2月定例県議会-発言内容(中川博司議員)

 

◆中川博司

 おはようございます。改革・新風の中川博司です。公契約条例についてお伺いをいたします。

 新年度予算で、県は、経済・雇用対策を当面の最重要課題と位置づけて、補正予算案と一体で県内経済の下支えと雇用の創出を図り、公共事業では、補正予算案と合わせ、前年度当初予算額を29.7%、259億円上回る事業費を確保して、災害時の緊急輸送路となる道路の整備や、道路、橋梁、治山・砂防施設の維持修繕、長寿命化など、地域防災力の向上と社会基盤の老朽化対策を重点的に実施するとしています。

 こうした経済対策が確実に地域の企業に行き渡り、働く皆さんの懐を暖めて消費に向かっていくとき景気の回復が実感されるということは多くの方の質問で既に指摘がされているところであり、私は、働く皆さんの公正な賃金を担保するためには公契約条例が必要だとこれまでも訴えてきたところでございます。

 今定例議会で、知事は、竹内久幸議員の公契約条例の制定についての質問に答え、条例化を視野に入れて具体化に向けた検討をしていく旨の答弁もされたところであります。

 全国的には、2009年の野田市を初め、川崎市、多摩市、相模原市、国分寺市、渋谷区、厚木市と広がりを見せておりますし、この2月議会では秋田市や札幌市でも検討が行われていると聞いております。特に、最初に制定した野田市では、これまでに2回条例改正を行い、対象工事を5,000万円以下に引き下げる、業務委託契約における適用範囲の拡大、継続雇用の確保、下請負者への適正な請負額の確保などを規定し直しているところでもございます。

 そこで、長野県の建設工事契約の落札率と設計労務単価及び実際に支払われている賃金実態について、どのような状況あるいは関係になっているのか。建設部長にお伺いします。

 次に、指定管理者制度のもとで働く皆さんの賃金実態についてでございます。

 指定管理者制度に関するガイドラインが昨年の3月に改定をされたところです。改定の趣旨は、効率性や経費縮減のみではなく、県民サービスの向上の観点からの有効性や雇用・労働条件への配慮について十分検討するとの趣旨で改定され、選定基準に人件費の積算根拠の考え方や水準が加わりました。

 指定管理者の選定に当たって、人件費の適正水準をどう捉え、どう判断しているのでしょうか。また、指定管理者へのコンプライアンスの徹底をどう図っているのか。総務部長にお伺いします。

 次に、委託契約についてです。

 長野県は、清掃、警備、消防設備点検などを委託契約しておりますが、私は清掃業務の委託を受けている業者から聞き取り調査を行いました。それによりますと、落札価格は毎年下がり続け、そこで働く労働者は最低賃金で働いていること、会社は、利益が出ないばかりか赤字になるので、本来出面は2人でも3人で回して労働時間を減らし、社会保険をかけないようにしているとのことです。なぜ利益が出ないのに落札するのかと聞けば、官庁の入札では実績がないと保証金が必要になるからだと説明をしてくれました。

 違法ではないにしても、脱法的な雇用、安過ぎて仕様書どおりには仕事ができない、こんな状況もあるようです。県はこうした状況をどのように考えているのでしょうか。

 最低制限価格や調査価格が設定されていてもあくまで予算に対しての話で、予算が切り詰められればまさに官製ワーキングプアの温床となっていくのではないでしょうか。

 そこで、お聞きします。

 委託契約の予算が実態に見合った積算が行われているのか。現場の実態調査を行っているのか。総務部長にお伺いします。

 そして、改めて、公契約条例を制定する意義、理念についてどのようにお考えになっているのか。知事にお伺いをいたします。

 

◆建設部長(北村勉)

 建設工事の落札率と設計労務単価及び賃金実態との関係についてのお尋ねでございます。

 本県の建設工事の落札率につきましては、73%と最低だった平成15年度以降、適宜入札制度の改定を行い、本年1月末時点では91%近くまで上昇してきているところでございます。

 一方、本県における平成24年度の主要8職種の1人1日当たりの設計労務単価の平均は1万4,175円となっており、平成15年度の1万6,650円に対し約15%下がっている状況にあります。

 また、実際に支払われている賃金実態につきましては、昨年、公契約研究会で行った県工事の賃金実態調査の結果によると、職種によって差がありますが、平均賃金は設計労務単価のおおむね9割以上が確保されていることが確認されたところでございます。

 落札率と労務単価の関係につきましては、請負契約が労務費を含む直接工事費と諸経費を合わせた総額に対して契約するものであり、直接的には結びつくものではないと考えております。

 いずれにいたしましても、賃金の動向につきましては引き続き注視してまいりたいと考えております。

 以上です。

 

◆総務部長(岩﨑弘)

 私のほうには2点お尋ねをいただきました。

 まず1点目の指定管理者に関連する部分でございますけれども、まず指定管理者の選定におきます人件費水準の確認方法についてでございます。

 御指摘のとおり、指定管理者制度におきましては、平成24年3月に指定管理者に関するガイドラインを改正をいたしまして、これ以降、開催する指定管理者の選定委員会におきまして、人件費の積算根拠の考え方、あるいはその水準を確認するようにしたところでございます。

 具体的には、平成25年度更新の5施設から、2点申し上げますが、1点目として、応募者から提出された人件費の積算資料と、最低賃金や商工労働部でまとめております長野県賃金実態調査、これらとの比較、2点目としては、委員から応募者への質疑、こういうことを通じまして人件費に関する確認を行いまして、次期指定管理者の選定を行ったところでございます。

 指定管理者の選定は、施設の運営方針やサービス内容などを総合的に審査するということになりますけれども、人件費を含めた労働条件についても引き続き留意をしながら選定を行ってまいりたいと考えております。

 それから、指定管理者へのコンプライアンスの徹底についてでございます。

 公の施設を管理する指定管理者は当然法令を遵守すべきものであり、指定管理者と締結している協定書におきましてもその旨を規定しております。県としても、モニタリング要領で定める毎年度の管理運営状況評価や施設の実地調査に加えまして、制度を所管する行政改革課と施設所管課が連携して指定管理者と定期的に意見交換を行うなど、お互いの意思疎通を密にすることでコンプライアンスの徹底を図ってまいる所存でございます。

 続いて、2点目の清掃業務に関する予算と積算の関係についてでございます。

 清掃業務の積算につきましては、国土交通省が監修しております建築保全業務積算基準に基づいて業務量を算定し、同省の調査の建築保全業務労務単価を乗じた額をもとに算出しておりまして、その額の予算の確保を図っているところでございます。

 入札に当たりましては、過度の価格競争防止を目的といたしまして、県庁では平成22年度から低入札価格調査制度を、合同庁舎では24年度から最低制限価格制度をそれぞれ導入しているところでございます。

 現場の実態につきましては、清掃業務に従事する労働者の賃金実態について、先ほど建設部長がお答えをいたしました公契約研究会におきまして、平成23年4月分について、県庁、10合同庁舎等の県有施設で業務を受注した者を対象に調査を実施したところでございます。

 また、業界団体とは毎年意見交換を行う場を設けるなど、現場の状況についてお話を伺いながら進めているところでございます。

 以上でございます。

 

◆知事(阿部守一)

 公契約条例の意義、理念についての御質問でございます。

 行政が行う契約、これは、もう前提として、透明性、競争性、公平性、あるいは品質確保、こうしたものを維持するということが基本であります。こうしたことに加えて、労働者の適正な労働環境の確保でありますとか、障害者雇用あるいは男女共同参画の推進といった今日的な社会的な要請にも積極的に応えていくということが、行政、そして行政が行う契約にも求められてきているというふうに考えております。

 こうしたことを踏まえて、長野県が行う契約、こうした社会的要請に応えられるものにしていくということが重要だと考えています。

 このことを通じまして、契約に直接関係する企業、あるいはそこで働かれる労働者の皆様のためになるということと同時に、品質の確保等によりまして県民福祉の向上あるいは地域経済の健全な発展に寄与していく、こういうことが今後長野県が行う契約の基本理念としていかなければいけない、そういう方向性であるべきだというふうに考えております。

 条例におきましては、こうしたことを定めますと同時に、講ずるべき具体的な施策を規定することによりましてこうした理念を具体化していくと、こういう部分に意義があるというふうに考えております。

 以上です。

 

◆中川博司

 まず、建設労働者のところの設計労務単価は、前年度に賃金実態調査をして、そしてそれが反映をされるという制度でございます。この間、ずっと前年度の賃金が下がり続け、設計労務単価そのものが低くなり過ぎている、こういう問題があるということは建設部長も御存じのことだというふうに思いますが、いずれにしましても、労働者の具体的な賃金改善が行われる公契約条例になるということを期待をいたしまして、私もさらに研究をしたいというふうに思います。

 次に、地域公共交通の活性化についてお伺いをいたします。

 県は、平成39年、つまり15年後を見定め、長野県新総合交通ビジョンの策定を進めています。これまでも、関係の皆さんとともに、知事あるいは関係部課の皆さんとも意見交換をさせていただきましたし、たびたび私も一般質問で取り上げさせてもいただきました。

 新総合交通ビジョンでは、将来像で「長寿社会の確かな暮らしを支える地域交通の確保」がうたわれ、買い物弱者対策も含めて、市街地のにぎわいを支えるまちづくりという観点や、CO2削減を目標とした環境と調和した安心、安全な交通体系の構築などが盛り込まれています。

 また、新年度予算で、新たに地域交通システム再構築促進プロジェクト事業が取り組まれることになったことは大いに評価するものです。

 ただ、この間、交通事業者の皆さんとの意見交換や議会での答弁を聞いていて危惧することは、15年先に交通産業が維持されているかという点です。規制緩和以降、例えばタクシーの業界では、年金をもらいながらの人、あるいはアルバイトでの運転手がふえたと聞いています。若い人がまともに暮らしていくことができる年収をとてもじゃないが稼げないとも聞いております。現に、厚生労働省の賃金構造基本統計調査によれば、2011年の数字で、タクシー労働者の賃金は291万円、全産業労働者平均526万円で、格差は実に235万円にもなっています。平均年齢も高くなり、200052.3歳が201157歳になっています。バス業界でも、規制緩和以降、賃金が低下し続け、タクシー業界同様、年金組や臨時の運転手がふえるとともに、こうした状況を背景に大型2種免許を取る若い人が減ってきているようです。

 諏訪バスの牛山元社長が茅野市内で開いたシンポジウムで、この先、交通弱者の皆さんの移動について、困ったときに本当にバスがあるのか、運転手がいるのか、そのことを考えてほしいと訴えていたことを思い出します。

 私の小さいころには、将来何になりたいかという作文で、バスの運転手、あるいはガイドと答えた友達がたくさんいましたが、残念ながら今は若者が夢を持って働ける職場ではなくなっています。こうした現状認識をまず持っていただきたいということをお願いをいたします。

 そこで、新総合交通ビジョンについてのパブリックコメントが行われてきました。その主な意見を御紹介いただきたいというふうに思います。

 次に、公共交通利用拡大の継続した県民運動が必要だというふうに考えますが、いかがでしょうか。

 以上、企画部長にお伺いをいたします。

 

◆企画部長(原山隆一)

 まず、新総合交通ビジョン案のパブリックコメントについてのお尋ねでございます。

 このビジョンにつきましては、これまで検討委員会で御議論いただきまして、1月の末にビジョン案をまとめ、1月の27日から2月の28日までの1カ月間、パブリックコメントを募集したところでありますが、21の団体、個人から約90件の御意見、御提言をいただいたところでございます。

 現在、パブリックコメントを整理しているところでございますけれども、道路や高速交通網整備の推進でありますとか、鉄道、バスなどの公共交通の利用拡大に向けた取り組みなどについての御意見を多くいただいています。主な御意見といたしましては、公共交通への利用転換を図るための具体的な誘導策の実施、公共交通への支援の充実、公共交通の利用を官民協働で進めるための方策の検討、また、小型バス等によるコミュニティーバスの運行などの意見が寄せられているところでございます。

 いただいた御意見、御提言につきましては、3月の15日に開催を予定しております検討委員会において報告し、対応を協議していただくということにしているところでございます。

 それから、公共交通利用拡大のための県民運動についてでございますが、公共交通の利用拡大には、公共交通を利用する県民の皆様の意識の醸成と公共交通自体の利便性の向上の双方に取り組む必要があるというふうに考えております。新総合交通ビジョンの案におきましても県民の皆さんの公共交通に対する意識の変革を求めているところでございます。公共交通についての理解を深め、利用拡大に向けて主体的に取り組んでいただけるよう、さまざまな機会で全県的に働きかけていきたいと思っております。

 あわせて、市町村や交通事業者の皆さんとも連携しまして、総合交通情報サイトの開設等によりまして県内公共交通の利用を容易にするための情報提供を進めるなど、啓発にとどまらない利用促進策を展開していきたいと思っております。

 一方で、交通事業者と地域や行政が連携して利用拡大策に取り組んで成果を上げている例えばアルピコ交通上高地線のように、公共交通の利用拡大には地域の実情に即した取り組みも必要であるというふうに考えています。

 公共交通の利用拡大に向けましては、県、市町村、交通事業者、県民が一緒になりまして、全県的な取り組み、そして地域における取り組みの両者を一体的に展開してまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

 

◆中川博司

 新年度予算の地域交通システム再構築促進プロジェクト事業も、当然、利用拡大、こういった観点も含まれるというふうに思いますが、地域公共交通活性化には行政による誘導策が必要だというふうに思いますので、一層の御努力をお願いしたいというふうに思います。

 次に、地域防災計画及び被災者支援についてお伺いをいたします。

 最初に、自主防災組織の活動への支援について危機管理部長にお伺いします。

 3.11東日本大震災から2年がたとうとしています。この未曾有の災害を教訓として、地域防災計画の見直しなども順次進められてきておりますし、県民の防災意識の高まりもあるように思います。私の地元でも、自主防災組織をつくり、毎年、防災訓練を行っているところです。

 そこで、3点お伺いします。

 1点目は、自主防災組織の活性化のため自主防災組織リーダーの活用を図ることが必要だと思われますが、県としてどのような支援を行えるのか。

 2点目は、県は自主防災活動のためのQアンドAをつくっていますが、3.11を踏まえた内容に改定すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 3点目は、地震体験車を借りようと思ってもなかなか借りることができない、こういうお話をお聞きしました。地震体験車の活用状況と、不足しているとすれば増車すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、被災者への支援についてお伺いをいたします。

 官民協働の県民支援本部が昨年4月に解散し、その後、長野県NPOセンターに事務局を置く子どもリフレッシュ事業助成委員会がリフレッシュ募金を引き継いでいるようですが、活用状況はどうなっているでしょうか。あわせて危機管理部長にお伺いします。

 福島県の子供たちの受け入れ支援を、どのような観点で、どのように継続していくのか。知事にお伺いいたします。

 福島原発事故から放射能被害を避けるため、長野県に避難されている方が多数いらっしゃいます。

 私は、直近では昨年11月にも南相馬市を訪れ、原発から20キロ圏内の小高区から仮設住宅に避難されている皆さんのお話を聞く機会を得ました。当時、小高区で区長をされていた楽さん、彼は、4畳半の仮住まいに一体いつまで住まわせるのか、警戒区域内で津波の被害に遭ったがれきは国の責任で片づけると言ったが、何も片づいていない、補償の話も何もないと憤っておられました。

 この小高区は立ち入りが禁止されている警戒区域です。小高区内に住む人は全員避難をしています。全1万2,839人のうち、福島県内に8,375人、福島県外へ3,430人、長野県へも44人が避難されています。

 知事は、代表質問の中で、避難されている皆さんのニーズを把握してしっかり支援をしていくと答弁をされていました。ぜひ、こうした現地の状況も把握していただいた上で、避難者の皆さんの思いに寄り添った支援を行ってほしいと思います。

 松本市が避難者の皆さんへ行った最近のアンケートでは、思うように仕事が見つからない、生活に見合う収入が得られない、子供の被曝量及び甲状腺検査を松本で実施してほしいほか、子育て、住居、二重生活による負担、避難者としての孤立感などが訴えられ、市としてそれぞれ対応をしているところですが、とりわけアンケートに回答された56世帯のうち半数の方が松本への定住を予定されている、あるいは既に住所を移された方もいて、新たな定住支援、就労支援の検討に入り、県や関係機関との連携を進め、支援内容が決まり次第連絡するとしています。

 

 

 移住、この場合、定住といったほうがいいかもしれませんが、就労とセットで考えていかなくてはならず、県としても早急にニーズを把握し検討を始めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。あわせて知事にお伺いをいたします。

    

◆危機管理監兼危機管理部長(久保田篤)

 まず、自主防災組織の関係の質問にお答えいたします。

 1点目は、自主防災組織のリーダーの活用についてであります。

 災害時の被害を最小限に抑えるには、自助に加えて、近隣でお互いに助け合う共助が必要でありまして、その中心となる自治会などの単位での自主防災組織の活動が重要になります。その活動は中心となるリーダーの熱意に負うところが大きく、地域での防災対応力の向上にはリーダーの育成や支援が不可欠であります。また一方、役員は一、二年で交代することが多いため、活動の継続性の確保が課題となっているところであります。

 県では、自主防災組織の育成を行うため、市町村と協力いたしまして、まず一つは、県の防災指導員による地域防災力アップ出前講座の実施、二つ目は、地域の防災活動の推進役として活動する自主防災アドバイザーの任命、三つ目は、自主防災アドバイザーや自主防災組織のリーダーなどを対象とした研修会の実施、これらのことを行っております。

 今後も、県内各地域において自主的で組織的な防災活動が取り組まれるよう、市町村と連携いたしまして、引き続き着実にリーダー育成の支援を行ってまいりたいと考えております。

 二つ目は、自主防災活動のためのQアンドAの改定についてであります。

 このQアンドAは、既に結成されている自主防災組織リーダーの方々やこれから自主防災組織の立ち上げをしようとしている自治会の役員の方々に、組織の活動や組織の立ち上げの参考としていただくよう作成したものでありまして、県のホームページに掲載し、あるいは県が行っております出前講座の際に資料として活用しているところであります。

 お話ございましたけれども、このQアンドAは作成から6年を経過しておりますので、東日本大震災での教訓などを生かすように、早急に内容を精査し、改定を行います。

 三つ目は、地震体験車の活用状況と増車についてでございます。

 地震体験車で過去に発生したさまざまな地震を身をもって体験することによりまして、自分の身は自分で守るという自助の意味を再確認し、身を守る行動や住宅の耐震化、家具の固定の重要性などを学んでいただくことは地震対策の推進には有効な方法であります。

 地震体験車の活用についてでありますけれども、年間の利用計画を作成しまして、県内10広域ごとに1カ月程度の期間で運用しております。県内各地の自主防災組織や市町村の防災訓練、学校の安全教育などにおきまして活用されておりまして、平成23年度は249日間で383回、延べ3万6,000人、24年度はこれまでのところ235日間で342回、延べ2万9,000人という利用状況であります。

 地震体験車の増車につきましては、南海トラフの巨大地震の発生が懸念されている中で、これまで以上の多くの県民の皆さんに地震を体験していただくため、もう1台ふやすことができればという思いがありますが、財政上の課題もございます。当面は、より多くの皆さんに地震体験車を利用していただくことができるように、利用の多い地域における使用期間の確保について運用面で工夫をしていきたいと考えております。

 4点目は、子どもリフレッシュ募金の活用状況でございます。

 東日本大震災の被災者、被災地を県民挙げて応援するために、官民協働による支援プロジェクトとして平成23年4月に立ち上げた東日本大震災支援県民本部では、被災地の子供を本県に招待する活動等を支援する子どもリフレッシュ募金を実施し、多くの県民の皆様から延べ2,500万円余を寄附していただいたところであります。

 この県民本部は平成24年4月に解散し、子どもリフレッシュ募金による支援は子どもリフレッシュ事業助成委員会に引き継がれたところであります。

 子どもリフレッシュ募金による支援の実績でございますけれども、平成24年度はこれまでに23事業に助成し、508人を受け入れておりまして、平成23年度と合わせますと合計51事業に助成し、1,505人を受け入れております。また、県内に避難している子供たちのリフレッシュ旅行についても助成しております。

 現在、募金の残金は約290万あり、募金を寄せていただいた方々の思いに応えるためにも、助成委員会では募金がある限り助成事業を続けるというふうに承知しております。

 県としても、今後も運営に参加するほか、避難者への情報提供に協力していきたいと考えております。

 以上です。

 

◆知事(阿部守一)

 まず、被災者支援の中の福島の子供たちの受け入れ支援ついての御質問でございます。

 先ほど危機管理部長からも御答弁申し上げましたけれども、東日本大震災の発生後、被災地の子供たちをいろんな形で応援したいという思いで東日本大震災支援県民本部を立ち上げ、そして広く県民の思いを形にしようということで子どもリフレッシュ募金を行ったわけであります。本当に大勢の県民の皆様方に御協力をいただいたこと、大変ありがたく思っておりますし、有効に使わせてきていただいているというふうに考えております。

 福島を初め被災地は復旧、復興道半ばというか、まだ入り口段階という地域も多くあるわけでありますので、引き続き被災地の支援、行政としてもしっかりやっていかなければいけないというふうに思っておりますし、また、子供たちの受け入れも、これは官民連携でやっていくということが定着してきておりますので、そうしたことを引き続きしっかりと行っていきたいというふうに思っております。

 今回、県内のNPOの皆様方を中心に子ども信州ネットという団体ができました。日本チェルノブイリ連帯基金等を中心とした組織でありますけれども、福島県の子供たち等を中心に受け入れを支援していこうということであります。3月の9日に県の松本合庁で発足イベントが行われる予定になっておりますが、私も応援メッセージを出させていただいています。こうした民間の皆さんと一緒になって、引き続き被災地の子供たちを受け入れる取り組みを進めていきたいというふうに考えています。

 それから、避難者の移住、就労のニーズ把握と検討についてという御質問でございます。

 発災後、東日本大震災の避難者生活支援方針という方針をつくって、これに基づきまして避難された皆様方のさまざまな課題に対して支援をしていこうという取り組みを進めてきています。信州絆プロジェクトを初め、各相談支援窓口をつくったり、あるいは市町村で避難者の交流会を行っていただいたりということで、そういう取り組みを通じて避難者、被災者のニーズ把握に努めてきたところであります。

 避難されている方に対しては、定期的に「信州だより」というものをお配りをしています。この中で、例えば就労支援であればパーソナル・サポートセンター、あるいは移住相談であれば田舎暮らし案内人を御紹介するなど、御要望に丁寧に向き合ってきたところであります。

 間もなく東日本大震災から2年という中で、被災者を受け入れている自治体がアンケート等を実施をされています。こうしたものを私どもも各部局でしっかり共有していきたいというふうに思っておりますし、また、本県が行ったアンケート調査から既に1年半経過しております。避難されている方のニーズ、思いというものも大分変化をしてきているのではないかというふうに思いますので、県内に避難されている方を対象としたニーズ調査、改めて実施をしていきたいというふうに思います。

 そうした中で、自治体が行っているアンケート等を拝見しても、仕事の課題、あるいは住居についての課題等、まだまだ課題が多く存在しているというふうに考えておりますので、市町村、あるいは県庁内各部局、総力を挙げて避難されている皆様方の支援の充実に努めていきたいというふうに考えています。

 以上です。

 

◆中川博司

 地震体験車ですが、あらかじめ例えばことしはこの地域で何日から何日までやるというようなことをホームページに出したり、いろいろな要望が集中して使えないときもあるし、あいていれば使えるというような情報が県民の皆さんに伝わるような工夫をしていただければというふうに思いますし、できればもう1台ふやしていただくように努力をお願いをしたいというふうに思います。

 避難者の皆さんの支援には、ぜひお力をかしていただきたいというふうに思います。

 続いて、ライチョウ、イヌワシの保護についてお伺いをいたします。

 米海兵隊のオスプレイの訓練飛行について、私は配備も訓練も反対ですが、現実に配備され、沖縄で訓練が連日行われ、あす6日から岩国基地を拠点に九州方面で行われると報じられています。

 かねてから示されている県内ルートでの低空飛行訓練が今後現実的な問題となる中で、オスプレイの飛行訓練について、危機管理部として、これまでの対応と、実際訓練が始まればどのような影響があると想定をされているのか。危機管理部長にお聞きいたします。

 昨年7月末に、日本自然保護協会が、絶滅危惧種のイヌワシやクマタカ、ライチョウなど希少な鳥の生息地がオスプレイの低空飛行訓練を行うルートと重なっていることから、騒音などの影響で絶滅の危機に一層追いやられると警告をしています。

 そこで、長野県の鳥でもあるライチョウの生態研究の第一人者である信州大学教育学部生態学研究室の中村教授に問い合わせたところ、ライチョウもさることながら、イヌワシやクマタカも音に敏感であるとお話をしてくれました。

 特別天然記念物のライチョウは、昨年8月に絶滅危惧種のⅡ類からⅠB類へと見直され、国の事業としてライチョウ保護、増殖が行われることとなり、新年度、生息状況調査などの計画をつくり、調査分析を進め、その後の対策を講じることとしています。

 そこで、これまでライチョウやイヌワシの保護施策は、どのような観点で、どのように取り組んできたのか。また、当初予算ではライチョウの保護費が削減されていますが、なぜなのか。また、今後のライチョウやイヌワシの保護について県としてどう取り組まれるのか。環境部長にお尋ねします。

 続いて、国有林の状況についても調査をしたところ、イヌワシの保護を目的に、産卵、子育て期には森林の間伐などの施業は行わないとお聞きしましたが、長野県としては同様の取り組みを行っているのか。林務部長にお伺いします。

 ライチョウや猛禽類の保護の観点からもオスプレイの飛行訓練に反対すべきであり、少なくともイヌワシの産卵、子育て期2月から6月、ライチョウの産卵、子育て期5月から10月は訓練をさせてはならないと思いますが、知事のお考えをお聞きいたします。

 

◆危機管理監兼危機管理部長(久保田篤)

 オスプレイの飛行訓練についての御質問でございます。

 これまでの対応ということでございますけれども、昨年6月にオスプレイの配備と訓練ルートについて北関東防衛局から説明を受けて以降、県といたしましては、オスプレイの安全性について十分に確認し、その結果を国民にわかりやすく説明すること、安全性への懸念が払拭されない限り、飛行訓練が行われないようにすることの2項目を7月に防衛大臣に要請いたしました。その後、9月に政府として安全性の確認がなされたことを受けまして、飛行訓練経路や訓練内容などの詳細について10月に北関東防衛局長に質問書を提出いたしました。それから、オスプレイの飛行訓練実態を把握するために、12月からは県民からの目撃情報の収集を開始しているところであります。

 また、本県と同じ訓練ルート上に含まれる新潟県や群馬県とも情報共有のため連絡をとり合っているということでございます。

 2点目に、訓練により想定される影響についてでございますけれども、具体的にいつから長野県内のどこを飛行するかなど現時点では大変不明な点が多いわけでありまして、このようなことから具体的な影響については申し上げる状況にないということでございます。

 以上です。

 

◆環境部長(原修二)

 ライチョウとイヌワシの保護についてのこれまでの取り組みと今後の取り組みなどについてのお尋ねでございます。

 まず、ライチョウにつきましてですが、キツネなど天敵の高山帯への侵入などの影響によりまして生息環境の悪化が懸念されております。信州大学の調査によりますと、1980年代には約3,000羽であった全国の個体数が最近では2,000羽以下に減少しているとの推定がなされております。

 こうした状況を踏まえまして、長野県希少野生動植物保護条例に基づきまして平成21年3月にライチョウの保護回復事業計画を策定いたしまして、ライチョウの生息環境の保全の観点から取り組みを進めてきたところでございます。

 平成21年度以降、南アルプス南部でありますとか北アルプスの爺ヶ岳周辺におきましてライチョウの生息数等のモニタリング調査を実施しております。また、平成22年度からは、北アルプスの51の山小屋に御協力をいただきましてライチョウポストを設置し、登山者等から目撃情報を収集するとともに、ライチョウ保護の普及啓発を図っているところでございます。

 とりわけ、平成23年度から2年間は、委託によりまして、北アルプスの爺ヶ岳周辺でライチョウの天敵の出現状況も含めた生息環境の調査を実施いたしました。この調査によりますと、爺ヶ岳周辺ではライチョウの個体数が比較的安定しているというような結果を得ております。

 なお、こうした生息実態調査は一定期間ごとに行うことを予定してございまして、お尋ねのございましたライチョウ保護費の予算の減額でございますが、本年度で今回の調査が完了したことによるものでございます。

 それから、ライチョウの今後の保護の取り組みにつきましては、議員御指摘のとおり昨年10月に国のライチョウ保護増殖事業計画が策定されまして、環境省におきましては平成25年度1年間をかけて具体的な保護対策を検討するとしております。この検討に本県も参加することになっておりますので、この機会を通じ、関係機関と連携を図りつつ、国が進める保護対策に協力いたしますとともに、モニタリング調査等に引き続き取り組みながら情報収集に努めてまいりたいと考えております。

 次に、イヌワシについてでございますが、狩り場の消失でありますとか餌となる動物の減少など生息環境の悪化によりまして、県内の生息数が30から40つがいまで減少しているとの報告が長野イヌワシ研究会よりなされているところでございます。このため、平成19年3月にイヌワシの保護回復事業計画を策定いたしまして、森林環境整備などの生息環境の改善を図り、イヌワシの繁殖率の回復を目指すとの観点から、民間のヘリコプター等の飛行に関しまして営巣場所の回避等を要請するなど取り組みを進めているところでございます。

 イヌワシの今後の保護の取り組みにつきましては、専門家や保護活動に携わっている皆様方と連携しつつ、つがいの状況を調査するなど、繁殖率の回復を目指しまして引き続き回復事業計画に基づく取り組みを進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

◆林務部長(塩入茂)

 希少な猛禽類の保護の観点から森林整備を実施する場合の配慮についてのお尋ねでございます。

 イヌワシ、クマタカなどの猛禽類は絶滅が危惧される希少な野生動物であり、民有林の間伐等の森林整備に当たりましても、その繁殖に影響を及ぼさないよう配慮する必要があると考えております。このため、間伐など森林整備を行う事業地やその周辺の森林においては、希少な猛禽類の生息情報に基づき、必要に応じて専門家による生息調査を実施し、営巣を確認した場合には、国有林と同様に、産卵、子育ての期間中の作業を避ける対応をとっております。

 今後とも、長野県の森林づくりにおいては希少な猛禽類にも配慮して適切な整備を進めてまいります。

 

◆知事(阿部守一)

 オスプレイの飛行訓練についての御質問でございます。

 先ほど危機管理部長が御説明申し上げましたとおり、県民のさまざまな懸念に関しまして、県としてこれまでも防衛大臣あて要請を行うとともに、情報収集に努めてきたところであります。引き続き、県民の安全を守るという立場から対応していきたいと考えています。

 猛禽類の営巣等への影響を懸念する声があるということは承知をしております。ライチョウ、そしてイヌワシともに、種の保存法に基づいて国内希少野生動植物種の指定がなされているわけでありまして、国においても保護増殖事業計画が策定されている希少種であるという現状であります。こうしたことを踏まえて、オスプレイの飛行訓練に関しても、生息環境に十分配慮するように国に求めていきたいと考えています。

 以上です。

 

◆中川博司

 ライチョウの保護費が削減をされておりまして、国のこれから行われる事業はこの1年間は調査の研究を行うということになります。ということは、この1年は県として具体的な調査などが行われないということになるものですから、先ほどから申し上げていますように、オスプレイの影響などが考慮されなければならないというふうに思いますので、必要な措置をぜひ環境部でとっていただくようにお願いをしたいというふうに思います。

 また、オスプレイという名前は実は猛禽類のミサゴのことだそうです。イヌワシやクマタカはライチョウの天敵になっているんですが、オスプレイがそのイヌワシやクマタカの天敵になるということになります。

 ぜひ、知事におかれましては、全国知事会でも同様な課題を持つ知事の皆さんと連携をとっていただくことを要請をいたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

 

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