2月定例県議会-発言内容(甕裕一議員)

 

◆甕 裕一

 改革・新風、安曇野市選出の甕裕一です。まず、歳入確保について質問いたします。

 国と自治体の財政は、バブル崩壊後の財政出動以降、年々その厳しさを増してきており、さらに2008年以降の世界的な景気下降、一昨年発生した東日本大震災によって一層深刻な状況になっております。しかし、景気が悪化して地方税収が減っているから、国も財政が厳しくなって国庫補助金が減っているために地方交付税も減らされているなどと財源の厳しさを外的要因のみに求めているのでは改革は進みません。

 公有財産の利活用、ファシリティーマネジメントによる歳出削減、債権回収など歳入確保にはさまざまな手法が考えられますが、今回は公有財産の利活用に関して何点か質問をさせていただきます。

 公有財産のうち土地、建物といった公的不動産の利活用の現状は、人口、世帯数の減少など社会情勢の変化や、産業構造の転換等を背景として、全国的に未利用、未活用となっているものが増加してきています。

 今定例会中、未利用施設の売却という言葉を知事の答弁等で何度か耳にしておりますが、現時点での未利用施設の売却状況、また、公共施設の空きスペースの貸し付けなどの取り組み状況とその成果を総務部長にお尋ねいたします。

 また、公共施設の空きスペースの具体的な物件の一例として伺います。

 県安曇野庁舎という4階建ての比較的新しく、耐震強度も満たされている立派な建物があるんですが、JR豊科駅からも近く、立地条件にも大変恵まれている建物なんですが、現在、この県安曇野庁舎の1階と3階と4階に安曇野市役所の機能が入っています。5町村の対等合併で現在8カ所の分庁方式をとっている安曇野市役所が平成27年度に新しい本庁舎が完成予定でありますが、本庁舎完成後は県安曇野庁舎の4フロア中3フロアがあくことになります。

 現時点で27年度以降の県安曇野庁舎の具体的な活用策があるのか。総務部長にお尋ねいたします。

 また、この安曇野庁舎と同様に、今後、空きスペースが生じる県有施設は全体でどの程度あり、どのような活用をお考えなのか。あわせて総務部長にお尋ねいたします。

 

◆総務部長(岩﨑弘)

 未利用施設の売却等の取り組み状況と成果についてということでお尋ねをいただきました。

 未利用となった土地、建物につきましては、市町村や公共的団体の活用希望に応えるとともに、活用希望のないものについては、インターネットによる入札も含め、一般競争入札等によって売却の促進を図っているところでございます。

 平成11年度から広く一般への売却を始めておりますが、この1月末までの実績でございますけれども、累計で685件、1202,900万円余りとなっているところでございます。

 空きスペースが生じた庁舎におきましては、県のほかの機関の利用、公共的団体への貸し付け、あるいは会議場所としての利用、そういったことを進めましてその解消に努めているところでございます。

 また、空きスペースとは少し意味合いが異なりますけれども、庁舎の壁や屋根といった余裕スペースを広告掲出用あるいは太陽光発電用として試行的に貸し出すといったことでさらなる収入の確保に努めているところでございます。

 続いて、2点目の安曇野庁舎の活用策についてでございます。

 安曇野庁舎につきましては、安曇野市役所の新築後に空きスペースが生じてくることを承知しておりまして、検討課題であるというふうに認識しております。今後、関係部局が相談あるいは連携をいたしまして、ほかの機関の使用に限らず、幅広く活用策を検討してまいるということにしております。

 3点目の将来的に空きスペースが生じる施設についてでございますけれども、今後は、組織再編でありますとか高等学校の再編等の動向によっては安曇野庁舎と同様に空きスペースが新たに生じる、そういうことが出てくるというふうに考えられます。将来、余剰となる施設につきましては、ファシリティマネジメント基本方針におきまして県有財産の有効活用を行っていくという観点から、地元の意向もお聞きをしながら、大きく申せば3点、県機関での利用、市町村、公共的団体で御利用いただく、それから一般の県民の皆さんによる利用、そういった個々の事情に応じた対応をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

 

◆甕 裕一

 御答弁にもありましたように、インターネットオークションなどを積極的に活用されて歳入確保に努めていただきたいと思います。

 また、安曇野庁舎ですが、これは地元としては売却されたら困る建物なんですが、特に具体的な活用策はまだないということですので、この三つのフロアの活用法があるか。今、2階に安曇野建設事務所があるんですけれども、建物全体が処分されて建設事務所も他地域と統合ということになると地元にとっては最悪になってしまいますので、ぜひとも残していただきたい施設でもありますので、また御検討のほどよろしくお願いいたします。

 安曇野庁舎の活用法については、現在、地元市民の皆さんからいろいろな御意見をいただいておりますので、またいずれ御提案申し上げたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 指定管理者制度導入施設における平成23年度の管理運営状況によりますと、利用料収入が全体で6.3%減少したと言われています。震災の影響等も大きかったとは思いますが、利用率の向上や、今後利用料収入を上げていくために施設のサービスの向上は欠かせないと思われます。利用料収入を得るという面で指定管理者に対してどのような働きかけを行っているのか。総務部長にお尋ねいたします。

 さらに、財源の観点からすれば、こうした有形の資産のほかに、先ほどもありましたが、広告料収入やネーミングライツによる収入、公の施設等における目的外使用許可使用料などによって新たな追加的歳入を確保しようとする事例が近年見られるようになり、本県においても積極的に活用されていますが、今後、ネーミングライツをさらに積極的に活用するために、企業側から希望の施設や対象物を募集する逆提案型といいますか提案募集を、仙台市などで行っているんですが、そのようなものを利用したらどうかと思います。

 実は、昨年の10月に長野県でも実施していて、長野県菅平薬草栽培試験地と一部の歩道橋について提案募集を始めているようでありますが、しかし、残念ながら一般的に余り知られていないのが実情であると思われます。この提案募集の導入状況はどうであったのか。総務部長にお尋ねいたします。

 また、ネーミングライツのデメリットとして、公共施設の名称が短期間で頻繁に変わると県民にわかりづらく、混乱する点が挙げられ、また、今後可能性として考えられるのは、ネーミングライツのパートナー企業に万が一不祥事などが発生した場合に県有施設に対するイメージダウンになるというリスクも大きいと思われます。

 一般に浸透しづらい事情なども考慮して、さらに県民に広く理解をいただくための発信も必要と思われますが、ネーミングライツの実施に当たり、今後どのような考えで行っていくのか。総務部長にお尋ねいたします。

 続いて、リバースモーゲージについてお尋ねします。

 短期的には行政の負担が発生する、また手続が煩雑であるといったデメリットもあり、また、中山間地の多い長野県に向いている制度かどうか課題はあるとは思いますが、将来的には、物件にもよりますが、公有資産がふえるメリットもあり、ひとり暮らしの高齢者対策や空き家対策としても一定の効果があると思われます。利用者の年齢や対象物件など条件を絞るなどしてリバースモーゲージの検討の余地はあるかと思われますが、健康福祉部長の御所見をお伺いいたします。

 さらに、自主財源の確保として、3年前の2211月定例県議会での一般質問で、ふるさと信州寄付金の利用状況が他県のふるさと納税と比べて利用度が低い点を指摘しましたところ、全庁を挙げて利用拡大に取り組んでいきたいと知事の御答弁をいただきました。その後の取り組み状況については、先日の本会議において西沢議員の質問にもありましたので状況は伺いました。

 今後の自主財源の確保について知事のお考えと御決意をお伺いいたします。

 

◆総務部長(岩﨑弘)

 歳入の確保策について2点お尋ねをいただきました。

 まず1点目の指定管理者制度導入施設におきます利用率の向上のための取り組みという点についてでございます。

 指定管理者制度導入施設の平成23年度の利用料金収入でございますが、全体で8,200万円、率にして6.3%の減少を見たところでございます。その主な原因でございますけれども、入所者の地域生活移行を進めている西駒郷、あるいは改修工事に伴う入所者の受け入れの減少がございました信濃学園、この二つの社会福祉施設で9,400万円ほど減少したというのが大きな原因でございます。

 このほか、御指摘のように、震災の影響でイベントが中止されるなどの状況の中で、指定管理者の皆様にはそれぞれノウハウを生かしていただいて施設運営に取り組んでいただいているというのが現在の状況でございます。

 一方で、施設のサービス向上が大切であるという御指摘でございます。大変重要な観点であります。施設の利用促進にもつながるものというふうに考えております。

 このために、サービス向上の取り組みを促す方法といたしまして3点ほど申し上げますけれども、1点目は、指定管理者の選定に当たってサービス向上や利用拡大の取り組みを審査をいたしまして、創意工夫に富んだ取り組みを提案する事業者を選定しているといった取り組み、それから、2点目として、仕様書等で定めたサービス水準に関する毎年度の評価、公表を行っていくという取り組み、3点目として、施設設置者である県と指定管理者による定期的な意見交換を通じた状況や課題の共有、把握、こんな取り組みをいたしましてサービス向上に取り組んでいるところでございます。

 さらに、来年度からは、利用者の意見を管理運営に反映させることなどを目的といたしまして、第三者評価を順次実施したいと考えておりまして、必要な予算を提案させていただいているところでございます。

 これらの取り組みによりまして、利用者ニーズに沿った施設運営を行い、サービスの向上を図ってまいりたいというふうに考えております。

 それから、2点目でございます。ネーミングライツについてのお尋ねでございます。

 逆提案型の導入についてという御提案でございます。行政・財政改革方針における歳入確保策の一つとしてネーミングライツの導入を積極的に進めておりまして、その一環として、平成23年度の募集から、対象施設や提供いただく対価など企業の皆様のニーズに合った貢献のあり方を提案いただく提案募集型という制度を設けたところでございます。昨年10月から11月まで実施をいたしました募集におきましては、提案募集型制度に基づいて長野市内の歩道橋1基に御応募いただき、2月12日にネーミングライツパートナーとして決定をいたしました。

 県としては、この提案募集型の導入施設を拡大したいというふうに考えております。積極的な取り組みをしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

 それから、実施に当たっての考え方でございますけれども、ネーミングライツに関して懸念される点、幾つかの御指摘をちょうだいいたしましたが、こうしたリスクを回避するために企業と長期のパートナーシップを築けるよう配慮をしているところでございます。

 具体的に3点ほど申し上げますが、1点目は、パートナー選定に当たり、会計士や地元関係者などの有識者に入っていただく中で選定委員会を設けまして、法令遵守や経営の安定性などを踏まえた審査を行っているという点、2点目として、協定期間でございますが、原則3年以上という期間を設定している点、3点目として、協定更新の際に現在のパートナーに優先交渉権を与える、そういったことで安定した関係を保てるような仕組みとして担保しているところでございます。

 実際に、長野県県民文化会館につきましては、ホクト文化ホールとして2期目の協定を締結したところでございます。

 情報発信についても重要な視点だというふうに考えておりまして、愛称の付与に際しては、地元へ十分周知するとともに、利用者に向けても、ホームページを初め、広報誌、ラジオ、テレビなどを通じまして積極的にお知らせをしているところでございます。また、パートナー企業にも御協力いただき、さまざまな機会を捉え意欲的に発信をいただいているというふうに認識をしております。

 今後とも、ネーミングライツそのものの知名度向上もあわせまして、PRに努めてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

 

◆健康福祉部長(眞鍋馨)

 私にはいわゆるリバースモーゲージの実施についてお尋ねいただいてございます。

 リバースモーゲージ、これは議員の御指摘のとおりでございますが、低所得で一定の不動産をお持ちの高齢者世帯に対しまして、居住している不動産を担保といたしまして資金を貸し付けて、居住者がお亡くなりになった後に貸付金を清算する制度、これをリバースモーゲージというふうに言っておりますけれども、これは、厚生労働省が生活福祉資金貸し付け制度のメニューの一つといたしまして、平成14年度から全国の社会福祉協議会において導入したところでございます。

 本件の実施主体であります長野県社会福祉協議会によりますと、貸し付けの実績は本年1月末で、現在貸し付け中ということでございますが、8件、5,860万円でございまして、新規の申し込みは毎年1から2件というふうなことで大変少ない状況となっております。

 また、利用がなかなか進まない理由といたしましては、連帯保証人となる推定相続人の同意が得づらいということや、土地の評価額が低い地域では必要とする資金が受けられない、そういう場合があることなど、こういったことが考えられるところでございます。

 議員も、これはそもそも都市向けのものであって、なかなか中山間地域の多いところで活用できるところは疑問だという御指摘ございましたけれども、そういうところはあるのかなというふうに思ってございます。

 県といたしましては、同様の制度を長野県社会福祉協議会で実施しておりますので、県が重ねて実施する必要性はないというふうに考えております。

 以上です。

 

◆知事(阿部守一)

 自主財源の確保についての決意という御質問でございます。

 自主財源の根幹は何といっても県税、県民の皆様方からいただく県税でございますので、まず県税収入の増加につながるよう産業、経済の活性化に努めていく必要があるというふうに思っております。それと、あわせて、県としても自主財源を確保するべくさまざまな努力をしていかなきゃいけないというふうに思っております。

 行政・財政改革方針の中にもさまざまな手法、先ほど来御質問いただいておりますけれども、ネーミングライツ、広告収入の確保、寄附金収入の確保、あるいは県有財産の有効活用ということを掲げておりますので、こうしたことを着実に取り組んでいく、あるいは物によっては発想をこれまでと転換していくということが大切だというふうに思っています。

 ネーミングライツにつきましては着実に広げていきたいというふうに思っておりますし、ふるさと寄付金、長野県の実力からすればまだまだこんなもんじゃないだろうというふうに現時点でも思っておりますので、もっと一層確保できるように取り組んでいきたいと思います。

 また、減債基金の運用方法見直しで一定の増収に結びつけておりますけれども、さらに基金の運用方法を考えていきたいというふうに思いますし、県の有している財産、これは、公益目的で活用するときには、もちろん収入という側面よりはむしろ財産の活用でありますけれども、今厳しい財政状況でありますから収入を確保するという観点で講じていくべき施策もこれからしっかり考えていく必要があるというふうに思っております。

 そういう意味で、新しい観点での歳入確保策についてこれからもさまざま工夫を凝らしていきたいと思いますし、これまで拡充してきましたネーミングライツであったり、ふるさと寄付金であったり、そうした施策についてはこれからもしっかり成果が上がるように取り組んでまいりたいと考えています。

 以上です。

 

◆甕 裕一

 それぞれ御答弁いただきましたが、ネーミングライツのパートナーの選定で会計士や有識者に頼むということなんですが、特に専門性が必要とされるものでもないと思いますので、私自身はもっと県民にわかりやすくするためにも議会の議決案件にしたらどうかと思うんですが、これは特に答弁は求めませんが御検討いただけたらと思います。

 また、ネーミングライツに関しては、封筒とか各種印刷物等にも積極的に導入していっていただきたいと思いますし、私も広報委員を2年務めさせていただいているんですけれども、広報関係の予算が毎年厳しいと毎回のようにお聞きしておりますので、余り目立ち過ぎない程度であれば広報誌で広告収入を得るという選択肢もあろうかというふうに思います。

 続きまして、2013年問題にかかわる県内の雇用施策について御質問いたします。

 2013年問題といいましても耳なれない言葉とお思いの方も多いかと思いますが、これは厚生年金の問題で、平成12年の法改正に伴って、特別支給の老齢厚生年金、いわゆる2階建ての厚生年金の上乗せ部分なんですが、定額部分と報酬比例部分の二つが2001年から段階的に支給年齢が引き上げられている問題であります。

 このうち定額部分は2009年に消滅しました。そして、2013年4月ですから来月から残った報酬比例部分の支給年齢が61歳に引き上げられます。対象は生年月日が昭和28年4月2日以降の男性で、老齢基礎年金の受給資格があり、特別支給の老齢厚生年金の受給権がある方、要するに厚生年金保険の被保険者期間が12カ月以上という方が対象になるということで、女性は5年おくれで同じ現象が起こります。

 ということは、60歳から厚生年金を受給できない加入者がいよいよことしからあらわれるという無年金時代に突入するということになりまして、60歳定年制の企業に勤めている加入者は定年後の再就職先を決めない限り無収入になるということになります。

 この報酬比例部分は2年置きに支給が引き上げられるため、2015年には62歳から、2017年には63歳からの支給になることで、男性は2021年、女性は2026年に厚生年金、基礎年金とも完全に65歳からの支給となります。一部、例外的に繰り上げ受給というのは可能なんですが。

 今後は、定年を目前に控えた年代の方々の節約・貯蓄志向が高まり、景気に悪影響を及ぼす可能性も否定できないと思います。

 また、国は定年の延長等を求める傾向にありますが、その一方で、若い年代の就職内定率は高くありません。仮に定年が延長され、60歳以上の人たちが企業に多く残ると若年者の就職はますます厳しくなり、住宅取得など資産形成もおくれることから、この2013年問題というのは、年金受給者だけでなく、間接的に若い年代への影響も非常に大きいものと思われます。

 年金制度は国の施策でありますが、65歳までの雇用確保と若年層の雇用確保がともに深刻な状況を迎えている中で、社会保障制度の変遷を考慮しつつ、県としてどのように雇用施策を進めていくお考えなのか。商工労働部長にお尋ねいたします。

 

◆商工労働部長(太田寛)

 いわゆる2013年問題にかかわります県内の雇用施策についてのお尋ねでございます。

 本年4月から厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢が61歳に引き上げられるということは議員御指摘のとおりでございます。これにあわせまして高年齢者雇用安定法の一部改正が行われまして、同じくこの4月から希望者全員の65歳以上までの雇用継続が事業主に義務づけられることになります。

 この点に関しましては、長野県経営者協会が昨年秋に県内企業を対象といたしまして実施したアンケート調査によりますと、今回の法改正に伴う高齢者の雇用延長にあわせまして、高齢従業員の賃金の引き下げによる人件費抑制、あるいは、一部ではございますけれども、新規採用数の手控えを掲げている企業というのも見られるところでございます。

 持続可能な社会保障制度を考慮した場合には、これからは若者の雇用と高年齢者の継続雇用が両立されまして、社会の活力とバランスが確保、維持される仕組みづくり、これが必要であろうというぐあいに考えております。

 県では、来年度、人生二毛作社会の実現を目指しまして、高年齢者が定年後もこれまで培ってきた知識、技術、経験を生かす形で就職等により活躍できる仕組みづくりを検討してまいります。同時に、若年者の正規雇用を促進するために、ジョブカフェ信州内に中小企業就職支援員を2名配置いたしまして、雇用のミスマッチ解消等に取り組むとともに、卒業後も就職できない既卒の若者が企業で研修後、正規雇用を促す事業につきましても、年度当初から大学卒業者も対象として拡充してまいりたいと考えております。

 また、県内企業におきます若者と高年齢者の雇用が両立可能な仕組みづくりを後押しするために、高年齢者の賃金水準や勤務形態のあり方、企業内におきますワークシェアリングなどをテーマにいたします労働教育講座を各地で開催してまいります。

 県では、新たな5カ年計画の中に盛り込みました次世代産業創出プロジェクトと雇用・社会参加促進プロジェクトの着実な推進によりまして産業振興と雇用の拡大、安定を図りまして、若者や高年齢者が持てる能力を最大限に生かすことができるような雇用環境の整備を図ってまいりたいと考えております。

 

◆甕 裕一

 また今後より厳しい状況になっていくと思いますので、また国の動向をしっかりと注視していただきたいと思います。また、詳細は委員会等でも発言をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 続きまして、ふるさと信州風景百選について質問いたします。

 今定例会開会日の知事の議案説明の中で、政策推進の基本方針に基づく施策の推進の第6の誇りある暮らしの実現として、信州の魅力ある農村風景をより豊かで美しいものに磨き上げ、都市との交流や観光の展開を通じて農山村の活性化を図るため、すぐれた農村風景を県民の皆様から募集して、ふるさと信州風景百選を選定しと、この部分について何点かお尋ねしたいと思います。

 まず、このふるさと信州風景百選なるもののコンセプト、具体的な期待される効果は何でしょうか。

 また、事業の実施において、選定方法、選定基準、選定者、100という数字の根拠、県民から募集するということですが、募集方法や期間はどのように考えていらっしゃるんでしょうか。

 また、このふるさと信州風景百選に関連すると思われる長野県総合5カ年計画案の中の方針2の6の誇りある暮らし実現プロジェクトの「アクション3 美しい景観の維持創造」、恐らくこの部分が該当しているものと思われますが、この中にあります、標識の統一化を進める、美しく豊かな農村景観にふさわしい建物等を保全する仕組みづくりについて検討するとありますが、特に標識の統一化と建物の保全という点に関してそれぞれどのような取り組みを行っていくのでしょうか。

 以上、建設部長にお尋ねいたします。

 

◆建設部長(北村勉)

 3点御質問をいただきました。順次お答えをさせていただきます。

 まず、ふるさと信州風景百選事業のコンセプトや効果についてのお尋ねでございます。

 豊かな自然環境に恵まれた本県において、魅力ある農村風景をより豊かで美しいものに磨き上げ、都市との交流や観光の展開を通じて農山村の活性化を図る必要がございます。魅力ある農村風景づくりを進めるためには、県民の皆様が信州のふるさとの風景に誇りと自信を持ってもらい、観光や農林業につなげる好循環を県、市町村、農林業関係者、県民等によってつくり出すことが重要でございます。

 ふるさと信州風景百選を選定する過程において県民の皆様が主体的にかかわることで、信州らしさやふるさとを実感できるふさわしい場所を県民の皆様がみずから再発見することにつながると考えております。

 また、ふるさと信州風景百選の出版やホームページなどでの情報発信をすることで、県内外の皆様に、大都市にはない信州の魅力、地域の文化や歴史など、田舎にしかない本物性を感じていただくことが期待でき、そのことにより観光の振興が図られ、農山村の活性化にも寄与するものと考えております。

 次に、ふるさと信州風景百選の選定方法、選定基準、選定者等のお尋ねでございます。

 信州の美しい農村風景の募集につきましては、幅広く県民等に呼びかけてまいります。また、募集する農村風景は、生活の営みや地域の歴史等を感じさせる風景や、地域の特産物を栽培する人々の姿や農地などがある風景などがふさわしいものと考えております。県民等の皆様から募集をいただいた農村風景の中から百選として候補を選定する際には、できるだけ地域の皆さんがかかわっていただける仕組みにしたいと考えております。

 選定方法や選定者、募集方法等の具体的な実施方法につきましては今後詳細に詰めてまいりますが、これまで積極的に景観育成に携われてこられた関係者等の皆様の御意見もお聞きしながら決めてまいりたいと考えております。

 なお、百選の根拠ということでございますけれども、百選とした理由は全国的にも名水百選など百選とする事例が多いことを考慮したものでありまして、百選とした事例を見ますと、おおよその目安であり、100はあくまで標準と考えております。

 次に、標識の統一化、それからふさわしい建物等の保全への取り組みについてのお尋ねでございます。

 公共標識の統一化を図った事例としましては、例えば木曽地域の広域公共サインの統一などの取り組みがあり、地域を訪れる皆さんにとって行き先がわかりやすい案内になるとともに、地域イメージの向上にもつながっております。

 県では、主要な観光地等の魅力を高めるため観光地等の案内標識にピクトグラムを活用するなど、外国人を含む来訪者にとってわかりやすく、統一感があるものとするなどについて関係部局、市町村、観光団体等とともに検討をしてまいります。

 次に、農村風景にふさわしい建物の保全についてですが、本県には、中南信に見られる本棟造りなどの特色ある建物や、安曇野の田園風景に見られる屋敷林の民家などがあります。そうした建物等は、農村風景に溶け込むとともに、地域の特性を生み出しているところでございます。このような建物を保存していくためには、現行制度の中でも、景観法の景観重要建造物や、景観条例の景観資産などの認定による制度や、街なみ環境整備事業などの国の補助制度による支援などもございます。

 しかし、そういったこれまでの認定や助成といった手法のみでは建物を保全することが難しいケースもあることから、NPOを初めとした地域の皆さんによって古民家を保全したり活用するような方法を広めることができないかなど、さまざまな保全を図る仕組みづくりについて検討してまいりたいと考えています。

 以上でございます。

  

◆甕 裕一

 事業化はこれからですから詳細はまだ決まっていないということだ思いますが、私は、景観を守ることは悪いとは思いませんが、こういったものを県が指定することによって地元にとって必要な開発が制限されることのないようにしっかりと連携を図っていただきたいということと、それから、税金を使って行う事業としてやっぱり私有財産の保護が適切であるかというような議論も今後起きてくると思いますので、その点は慎重に御対応いただきたいということをお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。

 

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