9月定例県議会-発言内容(中川博司議員)

◆中川博司

 改革・新風の中川博司です。まず、公契約条例についてお伺いいたします。

 公契約条例とは、自治体が契約する建設工事、指定管理者制度、委託契約などで、ダンピングや重層な下請構造の中で労働者が低賃金状態に置かれていることを防止するため一定の歯どめをかけるための条例です。

 2009年に千葉県野田市で初めて制定されて以降、川崎市、多摩市、相模原市、国分寺市、渋谷区、厚木市などで相次いで制定されてきました。その特徴は、設計段階で積算するために使用している設計労務単価を基準として8割以上あるいは9割以上と条例の中で定めていることです。また、委託契約でも、その自治体の高卒初任給の1時間当たり賃金を下回らないことなどを規定しています。

 今回、長野県が検討されている条例案は、これまでの先行自治体とは異なり、長野県が行う契約はこうあるべきという理念を規定し、その理念に基づいて政策を展開することになっています。

 労働環境に対する施策として、長野県では、総合評価入札制度の中で、評価項目の中に労働者に賃金を適正に支払っているという項目を入れ、加点するという方向で考えられています。したがって、現時点で課題を指摘するとすれば、長野県の条例は理念条例であり、直接労働賃金の下限を定めるものではないということ、総合評価入札制度で契約される工事契約は件数ベースで3割であり、全ての契約を網羅していないということ、適正な労賃の基準をどこで決めるのか、また、適正な労賃が支払われていることをどう確認するのか明確とはなっていないこと、労働者の範囲に一人親方が入るのかなどの問題があります。

 そこで、何点かお伺いいたします。

 4月から、設計労務単価が、人材を確保するため、社会保険への加入費用分として約18%アップされましたが、現場で実際支払われるためにも公契約条例が必要となると思います。設計労務単価の引き上げにより実態賃金へ現状反映されているのか。

 次に、県の示した考え方で賃金の支払い実態の調査をせずに労働者の通報制にすれば、通報した人が不利益扱いになることは目に見えています。これでは企業側に強制力が働きがたいという問題があります。第三者委員会に賃金、労働条件などを調査する機能を持たせたらいかがでしょうか。

 以上、建設部長にお伺いします。

 県が行う契約全体にかかわる条例としていくためには、全てを総合評価入札にしていかなければならない内容となっていますが、総合評価入札制度では、中小企業でこれから頑張ろうとするところがどんなに頑張っても入札点以外の点数で逆転されてしまうという可能性を排除できないという課題も残ります。

 さらに、委託契約、印刷などの物品売買契約にも適用されることを可能にする条例とすべきと私は考えます。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 そもそも、この公契約条例は、建設労働者の賃金の低下に歯どめがかからず、若者の建設業離れ、給料が安い、結婚できない、休暇がとれないという新3Kとも言われる状態を改善することを一つの理念としています。少なくとも官製ワーキングプアをつくらないということが大切な考え方だと思いますが、公契約条例についての知事の御所見を改めてお伺いいたします。

 

◆建設部長(北村勉)

 設計労務単価の引き上げによる実態賃金への反映状況についてお答えをいたします。

 本県では、4月1日以降、県発注の公共工事において平成25年度公共工事設計労務単価により積算を行っております。

 設計労務単価の引き上げによる実態賃金への反映状況につきましては、7月から9月の間に国が実施している技能労働者の賃金水準動向を把握するための実態調査を参考にするとともに、10月に行う公共事業労務費調査において状況を確認してまいりたいと考えております。

 また、落札率が一定の調査基準を下回った工事についても、契約後確認調査で賃金実態の確認を行ってまいります。

 次に、第三者委員会についてのお尋ねでございます。

 現在、適正な労働賃金の支払いを確保する取り組みとして、一定額以上の賃金を支払う事業者を総合評価落札方式で加点評価することを検討しております。この加点につきましては、入札に参加する企業がみずから一定額以上の賃金の支払いを誓約することを評価をするものでありますので、まずはその信義に基づき履行していただくことを基本と考えております。この賃金支払いの履行につきましては、契約後に受注者から資料の提出を求め確認することとしております。一方、労働者からの申し出が行える、より実効性のある仕組みも検討してまいりたいと考えております。

 現在検討している第三者委員会においては、適正な労働賃金の支払いに関し、県が行う賃金実態調査について確認をお願いしていく考えでございます。

 以上でございます。

 

◆知事(阿部守一)

 契約に関する条例に関して官製ワーキングプアの防止が重要だという御指摘についての御質問でございます。

 建設工事におきまして、地域のおける雇用を確保すると同時に、労働賃金の適正な支払いなど労働環境を整備していくことが極めて重要だと考えております。

 若手技術者を含めた労働者の適正な賃金水準など労働条件を確保していくことで若者の建設業離れ、あるいはワーキングプアを防ぐことが、ひいては魅力ある企業、地域を支える建設業にもつながっていくというふうに考えております。

 現在、契約に関する条例の制定に向け準備を進めているところでありますが、その具体的な施策の中では、ダンピング対策の強化でありますとか社会保険等への未加入対策の推進等によりまして、適正な労働賃金の支払いなど労働環境の整備や技術の継承などを検討しているところでございます。

 こうした施策を通じて地域の暮らしを支える建設業に携わる事業者を育成していくことに配慮し、そこに働く労働者の適正な労働環境が確保されるよう県として取り組んでまいりたいと考えております。

 以上です。

 

◆中川博司

 第三者委員会は、経営側、あるいは労働者側、加えて第三者を入れた労働審査委員会というような姿がよいのではないかと思いますので、さらに御検討いただきたいというふうに思います。

 次に、地域防災計画についてお伺いいたします。

 県は、201110月、長野県防災会議原子力災害対策部会を設置し、2012年2月に地域防災計画の中に原子力災害対策編をつくりました。その後、国の見直しを受けて原子力防災対策の見直しを行い、意見交換で出されました課題である県外からの避難の受け入れ、安定ヨウ素剤の服用のあり方、放射能、原子力災害対策の正しい知識の普及、モニタリング体制の整備などについて作業部会を設置し検討が始まっているというのがこれまでの流れだと承知しています。

 そこで、福島第1原発事故の認識についてまずお伺いをするわけですが、ことし5月、脱原発市民グループの皆さんと一緒に地域防災計画原子力編について危機管理防災課の出前講座を受けました。

 最初に、東京電力柏崎刈羽原発と中部電力浜岡原発の地震・津波対策のPR用のDVDを視聴し、その後、これまでの原子力災害対策編についての説明を聞いたわけです。その電力会社のDVDを見て気になることがありました。原子力対策部会の議論を行う際、福島原発で何が起きたのかという理解が必要であると考えますので、県としての認識をお伺いします。

 一つは、福島第1原発事故の直接的な災害が地震か津波かという検証が明確にされていませんが、柏崎刈羽原発も浜岡原発も地震対策として配管の補強が行われておりました。福島原発に対する地震、津波の影響がどのようなものだったと認識されているのか。お伺いします。

 また、格納容器内が水素などで満タンとなり、爆発を起こさないために、格納容器内の水素などを外に放出するいわゆるベントする場合、フィルターを通して放射能を除去するとしていますが、どれほどの除去ができると認識されているのか。危機管理部長にお伺いします。

 次に、原子力災害対策の現状についてお伺いいたします。

 現在、柏崎刈羽原発の東京電力と浜岡原発の中部電力と通報協定を結び、メールとファクスで緊急事態のときの情報連絡が入ってきているそうです。これまで、事実があってからどのくらいの時間で連絡が入ってきていますか。

 それから、これからつくるであろうさまざまなマニュアルは、どこの、どういう事故を想定されているのか。

 次に、消防学校では放射線防護服と線量計の使い方などの講習がことしから行われることとなっていますが、各消防組織にも同様に備える必要があろうかと思いますが、いかがでしょうか。

 4点目に、北陸電力志賀原発、福井県の原発も現在は通報協定がないので、一刻も早く協定を結ぶべきと考えます。結ばれるまでの応急的な連絡体制を石川県と福井県ともとっておく必要があろうかと思いますが、いかがでしょうか。

 以上、危機管理部長にお伺いします。

 次に、被災者への支援についてお聞きいたします。

 県内避難者へのニーズ調査が本年4月に実施され、7月にその結果が報告されました。特徴的には、福島などへ戻らないと決めた方が50.7%と半数に上り、住宅支援、健康支援、損害賠償への支援、移住・就労支援などを求めていることがわかり、県として信州絆プロジェクトを総合窓口として個々に相談に応じていくこととしています。課題とされていることの解決方向と今日までの取り組みについて危機管理部長にお伺いします。

 長野県は、東日本大震災発生後、官民協働の県民支援本部を結成し、被災地への支援や被災地の子供たちの保養の受け入れなどを行ってきましたが、昨年4月に解散し、その後、長野県NPOセンターに事務局を置く子どもリフレッシュ事業助成委員会がリフレッシュ募金を引き継ぎましたが、7月をもって終了しています。

 知事は、2月定例会での私の質問に対して、民間の皆さんと一緒になって引き続き被災地の子供たちを受け入れる取り組みを進めていきたいと答弁していますが、ほとんど民間任せになっているのではないでしょうか。県として何を具体的に取り組んできたのか。お尋ねします。

 そして、保養を受け入れる際の課題は何であると認識されているのか。知事にお伺いいたします。

 

◆危機管理監兼危機管理部長(久保田篤)

 順次質問にお答えいたします。

 まず最初に、福島原発に対する地震、津波の影響についてでございます。

 この件につきましては、国会、政府、民間、東京電力の四つの事故調査委員会から報告書が公表されておりますけれども、高い放射線のために被災設備の詳細な現地調査が困難な状況であることから事故の直接的原因の解明には至っておりません。

 この件については、原子力規制委員会で、本年5月から、東京電力福島第1原子力発電所における事故の分析に係る検討会を設置し、事実関係の究明、整理を中心に検討を進めているところであります。とはいえ、震度6強の揺れと15メートルの高さの津波によって福島第1原子力発電所の設備が破損し、大量の放射性物質が飛散したということは紛れのない事実と考えております。

 次に、フィルターつきベント装置での放射性物質の除去についてであります。

 フィルターつきベント装置は、原子炉の炉心が損傷するような過酷な事故が発生した場合に、原子炉格納容器内の圧力や温度を下げて大気中への放射性物質の放出を抑えるための緊急の排気設備であります。この設備は、原子力規制委員会が定めた原子力発電所の施設についての新しい規制基準により設置が義務づけられております。

 どのくらいの放射性物質を除去できるかについて県として明確な答えは有しておりませんけれども、報道等によりますとフィルターを通すことで放射性ヨウ素や放射性セシウムなどを1,000分の1以下に減らすものとされております。放射性物質の除去については、原子力規制委員会が専門的な見地から設置されたフィルターつきベント装置の性能について新しい規制基準と適合するかどうか判断することになると思いますので、その結果を注目していきたいと思います。

 三つ目でございますけれども、原子力発電所事故の情報連絡体制であります。

 平成24年2月の覚書締結から現在までの間、東京電力柏崎刈羽原子力発電所、中部電力浜岡原子力発電所から合わせて34件の通報連絡をファクスで受領しております。いずれも急を要するものではありませんでしたが、このうち3件については火災発生の通報であり、事案発生から平均で約70分後に第一報を受領しております。これらの通報は、原発立地県へのファクスと同時に本県へもファクス送信されております。

 なお、東京電力では、本年8月に、地上回線が使用できない場合の対策として、衛星回線を使用したファクスを当危機管理部のほうへ設置したところであります。

 また、柏崎刈羽原子力発電所、浜岡原子力発電所とは、県とのファクスを利用した通報訓練を定期的に実施し、連絡体制の確保に努めております。

 次に、原子力災害対策のマニュアルにおける想定であります。

 現行の県地域防災計画原子力災害対策編では、具体的にどこの原発事故に対して対応するというような限定的な内容にはなっておりません。

 原子力災害に対する具体的な対応については、当面、県境まで50キロ圏内の東京電力柏崎刈羽原子力発電所、70キロ圏内の中部電力浜岡原子力発電所での放射性物質が放出される事故を念頭に置いて、情報収集、モニタリング、放射線防護措置、避難者の受け入れなどについて原子力災害対策部会の作業部会で順次検討いたしまして、その結果をまとめてマニュアルを作成していきたいと考えております。

 次に、県内消防本部における放射線防護資機材の配備についてであります。

 原発事故等が発生した際に常備消防が救助活動などを的確に実施するには、放射線への対応力の強化が重要であります。放射線防護服、線量計というような装備については、消防庁の消防力の整備指針に基づいて各消防本部が配備を行うとともに、国有財産の無償貸与制度により線量計、全面マスクの配備が進められております。

 県内消防本部が組織的、統一的に活動できるよう、消防学校において、初任科や特殊災害科を初めとする専門科目の中で、今年度配備した放射線防護服、線量計を活用して取り扱い訓練や実戦的な活動訓練に取り組んでいるところでありまして、今後も県と県内消防本部が連携して放射線対応力の強化に努めてまいります。

 次に、北陸電力志賀原発等との通報協定の関係であります。

 緊急時の通報体制につきましては、北陸電力と立地県の石川県、隣接県の富山県との間の安全協定の検討が続いている状況であります。このため、その状況を踏まえまして、石川県、富山県との連絡体制もあわせて調整を進めてまいりたいと考えております。

 そのほかの原子力発電所、立地県からの連絡・通報体制につきましても順次調整をしてまいりたいと考えております。

 7番目、最後でございますけれども、被災者支援ということで避難者の思い調査による課題の解決方法と今日までの取り組みであります。

 課題を挙げますと、長期にわたる避難生活の影響により移住を希望する避難者がふえていること、東日本大震災による離職者が多く、避難生活による心身の健康状態に不安を抱く方が多いこと、県への支援策の要望は住宅支援の入居期間の延長が最多でありまして、次いで東電の損害賠償支援、身体、心の健康支援などとなっておるところであります。

 これらに対する対応でございますけれども、これらの課題解決に向けまして行政と民間が一体となって行う生活支援策であります信州絆プロジェクトを総合窓口として、東日本大震災避難者生活支援方針に基づく支援を継続いたします。また、民間賃貸住宅を含む応急仮設住宅等の住宅支援については、入居期間の延長を被災県と国の調整結果を踏まえて判断してまいります。移住、健康相談、東電の損害賠償支援等につきましては個別の相談を今後も行ってまいります。

 これらの対応についてをもとに、これまでの取り組みでございますけれども、これまでに個別の支援要望40件につきまして電話連絡を行いまして全て対応しております。また、避難者向けの情報誌として発行しております「信州だより」につきましては、避難者の課題を踏まえてテーマ別に特集する工夫を始めているところであります。

 今後も、避難者のニーズを踏まえて、持続的に個別的な支援を市町村等と連携して進めてまいります。

 以上です。

 

◆知事(阿部守一)

 被災地の子供たちの受け入れ支援について取り組んできたこと、そして受け入れの際の課題という御質問でございます。

 従前、子どもリフレッシュ募金事業という形で取り組みを大勢の皆さんと進めてきたわけでありますけれども、リフレッシュ募金事業終了後も民間ベースでの交流が発展して継続するように支援を行ってきたところでございます。例えば、当初、助成事業で信州を訪れていただいた伊達市の小学生の皆さん、南牧村とスポーツ団体等の協力も得ながら、平成24年、25年と、子どもサマーキャンプ、継続的に来ていただく形になっております。

 県としては、こうしたコーディネート支援を行ってきていると同時に、受け入れ団体からボランティア募集の要請があればそれに協力をしたりとか、あるいは山村留学の受け入れ希望がある例えば北相木村の情報を福島県の市町村あるいは被災地の支援団体等に提供するなど行ってきているところであります。

 また、資金の確保が課題となってきているわけであります。長野県みらい基金、設置をしたわけでありますが、こうした長野県みらい基金を経由しての支援の仕組みを構築すると同時に、チェルノブイリ連帯基金を中心に、県内支援団体が子供たちの保養支援の募金集めのために子ども信州ネット設立イベントを開催をしました。このイベント、県も後援いたしましたし、私もビデオメッセージで寄附の呼びかけ、一緒に行わせていただいているところであります。

 震災から2年半経過して人々の記憶から被災地の人々のことが薄れていくということが一番の課題だというふうに考えております。

 8月23日には、松本市で、子どもサミットイン信州、チェルノブイリ連帯基金の皆さん、鎌田先生と私が対談を行わせていただいて、福島県の皆さんの思いや声も直接伺わせていただきました。福島の皆さんのお話を聞くと、福島の中でも非常に保護者の皆さんの思いがさまざまあると。いわゆる放射線に対して敏感な方とそうでない方々がいる中で、非常にさまざまな悩みがあるなということも伺わせていただいておりました。

 今後、そうした皆さんの思いも受けとめて、ぜひ被災地と私どもが長期的に交流できるようなことを考えていく必要があるというふうに思っております。例えばスポーツ合宿であるとか山村留学の受け入れとか、こうしたことを、長野県、これまでも取り組んできているわけでありますので、被災地の皆さんにも積極的にそういう情報をしっかり届けて、長野県にお越しいただける機会をさらにふやしていくように努力をしていきたいと考えております。

 以上です。

 

◆中川博司

 まず、原子力災害対策に対しては、あらゆる可能性を否定せずに、ぜひ対策をとっていただきたいということを要請したいと思います。

 それから、被災者への支援についてなんですが、みらい基金の取り組みがしっかり行われるようぜひお願いしたいと思いますし、それから、知事からお話ありましたように、さまざまな思いがあるもんですから、ぜひ公営住宅の延長、それから移住・定住支援を充実してほしい、多分ここが大きな課題になってくるんだろうというふうに思いますので、重ねて強く要請をしておきたいと思います。

 次に、凍霜害対策についてお伺いいたします。

 ことし4月の凍霜害は35億円余の大きな被害を出しましたが、昨日の報道によれば、サビや変形などが例年より多く見られるが、夏場の高温で甘みが強く、価格が下落していないことが書かれておりまして一安心したところでもございます。

 私も被害を受けた圃場を継続的に調査していますが、主力の「ふじ」も、側果についた実も順調に生育しているように見受けられました。

 そこで、農政部長にお伺いします。

 技術指導の結果、果樹の生育状況はこれまでのところどのような状況でしょうか。

 9月補正予算における対策の具体的な内容と残された課題は何であるとお考えでしょうか。

 三つ目に、一方で、さまざまな理由から共済制度へ入らない農家も多く、市町村が掛金の一部負担をするなど政策的な誘導も行われていますし、県としても加入率が高い地域は掛金を安くするという提言を国に対して行ってきたところですが、困ったときにはお互い助け合う、こういう共済制度の考え方をいかに広げていくのか。また、市長会から要望の出ている柿、アンズなどへの共済制度の拡大についてどのように対応されていくのか。お伺いをいたします。

 

◆農政部長(中村倫一)

 凍霜害対策について3点の御質問にお答えをいたします。

 1点目の被害を受けた果樹の生育状況についてでございます。

 リンゴにつきましては、中信地域などで5割以上の減収となる園地が見られますけれども、人工授粉などの着果管理指導によりまして県全体での着果量はおおむね確保され、生産量といたしましては平成25年産の果樹生産計画量対比でございますけれども96%になるというふうに見込んでいるところでございます。

 また、日本ナシにつきましては、南信地域で8割の減収になるというふうに見られる園がございますけれども、遅れ花、凍霜害を受けた後に開花した花でございますが、こうしたところへの人工授粉などの指導を進めました結果、結実量を確保できた園が増加してまいりまして、生産量は同計画対比で82%が確保できる見込みとなっております。

 なお、果実の品質につきましては、御質問にもございましたけれども、リンゴ、日本ナシともに、被害の大きかった園では変形果やサビ症状が見られますけれども、食味については極めて良好な状況になっております。

 また、下伊那地域の市田柿でございます。発芽直後の芽が障害を受けておりまして、生産量は計画対比で80%となっております。結実の少ない園では枝の生育が旺盛過ぎまして来年産の花芽がつかなくなることが心配されましたので、6月から枝の管理の徹底を指導してまいりました。この結果、おおむね来年の花芽の確保はできたものというふうに考えておりまして、来年産への大きな影響は回避できているのではないかというふうに考えているところでございます。

 2点目の9月補正予算案に提出いたしました凍霜害対策の具体的な内容と残された課題についてでございます。

 まず、従前にない新たな対策といたしまして被害農業者の営農継続のための支援につきましては、減収率50%以上の甚大な被害を受けた果樹園を持つ農家を対象にいたしまして、農業団体が地域ぐるみで行う支援活動の取り組みに対して助成を行うことといたしております。

 具体的は、剪定作業支援に係る労賃、果樹棚などの補修、資材の購入など果樹園の維持管理に要する経費、農業機械のメンテナンス経費など、幅広い支援メニューの中から地域の実情にあわせて選択していただきまして実施いただく仕組みになっております。

 また、二つ目の営農資金への利子助成でございますけれども、JAなどの融資機関が農業者に貸し付けた災害対策資金に対しまして利子助成を行う市町村に対しまして県が助成を行うものでございます。農業者への貸し付け限度額は500万円、貸し付け期間は5年以内でございまして、貸し付け金利は無利子となるものでございます。

 さらに、地域ぐるみでの防災意識向上対策でございます。

 気象災害の未然防止のための技術対策や農業共済への加入促進、あるいは防霜ファンの整備促進など総合的な研修会の開催経費を助成いたしますとともに、凍霜害の予防対策として、リンゴの枝のチップを利用した新たな燃焼法の普及を推進いたしますために剪定枝をチップにする機械、チッパーでございますが、このモデル導入を支援してまいります。

 また、今後の課題でございます。

 果樹の出荷最盛期に向けまして、被害果実の販売・流通対策が重要であるというふうに考えております。市町村、農業団体と十分相談の上、農作物等災害緊急対策事業による販売促進のためのイベント開催経費などへの支援を検討してまいりたいというふうに考えております。

 また、今後、収穫、出荷が進むにつれまして農家ごとに御自身の収入が明らかになってまいります。普及センターに設置いたしました相談窓口におきまして、被害農家の今後の経営についての相談活動をきめ細かに実施してまいりたいというふうに考えているところでございます。

 3点目の果樹共済制度の関係でございます。

 加入促進につきましては、県といたしましては、先ほど申し上げました被害防止技術や経営リスク管理等についての総合的な研修会が県内全域で開催されることを支援することなどを通じまして、共済制度の趣旨、内容を御理解をいただきまして共済への加入を推進してまいりたいというふうに考えております。

 また、共済対象品目の拡大についてでございますが、本年の甚大な凍霜害を契機に、柿、アンズ、プルーンなど、さまざまなものにつきまして果樹共済の対象にというふうな御要望がございました。このうち柿につきましては、県農業共済組合連合会が生の柿を対象に共済制度の運営が可能かどうか具体的な検討を行っております。県といたしましては、この検討結果を踏まえ、国と相談をしてまいりたいというふうに考えております。

 なお、これ以外の品目につきましては、栽培農家数ですとか面積あるいは被害の発生頻度、これと掛金のバランスなど、共済制度に必要な要件を満たすことが今は難しい状況にあるかというふうに考えておりますが、国におきましては新たな制度といたしまして収入保険制度を視野に入れた検討に着手をしているというふうに聞いております。この動向を注視してまいりたいというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

 

◆中川博司

 9月補正で取り組まれる対策は市町村にも同様の対策を求めているということでもございますので、ぜひ市町村ともしっかり連携をとって対策をしていただきますように要請をしたいと思います。

 最後に、県立大学問題について昨日来の議論を聞いていての私なりの感想も述べておきたいと思います。

 一つには、素案段階で示された理念は変えずに、基本構想では学科を変えるということが依然として理解されていないのではないかということ、二つ目には、管理栄養士課程の難易度が異なったとしても私大側の危機感は払拭できていない、三つ目は、県立短期大学が果たしてきた役割について正当に評価され議論がされてしかるべきではないかということがあろうかというふうに思います。

 以上申し上げまして私の質問を終わります。ありがとうございました。

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