2014.11月定例県議会-発言内容(小島康晴議員)

 

◆小島康晴

 まず、議案第13号「勤労者福祉施設条例の一部を改正する条例案」について伺います。

 今回の佐久、伊那及び木曽の勤労者福祉センターの移管の経過はどのようでしょうか。移管先の関係市町村とは、いわゆる円滑、円満に合意されたのでしょうか。また、将来必ず建てかえが必要になると思われますが、その際の責任の所在などはどうなっているのでしょうか。移管に当たってその辺の何か条件がついているのか。お尋ねします。

 そしてまた、今後の方向性でございます。

 残りの4施設、飯田、松本、中野、千曲も移管を引き続き目指していかれるのでしょうか。例えば、飯田地域では、さきの現地機関の統廃合で労政事務所が伊那に統合されてしまっておりまして、県の勤労者福祉といいますか労政の唯一の施設が飯田の勤労者福祉センターであるわけでありまして、ぜひとも県の施設として残すべきではないかと考えますが、以上、産業労働部長にお尋ねします。

 次に、地域自治組織のあり方と県の姿勢について、これまでの地方自治制度、広域連携の仕組みの変遷への評価について伺います。

 私の記憶では、これ以上合併しない、あるいはしなくてもいいようにと県が積極的に指導されて取り組んで、平成10年から12年にかけて10圏域全てで長野県の中では広域連合が結成されたわけです。

 しかし、そのやさきに平成の大合併が鳴り物入りで始まりまして、だまされたとは言いませんが、県もかかわって120市町村が77の現在の市町村数になってまいりました。そして、この合併が一段落するや、今度は定住自立圏なるものが出てきて、平成21年度から全国展開される。そして、ことしの春には市町村の連携協約制度というのが地方自治法の中に盛り込まれるということで、わずか十数年の間にこんなに目まぐるしく、言ってみれば地方は総務省に振り回されているんじゃないかという雰囲気がするんですが、これらをどう受けとめ、評価しておられるのか。総務省出身でもあり、幾つかの自治体経営にも参画してこられた阿部知事の所見を伺いたいと思います。

 それから、5月にいわゆる日本創成会議の増田レポートが発表されまして、地方消滅といったことが大きな話題となっております。しかし、一方、実例を個々に上げませんが、県の内外で若者のUターン、Iターンがふえるなど頑張っている地域もあるわけでございます。そして、これらを見ますと、大きな市とか町といった単位よりもう一回り小さいような単位で頑張っておられるように見受けられます。

 長野県人口定着・確かな暮らし実現会議では、二つの検討テーマとして、ストップ少子化戦略、いわゆる自然増と社会増戦略を掲げておられますが、お隣同士の町村、町内会とか、お隣同士の旧村、集落単位でも微妙にそれぞれ事情が違うわけでありまして、旧村単位とか、あるいは小学校区単位、さらには集落、小字単位というふうなきめ細かな単位での対策、自然増、社会増それぞれの対策が必要ではないかと思います。第一義的にはそれぞれの市町村の取り組みでありましょうが、県としても、きめ細かな支援をして、小さな足元を固めて人口減少に歯どめをかけ、そして地域を活性化していくべきではないかと思いますが、これも知事の見解を伺います。

 大きな3点目としまして、公営企業管理者を復活されてから半年以上たちました。企業局の水道事業移管の検討の現況と今後の見通しについて、知事には何も権限がないとのことですが、どのように把握しておられるか。知事に伺います。

 4点目、リニア中央新幹線についてでございます。

 1017日の国土交通大臣の工事実施計画認可を受け、知事も開会日の提案説明では県立大学より先にリニアを取り上げていただきまして、私も何度も知事の決意を議会のごとにお尋ねしてきましたが、改めて本部長としてこの事業の先頭に立つという知事の決意のほどを受けとめさせていただいております。

 いよいよ地域力を発揮すべきときと考えるところですが、そこで、道路整備等について、10カ所の整備方針や、およその事業費などの一定の方向が示されたわけですが、さらに地域が安心して将来に向かっていくためには、工事の着手、着工まではここまで、開業まではこの辺まで、そして、場合によっては開業後でも間に合うものといったような色分けをしまして、優先順位をつけ、工程を明らかにして、予算確保をして事業進捗を図っていただきたいと思いますが、この点、建設部長に伺います。

 なお、私も還暦近くになったせいかわかりませんが、後ろのほうで聞いておりますと知事の御答弁がよく聞き取れないことがあります。ぜひ、2期目のスタートをした知事の思いがしっかり県民の皆さんに伝わるよう、爽やかに元気よく御答弁いただくことをお願いして、1回目の質問といたします。

 

◆産業政策監兼産業労働部長(石原秀樹)

 勤労者福祉施設の移管についての御質問でございます。

 県立の勤労者福祉施設のあり方につきましては、行財政改革の流れを受けまして、県の労働問題審議会で労使の代表者や施設の指定管理者である地元市町村の代表者から構成されました専門委員会で検討が行われ、平成2310月に基本方針が報告されたところでございます。

 その基本方針の中では、勤労者以外の方の利用が多くなってきた今、地元市町村がその地域の実情に応じて自由な運営を行い得るよう施設を譲渡すること、譲渡に当たっては県が必要な改修を行い、市町村の当面の財政負担を軽減することなどが盛り込まれております。

 県といたしましては、この基本方針を踏まえ、県内7カ所の勤労者福祉施設につきまして地元市町村と移管の協議を重ねてきたところでございます。その結果、佐久、伊那、木曽、この三つの勤労者福祉センターにつきましては地元市町村から改修工事を行った上で移管を受けるとの御回答をいただきましたので、現在、来年4月の移管に向けまして必要な工事を進めておるところでございます。

 なお、移管後、地元市町村が所有する施設につきましては地元市町村が利用、管理運営することになります。県が附帯する特別な条件はございません。

 次に、今後の移管についての御質問でございます。

 残る四つの施設につきましては、今定例会に来年4月以降も引き続き地元市町村を指定管理候補者として提案を行っておりますが、審議会の基本方針を踏まえまして今後も移管協議を継続していくこととしております。

 飯田勤労者福祉センターにつきましても、今後、飯田市と移管に向けまして丁寧に話し合いを行ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

◆知事(阿部守一)

 自治のあり方についての御質問であります。

 私の答弁が聞きづらいということですので、はっきり明確に聞きやすく答弁を申し上げたいと思いますが、国と地方、それぞれ同じ方向を向きながらもやはり視点は確かに違っている部分があるというふうに思います。中央政府はオールジャパンに必要な施策、最大公約数的な施策、そうしたものを具体化をするわけでありますし、地方はそれぞれの地域の実態に合った施策に重点を置いて取り組んでいくわけであります。そういう意味で、これは、総務省に限らず、どこの国の役所でも必ずしも国の思いと地方の思いが全て100%一致するということばかりではないだろうなというふうに思います。

 そういう中で、地方の側とすれば、国が仮に地方の実態に合わないような制度とか、そういうものを強要してくるようなことがあれば、それは大きな声を上げて反対していかなければいけないだろうというふうに思いますし、逆に、国の制度をうまく生かしていく、利用していく、そういう知恵を発揮していくということも必要だというふうに思っています。

 県のいろんな仕組みをつくるに当たっても、例えば国が毎年のように制度改正されるといろんなコストがかかったりとか、そういうことはままあるわけであります。そういう意味で私は本質的にはもっともっと分権を進めるべきだというふうに思っておりますけれども、これからの県政運営に当たりましても、今申し上げたように、地方は地方の視点をしっかり持って取り組んでいきたいというふうに考えています。

 それから、旧村単位、集落等に対しての人口減少に歯どめをかけるときに、そういう単位に光を当てていくべきではないかという御指摘であります。

 集落、これは住民に最も身近な生活単位でありまして、暮らしの原点だというふうに考えております。今回の神城断層地震におきましてお亡くなりになられた方がいらっしゃらなかったというのも、日ごろからの人間関係、そして支え合う地域のコミュニティーの力によるものというふうに考えております。そういう意味で、これからの人口減少社会を迎える中で、農山村の集落、コミュニティーの機能をどう維持するかということは重要なテーマだというふうに考えています。

 今後、市町村におきましては市町村まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定するということになるわけでありますけれども、県としても集落の維持、活性化は重要なものだというふうに考えておりますので、県職員が地域担当として総合窓口となって、集落単位での人口の自然動態でありますとか社会動態の分析等を初めとした相談、情報提供等の策定支援を行っていきたいと考えています。

 また、県内の集落の中には、住民が危機感を持って立ち上がり、集落活性化に取り組み、一定の成果を上げているところもございます。県としては、集落再熱実施モデル地区支援事業等によりましてこうした取り組みをしっかり行っている集落を市町村と一緒に応援して、成功事例を積み重ねていきたいというふうに考えています。

 それから、水道事業についてでございます。

 公営企業管理者の権限と責任の部分については管理者が基本的に取り組んでいただいているわけでありますが、公営企業管理者からは、今年度に入りまして、水道事業について関係する市長、町長とも直接意見交換を行ったというふうに聞いています。そういう中で、この地域におけるよりよい水道事業のあり方をともに研究するため事務レベルでの研究会を設置し、結論ありきではなく、まず各市町の現状と課題についての認識を共有することから始めたいという報告を受けています。

 8月に研究会が設置され、既に3回開催された状況でありますが、今後、率直な意見交換を十分に行って、関係者が合意できるよりよい方向性を見出していただくことを強く期待をしています。

 以上です。

 

◆建設部長(奥村康博)

 リニアに関連する道路整備についてのお尋ねでございます。

 1024日、リニア関連道路として整備を目指す10カ所を県として取りまとめ、公表させていただきました。いずれの箇所もリニア中央新幹線の整備効果を広く県内に波及させるために必要不可欠で、同等に優先すべき整備箇所と考えておりまして、来年度以降着手し、平成39年のリニア開業時までの効果の発現を目指してまいります。

 現在、対象箇所の多くは調査や設計を進めている段階でございまして、地域への説明がこれからとなりますので、詳細な事業スケジュールにつきましては個別の箇所ごとにお示ししてまいりたいと考えております。

 今後、これまでにも増して国に強く財政支援を求め、着実に道路整備が進められるように必要な予算を確保してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

◆小島康晴

 勤労者福祉センターについては引き続き移管を目指すということのようです。私としては、地方分権、県民主権の本旨から、県行政の基本的方向としては県から市町村へ、本庁から現地機関へ権限や財源の移譲を求めてまいっておりますが、それはそれとして、ただいまの勤労者福祉センターに限らず、県が保有する地域の広域的、拠点的な施設につきましては、運営は地元に任せるとしても、将来の建てかえなどを配慮して、公設民営という言葉がありますが、それをもじって言えば県設市町村営というような感じであくまで施設は県が維持していただきたい、維持すべきと考えますが、この点について知事の基本的なお考えを伺いたいと思います。

 それから、日本創成会議の増田レポートの中では、地方の持続可能性という中で人口1万人以下が云々ということが言われております。1万人以下の町村がたくさんある本県において、先ほど国の制度をうまく利用してというお言葉がありましたけれど、知事自身として、広域連携とか自治の仕組みの中で、長野県においては今後どのような広域の連携の仕組みを重点的に進めていくというお考えか。その点を再度お尋ねしたいと思います。

 地域の活性化のために県の事業で大変役に立っておる、意義があるもの、そして評判がいいのは地域発元気づくり支援金でございます。この時期、毎年のようにお願いしておりますが、改めてこの点について伺いたいと思います。

 制度というか仕組みを変えて2年たったわけでございます。昨年の決算を見ますと、525団体、656件、約7億8,000万円の決算となっております。8億5,000万の当初予算のうち約7,000万円が活用されなかったということでございます。

 私としては、改めて予算額10億円の枠の復活とか、あるいは補助額の下限額を30万円とする、いわゆる足切りですね、の撤廃など、もう一度もとのように活用しやすいものになるように再度検討していただきたい、するべきだと思いますが、企画振興部長のお考えをお尋ねします。

 私ごとながら、私の亡き父は市の水道の担当をいたしておりまして、集中豪雨の際、水源地を見に行きまして、その帰りに事故に遭って殉職いたしました。

 市民の命のもとである水を守るのは市町村の根幹の仕事と私は誇りに思ってまいりました。県会議員になって初めて企業局が水道事業をやっていることを聞いてびっくりしたわけでございます。

 今、企業局のもとで市町村と話し合いをしているということでございますが、飯田市の場合は上郷町、鼎町と合併するまでは一部事務組合で上下水道をやっていました。いろんな方策があると思います。ぜひ検討していただきたいわけですが、知事御本人としては、水道事業は本来市町村がやるべきかどうか、その点どういうふうに考えておられるか。改めて知事の見解を伺いたいと思います。

 

◆知事(阿部守一)

 3点御質問いただきました。お答え申し上げます。

 まず、県有施設の市町村への移管についてであります。

 県有施設のあり方、これまでも、広域性、あるいは県としての役割といった観点から見直しをしてきておりまして、行政・財政改革方針におきましても移管に向けた検討をしていきますということを位置づけております。

 今回の勤労者福祉センターと同様に、他の県有施設につきましても、利用者の大半が所在市町村の住民であるような施設につきましては、これは利用者の利便性あるいはサービスの向上といったような観点から市町村に引き受けていただく、譲渡するということが適当というふうに考えております。

 譲渡に当たりましては、当然のことですが、当該市町村とは十分協議を行った上で進めていきたいと考えております。

 それから、広域連携、私としてはどういうものを使うのかというお話がありました。

 市町村同士の広域連携は知事がとやかく口出しする話ではないというふうに思いますが、例えば滞納整理も市町村との広域連合で行っているわけであります。これから、例えば人材の共同確保、福祉人材等専門人材の共同確保みたいなことについては市町村の皆さんと一緒になって考えていくテーマではないかなというふうに思っております。

 そういう中で、自治制度としてあるいろんな仕組みのうち、どういうものを活用するのが適切かということを考えていくべきであって、制度、仕組みが初めにあって何をするかではなくて、どういう地域のニーズがあるからどういう仕組みを使うかというのが基本的な発想だというふうに考えています。

 それから、水道事業につきましては、これは一義的には市町村が担うというのが基本だというふうに考えています。

 以上です。

 

◆企画振興部長(原山隆一)

 元気づくり支援金についてのお尋ねでございます。

 平成25年度の制度改正として、ソフト事業の補助率を10分の10から4分の3へ変更し、また補助額の下限額30万円の導入などを行ったところでございます。

 ソフト事業の補助率の引き下げによりまして自己資金が必要となり、その結果、協賛金や寄附金の募集など自己財源の確保の意識が高まり、資金計画がより綿密になって事業の継続性に期待が持てるようになったという点がございます。

 また、補助下限額の導入により対象外となった小規模な事業に対応するために、市町村の補助金を支援金の下限額の30万円まで引き上げたり、地方事務所では市町村と連携しながら市町村補助金の活用をアドバイスするなど、市町村補助金と支援金との役割分担が進んでいるという点も評価すべき点かと思っております。

 個々の事業の不執行額が生じた理由を見ても、事業内容の変更の割合が減少し、節約などによる事業費の縮減の割合が増加すると。そういった観点からも事業計画の熟度が上がっているということが読み取れると思っております。

 また、制度改正にあわせまして必要書類の記入例を示したマニュアルを作成するなど、多くの皆さんに活用いただけるよう工夫をしたところでございます。

 再度の見直しを行う考えはないかという御質問でございますけれども、今回の改正内容につきましては3年目となる平成27年度の事業実施後に検証する予定です。市町村ともよく相談しまして、さらによりよい制度となるよう努めてまいりたいというふうに考えております。

 

◆小島康晴

 県有施設につきまして御答弁いただきましたが、ぜひ将来の建てかえまで含めてよく話し合っていただきたい。率直に言いまして、今の飯田の勤労者福祉センターを将来飯田市単独で建てかえられるかというと大変難しいんじゃないか。その点を申し上げておきたいと思います。

 それから、地域自治でございます。

 合併のスケールメリットを生かす一方、地域の個性を生かすために地方自治法の中に地域自治区という制度を盛り込んでいただいたわけですけど、私としては何となく十分活用されていないんではないかなというふうに感じております。そんなことも含めてきめ細かな対応をしていただくという集落再熱の例も御紹介いただきましたが、取り組みをお願いしたいと思います。

 人口が減少していくということは歴史が戻るわけではないでしょうが、1億人を超えたのは戦後であるわけであります。明治の大合併のときは約300軒から500軒を標準規模として行われて1万数千の市町村になったということでございます。昭和の大合併のときは一つの中学校を維持するのがいいだろうと、人口8,000人ぐらいという数字が出されて昭和の大合併が進められたと。その後、平成の大合併になったわけですけど、地域づくりとか地域活性化という中で、しかし人口減少するという中では、明治の300戸から500戸というふうな例とか昭和の8,000人というのをもう一回参考にしていただいて、歴史を逆戻りするんじゃないんですけど、身近な声が届く範囲でのまとまり、きずなを大事にしていく、それが市町村を支え、それが集まって県になる。その一番もとの土台のところが崩れてしまえば市町村も県ももたなくなってしまうということだと思いますので、その点、ぜひお願いしたいと思います。

 それから、元気づくり支援金でございます。

 3年たったら見直すということでございますが、8億5,000万あって7,000万残るということですと大体一つの地方事務所分くらいが使い残してしまったということで、翌年に繰り越してまた使えるものでいいんですけど、それぞれの地方事務所で頑張っていただいて8億5,000万を有効に使っていただきたいし、ぜひ10億に戻していただきたいなというふうに思います。

 同時に、4月から3月という年度の仕組みの中でやっているためにどうしても支援金が使いづらいというところがあります。ぜひもう少し弾力的に、それぞれの団体、地域の実情に合った元気づくりが活用されるようにお願いしたいと思います。

 最後、リニアについては、対策というような後ろ向きじゃなくて、どんどん推進する立場でお願いいたしまして、終わります。

 

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