2014.6月定例県議会-発言内容(小島康晴議員)


◆小島康晴

 おはようございます。人事は基本的には理事者の専管事項ということは承知いたしておりますが、県政運営にかかわる部分もありますので、まず特別職のあり方についてお尋ねいたします。

 本年4月から公営企業管理者が置かれましたが、しばらく、8年くらいですか、職務執行者で対応されてきたところに再び公営企業管理者を置いた。いわば復活したその目的、目指すものは何か。知事に伺います。

 また、4年任期という意味では副知事にも匹敵する重要な特別職でありながら、議会の同意事項でないことについてどのように考えておられるか。総務部長に伺います。

 また、新たに着任された小林公営企業管理者には、公営企業管理者、すなわち経営のトップとしての抱負、経営面の抱負ですね、それと、特別職として4年間組織のトップに立たれるという、いわば組織面、人事面での心構えについて所感を伺いたいと思います。

 

◆知事(阿部守一)

 公営企業管理者を置いた目的という御質問でございます。

 公営企業管理者、これは、法令上、本来置くべきものというものであります。しかしながら、事業を縮小させる方向で本県ございました。企業局、縮小の方向でございましたので、そうした状況に鑑みて、平成18年の4月以降は置かずに、企業局長を職務執行者という形で対応してきました。

 近年、企業局の事業に関しましては、エネルギーをめぐる環境が大きく変化する中で平成2411月に電気事業の継続を決定したところでありまして、投資計画の立案等、今後の経営の方向性を明らかにしていく必要があること、また、水道事業に関しましても、市町村への事業移管等の方向性について関係機関との高度な交渉、調整が必要であること、こうした課題がございます。こうした状況を踏まえて、本来の体制に戻し、任命をいたしたところでございます。

 以上です。

 

◆総務部長(太田寛)

 管理者の任命が議会同意事項でないことに関する御質問でございます。

 地方公営企業法第7条の2に定められております管理者の任命手続におきましては議会の同意が求められていないところでございます。

 この同意が求められていないことにつきましては、公営企業管理者の地方公営企業の業務執行権は本来知事の執行権の範囲内にあるものであり、その上で公営企業管理者は経営の中心となる経済的行為を能率的に処理するための知事の補助機関であるという考え方によるものであると承知しております。

 

◆公営企業管理者(小林利弘)

 お答え申し上げます。

 公営企業管理者としての抱負と心構え等についてのお尋ねでございますが、私は、公営企業管理者に就任するに当たり、先ほど知事からもお答えがございましたけれども、8年ぶりに配置をされること及び法の規定により多くの権限が付与されている、こういうことから大変な重責であるということを痛感いたしますとともに、逆に、この思いは決して忘れることなく、いつまでも持ち続けなければならないということを考えたところでございます。

 その上で、企業局の経営状況は、昨年度も電気、水道両事業とも黒字を確保し、安定した経営状況にはございますが、一方で、人口減少社会の本格的到来や国におきます電力システム改革の推進など経営の根幹に関する情勢が大きく変化することが危惧されております。

 継続した安定経営確保のためには、常に細心の注意を払いつつ、10年、20年先を見据えた柔軟かつ計画的な取り組みを進めていく必要があるものと考えております。

 加えまして、企業局は、これまで、それぞれの地域におきまして、住民や事業者の方々、そして各市町村の御理解、御協力のもとに成り立ってきたものであり、地域との共存共栄こそが企業局の存在意義といっても過言ではないものと考えております。

 また、企業局は、県民の方々をまさにお客様としてサービスを提供しているだけに、職員一人一人が事業者としての意識を深め、スピード感を持って取り組んでいくことが必要でございます。

 私は、組織は人なりとの基本的認識のもとに、リーダーシップを発揮し、企業局職員全員の総合力により、安定した経営と地域との共存共栄のために最大限の努力を傾注をしてまいりたいというふうに思っております。

 以上でございます。

 

◆小島康晴

 それぞれ御答弁いただきました。そのこと自体について異を唱える気持ちは、冒頭申し上げたとおり専管事項ということで、ありませんけれど、しかし、率直に申し上げまして、昨年度におきまして、地方交付税削減を受けて、職員の皆さんも、知事御自身も、そして私ども県議会議員も9カ月間大きな給与や報酬のカットを行ってきたいわばそのやさきの出来事であったわけであります。

 公営企業管理者と職務執行者とでどれほど処遇が違うかは存じませんが、いずれにしても、御本人にも任命権者である知事御自身にも相当な責任があることをぜひ肝に銘じておいていただきたいなと思う次第でございます。

 そしてまた、さきの2月定例会の私の代表質問の中で恩師毛涯章平先生の「教師十戒」を紹介いたしまして組織運営の参考にもなると知事に申し上げましたが、新しい公営企業管理者にもぜひ「教師十戒」をお目通しいただき、組織運営の参考にしていただければと思います。

 次に、分権型社会の構築について伺います。

 地域主権を1丁目1番地とした民主党政権から自民党安倍政権にかわって1年半ほどが経ちますが、2000年以来進められてきました地方分権改革推進の取り組みが滞っているのではないかとの意見もあります。

 先日、前総務大臣の片山元鳥取県知事からもそんな話を伺ったわけですが、阿部知事から見て、現在の政府、安倍政権の分権改革推進をどのように捉えておられるか。伺います。

 私は、県会議員になって以来、折に触れて、県内の分権改革、県から市町村へ、本庁から現地機関へと訴えてまいりました。県民主権を掲げてこられた知事として、また、先ごろ新たに地域振興局といったお考えも示されたと思いますが、県から市町村へ、また本庁から現地機関へ権限移譲していくこと、長野県における分権改革、県内の分権改革の取り組みの基本的な考え方について伺いたいと思います。

 愛知県におきましては東三河県庁が設置されたことが話題になっておりますが、そのことにより、一例ですが、今まで名古屋に行かなければできなかった手続が豊橋でできるようになった、これが約1,000件以上あるということであります。また、専門的な相談事項などは名古屋から担当者が豊橋に来て受け付けるといったサービスが始まったということでありまして、一例ではありますけれど、広い県土の長野県におきましても、県民の皆さんの生活、利便性の向上を第一に考えて、一層、市町村や現地機関への権限移譲を進めるべきと思いますが、以上、2点、知事の見解を伺います。

 

◆知事(阿部守一)

 分権についての御質問でございます。

 まず、政府の地方分権改革に対する所見ということでございます。

 これまでの地方分権改革、地方分権改革推進委員会の勧告に基づいて、事務、権限の移譲、義務づけ、枠づけの見直し、こうしたことが行われてきたわけであります。4次にわたる一括法によりまして一定の権限移譲等がされてきたところでございます。

 かつて、平成5年に、地方分権の推進に関する決議、衆参両院で行われて、当時宮澤内閣でございますが、その後、地方分権推進法ができ、地方分権一括法が成立し、地方分権改革推進会議が発足しということで、順次、歴代内閣、基本的なスタンスは引き継がれてきているというふうに思いますし、第1次安倍内閣、平成18年から19年の間、地方分権改革推進法、あるいは地方分権改革推進委員会の発足というようなことがあって、その間、民主党政権を挟んで第2次安倍内閣、第4次一括法案が成立したと、そういう形で進んできたわけであります。

 全体的に見たときに、まだまだ地方の側からすると、例えば地方が強く求めてきております農地転用の問題でありますとか、あるいはハローワーク等、こうしたものが移譲されてきていないということを考えると、まだまだ地方分権改革は道半ばだというふうに思っております。

 今回、従来からの対応に加えて、地方からの事務、権限の移譲や規制緩和に係る提案募集制度も新たに導入されることになりました。これは、いいことだというふうに、いいことだというのは、地方の側がポジティブに動かなければ、地方分権改革は国にやってくださいというだけでは動いていかないわけでありますから、いいことだというふうに思っております。

 本県としては、今後とも、地方分権改革に不可欠な地方税財源の確保、充実を求めていくと同時に、提案募集制度を積極的に活用して地方分権改革が進むように地方の立場からも積極的に働きかけていきたいというふうに考えております。

 それから、県内の分権でございます。

 基本的な考え方ということでありますが、住民に身近な課題は住民に身近な行政組織で対応するということが基本的に望ましいというふうに考えております。そういう観点で、住民に最も身近な基礎自治体であります市町村でありますとか現地機関がより大きな役割を果たしていくことができるよう取り組んでいくことが重要だと考えております。

 長野県におきましては、本年4月の時点で、市町村に606の事務、現地機関に2,865の事務を移譲しております。私が就任したのが平成22年度でございますが、平成22年度からの4年間で見ますと、地球温暖化対策条例に基づく建築物に係る届け出等、新たに市町村に94事務、現地機関に69事務、移譲をさせていただいているところでございます。

 このうち市町村への権限移譲に当たりましては、本県の特徴的な取り組みとして、一律ではなくて、市町村の希望あるいは事務処理体制を踏まえ個別に対応をさせてきていただいているところでございます。

 今後、こうしたこれまでの取り組みの手法、効果、こうしたものについて改めて検証しながら、県民の利便性の確保がさらに一層図られるよう取り組んでいきたいと考えております。

 以上です。

 

◆小島康晴

 地方から国に向かってしっかり分権を訴えていく、そしてまた県内においてもなお一層分権を進めていくという御答弁をいただきました。ぜひその方向でしっかり取り組んでいただきたいと思います。

 次に、リニア中央新幹線、三遠南信自動車道について伺います。

 まず、リニア中央新幹線につきましては、JR東海が作成した環境影響評価書に対する環境大臣の意見書が国土交通大臣に提出されました。この環境大臣意見に対する評価はどのようでしょうか。また、国土交通省にいわば舞台が移ったわけですが、現在の進捗状況をどのように捉えておられるか。さらに、これを受けて、県として今後改めてどのように取り組んでいくか。企画振興部長にお尋ねいたします。

 それから、知事が今回示されました県政への思いの中では、未来への重点目標として教育、人材に焦点を当てるとされています。大いに賛同するところですが、そのためにも、安全で安心な、そして元気な地域づくりが欠かせません。その意味では、リニア中央新幹線、三遠南信自動車道は今後の私ども飯田、下伊那地域の最大の課題であるわけです。

 五つの県づくりというのを拝見いたしますと、直接リニアという表現がございません。本州中央部広域交流圏の整備という項目の中に含まれるということなんでしょうか。それぞれの同盟会の会長として現在も先頭に立って尽力されておるわけですが、この際、改めて知事の2期目の政策にしっかりとリニア中央新幹線、三遠南信自動車道推進を位置づけ、お取り組みいただきたいと思いますが、その基本的な考え方を伺います。

 

◆企画振興部長(原山隆一)

 リニア中央新幹線に関する御質問でございます。

 先ごろリニア整備に関する環境大臣意見が国土交通大臣に対して提出されましたが、自然環境の保全という観点では多方面にわたりしっかり意見を述べていただいたというふうに認識はしております。

 さらに、専門的な見地から工事用車両の通行に伴う生活環境への影響の低減などについて検討していただくよう、過日、国土交通大臣に対して要望書を提出したところでございます。

 JR東海では今後国土交通大臣意見を勘案して評価書を補正するということになりますが、当面は国土交通大臣意見を注視した上で、事業の実施に伴う環境負荷が極力低減されますよう関係市町村と連携して対応してまいります。

 こうした環境問題を初め、リニア活用基本構想に掲げた地域振興の具現化、アクセス道路や工事用道路などハード面の整備等多岐にわたる課題に対しまして、沿線市町村と連携しながら、あるいは伊那谷自治体会議等を活用して、広域的な調整を図りながら取り組んでまいります。とりわけ現地における取り組みが重要でありますので、4月に立ち上げました現地推進本部も活用し、適切に対応してまいりたいと考えております。

 

◆知事(阿部守一)

 リニア中央新幹線と三遠南信自動車道についての基本的な考えという御質問でございます。

 リニア中央新幹線、三遠南信自動車道、これらをしっかり整備していくということは、飯田、下伊那地域のみならず伊那谷全体が大きな発展を遂げていく大きなきっかけ、起爆剤になり得るものというふうに考えております。

 リニアに関しましては、飯田市にできる駅を核として、リニア開業をいかに地域振興につなげていくかということが重要だろうと思っております。リニアを見据えた地域づくりの指針としてリニア活用基本構想を策定したところでございます。今後、この構想、地域の皆様方の思いもしっかり受けとめながら具現化をしていかなければいけないというふうに思っております。

 また、三遠南信自動車道については、新たな交流と物流を生み出し、県境を越えた地域連携の礎となる重要な道路だというふうに考えております。6月16日には、私が期成同盟会の会長をさせていただいておりますので、国に対して、一層の事業推進、早期開通、要請をしてまいりました。引き続き整備促進に努力をしていきたいというふうに考えております。

 リニア、三遠南信がもたらすメリットを最大化させるために、私ども長野県と市町村、地域の皆さんが方向性を共有し、一体となって取り組んでいきたいと考えております。

 以上です。

 

◆小島康晴

御答弁いただきましたが、リニア中央新幹線、三遠南信、大変大きなプロジェクトでございまして、もう何年もかかっている。何度も言いますけれど、飯田、下伊那地域としては期成同盟会をつくって40年の歳月を尽くしてまいったわけであります。環境と調和していく、環境負荷を減らしていくということは当然ですけれど、しかし、また同時に、一日も早く実現してほしいというのが私ども地元の気持ちでありますので、ぜひ知事におかれても酌み取っていただいて一層の取り組みをお願いしたいと思います。

 最後に、県政に取り組む基本的な姿勢について伺います。

 知事は、いよいよ正式出馬を表明されまして堂々と2期目に向かっていかれるわけですが、御支援申し上げる立場としては改めてお尋ねしておかなければならないことがあると思います。

 平成2411月定例会で、私の質問に対し、知事はみずから知事自身も信州人であると答弁しておられます。1期目のうちは不安というか不安定な面もあったろうかと思いますが、いよいよ2期目に向かっていくわけでありまして、まことに古い言い方で恐縮ですが、いわゆる信州に骨を埋めるお覚悟で200万県民の先頭に立っていただけると理解してよろしいか。改めてお尋ねいたします。

 

◆知事(阿部守一)

 信州に骨を埋める覚悟かということで、これは、当然その覚悟で、この4年間もそうした覚悟と決意の上で取り組んできたわけでありますし、これからも引き続きそうした覚悟、県民のために私の全身全霊を費やす覚悟で取り組んでいきたいというふうに考えています。

 以上です。

 

◆小島康晴

 力強い決意を伺いました。老子の一節に、「ともにするには仁なるをもって善しとする」とあります。仁とは言いかえれば忠怒の心だと私は思います。

 知事におかれましては、一人でも多くの県民、そして県職員の皆さんと真心をもって気持ちを通わせ、信頼関係を構築して、力強くあすの長野県づくりを推進していただくよう期待申し上げまして、質問を終わります。

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