2014.2月定例県議会-発言内容(中川博司議員)


◆中川博司

 改革・新風の中川博司です。最初に、障害者福祉の課題についてお伺いいたします。

 障害者への支援は、2003年、新障害者基本計画のもとで、それまでの措置から契約に180度転換する支援費制度が導入され、障害者の皆さん自身がサービスを選択できるようになりました。

 そして、2006年から始まった障害者自立支援法は、障害の種別にかかわらずサービスを一本化しましたが、応益負担となり、障害の程度が重い人ほどたくさんのサービスを受け、自己負担が多いという矛盾を抱えていました。2012年には、障害者自立支援法は、応益負担は応能負担に、発達障害者を対象にするなどの改正が行われたところです。さらに、2013年、難病患者も対象とすることなどを含めた障害者総合支援法が施行され、今日に至っています。

 この間の大きな特徴は、一つには措置から契約に変わったこと、二つには施設から地域へと変わったことだと思います。

 そこで、今日的な障害者福祉の課題について何点かお伺いいたします。

 最初に、重度身体障害者のグループホームの現状と対策についてお伺いいたします。

 長野県障害者プラン2012の基本的視点でも地域での自立支援をうたい、障害者入所施設の新設、増設は行わず、グループホームの整備を推進しています。しかし、重度の身体障害者の皆さんが施設に入りたくても入れない状態が続いているとお聞きしましたが、現在の障害者支援施設への待機者の状況はどうなっているでしょうか。

 グループホームの整備が極めて重要であると考えますが、現状ではグループホームができるまで自宅や病院で待っています。重度身体障害者を含めた現在のグループホームの整備状況及び今後の見通しについてお伺いいたします。

 次に、福祉施設での看護師不足対策についてお伺いいたします。

 重度の身体障害者が利用しているグループホームや施設では医療的ケアが不可欠です。しかし、現状では、慢性的な看護師不足の中で医療機関との連携が十分とは言えません。今後、グループホームの利用者の高齢化や障害の重度化が進む中で、国や県はどのような施策を考えているのでしょうか。

 障害福祉サービス等の計画相談の実態と課題についてお伺いいたします。

 平成24年度の障害者自立支援法の改正で、平成27年度から、障害のある方が障害福祉サービス等を利用する際には、介護保険制度におけるケアプランと同様の相談支援事業所の計画相談に基づくサービス等利用計画の作成が義務づけられたところです。平成26年度末を目標に各圏域ではサービス等利用計画の作成作業に取り組まれていますが、思うように進んでいない現状があるとお聞きしました。長野県における状況、進まない理由と対策をお伺いいたします。

 以上、健康福祉部長にお伺いいたします。

 次に、高等学校における障害者支援について教育長にお聞きいたします。

 県内の高等学校では、最近、発達障害を含む障害のある生徒への対応や支援が課題となっているとお聞きしました。特に就職などの進路指導においては、就職先の選択や支援方法などで専門知識に乏しく悩んでいる学校や教員も多く、また、何とか就職しても定着できず退職する方もいるようです。高等学校の障害のある生徒の皆さんへの支援はどのように行われているか。教育長にお聞きいたします。

 

◆健康福祉部長(眞鍋馨)

 障害者福祉につきましてお尋ねをいただいております。順次お答え申し上げます。

 まず、障害者支援施設の待機者数でございますけれども、本県では毎年2月1日時点での圏域別の待機者を調査しております。それによりますと、本年2月1日現在の待機者数は全体で161名でありまして、これは昨年度より63名の減となっております。このうち重度身体障害者向けの生活介護施設を希望する方は88名でありまして、これも昨年度より13名の減となっております。また、保護者の高齢化等によって緊急度の高い待機者は32名ということでありまして、昨年度より21名の減となっております。

 待機者が減少しました主な要因といたしましては、長野県障害者プラン2012に基づきましてグループホームの整備等を積極的に行った結果、施設に空床ができ、在宅等の入所希望者が入所可能となったことによる減だというふうに承知をしております。

 次に、身体障害者のグループホームの状況についてお答えいたします。

 障害者グループホームの利用につきましては、平成1810月の障害者自立支援法施行時には、3障害あるんですが、そのうち知的障害者及び精神障害者に限定されていたところでありますけれども、身体障害者につきましても平成2110月から地域生活への移行を推進するため対象となったところでございます。

 県におきましても、これまで、障害者の地域生活への移行を推進するため、国に先駆けまして、県単の事業といたしまして平成14年度から障害者グループホーム整備に対して補助をするなど、積極的に整備を推進してきたところであります。

 その結果、平成25年4月現在の定員数でございますが、3障害合計で2,390人ということでございまして、前年度から157人増加しております。長野県障害者プラン2012で目標に掲げておりますのは平成26年度末で2,731人でございますけれども、それに向けまして順調に推移しているというふうに考えておりますので、今後も積極的に整備を推進してまいりたいと思っております。

 また、平成26年2月現在、県内の障害者グループホーム事業者全148ございますけれども、その148事業者のうち44の事業者が身体障害者の利用が可能ということで事業者指定を受けております。また、今年度、2事業者を追加しております。

 なお、重度の身体障害者が利用可能な人員配置や設備構造を持つグループホームにつきましては、県内では3住居、定員数では21人にとどまっておりますので、今後、事業者の皆様や地域の自立支援協議会等と相談するなど、引き続き整備を進めてまいりたいと思っております。

 次に、障害者グループホームと医療機関との連携についてお答えいたします。

 議員から御指摘がありましたとおり、重度の身体障害者が利用しているグループホームや施設におきましては医療的なケアが不可欠であります。一方、グループホームの増加や慢性的な看護師不足の中で安定的に看護師を確保することが困難であるということから、看護職員の訪問など医療機関との連携というものが非常に重要であると認識しております。

 現在、国におきましては、医療との連携強化や障害福祉サービスの量や質の確保、向上など、障害者の地域生活を支えるための方策が検討されております。平成27年4月に予定する報酬改定に向けて、その具体策が示される予定であります。

 県におきましても、障害者グループホーム利用者の高齢化、障害の重度化に伴う支援のあり方につきましては、長野県知的障害者福祉協会とともに事例の共有、研究を進めているところであります。

 一方、障害者グループホームで医療機関から看護職員の訪問を受けて看護業務を行った場合には、医療連携体制加算といたしまして自立支援給付費上の評価がされております。平成26年4月の報酬改定におきましても、当該加算の拡充が予定されているというふうに聞いております。引き続き、こうした国の動向を注視しつつ、県におきましても高齢化や障害の重度化の課題やその対応策について研究してまいりたいと思っております。

 次に、障害福祉サービス等の計画作成の状況、そしてまた作成が進まない理由とその対策についてお答えいたします。

 サービス等利用計画作成の進捗状況でありますけれども、平成2512月末現在、計画作成が必要な対象者1万5,804人に対しまして5,769人の計画が策定済みでありまして、進捗率としては36.5%となっております。全国の進捗率24.2%と比べますと進んではいますが、必ずしも十分とは言えない状況であります。

 計画作成が進まない背景といたしましては、作成業務を担う相談支援専門員の人数やスキルの不足、報酬単価の低さなどから専任職員の配置が困難なことなどの課題が挙げられております。

 これらの課題への対応といたしまして、昨年度、相談支援専門員の養成研修の受講定員を250名から500名に拡大するなど専門員の増加に努めてまいったところであります。また、本年度からは、実践的な少人数規模の研修会を圏域ごとに実施する障害者相談支援専門員重点サポート事業によりまして専門員のスキルアップに取り組んでいるところでございます。

 いずれにいたしましても、平成26年度末までに必要な対象者全員の計画作成が完了するよう、市町村や関係機関と連携して取り組みを強化してまいりたいと思っております。

 以上です。

 

◆教育長(伊藤学司)

 高等学校におきます障害のある生徒への支援についてのお尋ねでございます。

 障害のある生徒の高等学校入学に当たっては、従来より、生徒の障害の状態に応じて、昇降機やスロープの設置等、学習環境の整備、充実に努めてきたところでございますが、近年、議員御指摘のとおり、高等学校では発達障害の疑いのある生徒が年々増加しており、特別な支援の必要性が高まってきているところでございます。

 このため、平成20年度から、各校において特別支援教育の中心的役割を担う教諭を特別支援コーディネーターに位置づけ、県教委主催の研修会の受講などを通じ専門的知識の習得など資質の向上を図るとともに、全教職員を対象とした校内研修会の実施や校内支援体制の充実、関係機関との連携等に努めているところでございます。

 また、高校の特別支援教育に係る研究校を指定し、専門性を有する支援専門員を外部から派遣することなどにより授業のユニバーサルデザイン化やソーシャルスキルトレーニングの導入など先進的な特別支援教育のあり方に関する研究を行い、その成果の全県的な普及に努めているところでございます。

 さらに、新年度から自立活動担当教員を増員し、各校を巡回するなど、特別支援学校の各地域におけるセンター的機能を充実させ、高等学校における障害のある生徒への就労を含めた社会的自立に向けた支援を強化していくこととしております。

 今後も、教員の専門性の向上や関係機関との連携を図りながら、高等学校における発達障害を含む障害のある生徒に対する支援の充実に努めてまいりたいと考えております。

 

◆中川博司

 施設の待機者は圏域によって偏りがあると思われますので、ぜひ柔軟な運用をお願いをしたいというふうに思います。

 次に、地域包括ケアシステムについてお伺いいたします。

 要介護認定者は制度開始時と比べて倍増、そのうち75歳以上が90%を占めています。今後、団塊の世代の皆さんが後期高齢者になる2025年に向けて病床や特養が大幅に不足することは明らかです。そこで、国は、病院や老健から在宅へ可能な限り移行させ、在宅医療を強化する地域包括ケアシステムの構築を急いでいます。そのための誘導策として診療報酬の改定も行うということになっています。

 そもそも地域包括ケアシステムとは一体何であって、なぜ必要なのか。健康福祉部長にお伺いいたします。

 地域包括ケアに関連して、介護保険の制度見直しと現状について6点お伺いいたします。

 介護保険制度の見直しの中で、要支援の訪問介護と通所介護に生活支援を加えて、これが市町村事業となります。なぜ要支援の事業を市町村へ移行しなければならないのか。お聞きします。

 特別養護老人ホームへの入居基準が要介護3以上になりますが、現在、入居されている方は特例措置がとられることになり、要介護1、2の待機者だけが外れることになります。これで、特に重度の要介護4、5の待機者は特養に入ることができるのでしょうか。また、要介護1、2の方で在宅介護が困難な方への対応をどうするのか。お伺いいたします。

 以上、健康福祉部長にお伺いいたします。

 介護休業制度がある企業は、従業員5人以上で65.6%、30人以上で89.5%ですが、制度があっても、取得日数の制限、家族範囲の制限、無給であることなどから、介護をしている雇用者のうち介護休業制度の利用者の割合は全国で3.2%、長野県では2.2%です。結果として、介護を理由に離職、転職する人が後を絶ちません。長野県内の状況と、仕事と介護の両立への支援策をどう考えているのか。これは商工労働部長にお伺いいたします。

 介護する側のストレスも大きく、高齢者虐待は、全国で虐待と判断された件数は1万5,000件にも上ります。県内の状況はいかがでしょうか。

 虐待の背景には家族の介護疲れがあります。在宅でケアをしている家族を癒やすための一時的なケア、レスパイトケアというらしいのですが、家族支援サービスを強化すべきと思いますが、いかがでしょうか。健康福祉部長にお伺いします。

 結局、地域包括ケアを支えるのは介護保険ということになると思われます。

 そこで、マンパワーについてお伺いしますが、介護現場で働く皆さんがそもそも足りているのか。また、他の産業と比較して賃金水準はどうか。ヘルパーの資格を持ちながら仕事についていない方はどの程度いるのでしょうか。今後ふえ続けるニーズに対応するためにはどの程度の人数が必要と考えているのか。また、その人材を確保するための方策をどのように考えているのか。健康福祉部長にお伺いします。

 知事にもお伺いいたします。

 地域包括ケアシステムが単なる病院医療から在宅介護への追い出しということでは、現在の在宅介護の現状からいっても極めて厳しい状況が容易に想像できます。介護現場を支えるマンパワーの強化に向けて知事の決意をお聞きいたします。

 

◆健康福祉部長(眞鍋馨)

 地域包括ケアシステムにつきまして5点お尋ねをいただきました。順次お答え申し上げます。

 地域包括ケアシステムでございますが、これは、重度の要介護となった状態であっても住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援、この五つの要素が一体的に提供される仕組みで、市町村が地域特性に応じて構築していくものとされているところでございます。

 この仕組みが必要とされる背景には、議員御指摘のとおり、高齢化の進展に伴いまして高齢者のみの世帯や認知症高齢者がふえ、医療、介護の需要増加が見込まれる中で、在宅で必要なサービスを受けられるような体制の構築が求められているところでございます。

 また、県が平成23年に取りまとめた高齢者生活・介護に関する実態調査結果におきましても7割近い高齢者が可能な限り自宅で生活したいと望んでおりまして、地域包括ケアシステムの構築はこうしたニーズにも応えるものであるというふうに認識をしているところでございます。

 次に、要支援者への事業が市町村事業へと移行する理由についてでございます。

 現在の介護保険制度における要支援者に対するサービスは、種類、基準、報酬単価など、これは全国一律で定まっているものでございます。しかし、要支援者に対します訪問介護と通所介護につきましては、地域に密着いたしました見守り、配食などのサービスと一体的に提供されることが望ましいという観点から、地域の実情に応じ、住民主体の取り組みなどを積極的に活用しながら柔軟かつ効率的にサービスを提供できるよう、市町村による独自の事業に移行するものというふうに承知をしております。

 なお、訪問看護や訪問リハビリテーションなど専門性の高いサービスにつきましては、引き続き保険給付によりましてサービス提供がなされることというふうになっております。

 次に、特別養護老人ホームへの入所についてでございます。

 本県における在宅の特別養護老人ホーム入所希望者でございますけれども、平成25年3月現在、4,936人でございまして、このうち要介護4、5の重度者が2,035人ということでございます。約4割強を占めておるという状況でございます。平成27年の4月から実施される予定の今般の見直しに伴いまして、重度者の入所が一定程度促進されるものと考えております。

 軽度者への対応ということでございますが、要介護1、2の軽度者でありましても、認知症や家族での介護者の状況などやむを得ない事情があるという場合は特例的に入所できるということとされておりますけれども、県といたしましては、今後、国から示される予定の特例入所の指針の検討状況を注視いたしまして、必要があれば、国に対しまして、真に入所が必要な方がちゃんと入所できるような指針となるように要請してまいりたいと思っております。

 また、比較的軽度の方も利用することが想定される認知症グループホーム、小規模多機能型居宅介護施設など、特別養護老人ホーム以外のこういう介護基盤整備につきましても、市町村及び県の計画に基づいて推進してまいりたいと思っております。

 次に、高齢者の虐待に関するお尋ねでございました。

 高齢者の虐待、本県において、平成24年度に養護者による高齢者虐待というふうに判断されたものは317件ございました。虐待を受けた高齢者のうち、同居する者からの虐待が9割を占めております。御指摘のとおり、家族等の介護疲れ、介護ストレスというものが大きな要因だというふうに考えているところでございます。

 次に、在宅介護者への支援ということでございますけれども、平成18年に創設されました介護保険の地域支援事業というものがありますけれども、この中におきましては、家族を介護から一時的に解放して心身のリフレッシュを図る取り組みが対象となっております。平成24年度は、県内の46の市町村におきまして、例えば宿泊あるいは日帰りでの交流会、保健師による健康相談を開催するなど、介護に疲れている家族の心身のケアに当たっているところでございます。

 県といたしましては、市町村が、こうした制度の活用を含めて、介護家族への支援にしっかり取り組んでいただくことが肝要と考えております。市町村が家族介護支援事業の存在を住民の方々にも十分に周知していただくということが大事だと思っております。それとともに、介護する家族の実情や意向もしっかりと把握するよう働きかけてまいりたいというふうに思っております。

 介護職員の状況、それから人材確保の取り組みについてお答えいたします。

 県内で介護に従事している職員でございますが、平成23年度の調査によりますと約2万7,000人ということでございます。本県の介護分野における平成2512月末の有効求人倍率は1.70倍でありました。全職種では1.00倍ということでございますけれども、全職種に対しましては高い水準ということでございます。また、平成22年に県が実施いたしました高齢者生活・介護に関する実態調査におきましては、35.6%の事業所が職員が不足しているというふうに回答しているところでございます。

 次に、県内の介護職員の平均賃金でございますけれども、平成24年度の賃金構造基本統計調査などによりますと月給で22900円でございまして、全産業の平均賃金は274,700円でございますので低くなっているという状況でございます。

 次に、資格を持ちながら介護の職場で働いていない方、いわゆる潜在的有資格者に関してのお尋ねでございますが、平成23年度の調査の結果を用いて推計いたしますと、介護職員の中核を担う介護福祉士の場合、資格保有者のうち約4割の方が資格を持ちながら介護の現場では働いていないと、そういう状況が示されているところであります。

 今後必要とされる職員数でありますけれども、国のシミュレーションによりますと、2007年、全国で117万人というデータがございますが、2025年には250万人とおよそ倍の介護職員が必要という見込みとなっております。単純にこれを我が県に当てはめてみますと、本県では2025年には約5万人の介護職員が必要というふうに見込まれるところでございます。

 介護職員の確保のためには、キャリアパスの確立などによる資質の向上、それからマッチングの強化などによる参入の促進、そしてまた介護職員の処遇改善、こういったものを一体的に進めることが重要であると考えております。

 具体的には、資質向上といたしましては、新任から管理者等へのステップアップの道筋を示したキャリアパスモデルの作成とそれに対応しました生涯研修の実施、参入促進といたしましては、キャリア支援専門員による求職者の就労支援、潜在的有資格者の再就業を支援する研修会などを実施しております。処遇改善につきましては、給与改善のための制度が介護報酬に組み込まれたことによりまして継続的な支援が行われているところであります。

 このような取り組みをより一層進めていきますため、介護事業所団体、職能団体、養成施設、労働局等で構成する福祉・介護人材確保ネットワーク会議を来年度設置する予定でおります。

 会議では、求職者へのアピール法や従事者の離職防止策といった人材確保に係る今後の対応策、キャリアパスモデルの普及策と生涯研修の内容、介護職場のイメージアップ対策などにつきまして検討を進めてまいりたいというふうに思っております。

 以上でございます。

 

◆商工労働部長(太田寛)

 仕事と介護の両立支援についての御質問でございます。

 まず、県内の状況でございますが、国の就業構造基本調査によりますと、県内におきましては、過去5年間、年間に約1,000人から1,500人程度が介護を理由に離職しているという状況がございます。この現状を見ますと、介護サービスの充実とともに、労働環境の面でも対策を講じる必要があると考えております。

 そこで、昨年10月から企業3,000社を訪問いたしまして、介護によりフルタイムの勤務が困難でも正社員として継続就労できる短時間正社員制度の導入や介護休業を初めとする介護支援制度の拡充を働きかけておりまして、具体的な制度設計を支援する事業、仕事と家庭両立支援促進事業を進めているところでございます。これまでに約1,200社を訪問いたしまして、制度の導入、拡充の働きかけや育児・介護休業法に関する啓発などを行っているところでございます。

 また、介護休業等の制度に関します知識の普及に向けまして、労働教育講座や労働相談を通じまして、経営者、労働者、あるいは就職を控えた学生などに対しましても啓発を行っているところでございます。

 今後も、これらの取り組みを進めまして、仕事と介護が両立できる労働環境が広がるよう取り組んでまいりたいと考えております。

 

◆知事(阿部守一)

 介護現場を支えるマンパワーの強化についての決意という御質問でございます。

 今後さらに拡大する福祉・介護ニーズに対応するためには、質の高い人材を安定的に確保していくということが喫緊の課題だというふうに考えております。先ほども健康福祉部長から御答弁申し上げましたが、福祉人材の量的な確保のみならず質的な向上にも重点を置いて確保策を総合的に推進してまいっております。

 なお、今般、社会保障・税の一体改革におきまして、医療・介護サービスの提供体制改革のための新たな基金を都道府県に設置する予定というふうになっております。この基金も有効に活用することによりまして、年を重ねても安心して暮らすことができる社会をつくるべく、将来にわたって安定的に介護人材の確保が図れるよう取り組んでいきたいと考えております。

 以上です。

 

◆中川博司

 地域包括ケアを進めていくためには在宅医療、在宅介護を支えるということが必要で、そのためのマンパワーの問題、それからその家の家族の状況、こういったものがあるわけで、今のままでは非常に課題が大きいというふうに思いますし、県としてどのように支えていくのかということが非常に大きな課題であるということだけ申し上げておきたいというふうに思います。

 次に、長野県みらいベースを利用したNPO等への支援についてお伺いいたします。

 東日本大震災による避難者支援の一環として、放射能を少しでも浴びない生活を子供たちにさせたいという福島県の親の願いから、NPOまつもと子ども留学基金が立ち上がりました。これは、福島県からの子供たちの留学を松本市が受け入れの準備をし、NPOが運営をするものです。今のところ、新年度に6人の子供の留学が決定しているそうです。そして、この活動に、本年度、県が運用を開始した長野県みらいベースを活用し助成金が支給されることになったと聞きました。

 県では、新しい公共の担い手となるNPO等の多様な主体による公共的活動を支えていく仕組みとして長野県みらいベースを立ち上げましたが、支援実績はどうなっているのか。また、県として来年度はどのような取り組みを予定しているのか。企画部長にお伺いいたします。

 今後、長野県みらいベースの取り組みがさらに活用されるよう、知事として大いに呼びかけることが必要と思いますが、いかがでしょうか。知事にその決意をお伺いいたします。

 次に、緊急消防援助隊の手当改善についてお伺いいたします。

 これまでの質問の中で、消防団の手当改善について積極的な御答弁をいただきました。私も、地元で消防団に従事してきたことからも、今回の消防団新法の成立に伴い手当の改善などが積極的に行われることを歓迎するものです。危機管理部長の答弁でも、市町村に対して手当の改善を積極的に働きかけていく旨の答弁がされたところです。

 さて、東日本大震災には長野県からは県警を初め常備消防も派遣され、人命救助に当たってまいりました。一昨年の2月定例会において、消防の緊急援助隊の諸手当を国の人事院規則に基づいて改善すべきではないかと知事に私から質問をさせていただきました。

 東日本大震災における緊急消防援助隊は、長野県隊として、発災の日から24日間にわたりまして、9次隊まで260964名が出動し、宮城県におきまして人命救助、捜索、それから救急、火災警戒といった活動を行ってまいりました。

 この出動の手続は、消防庁長官の判断で知事に出動指示がなされ、それを受けた知事が市町村長に指示をする出動ということで、燃料代、旅費、特殊勤務手当や時間外勤務手当といった出動後に追加的に発生して支払われた経費については国が負担する仕組みになっています。

 そのときの知事の答弁は、原則的に給与条例主義で個々の自治体、個々の市町村が主体的に決定するものということでありますので、県としては必要な情報提供をこれからも市町村に対して行って自主的な決定、判断をぜひしていただきたいという答弁でした。

 そこで、危機管理部長にお伺いしますが、県下の常備消防の緊急消防援助隊の手当改善は行われたのでしょうか。今後も、南海トラフなど大地震が想定される中で緊急消防援助隊の出動が考えられますが、消防団の手当改善と同様に、積極的に改善を県として働きかけるべきと思いますが、いかがでしょうか。

 最後に、私からも今後の大雪の除雪対策について御質問をいたします。

 改めて災害に遭われた皆さんに心からお見舞いを申し上げます。

 今回の歴史的な大雪は、その対策においてもさまざまな課題が浮かび上がったものと思います。これまでに私自身が感じたことは、通常の20センチ、30センチの積雪への対応と、今回のような連続して50センチを超え、1メートルにも及ぶ積雪への対応は異なるということです。

 建設業者の人と機械が以前に比べて手薄となっていることもありますが、大雪のときは排雪を行うことを目的とした対応策を別に考えておく必要があるのではないでしょうか。

 そして、排雪を行う道路について、救急病院への進入路やバス路線などを優先し、市道、県道にかかわらず連携をとって優先的に排雪できるようにすること、加えて、雪捨て場の確保も市町村と県とで共同で確保することが必要だと思いますが、建設部長の見解をお伺いいたします。

 

◆企画部長(原山隆一)

 長野県みらいベースを活用したNPO等への支援についてのお尋ねでございます。

 議員御指摘のように、民間の公共的活動を支援するために、本県では、昨年4月から、寄附募集サイト、長野県みらいベースの運用を開始したところでございます。これまでに約400万円の寄附をいただいております。

 その寄附をもとに、御質問にあった松本市における活動につきましても、福島第1原子力発電所事故の避難者が利用するシェアハウスの設備改修でありますとか、被災地の小中学生を受け入れる際の寮の開設、運営などに対しまして、このサイトを運営する長野県みらい基金を通じ助成が行われたところでありまして、これらを含めて現在までに全体で16団体に対し300万円余りの助成が行われているところでございます。

 長野県みらいベースの利用拡大を図るための来年度の取り組みでございますが、緊急雇用創出基金事業を活用いたしまして、まず寄附に関するさまざまな情報発信を充実するための長野県みらい基金サイトの拡充、テレビやラジオ等による広報、松本市に長野県みらい基金の中南信事務所を新たに設置しまして全県的な営業活動の展開、さらには、長野県みらい基金の認定NPO法人化を視野に、税制上の優遇措置や企業の社会貢献事業などに焦点を絞った冊子やリーフレットの作成、配布などの取り組みを実施してまいる予定でございます。

 これらを通じまして寄附を拡大するとともに、より多くの公共的活動団体に長野県みらいベースを活用していただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。

 

◆知事(阿部守一)

 長野県みらいベースの活用についての知事としての呼びかけについての御質問でございます。

 長野県みらいベース、NPO法人長野県みらい基金が運営しておりますが、私も応援団としてこの基金の顧問を務めさせていただいております。これまでも、長野駅前でみずから募金の呼びかけ、参加をさせていただきましたし、また、イベント等でもパンフレットを配布して周知に努めてきております。

 しかしながら、議案説明でも申し上げましたように、長野県みらいベース、まだまだ十分な資金が集まっているとは言えないというふうに感じております。広く県民の公的活動を広い県民の皆さんの力で支えていってもらいたいというふうに思っておりますので、この長野県みらいベースの活用拡大に向けて、今後もさまざまな機会を捉えて、私自身も積極的にPR、活用の働きかけをしていきたいと考えております。

 以上です。

 

◆危機管理監兼危機管理部長(久保田篤)

 緊急消防援助隊に対する手当の改善についてのお尋ねでございます。

 緊急消防援助隊の出動、活動にかかわる特殊勤務手当を初めとする諸手当については、派遣元の消防本部の規定が適用されます。東日本大震災を契機として手当の改正を行ったかどうかを県内消防本部に確認したところ、現時点で対応した消防本部はありません。

 消防職員の給与や諸手当は、給与条例主義に基づきまして、それぞれの消防本部を運営する市町村、一部事務組合、広域連合が主体的な判断のもと決定しているものでありますが、今回、緊急消防援助隊に対する手当の改善について議論があったその内容を県消防長会を通じて各消防本部に伝えてまいりたいと考えております。

 以上です。

 

◆建設部長(北村勉)

 今後の大雪の除雪対策についてのお尋ねでございます。

 議員御指摘の救急病院への進入路、バス路線の排雪などについて、市町村とも連携し、優先的な作業に努めたところでございますが、大雪のため除雪や排雪作業が追いつかず、県民の皆様には不便をおかけいたしました。

 今後は、今回の対応状況を検証し、市町村との連携についてさまざま検討してまいります。

 次に、排雪場所の確保についてでございます。

 県では、今回の大雪において、国の河川事務所や市町村と調整し、1級河川内での排雪場所の確保について支援してまいりました。今後は降雪の少ない市町村においても迅速に排雪ができるよう、排雪場所についてあらかじめ市町村と調整してまいります。

 以上でございます。

 

◆中川博司

 緊急消防援助隊の手当改善については半歩前進といっていいのかよくわかりませんが、危機管理部長自身は、緊急消防援助隊の手当改善が人事院規則の改定に基づいて行われているものですから必要だという御認識をお持ちでこれからの会議に臨むおつもりなのか。改めてお伺いいたします。

 除雪についてですが、いつから路線バスの運行が平常になったかについて調べました。長野電鉄は2月18日、信南交通2月20日、アルピコ川バス2月24日、アルピコ松電3月1日、千曲バスはきょう3月3日、アルピコ諏訪バスはあすの3月4日というふうになっています。平常運行に戻るまでに実に17日間かかっているわけです。ぜひとも、県民の足をしっかり守る立場から、しっかり御検討をいただくようお願いを申し上げ、質問を終わります。

 

◆危機管理監兼危機管理部長(久保田篤)

 部長として手当の改善は必要と考えるかどうかと、こういうことでございます。

 お話ありましたように、確かに緊急消防援助隊は全国的な枠組みで実施されるものでございますので、同じ活動をして支給される手当というのがばらばらというのについても私自身は違和感を感ずるところであります。

 また一方、給与の市町村ごとの自主的決定という大きな枠組みがあるわけでありますので、そんな中で、今回の議論を消防本部に伝えることによりまして検討の機運が高まるということを期待したいと、こういうことでございます。

 以上です。

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