2015.2月定例県議会-発言内容(小島康晴議員)

 

◆小島康晴

 まず、現地機関のあり方等について何点か伺います。

 来年度、行政機構審議会を設置し、県の現地機関のあり方等について、地域振興施策の効果的な展開や自主性、主体性の強化、住民の利便性確保の視点などから専門的な見地による調査、審議をお願いするとのことですが、この審議会に対していわゆる白紙諮問するのか、または知事の公約でもあります地域振興局(仮称)設置などを知事の思いとして提示するのか。そしてまた、この地域振興局について知事はどのような姿を描いておられるのか。知事に伺います。

 次に、地方事務所長総合調整推進事業費について伺います。

 地方事務所長総合調整推進事業費として来年度予算にも今年度と同額の500万円が計上されています。各地方事務所当たり50万円ということです。3年間取り組んでこられたと思いますが、この調整推進費についてどのように評価しておられるのか。
 また、現地機関への権限移譲につきましては相当御努力いただいているわけですが、やはり権限に財源もセットされないと完全な分権、移譲とは言えないというふうに思います。私は、思い切ってこの調整費を増額すべきではないかと考えますが、予算編成に当たって増額等の検討はなされたのかどうか。企画振興部長に伺います。

 移動知事室について伺います。
 スタートダッシュ・アクション7として公約である移動知事室を早速実行され、しかも南信の伊那市から第一歩をしるされたことに敬意を表するところです。成果や課題につきましては既に何人か質疑応答がなされていますので、私からは、なぜ10圏域の中からまず上伊那地区を選んでいただいたのか、理由とか知事の思い。そしてまた、伊那のすぐ後は無理でも、次の次くらいは飯田に来ていただけるんじゃないかという期待がないわけではないんですが、次はどこで行うのかとか、あるいは年何回行うのか、さらには任期4年のうちに全地域を回るような計画であるのかといったことなど方向づけられているのか。知事に伺います。

 会議等の開催方法について伺います。
 県の会議や研修会等の開催方法について、平成22年2月定例会での私の質問に対して、当時浦野総務部長より、平成20年の3月に全所属宛てに、各所属においては、県内全体を対象として開催する会議について、長野や松本を中心とした一括開催だけではなく、出席者の移動時間、旅費などを考慮し複数の会場で開催するなど最も効率的な場所、方法で開催するよう通知したところと答弁いただいております。あれから5年ほどたちましたが、この通知は現在も生きて継続されているのでしょうか。太田副知事に伺います。

 関連して、大学入試センター試験の会場について通告しておりましたが、昨日、小池議員が触れられましたので、私からは要望にとどめたいと思いますが、たしか三、四年前、この件でお願いや御相談に行き、信州大学にも働きかけていただいたような覚えもあるのですが、その後どうなったのか。いずれにしても、地元広域連合や校長会の要望を重く受けとめて、県教育委員会としても同じ方向で対応願いたいと要望いたします。
 1月半ば、まだ朝暗いうちから、下伊那の山間部の高校生が朝4時とか5時に起きて飯田まで出てきて、バスに揺られて1時間、伊那に向かって行ってセンター試験を受ける。それを2日間繰り返すわけであります。雪が降りはしないか、高速道路は大丈夫か、本人も家族も大変です。恥ずかしながら、私も自分の子供が受験するまではそのことには気にもとめておりませんでした。そういう意味で、教育長あるいは教育委員会の皆様におかれましては、仮に自分のお子さんが私どもと同じような立場であったらどうかというその身になって考えていただいて、ぜひとも同じ方向でお取り組みいただくように重ねてお願いいたします。

 大きな2点目として、予算執行にかかわる会計制度について伺います。
 補正予算第7号で早期議決で約109億円を増額いたしました。国の交付金を有効に生かすということで全会一致で賛成したところでございますが、相前後して補正予算8号というものが提出されまして、こちらは約370億円の減額ということでありました。結果として、本年度の現時点での最終予算額は約8,463億円となりまして、平成25年度、昨年度の最終の予算額8,436億円ほどと、約27億円、ほとんど変わらない額となっております。役所のお金には色があるのかないのか、ふえたり減ったり、まことに県民の皆さんにはわかりにくいのではないかと感じております。
 毎年度末には最終的に予算不用額などを精査して最終予算補正が行われます。法律等に基づく適正な手続であることは当然であり、理解するところですが、この2月県議会定例会で当初予算を目を皿のようにしてしっかり審査しても、年度末に大きな不用額があったりしますと大変むなしく感じるわけです。

 元気づくり支援金についても再三お願いしてきましたし、ほかの事業もそうでしょうが、地域や民間では役所と違って必ずしも4月から3月という暦の中で活動しているばかりではありません。年度途中からでも新しい事業が起こせるような、結果として予算の有効活用が図られるように繰り越し手続等を簡易にして次年度以降も執行できるような取り組みはできないものか。太田副知事に伺います。


 
◆知事(阿部守一)
 
 現地機関のあり方についての御質問に2点お答えを申し上げたいと思います。

 まず、行政機構審議会への諮問方法と地域振興局(仮称)についての考え方ということであります。

 私は、長野県の強みというのは、広い県土の中にさまざまな風土、歴史、特性を備えた地域が存在しているということだというふうに考えております。そういう意味で、各地の強みや特色を生かした地域づくり、地域経営、こうしたことを県のそれぞれの現地機関がしっかりと取り組む、あるいはサポートしていく、そういう体制をつくっていくということが大変重要だと思っています。

 全国を見渡しますと、かなり市町村合併が進んでいる都道府県もあります。そういうところを見ると、どちらかというと県の現地機関は基本的に縮小させている県が多い。私がかつて勤務していたようなところも、かつてより市町村数が減っているという中で場所によっては権限を弱めているということも聞いております。ただ、私ども長野県、小規模町村が非常に多い県であります。村の数が一番多いという特徴がありますので、全国と同じような発想とか同じような方向で現地機関を論ずるわけにはいかないのではないかというふうに私は思っております。

 そういう観点で、今回、私の2期目の選挙公約の中には「地方事務所の機能を強化した地域振興局(仮称)の設置検討」ということを掲げさせていただいているわけであります。そういう意味で、市町村、地域の皆様方と一緒になって地域を元気にしていくことができる、そうした現地機関の組織体制や、そのための権限等を付与することを考えていかなければいけないだろうというふうに思っております。

 したがいまして、行政機構審議会に対しては、こうした私の問題意識も議論の視点あるいは方向性としてお示しをした上で、現地機関の組織体制を中心とした県の行政機構のあり方について諮問をして御検討いただきたいというふうに思っております。

 なお、同じく私の公約上、「試験研究機関の機能強化」ということも掲げさせていただいております。各試験研究機関同士の連携を推進して中小企業等の開発意欲に応えていきます。先ほども農政部関係の試験研究機関の話も農政部長の答弁に出てまいりましたけれども、産業振興、地域振興を行っていく上で、私は、もう1点、試験研究機関のあり方ということも大変重要だというふうに思っておりますので、こうした点についてもあわせて行政機構審議会の中でしっかり議論をしていただくようにしていきたいと思っています。

 それから、2点目の移動知事室についてのお話でございます。

 昨年夏の知事選で県内をめぐらせていただく中で、改めて、長野県の広さ、そして県庁が長野市に所在している中で県あるいは県庁への距離感を感じていらっしゃる県民の皆様方の声ということも大分聞いてまいりました。特に南信の方々からはそういう声が多かったということもありまして、今回、移動知事室1回目は南信地域で行うと。そして、南信地域、諏訪もあれば下伊那もありますけれども、南信地域の中で地理的に見れば真ん中に位置する上伊那でまずは実施をさせていただいたところでございます。

 今後の取り組みでありますが、できるだけ行っていきたいと思いますが、今回実施しても感じましたが、例えば庁内の打ち合わせ等はテレビ会議等で対応できるようにはなってきておりますが、しかしながら、私自身が出席しなくてはいけない会議等、日程を編成する上での制約は結構かなり多いなというのも片方で実感としてございます。そういう意味で、新年度の大きな日程の中でどの時期にどこで開催するかということについては今検討をさせていただいているところでございます。

 今後とも、県民の皆様方との距離を近づけ、県政を身近に感じていただくために可能な限り移動知事室を実施していきたいと思っていますし、また、これは、私だけがそういうスタンスではなくて、副知事、あるいは各部長、県の職員がいろんな地域に出かけていって県民の皆様方の声を直接伺って対話をしていく、そういう県政を目指していきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

 
◆企画振興部長(原山隆一)
 
 地方事務所長総合調整推進費の評価と増額検討についてのお尋ねでございます。

 この地方事務所長総合調整推進費は、地域の臨時的、緊急的な課題に対応した取り組みを迅速かつ柔軟に実施するために各地方事務所に予算を配分しているものでございます。本年度は、おんたけ2240スキー場の営業開始に向けた誘客促進や北陸新幹線延伸に伴う観光PRなど、各地域の実情に応じた事業を実施しているところでございます。

 また、より柔軟な対応を可能とするために、地方事務所間の協議によりまして予算をより必要なところに傾斜配分することとしておりまして、そういう意味では臨時的な地域の課題におおむね対応できているというふうに評価をしております。したがって、本年度と同額の予算を計上させていただいたところでございます。

 地域の政策課題を具体的な施策に反映する仕組みといたしましては、地方事務所長からの施策提案あるいは地域発元気づくり支援金等がございます。これらの施策、そしてこの総合調整推進費を活用しまして、地方事務所が地域の課題に適切に対応し、地域活性化につなげられるようにしてまいりたいと考えておりますが、来年度、現地機関の組織体制や権限等について検討が予定されておりますので、そこでの議論を踏まえまして地方事務所長総合調整推進費のあり方についても引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。


◆副知事(太田寛)
 
 私に2問の御質問がございました。順次お答え申し上げます。

 まず、会議等の開催方法についてでございます。

 御質問にございました平成20年3月の通知に基づく取り組みは現在も継続しておりまして、加えまして、平成25年3月に職員提案に基づきまして会議の3箇条というのを定めておりまして、参集しやすい場所での開催、適切な日程の設定等につきまして全所属でチェックの上取り組んでいるところでございます。

 そしてまた、来年度は、本庁舎と合同庁舎間を結んで行うテレビ会議の回線拡充など、ICTを活用しましたスマート県庁の構築に取り組んでいくこととしております。これによりまして、例えばテレビ会議といたしまして、今まで県庁1カ所に集まって開催した会議につきましても、現地機関の県職員や市町村職員等、会議への参加者は最寄りの合同庁舎でテレビを通じて参加することが可能となります。移動時間あるいは旅費の縮減に効果があるため、利活用を推進してまいりたいと考えております。

 今後も、出席される方々の利便性を考慮し、また負担が軽減されるよう、効果的、効率的な会議等開催につきまして取り組んでまいりたいと考えております。

 それから、2点目でございます。予算の有効活用のための繰り越し手続についてでございます。
 予算の執行に当たりましては、会計年度独立の原則に基づきまして、歳出予算の金額は原則としてその年度内に使用し、事業費の確定などによる執行残額が発生した場合は不用額として予算の減額補正により対応しているところでございます。

 一方で、一定の条件のもとに翌年度に繰り越して予算を使用することができますよう、地方自治法第213条の規定によりまして繰り越しの特例が設けられております。予算成立後の事由に基づき年度内に支出が終わらない見込みのある事業につきましては、議会の議決を経まして繰越明許が可能になっております。

 これら関係法令や県の規則に基づきまして県の事業の繰り越し手続を行っておるところでございますけれども、年度末に発生した執行残額については追加要望や交付決定などの手続に時間を要することもありまして繰越明許手続に至らない場合がございます。

 限られた予算を効率的に執行できるよう、事業の目的の実現を引き続き図る必要があるものにつきましては繰り越し制度を活用した上で事業を推進してまいりたいと考えております。

 また、手続の簡略化ということがございましたけれども、現在におきましても基本的には予算執行者である原課、事業課の判断を重視しておりまして、それに対しまして財政課が協議を受ける、あるいは報告書のための数字の報告を受けるという形になっておりますので、そういう手続的なことで現在繰り越しができていないということは余りないというぐあいに認識しておるところでございます。


◆小島康晴

 知事に再度伺います。私の聞き方が悪かったのかもしれませんが、諮問は白紙かどうかということと同時に、知事御自身は地域振興局についてどういう姿を描いておられるかということでありまして、お話のように、公約集の中で「地方事務所の機能を強化した地域振興局(仮称)の設置検討」とありますので、200万県民にお約束したことで何も絵がなくて名前だけということはないと思いまして、何らかのこういう感じというものがあるんじゃないかというふうに思ってお尋ねしているんですが、その点、再度御説明願いたいと思います。

 大きな3点目、リニア中央新幹線に関連して伺います。来年度、本庁にリニア整備推進局を、現地機関としてリニア整備推進事務所を設置するとのことで、リニアにかける知事の熱意を感じ感謝するところですが、企画振興部にも一部担当が残るとも聞いております。建設部と企画振興部など関係部局、あるいは本庁と現地が一体となった事業執行を期待するものでありますし、特にいわゆるハードとソフトがばらばらにならないよう配意願いたいと思うところですが、今後の具体的な取り組みはどのようでしょうか。企画振興部長と建設部長に伺います。


 
◆知事(阿部守一)
 
 お答えします。  私は相当はっきりお答えしたつもりなんですけれども、まず私の考え方を申し上げました。議論の視点や方向性として考え方をお示しするということで、当然、白紙で丸投げで勝手に考えてくれという方式はとらないということを明確に申し上げているわけであります。

 それから、地域振興局(仮称)としてのあり方でありますけれども、先ほども答弁申し上げましたが、市町村合併が進んでいる地域においては、市町村にどちらかというと中心を置いて、県は余り現地機関に権限を置かないという方向性が全国的には見えてきているわけでありますけれども、長野県は小さな町村が多いという状況があります。そうすると、今回の地方創生の議論の中でも、県としてのバックアップ、この議場でも再三にわたっていろんな御質問が出ているわけであります。そうしたものを全て本庁がやるのがいいのかというと、私は、現場に近い、今の組織でいけば地方事務所がしっかりと対応していくということが必要だというふうに思っております。

 しかしながら、権限はできるだけ身近な自治体にあるべきだということを考えれば、県の現地機関に対する権限移譲だけじゃなくて、市町村がもっと担っていただけるものは担っていただくということも片方で必要だろうと思いますので、そういうことを考えれば、市町村との役割分担ということも十分視野に入れながら、現地機関、地域振興局(仮称)のあり方ということは考えていかなければいけないというふうに思っております。

 この議場でも申し上げたと思いますけれども、私がかつていわゆる地方振興課長を担っておりました岩手県では地方振興局という総合現地機関を置いておりました。そういう中で、財源、権限は、本県の現状の地方事務所に比べると比較的持っていたし横断的な権限を行使していたということであります。

 権限のあり方あるいは組織のあり方というものは、これが唯一絶対正解だということはないわけでありますので、私としては、どういう組織をどこまで統合するかということについては今の時点でこうあるべきだということを確実に持っているわけではありませんが、しかしながら、先ほどから申し上げておりますように、長野県の強みというのは各地域がさまざまな風土や特性、個性を持っているということであります。ここをしっかりと県の現地機関がサポートできる、あるいはみずからが担っていける、そうした組織ということを十分念頭に置きながら現地機関のあり方を考えていくことが必要だというふうに思っておりますし、私が念頭に置いております地域振興局(仮称)というものも、そうした機能を担えるような組織ということでございます。

 そうした観点で行政機構審議会において十分議論を行い、そして市町村あるいは県議会の皆様方の御意見も伺いながら方向づけをしっかりと行っていきたいというふうに考えております。以上です。


◆企画振興部長(原山隆一)
 

 リニア中央新幹線についてのお尋ねでございます。リニアの建設工事の認可によりまして開業に向けた動きが本格化していく中で、今後、新幹線建設に必要な用地を確保する必要があります。また、伊那谷自治体会議において決定いたしましたリニアバレー構想骨子に基づいた取り組みも進めていく必要がございます。

 用地取得事務に関するJR東海との協議が調った後には、建設工事に関する課題への対応は建設部のリニア整備推進局が、そして、リニア整備を契機とした地域振興は引き続き企画振興部が担当いたしますが、両者の連携は常に確保してまいりたいというふうに考えております。

 また、昨年設置いたしましたリニア地域振興推進本部と現地本部を活用いたしまして、ソフト、ハードの両事業の情報共有しながら部局間及び本庁と現地との間の連携をさらに緊密に図りまして、事業効果がより一層高まるように取り組んでまいりたいというふうに考えております。

◆建設部長(奥村康博)
 

 リニア中央新幹線に係る関係部局、本庁、現地が一体となった取り組みについてのお尋ねでございます。企画振興部長の答弁にもございましたが、リニア中央新幹線に関する施策の調整や効果的な推進については、リニア地域振興推進本部及び現地本部において部局間、現地と本庁間が連携して取り組んでいるところでございます。

 建設部といたしましては、昨年10月に発表いたしましたリニアに関連した道路整備について国や関係市町村と連携した取り組みを進め、伊那谷交流圏、またリニア3駅活用交流圏の実現を目指してまいります。以上でございます。

◆小島康晴

 知事に重ねてお尋ねはしませんが、ちなみに、過日、常任委員会で京都府を視察した際漏れ聞いたところでは、京都府には山城、中丹、南丹、丹後の四つの広域振興局がありまして、それぞれに理事級の局長がいまして、部長と副知事の間くらいになりますか、そのもとに企画総務部、健康福祉部、農林商工部、建設部があって、それぞれに地域の振興計画や各種プラン等があって、広域振興局の予算も毎年度二、三千万円程度あるというふうに聞いてまいりました。

 いずれにしましても、何か絵があって諮問されると審議もしやすいかなということでお聞きしたつもりでございますので、お願いしたいと思います。  それで、京都の広域振興局長のところには、二、三千万円、自由とは言いませんが、予算があるということで、地方事務所長とは違うかもしれませんけれども50万とは2桁ぐらい違いますので、例えば飯田、下伊那で何か課題があって困っていることがあったときに、地方事務所長なり将来の現地の長が200万とか300万とかぽんと出してくれる、そういうふうになると地域と県が一体となって分権が進むというイメージが湧くんじゃないかということを申し上げておきたいと思います。

 続いて、一部所管委員会にかかわりますのでお許しをいただきまして、ネット被害から子供を守ることについて伺いたいと思います。  連日のように子供をめぐる痛ましい事件が伝えられています。その中で、ネットにかかわる子供たちの状況も大変なことになっているわけであります。議場の同僚各位にも御理解いただくために、この場にふさわしいかどうかわかりませんが幾つか事例を申し上げてみたいと思います。

 LINEというもので誹謗中傷したり、仲間外れにしたり、いじめをしたり、そういったことが県下各地の中学校、高校で本当にたくさん行われております。

 例えば高校生の例で申しますと、他人のプリクラを無断でLINEに配信してしまう、飲酒、喫煙の映像をLINEに掲載する、出会い系アプリに登録してしまい有料の請求や知らないメールが多数届くようになってしまった、あるいは、毎日死ねの書き込みをされる、線路上に寝転んだ写真をツイッターに投稿した、あるいは、県下の中学校の実例ですけど、LINEで知り合った社会人と会う約束をしてしまった、出会い系アプリに写真を掲載してしまった、クラスメートのシャワー写真を盗撮してLINEで回した、LINEパーティーでスタンプしない生徒に学校に来るなと仲間外れにする、成り済ましでフェイスブックをつくってプライベートを公開してしまう、暴走族とLINEの仲間になってしまう、あるいは、ツイッターで誹謗されて被害者は不登校になってしまった、LINEに生徒の成績が漏れて載ってしまっている等々でございます。

 さらに、小学校でも、登校時にコンビニで買い食いをしている動画を投稿するとか、あるいは、ゲーム機のすれ違い通信を使って社会人と知り合う、あるいは、他人のクレジットカード番号を盗み見て有料ゲームをダウンロードする、さらには、犯罪的ではないですけど、3DSでネット依存になってしまって夜遅くまでやってしまって抜けられない、朝起きられない、学校に行けないといった小学生、中学生がたくさんいるということであります。

 こういった状況は私どもが知り得たもので氷山の一角かもしれません。知らないうちに加害者になってしまうこともありまして、それはまたある意味では一つの被害ともいえるとも思われます。子供たちがこうしたトラブルや犯罪に巻き込まれないようにしなければなりません。知事はこれら申し上げたような現状をどのように把握しておられるでしょうか。

 また、これらにつきまして、いわゆる子ども支援条例や、今回提案されていますいじめ防止条例で十分対応可能と考えておられますでしょうか。知事に伺います。 また、さまざまな一般的な啓発活動やあるいは携帯電話会社との連携協定なども取り組まれておりますし、教育委員会、警察、あるいは県民文化部、それぞれの担当ごとにいろいろ取り組んでいただいているところではありますが、ある面で縦割りでの対応のおくれも懸念されるわけです。

 さきに紹介したようなさまざまな大変な事例に対する相談や、相談の結果支援が必要な場合、LINEの登録を削除するとか2ちゃんねるの登録を削除する、そういった具体的な半分プロのような相談や支援につきましては民間のボランティア的な皆さんの活動にいわばお任せになっているんじゃないかと思われるわけです。これはやはり県も責任を持って何とかしなければならないと思うわけであります。

 信州の大切な子供たちを守る観点から、知事のリーダーシップのもと、迅速で専門的な相談・支援体制を整えるべきと考えますが、いかがでしょうか。あわせて知事に伺います。

◆知事(阿部守一)
 
 お答えします。子供たちのネットでの被害について2点御質問いただきました。

 まず、現状をどう把握しているか、そして、子ども支援条例、いじめ防止条例で対応可能かという御質問でございます。  民間の相談・支援機関でありますセーフティーネット総合研究所、ここのデータによりますと、児童生徒のインターネット関連のトラブルに関する相談・支援件数、平成21年度に58件であったのが平成26年度は2月末までの11カ月の間で527件、約9倍です。年間にいけば10倍近くという形になろうかと思います。そういう意味で件数的にも非常にふえているという状況でありますし、また、携帯端末機器、平成24年以降、急速に普及した携帯ゲーム機や携帯音楽プレーヤー利用に係る相談が急増してトラブルに巻き込まれる子供の低年齢化が顕著と。私も当初わかりませんでしたけれども、携帯ゲーム機でいろんなサイトにつながっちゃうということ、よくわかっていない保護者の方とか親が多いんじゃないかということの御指摘を私も受けました。

 また、ネットでの嫌がらせ、あるいはいじめというのは、小島議員の御質問にもありましたけれども、一度ネット上に掲載されるとなかなか削除できなかったり、瞬時に拡散したり、あるいは誰がやっているんだかわからない。かつてのインターネットが存在しないときに子供時代を過ごした私からすると、恐らく想像がつかないようないろんな使われ方をされてしまっているのではないかというふうに思っています。そういう意味で、私どもとすれば、こうしたネットの負の側面に子供たちが巻き込まれるということが多発しているという状況、深刻に受けとめなければいけないというふうに考えています。

 子供支援のためには、未来を担う子どもの支援に関する条例に基づいて、この4月に子ども支援センターを設置してまいります。さまざまな相談に乗っていきたいと思いますし、人権侵害が生じた場合には委員会による救済手続も整備をしています。また、現在、御審議いただいておりますいじめ防止対策推進条例案におきましては、情報モラルに関する児童生徒の教育及び保護者に対する啓発活動を行うということや、あるいはインターネットの適正利用に関する学校と保護者との連携協力を促進していくということを規定をしております。インターネットを通じて行われるいじめの未然防止等を図ることにしております。

 しかしながら、単に条例ができてそれで世の中がよくなるわけではないわけでありまして、いかに実行あらしめるかということが大変重要だというふうに思います。具体的な施策、あるいは、これは、行政もしっかり取り組みますし、地域や家庭との連携した取り組みということも大変重要になってくるわけであります。

 来年度、教育委員会によります子どもの性被害防止教育キャラバン隊、これは全県立高校等へ派遣していきますし、また、青少年育成県民会議によります情報リテラシーに関する研修事業等ネット被害を防ぐための教育の充実強化を図ることとしておりますが、今後とも時代の変化に対応した対策ということを講じていくことが重要だと考えています。

 それから、専門的な相談・支援体制の整備という御質問でございます。

 ネット被害から子供を守るためには、迅速かつ専門的な対応ができる体制づくりということが必要であります。そういう観点では、行政機関だけではなくて、ネット関係の事業者、あるいはNPOでそうした取り組みをされている皆様方と連携して対応するということも重要だと考えております。

 子ども支援センター、さまざまな子供たちの相談のハブ機能も有するようにしていきたいというふうに考えております。教育委員会、警察に加えて、市町村、民間の相談機関ともネットワークを構築して子供を守る取り組みを進めていきたいというふうに思っております。特に相談業務については、相談員に十分な研修を行うとともに、ネットのトラブル解決などに実績がある民間の相談・支援機関にも協力を求めて、一緒になって、ネットによるいじめ、嫌がらせ、そうしたものの防止、あるいは、そうしたことが起きてしまった後の対応ということが行えるように体制のあり方を考えていきたいと思っております。

 以上です。



◆小島康晴

 ただいま知事からもありましたとおり、例えば音楽プレーヤーを子供が欲しいというと、お父さん、お母さん、場合によってはおじいさんやおばあさんが、音楽ならいいだろうと思って買ってあげると、それをどこかへ持っていくとインターネットとつながることができて、そして、先ほど申し上げたようなさまざまな犯罪まがいのことに巻き込まれかねないという状態がありまして、そういった子供の世界について大人とかあるいは学校の先生とか地域のほうは知らずにいて、進んでいるとは言いませんけれど、そういう状況になっているということでありまして、しかし、一方、やはり人の道というものをきちんと教えていくというのが、物理的ないじめもそうでしょうし、こういったインターネット上のいじめもそうではないかと思います。

 県政を身近にということを一つのスローガンに取り組んでまいりました。先ごろも心の距離というような御発言もありました。政治は政と言われますが、行政も含めてその大もとの肝心の心は忠恕にあると思います。真心と思いやり、これを抜きにして正しい行政はないと思いますし、この忠恕、真心と思いやりということを、ただいま申し上げましたような今の子供たちにもしっかりと伝えていかなければならないと思うわけであります。

 今だけ、金だけ、自分だけという言葉があるようですが、それでよければの哲学ではこの瑞穂の国は滅んでしまいます。

 この信州長野県から思いやりの心、忘れてはならない、見捨ててはならないそれぞれの集落、ふるさとの心を再生することこそ地域創生ではないかということを申し上げて、終わります。


 

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