6月定例県議会-発言内容(甕裕一議員)

甕 裕一

 改革・新風、安曇野市選出の甕裕一です。まず、発達障害者支援について質問いたします。

 平成17年4月に発達障害者支援法が施行され、発達障害者支援センターも各県に設置されるようになってきております。
 本県におきましては、本年度から、上小、上伊那、松本、長野の四つの圏域に発達障害サポートマネジャーが1名ずつ配置されましたが、その利用状況と現在のところの具体的な成果を健康福祉部長にお尋ねいたします。
 長野県発達障害者支援センターは、現在、長野市の県精神保健福祉センターに併設されていますが、長野市から遠い地域、特に中南信地区からは地理的に不便であり、利用しづらい状況であります。
 そこで、中南信地域にも同等の支援センターを新設する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
 この問題に関しましては、先月、松本、塩尻、大町、安曇野の中信4市で県に要望しており、それに対して残念ながら前向きなお答えはいただけなかったとお聞きしております。
 しかしながら、先日、日本発達障害ネットワークの長野支部が立ち上がり、医療や教育などさまざまな分野の専門家の先生方と連携して、県全体で発達障害者への支援の機運が盛り上がってきているところであり、県内全域で利用者に身近な支援体制が必要であると思われますが、いかがでしょうか。健康福祉部長にお尋ねいたします。
 発達障害者に対する県の支援としては、平成14年度より、小中学校において障害のある児童生徒や外国籍の児童生徒が安心して生活を送れるよう、一人一人の状況に応じて介助員、支援員を配置して必要な支援を行うこどもほっとサポート推進事業を国の緊急雇用創出特別基金事業としてスタートし、17年度からは県単独事業として実施してきた経緯があります。
 その後、平成18年の学校教育法改正において、小中学校等に在籍する教育上支援を必要とする障害のある児童生徒に対して障害による困難を克服するための教育を行うことが明確に位置づけられ、19年度より国の地方財政措置が講じられたため当該県単独事業は廃止されましたが、小中学校への特別支援教育支援員の配置については依然として市町村の財政負担が非常に大きいという実情があります。県の財政支援を復活させるべきと考えますが、いかがでしょうか。教育長にお尋ねいたします。

 

◆健康福祉部長(眞鍋 馨)

 発達障害者支援につきまして二つお尋ねをいただいてございます。
 まず、今年度から四つの地域に配置いたしましたサポートマネジャーの活動状況とその成果についてということでございました。
 発達障害サポートマネジャーでございますが、教師、保育士、そして福祉担当者、かかりつけ医など、当事者とか家族に直接対応している支援者に対しまして、これは分野とか年代を超えまして、総合的な助言、そしてまた支援の橋渡しを行う専門家として養成したものでございます。
 県の養成研修を修了した4人について、それぞれ活動地域に配置しているところでございますけれども、4月からの2カ月間ということではあるんですけれども、支援関係者の会議ですとか、あるいは関係機関への戸別訪問などによる事業の周知、それから教師など支援者に対する専門的な助言など、それぞれ1件と数えていきますと既にトータルで225件の支援が行われているというところでございます。
 その中には、具体的に申し上げますと、18人の当事者に関する延べ49件の個別の支援といったものも含まれてございます。例を挙げます。発達障害と診断された中学生の進学先を見つけるために病院から学校へ橋渡しを行った例ですとか、あるいは、これは成人の当事者という例でございますけれども、さまざまなこれまで支援者が異なった対応をとっていた、それでなかなか状況が改善しなかったというケースがあったというふうに聞きますが、これらの関係者の支援者会議というものを開催することによりましてそれぞれの役割を確認したり、そういうふうな役割分担を支援する、こういうふうな例が報告があったところでございます。
 これまで個々の支援機関の個々の対応ではなかなか対応が困難であった事例への支援が進む、そういうことが期待がされておりますし、そういう成果が上がっていくものというふうに思っております。

 二つ目のお尋ねでございます。発達障害者支援センターの中南信地域への設置についてでございます。
 発達障害者支援センターでございますけれども、主たる業務は、来所相談とかいうものではなくて、どちらかというと現場で支援に当たっている方々に対して専門的な観点からアドバイスをするということが主な役割で、もちろん電話がかかってきたり相談があれば個別の受け付けはするんですけれども、主な役割としては現場で頑張っていらっしゃる支援者をコーディネートしたりサポートする、そういう役割でございます。
 現在の精神科医や臨床心理士など、こういう方々限られた人数でございますので、こういう専門職種を集中的に配置をいたしまして、あとは統一的な視点というか方針に基づいて行う作業があります。専門性が非常に高い作業だというふうに思ってございまして、現在は精神保健センター内に設置しているということで、精神保健センターの所長と発達障害者支援センターの所長は兼務、精神科医が兼務ということでございます。
 しかしながら、中南信地域と地域的に離れたところへどうするんだということでございますけれども、当事者の方々への専門的な助言や相談ということでございますけれども、これは、そういう支援関係者への研修会などの事業につきましてはこのセンターの職員が県内各地へ出向いていくという形で支援を行っております。市町村や保健福祉事務所などと協力して実施しておるところでございまして、今後とも、中南信を初め、県内各地の皆様の利便性に十分配慮して、センターの業務の推進を図ってまいりたいというふうに思っております。
 以上です。

 

◆教育長(伊藤学司)

 特別支援教育支援員への財政支援についてのお尋ねでございます。
 小中学校等において学習や生活の面で支援を必要とする児童生徒がふえてきたことから、県では、市町村が小中学校へ介助員、支援員を配置できるよう、平成14年度から19年度にかけて財政支援を行ってまいりました。
 このような中、議員御指摘のとおり、平成18年に学校教育法が改正されまして、平成19年4月から特別支援教育に係る校内体制の整備が市町村に求められ、介助や学習支援などを行う特別支援教育支援員を各小中学校に配置できるよう国から市町村へ交付税措置が講じられることとなりました。これを受けて、本事業を市町村の主体的な事業として現在に至っているところでございます。
 しかしながら、発達障害等の特別な支援の必要な児童生徒が増加する中で市町村の負担が大変大きくなっているという声は私どもとしても十分認識をしているところでございまして、去る6月19日には特別支援教育支援員の充実を国に要望してきたところでございまして、今後とも、引き続き、機会あるたびに、財政措置のより一層の拡充を国に対して要望していきたいというふうに考えております。

 

◆甕 裕一

 県の財政事情も極めて厳しいという状況も理解しておりますし、また、さまざまな取り組みをいただいているということも理解しておりますが、この支援センターについては市町村の担当部局のほうからも要望が出ていることでありますし、やはり身近なところで専門的な技術支援を必要としているという実情も御理解いただきたいというふうに思います。

 続きまして、下水道事業に対する支援について質問いたします。
 各市町村においては、下水道整備が進み、今後は維持管理の時代へと移ることとなりますが、現状の経営では交付税措置額だけでは財源不足となってしまう厳しい状況であります。
 施設の耐用年数も、塩ビ管は50年あると言われていますが、マンホールは30年、機械類に至っては5年から7年程度しかもたないと言われています。
 また、それぞれの市町村においては経営の効率化を図りながら適正な使用料の設定を行っているところではありますが、人口減少や企業の撤退、またトイレや洗濯機の節水機能の進歩などによって使用料収入が当初見込んだとおりに入らないなどの現実問題にも直面しており、下水道事業の経営は大変厳しい状況にあります。
 今後想定される下水道事業の課題をどのように捉えているか。環境部長の御所見をお伺いいたします。
 また、施設の更新や長寿命化等に対する技術支援を含めた県の幅広い支援、そして、財政も厳しいことから、国に対して交付税措置の増額を働きかける必要もあると思われますが、いかがでしょうか。環境部長にお尋ねいたします。

 

◆環境部長(山本浩司)

 それでは順次お答えをいたします。
 初めに、下水道事業の施設更新等についてのお尋ねでございます。
 長野県の平成23年度末の下水道等の汚水処理人口普及率は95.9%と全国第7位であり、全国でもトップクラスとなっております。この数値が示すとおり、今後は整備促進の時代から管理経営の時代へと局面を変えつつあり、施設の改築、更新等が増加するものと考えております。
 施設の改築、更新等に当たっては、従来の対症療法的な対応から、予防保全的な対応によりライフサイクルコストの最小化と経費の平準化を図ることが重要であると考えております。
 なお、効率的な改築、更新等を進めるに当たりましては、国の下水道長寿命化支援制度により下水道長寿命化計画を策定するとともに、当該計画に基づき改築等の対策を図るため、社会資本整備総合交付金等を十分活用して実施していくことが肝要であると考えております。
 県としましては、市町村の皆さんと連携をしながら、効率的な事業執行が図られますよう支援をしてまいりたいと考えております。

 次に、下水道事業に対する支援についてのお尋ねでございます。
 公共下水道事業は市町村が主体となって行われる事業であり、県といたしましては、公共下水道の整備が効率的で効果的に図られますよう、国への交付金等の申請事務や技術的な助言等につきまして今後とも市町村に対し支援をしてまいりたいと考えております。
 また、お話のとおり、財政事情が厳しい市町村におきましては地方交付税措置による財政支援はまことに重要であり、改築、更新等の実施、経営の健全化等を推進していく上で地方交付税措置の充実が必要不可欠なものであることは県といたしましても十分認識をしているところでございます。
 したがいまして、今後とも、市町村と十分連携しながら、交付税措置の一層の充実について国に対し要望してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

 

◆甕 裕一

 続きまして、木製ガードレールについて質問をいたします。
 導入当初は大変話題を集めた木製ガードレールでありますが、設置から数年で色あせが目立ち始め、風雨にさらされ、時間の経過とともにひび割れなどが発生し、各地で劣化が著しい状況であります。中には、表面がはがれていて、歩行者が触れたらけがをするのでないかと思われるような危険なものも散見されることから、何らかの安全対策が必要と思われます。
 また、私の地元安曇野市では、国営アルプスあづみの公園付近など大勢の観光客が通る場所にぼろぼろの木製ガードレールがあり、景観も損ねていることから、このまま放置できない状況であります。

 以上の点から、かけかえなど早急に対策を講じる必要があると思われますが、いかがお考えでしょうか。また、同様の対策が必要な木製ガードレールが現時点で県内にどの程度あると把握されていらっしゃるでしょうか。建設部長にお尋ねいたします。
 そして、いずれ更新の必要が来るものでありますが、更新に当たっては木製のままかけかえをするのか、あるいは金属製のものに戻すのか。仮に木製のままかけかえをする場合は、現在のように10年もたてばまた劣化して更新が必要になると考えられますが、更新に要する費用は、木製、金属製それぞれどのぐらいかかると試算をされていらっしゃるんでしょうか。
 以上、建設部長にお尋ねいたします。

 

◆建設部長(北村 勉)

 木製ガードレールについてのお尋ねでございます。
 信州型木製ガードレールは、平成16年度から、観光地や景勝地など景観に配慮が必要な地域を中心に、平成25年3月末までに57カ所、延長約21キロの設置を行っております。
 定期点検やパトロールで劣化状態を確認し、劣化が進んだものについては取りかえを行っております。その状況は、平成24年度までに15カ所、延長約800メーターとなっております。また、今後必要な箇所は年間延長約200メーターを見込んでおります。
 劣化対策として設置当初は防腐処理をしておりませんでしたが、日陰で湿度の高い場所などで劣化が見られたことから、平成22年以降については防腐処理を行い、耐久性を高めております。
 さらに、木製部の劣化と機能低下の関係を調べるために、取り外した部材を林業総合センターで試験を行い、データの収集を行っているところでございます。

 次に、更新についてのお尋ねでございます。
 木製ガードレールの更新につきましては、現在のところ、支柱はそのままで、劣化した木製レール部の取りかえを行っております。その更新費用につきましては、木製レール部の取りかえ費用として1メーター当たり約9,000円から2万5,000円です。一方、金属製のガードレールにかえた場合は、支柱の取りかえも含め1メーター当たり約9,000円となっております。
 木製ガードレールは金属製に比べ費用がかさむこともありますが、観光地などの景観に配慮して原則更新で対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

 

◆甕 裕一

 木製ガードレールの導入は、今から約10年前、田中知事時代でありましたが、当時副知事を務めていらっしゃった阿部知事にお尋ねをいたします。
 導入当初は木製ガードレールにどのような効果を見込んでいらっしゃったのか。また、当初期待されたとおりの効果があったのか。現時点での率直な評価をお聞かせいただきたいと思います。そして、劣化の激しい現状と県財政が厳しい状況を考慮して、木製ガードレールの今後の更新等についてどのようにお考えなのか。知事の御所見をお伺いいたします。

 

◆知事(阿部守一)

 木製ガードレールについての御質問にお答えを申し上げたいと思います。
 木製ガードレール、観光地あるいは景勝地、そうした地域の景観の向上、さらには木材利用ということで県内の間伐材の利用促進ということを期待して整備をしようという形になったわけであります。
 軽井沢等の設置地域での意見はおおむね好評だというふうに伺っております。また、県外からも見学あるいは問い合わせがあって、全国的にも関心が高いと。県外でも、京都府、静岡県、山梨県、和歌山県など23府県でそうした取り組みが広がっているというふうに聞いております。
 また、木製ガードレール、試算では延長約21キロということで1万本の間伐材の有効利用が図られているというふうに考えております。
 ただ、今御指摘ありましたとおり、木製のため劣化をして、あるいは材料が受注生産ということで交換に時間を要す等課題があるというふうにも認識をしております。
 観光地の景観の向上、間伐材の利用促進の向上という効果はあるわけでありますが、更新につきましては、先ほど建設部長が答弁したとおりの考え方ではありますが、コストと効果、十分勘案した上で今後対応していきたいというふうに考えております。
 以上です。

 

◆甕 裕一

 率直な評価ということでお伺いしましたが、確かに評判がよかった地域もあるかと思うんですが、そういうところはいいんですけど、冒頭私が指摘をしましたように、西日を浴びたりとかで劣化が激しくて、ささくれていて、歩行者が触れたら危ないと思えるようなものとか、けがをするとかは当然ですけれども、けがをしないまでも歩行者の例えば衣服にひっかけて破れたりとか、責任問題に発展するようなものがあるかと思いますので、危ないものについては早急に取りかえをするなどしていただきたいと思います。
 そして、県産材の利用促進に効果があったということですが、それは、単純に木材を張りつけるから、そこに使われたから県産材を利用したということじゃなくて、本来、木材を使わないものを木製にすることによって林業の振興にどれだけ寄与したかというところをしっかりと検証の精度を上げていただきたいと思います。
 以上で今回の私の質問を終わります。大変御清聴いただきましてありがとうございました。

 

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