように考えているでしょうか。

 高齢者の在宅での医療、介護における食事や栄養の管理が大切と思いますが、医療や介護制度の中でどのような位置づけがされている

 

か。また、現状どのような取り組みが行われていて、課題はどこにあると考えられているでしょうか。

 栄養管理や食事の指導を行う栄養士の長野県内で働いている方の数及び職場の数、加えて、法的に管理栄養士を置かなくてはならない

 

職場と現在の配置数について具体的な数字をお示しください。

 今後、県内全ての地域包括支援センターへ管理栄養士の配置、地域包括ケアシステムの中に栄養士を組み込むべきと考えますが、いか

 

がでしょうか。

 また、地域の特性に沿った栄養ケアマネジメントができる臨床管理栄養士などをふやすことが必要だと考えますが、いかがでしょうか

 

 さらに、高齢者ができるだけ元気に暮らしていくことができる地域での支え合いや仲間づくり、生きがいづくりが大切だと思われます

 

。そこで、地域での高齢者の皆さんを支えるために、保健補導員さんや食生活改善推進員の皆さんとともに食の専門家である栄養士の活

 

用が求められていると思いますが、現状と今後の方向性についてどのように考えているか。お伺いいたします。

 

◆健康福祉部長(小林透)

 健康長寿につきます御質問、それぞれお答えをさせていただきたいと思います。

 まず、市町村別の健康寿命ということでございます。

 これは、御指摘のとおり、国民生活基礎調査などを使用して3種類の方法ということでございまして、市町村分は算定がなされていな

 

いということでございますので、県では25年度からその算定方法につきまして独自に検討を進めてまいりました。

 ただ、厚生労働省の研究班におきましては、人口1万2,000人未満の団体では健康寿命の精度は十分と言えず、健康寿命を算定するこ

 

とには適さないという御指摘もあるところでございまして、小規模町村が多い本県の場合にそれをどこまで精度を高められるかというと

 

ころが課題となっているところでございます。

 そうしたことから、本年度は、統計分析の専門家、そうした方にも御協力をいただきまして、小規模団体の算定方法ですとか県民にわ

 

かりやすい公表の仕方などさらに研究を進めているところでございまして、できましたら年度内の公表というところを目指してまいりた

 

いというふうに思っております。

 それから次に、その活用方法でございますが、これを公表することによりまして住民の皆さんにそれぞれの市町村の状況というのを知

 

っていただくのはもとより、健康づくりを担っています市町村ですとか関係団体、そうしたところに、その成果といいますか、そうした

 

ものを確認をしていただきまして、さらなる取り組みの推進、そこのきっかけづくり、そうしたものに役立てていっていただきたいとい

 

うふうに考えているところであります。

 次に、長野県の健康長寿に食が果たしてきた役割と取り組みということでございます。

 長野県では、そもそも自家栽培の農作物に加えまして、大豆などを使いました豆腐ですとか、あるいは川魚、そうした地域の特徴に合

 

ったさまざまな食を工夫しながらとってきているという伝統的なところがございます。そうしたこともありまして24年度の国の調査によ

 

りますと県民の野菜の摂取量は男女とも全国1位ということで、こうした食生活が長寿の一因となっているというふうに考えているとこ

 

ろであります。

 また、昭和56年度から3年間実施いたしました県民減塩運動で食塩の摂取量を大幅に減少させるということ、これは、保健所などの栄

 

養士、それから栄養士会、あるいは食生活改善推進員ですとか、保健補導員、そうした皆さんの取り組み、そうしたものが果たしてきた

 

役割も大きいというふうに考えているところでございます。

 また、在宅における栄養の管理というところでございます。

 在宅の療養患者の方々に対しましては、医師の指示に基づきまして管理栄養士が訪問し食事に関する指導を行った場合は医科の診療報

 

酬の対象となり、また、介護保険におきましても、管理栄養士が居宅を訪問し栄養指導を行った場合は介護報酬の対象となるということ

 

でございます。

 現状では、こうした制度も活用いたしまして訪問栄養指導を実施している医療機関というものもございます。また、市町村の管理栄養

 

士が、介護予防事業を活用しながら、地域包括支援センターと連携して、訪問の栄養指導、それから配食サービスを実施している例とい

 

うのもございます。

 しかしながら、こうした訪問栄養指導はまだまだ利用が多いというような状況になってございません。その理由としては、一つには、

 

介護保険の利用者にとって、どのサービスを選択するかということでございますが、他のサービスに比べてまだまだ優先度が低いという

 

こと、次には、指導にかかわる管理栄養士の人材が不足しているというところ、また、医療機関が外部の管理栄養士に訪問の栄養指導を

 

依頼する場合の手続、そうしたものが確立されていないというような課題があるというふうに考えております。

 次に、長野県内の栄養士、管理栄養士の数と職場の数ということの御質問でございます。

 現在、病院や老人福祉施設、保育所、学校、事業所など約1,300の給食施設で約1,740人の栄養士、管理栄養士が従事をしているという

 

ことでございます。このほか、11の保健所、あるいは71の市町村、それから四つの栄養士養成施設に勤務するそうした栄養士が230人、

 

それから在宅で地域の栄養指導にかかわる者が290人で、合わせますと2,300人の栄養士、それから管理栄養士が県内で働いているという

 

こととなります。

 また、給食施設のうち健康増進法で管理栄養士の配置義務がある施設でございますが、これは、1回300食以上、または1日750食以上

 

の食事を提供する病院、それから、1回500食、または1日1,500食以上の食事を提供する事業所など、43の施設で合計235人の管理栄養

 

士が配置されているところでございます。

 次に、県内の地域包括支援センターへの管理栄養士の配置等の御提案でございます。

 現在、県内121の地域包括支援センターに保健師ですとか主任介護支援専門員等を配置しているところでございますが、管理栄養士を

 

配置しているという例はセンターにはございません。

 しかしながら、今後、要介護者の在宅での生活を支援していく、そうした上で栄養指導あるいは管理の果たす役割は重要度を増してい

 

くというふうには考えておるところでございますので、まずは現在既に市町村などに配置されている管理栄養士、栄養士を地域包括ケア

 

の体制の中で活用するということは一つあるかなと思いまして、それを研究してまいりたいというふうに思っております。

 次に、臨床管理栄養士でございます。これは、一般社団法人日本健康・栄養システム学会が認定、登録いたします専門的知識やマネジ

 

メント能力を備えた管理栄養士の呼称であるというふうに思っておりまして、病院においては専門性の高い管理栄養士が参加する栄養サ

 

ポートチームに対する診療報酬の加算の制度というものもございますので、今申し上げました学会の登録以外では医療機関においても養

 

成しているという例はふえてきております。そうしたものもございますし、さらに在宅を含めた療養者に対する栄養のケアの重要性とい

 

うのは今後ますます高まっているというふうに考えておりますので、その人材育成を図ることが必要だというふうに思っております。

 次に、栄養士の活用にかかわる現状と今後の方向性ということでございます。

 現在、管理栄養士や栄養士の多くが、病院、社会福祉施設等、給食に関する栄養管理ですとか入所者への栄養指導、バランスのとれた

 

食生活に関する普及啓発など、県民の栄養改善に取り組んでいるところでございます。

 こうした活動に加えまして、今後の方向性ということでございますので、それを考えますと、食品関連企業の開発部門、それからスポ

 

ーツの分野での栄養指導、それから御質問のところの在宅における栄養指導といった分野の活動、これは拡大していくなというふうに考

 

えております。

 特に、今般、国のほうでも進めております地域包括ケアシステム、これをつくっていく上では、高齢者、それから在宅療養者に対する

 

栄養ケア、支援のニーズがふえてくるということとなりますので、それを担います管理栄養士の人材確保、それから管理栄養士を活用し

 

た、先ほど申し上げましたような訪問栄養指導の普及促進など、地域におきましても食事、栄養面での支援を充実していくということが

 

必要と考えているところでございます。

 以上であります。

 

◆中川博司

 県立大学の問題で、松本大学の管理栄養士課程との競合ということが大きな問題として依然として理解を得られていない現状がありま

 

す。これまで、県は、県立大学として特色ある取り組みを行うと答弁をしてきていますが、私は入り口の問題とともに出口にも大きな課

 

題があるのではないかと思います。

 つまり、大学で一生懸命勉強して栄養士や管理栄養士の資格を取っても、社会に出てその資格を活用した職場があるのかということで

 

す。現状では、長野県内、ただいまお話ありましたように2,300人の栄養士、管理栄養士の職場があるとお聞きしました。単純に大学卒

 

業から60歳定年までの36年間で割り返せば、60人余の方が毎年入れかわれることになります。現在、松本大学健康栄養学科80名、長野県

 

短期大学健康栄養専攻40名、これに県外大学で栄養士などの資格を取った方も加わります。これが現実です。

 知事は、2期目に向けた基本政策の中でも、生きがい健康県づくりのトップにACEプロジェクト健康づくり県民運動を位置づけてい

 

ます。私は、これは極めて時宜を得た政策だと思いますが、栄養士、管理栄養士の活用を通じて県民の健康長寿を目指すことに県として

 

のリーダーシップが必要だということを指摘し、次の質問に移ります。

 次に、長野県の契約に関する条例の取り組み方針についてお伺いします。

 これまで条例に基づく契約審議会が7月、9月と2回開催され、長野県の契約に関する条例の取り組み方針について議論が行われてい

 

ます。特に、労働者の賃金が適正な水準にあることなどの労働条件の整備は最も重要な論点です。

 私は、長期的に健全な地域企業の育成や品質の確保のためには、若手技術者の育成が急務であることをこれまでも訴えてきました。建

 

設現場は、きつい、汚い、危険の3Kに加え、給料が安い、結婚ができない、休暇がとれないという新3K職場となっています。これで

 

は若手労働者が育つわけがなく、現に20代の若者の建設業離れは顕著です。

 平成15年、一般競争入札の導入により落札率が73.1%まで下がり、労働者の賃金も下がり始めました。官庁が建設工事で設計見積もり

 

を行う際に使う設計労務単価は、前年の労働者に支払われた賃金を参考に決められることからマイナスのスパイラルとなり、末端の現場

 

労働者に支払われる賃金は設計労務単価の六、七割にまで落ち込みました。

 これまで、長野県は、総合評価入札制度の導入や失格基準を導入することによってダンピングを防ぎ、落札率を上げ、近年では90%台

 

まで回復しました。しかし、落札率が上がってきているにもかかわらず、労働者賃金は一向に改善されていないのです。だからこそ、せ

 

めて設計労務単価を基準とした労働者賃金の支払いを求めてきたのです。

 さらに言えば、設計労務単価が適正な労働賃金であるかといえば、決してそうではなく、例えば長野県の主要8職種の現在の労務単価

 

の平均は1万8,250円ですが、これに年間労働日240日を掛けても438万円です。しかし、建設労働者の年収の全国平均は392万円。

 日本建設業連合会でさえ現状に強い危機感を覚え、建設技能労働者の人材確保・育成に関する提言をことしの4月に発表し、この中で

 

、建設技能労働者の年間労務賃金水準を全産業労働者レベルの530万円となるよう努めるとし、40代で600万円を目指すとしています。こ

 

600万円を240労働日で割り返せば2万5,000円となり、現在の設計労務単価を7,000円ほど上げる必要があります。

 建設業界も現在の技能労働者不足を極めて深刻に受けとめていることからも、建設労働者の賃金引き上げは喫緊の課題であり、県とし

 

ても強い決意で取り組み方針の取りまとめをしていただかなくてはなりません。建設部長の決意をお聞かせください。

 

◆建設部長(奥村康博)

 長野県契約に関する条例の取り組み方針の取りまとめについてのお尋ねでございます。

 議員御指摘のとおり、建設業では若年入職者の建設業離れによる担い手不足が懸念されているところでもあり、労働環境の改善は大変

 

重要な問題と受けとめております。

 労働環境の改善をし人材確保を図るため、昨年来、設計労務単価の見直しを行っており、これまで2回、合わせて3割弱の引き上げを

 

行っているところでございます。こうしたことが下請企業を含めた労働賃金に反映されることが肝要であると考えております。

 長野県の契約に関する条例の基本理念の一つを、労働者の賃金が適正な水準にあることなどの労働環境の整備としており、現在その基

 

本理念を踏まえた具体的な取り組み方針の策定を進めているところでございます。

 この取り組み方針の策定に当たりましては、労働者、建設企業双方にとってよいものであることが実効性を伴うものであると考えてお

 

ります。このため、県議会、契約審議会の御意見を聞きながら検討を重ね、しっかりと労働環境の整備を図ってまいりたいと考えており

 

ます。

 以上でございます。

 

◆中川博司

 先ほど全国の建設労働者の平均賃金は392万円と申し上げましたが、長野県の建設労働者の平均年収は長野県建設労働組合の集計では

 

324万円です。さらに50万円も低いのです。

 ここが改善されない限り、長野県の建設産業から技能労働者がいなくなってしまうという危機的な状況にあるということをぜひとも御

 

認識を持っていただきたい。さらには、知事の基本政策の中にある、持続的な地域産業の発展を確保するため中小企業や地場産業、農林

 

業などの事業承継や後継者育成を支援することにもならないということを最後に強く申し上げ、質問を終わります。

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