2014.2月定例県議会-発言内容(小島康晴議員)

 

◆小島康晴

 改革・新風を代表いたしまして質問をいたします。よろしくお願いいたします。

 先日の大雪のため亡くなられました皆様の御冥福をお祈りし、被害に遭われた皆様に心からお見舞い申し上げます。また、不眠不休の復旧に当たられている皆様にも敬意を表し、感謝を申し上げたいと存じます。

 さて、あの東日本大震災からはや3年がたとうとしております。あのとき、想定外の津波だとか想定外の原発の事故だとか、想定外ということが言われました。しかし、やはり行政とかあるいは政治としては想定外ということがあってはならない、そういうことで防災や減災の取り組みの見直し等を行ってまいったところであります。

 しかし、私自身、先日14日の日には大渋滞に巻き込まれまして、ふだんは2時間半くらいで帰れるところが10時間近くかかって長野から飯田に帰り着きました。その後、丸2日間雪かきに追われるというようなかつてない経験もいたしまして、まさに想定外であったということで反省をしておるところでございます。

 振り返りますと、今年度平成25年度は、春先の凍霜害、そして夏には台風の襲来、そしてこのたびの大雪等々自然災害に苦しめられた1年でございました。改めて、自然の大きさ、強さ、そして、人間がその自然の中にあり、その自然と折り合いをつけながら数万年生き長らえてきたということに思いを新たにいたしたところでございます。

 そこで、まず今回の大雪への対応について伺います。

 今回の大雪による現在把握しておられる被害状況の概要はどのようでしょうか。そしてまた、この大雪に対する県の対応、あるいは県として他の機関との連携についてどうだったのでしょうか。15日に連絡本部の設置、16日に対策本部の設置、そして17日に本部員会議の開催と、こういった時間的経過はどうであったのか。

 また、改めて私も地域防災計画を見返させていただきましたが、最後のほうに20ページほど「雪害対策編」というのがありまして、これが今回生きていたのか、見直しの必要があるかどうか。まだ経過の途中でありますけれど、その辺の状況について久保田危機管理部長にお尋ねいたします。

 そしてまた、今回の雪害につきましては国のほうでも迅速な支援策等を出されておりますが、やはり県としても大胆で素早い対応をする必要があると思いますが、そのことはまた被害状況がさらに明らかになる中でしっかり取り組んでいただきたいということでこの場ではお願いにとどめておきますが、先ほど申しましたとおり、私としても60年近い人生の中で本当に生まれて初めての大雪でございました。

 知事におかれましてもこのような経験は初めてかと思いますが、今回のような全県的な大雪について知事としてどのように受けとめておられるか。所感を伺いたいと思います。

 さて、2月県議会は予算議会とも言われておりますので、当初予算案につきまして幾つかお尋ねしたいと思います。

 初めに、「確かな暮らしが営まれる美しい信州」を基本目標に、新たな総合5カ年計画、しあわせ信州創造プランが本年度から始まっておりますが、この1年目のスタートダッシュはどうであったのでしょうか。その評価、手応えはどうでしょうか。また、それを踏まえて、2年目である新年度平成26年度の予算編成で意を用いられたことは何か。知事に伺います。

 そしてまた、知事が当選されて以来3年半経過いたしました。知事のその際の選挙の公約として掲げた信州底力宣言、確かな暮らしを守り、県民主権を確立するための基本政策の実現状況はどう捉えておられますでしょうか。

 その中で、各種条例制定については後ほどまとめてお尋ねしますので、条例以外の関係の諸施策につきましてどのようなふうに捉えておられるのか。また、任期最後の1年の予算案として、公約の実現あるいは仕上げのために重点的に予算配分されたようなことはあるのでしょうか。知事にお尋ねします。

 さて、昨年10月、予算編成前に、私ども会派としまして、基本施策24項目を初め各般にわたり予算編成と当面の課題に関する提案を行わさせていただきました。いわゆる老舗企業の表彰、顕彰など受けとめていただいたものが見受けられますが、どのようにこのような私どもの要望、提言を新年度予算案に反映いただいたか。知事にお尋ねいたします。

 さて、昨年の6月県議会で、総務省において職員給与費にかかわる交付税を削減するという地方自治の本旨に反する暴挙がなされまして、これに抵抗するように私どもは求めたところでありますけれど、結果としてはいわば総務省のおどしに屈して職員給与の削減、一般職3.8%等を行ったところでございます。

 その際、私は反対ですけれど、しかし、やるにしても少なくとも7月に交付税額が確定してから、その結果を見てからでも遅くはないのではないかということを申し上げたところでございますが、実際に6月に給与削減を決定し、その後、7月以降に交付税がどのような額で配分されたのでしょうか。そしてまた、この件にかかわって他の道府県がどのように対応したか把握しておられるか。そしてまた、そのとき、知事は、二度とこういう暴挙を許さないように国に働きかけていくんだ、今回はやむを得ないけど今後はさせないんだというような答弁をされましたけれど、26年度の交付税の見通し額はどのようになっていますでしょうか。数字にもかかわりますので岩﨑総務部長にお尋ねいたします。

 それから、今回、本庁組織の改正についてお示しありました。予算執行にもかかわりますのでここでお尋ねいたしますが、若干の課や室の統廃合があって行政改革の面では若干の努力の跡を認めることはできるわけですが、予算執行とか、あるいは総合計画の推進というのにふさわしい体制になったのでしょうか。5カ年計画の九つのプロジェクトを初めとした計画をあと4年間で遂行してまいるという中で十分な組織改正となっているか。お尋ねしたいと思います。

 例えば山岳高原観光課というふうに名称を変えるそうですが、これはかえって私は県民にわかりにくいかもしれないと思います。そのものずばりのようですけれど、観光は山だけかという話にもなりかねませんし、観光課の中におもてなし推進係というような多少奇をてらったような気がしないでもない係もあるようでありまして、さっき言いましたようにプロジェクトの推進という大きな命題に向かっていく、名前や形よりも中身が大事というふうに考えますが、本庁組織の改正にかかわって岩﨑総務部長にお尋ねいたします。

 続きまして、先議案件となっております補正予算案についてお尋ねいたします。

 259億円余りの補正となっておりますけれど、知事が消費税の引き上げについてはやむを得ないというお立場であるということはこれまでの議論で承知はいたしておりますけれど、国の財政が厳しくて税収確保するために消費税を8%、10%に上げなければならないと決定する一方で、5兆円ですか、その影響を減らすために追加財政支出をするというのは私は本末転倒ではないかと思います。

 3%から5%にアップした97年、その後、長期の不況になった、景気低迷になった、そういった反省は生かされているのでしょうか。今回の国の補正予算をどのように受けとめておられるか。また、これを受けて、今回の県のこの二百五十何億の補正予算によって県内経済は消費税増税の影響を避けていくことができるのか。知事にお考えを伺います。

 それから、新年度予算案を見ますと、いわゆる通年予算となっておられて2期目に向けた県民へのメッセージと受けとめたいと考えておりましたが、午前中、村石議員への御答弁ではまだその時期ではないというようなことでございました。

 私たちといたしましては、あと任期半年でありますし、わかりやすい県政運営というお気持ちがあるならば、今の時点ではっきり示されることがよいのではないかと考えまして、既に答弁はされていますので御答弁は結構ですが、私たちとしてはそのように判断していることを申し添えたいと思います。

 以上、1回目の質問といたします。

 

◆危機管理監兼危機管理部長(久保田篤)

 答弁に先立ちまして、今回の大雪の災害により被害に遭われた方に心からお見舞いを申し上げたいと思います。

 御質問は、大雪の被害状況、県の対応であります。

 まず、今回の大雪による県内の主な被害状況ですけれども、本日の午前8時現在で人的被害は、除雪作業による事故などで亡くなられた方が4名、負傷者は46名であります。

 住宅の被害は、一部損壊が8棟、床上の浸水が2棟、床下の浸水が15棟であります。

 それから、孤立集落は佐久地域と飯伊地域の6市町村14地区で発生いたしましたが、県消防防災ヘリによる救助や除雪作業によりまして2月20日までに全てが解消しております。

 また、県内の道路については、高速道路の通行どめは2月19日朝までに解除され、国道18号、19号、20号の通行どめは2月18日の朝までに解消いたしました。依然として10の国県道で通行どめが継続している状況であります。

 鉄道の運行休止につきましては、2月21日までに解消しております。

 農業施設被害などの被害状況については、まだ全体像を把握しているところであります。

 次に、県の対応についてであります。初動の対応を中心にいたしまして、その経過と関係機関との連携を説明させていただきます。

 まず、2月14日には県庁内の大雪情報伝達の会議、大雪警報が発表された地域の地方事務所長への注意喚起を行い、危機管理部では14日の夜から通常2名の宿直体制を5名体制に強化いたしまして情報収集を実施いたしました。その後、積雪が長時間となり、滞留車両の発生、交通障害が見込まれましたので、15日の朝に県大雪警戒対策連絡本部を設置し、危機管理部職員と各部局担当職員を参集させ、体制を強化して、15日には会議を3回行いました。また、大雪警報発表地域の地方事務所においても、職員を配置し、市町村への派遣等により市町村の被害状況の収集に当たりました。

 積雪のため高速道路や主要国道での通行どめ規制を実施したことにより、県内では道路上での大規模な滞留が複数発生いたしました。さらに、車両の滞留の長期化により車にとどまることを余儀なくされた者の安全確保を中心に、自衛隊や長野国道事務所から派遣された情報連絡員と情報共有を図り、対応いたしました。特に、国道18号軽井沢地域での交通渋滞の長期化の事態が車両の乗員の人命の危険に影響をもたらしていると考えられたため、食料や水などの県の備蓄物資の配布、軽井沢町と佐久市への自衛隊の災害派遣要請を行い、避難所を設置した軽井沢町、御代田町に災害救助法を適用いたしました。また、国道20号関係の茅野市、富士見町へも災害救助法の適用を行ったところであります。

 この間、知事は、15日、16日に登庁いたしまして、先頭に立って自衛隊、長野国道事務所、関係市町村長等と連絡をとりながら災害対応に当たりました。このほか、飯田国道事務所、NEXCO東日本、NEXCO中日本等とも電話連絡により情報収集や対応協議を行ったところであります。

 16日夜には県の体制を県大雪災害対策本部に格上げして県の対応体制を強化し、翌17日には本部員会議を2回開催いたしまして災害対応、情報共有と災害対応方針の確認を行ったところであります。

 以上でありますが、最後に県の防災計画についての御質問であります。

 県の地域防災計画の「雪害対策編」におきましては、豪雪に伴う被害として、交通機能の阻害による都市機能の麻痺、交通の途絶による集落の孤立、雪崩災害等を想定しているわけであります。

 今回の災害対応については、検証を行いまして、課題を整理した上で、今後、県地域防災計画の修正が必要であれば見直しを行ってまいりたいと、このように考えております。

 以上です。

 

◆知事(阿部守一)

 今回の大雪への受けとめという御質問でございます。

 まず、答弁に当たりまして、今回の災害により被災された皆様方に心からお見舞い申し上げます。また、今回は道路上で長時間滞留を余儀なくされた方々が大勢いらっしゃいました。そうした皆様方にもお見舞いを申し上げたいと思います。

 今回の降雪、軽井沢あるいは飯田など4地点の積雪深観測点で観測史上最大を記録するという形で、県全域にわたる記録的な大雪であったというふうに考えております。

 今回、通常の除雪体制を上回る積雪量があったということで、高速道路、主要国道が通行どめとなりましたし、また、時間の経過とともに一般道で車両が滞留するという事態が生じてしまったわけであります。この点が、これまでの雪による被害と大きく異なる点だというふうに考えております。

 先ほど危機管理部長から御答弁申し上げたように、私も、15日、16日、危機管理部に出かけて、自衛隊等の関係機関、あるいは、先般、県と市町村との協議の場でお互いの携帯電話の番号をしっかり共有しましょうということをしておりましたので、それを活用させていただいて関係の市町村長とも連絡を取り合う中で対応に努めたところでございます。

 今回、自衛隊の出動も要請をさせていただきました。浅間サンライン、そして国道18号線の対応については自衛隊の皆さんの活躍は大変大きかったというふうに思っております。また、国道事務所も県庁に来ていただいて、情報を共有する中で対応させていただきました。関係機関の皆様方の対応にも、私としては心から御礼を申し上げたいと思っております。

 自衛隊、警察、あるいは道路を初めとする公共施設の管理機関、そして市町村、こうした関係機関が相互に連携することはこれは当然重要なわけでありますが、今回再確認したのは、平時から顔の見える関係をつくっていくということが迅速な情報共有、対応に当たっては極めて重要だというふうに考えたところでございます。

 今回の災害応急対策における対応につきましては、しっかりと検証を行った上で今後の対応に生かしていきたいと考えております。

 また、今回の災害による被害は農業被害を中心にまだ引き続いている状況でありますし、応急対策ではなくて、復旧であるとか、あるいは農家の経営支援、あるいは観光地も大きな打撃を受けておりますのでさまざまな影響があります。こうした事態を私どもしっかり把握した上で適切な支援を行っていく必要があるというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、今回の大雪で幾つかの教訓が得られたというふうに思っておりますので、そうした点についてしっかりと今後に生かしてまいりたいと考えております。

 それから、予算の関連でございます。

 まず、しあわせ信州創造プラン1年目の手応えと新年度予算編成についてという御質問でございます。

 確かな暮らしが営まれる美しい信州の実現に向けて、政策推進の基本方針に基づき、平成25年度、積極的に取り組んできているところであります。具体的には、例えば経済構造の転換のところで申し上げれば、ナノカーボン技術を活用した世界の水問題の解決に貢献するアクア・イノベーション拠点の形成、これは、信州大学を中心に日本を代表する企業が参画して世界の水問題に対応していこうというプロジェクト、国において認めていただいて進めていく形になりました。

 また、山岳高原を生かした世界水準の滞在型観光地形成のための構想策定、26年度以降具現化に向けた取り組みの第一歩を記すことができました。

 また、医療の関係では、信州型総合医養成のためのプログラム認定でありますとか、あるいは発達障害者支援、年代に切れ目なく支援をしていけるようにということでサポーターを全国に先駆けて養成し、また、発達障害サポートマネジャーを設置するといったような取り組みを進めることができました。

 さらには、少子化対策ということでながの出会い応援プロジェクトでありますとか、教育については開かれた学校づくりを進める上で信州型コミュニティスクール、こうしたものについて進めていくことができました。

 また、ブランド戦略、信州の価値向上と発信におきましては首都圏総合活動拠点の整備の着手ということで、いずれも確かな一歩、大きな一歩を踏み出すことができたというふうに考えております。

 新年度の予算編成に当たりましては、こうしたプランの方針に沿った施策をさらに加速するという観点で編成をさせていただきました。各プロジェクト、総括マネジャーがおりますので、マネジャーと問題意識を共有するべく議論を行った上で、プロジェクトの中核となる事業についてはシーリングの対象外として、政策推進の基本方針に沿って財源を重点的に配分することに努めさせていただきました。また、従来の枠組みにとらわれず、部局横断的な施策の構築ということにも意を用いたところでございます。

 その結果、プロジェクト関連予算につきましては、前年度比45億円余の増ということで255億円余を計上して重点化を図ったところでございます。

 次に、私の公約の実現状況という御質問でございます。

 まさに、私、県政を進めるに当たって、一つの大きな課題として県民の皆様との約束を守るということを意識して取り組んでまいりました。公約に掲げさせていただいたものについては、かなりの部分、全部で96項目ございますが、実施済み、または実施中、あるいは、さらに私としてはもっとレベル感を上げなければいけないとは思いますが実施をしているというもの、合わせて約9割近くは着手をすることができたというふうに考えております。

 しかしながら、教育・子育て先進県の実現でありますとか、産業力、地域力の強化、こうしたものは個々の政策に着手すればよいというものではなくて、まだまだ相対的な取り組みについては力を入れていかなければいけないというふうに考えております。確かな暮らしが営まれる美しい信州の実現を目指して、さらに施策の充実を図っていかなければいけないと思っております。

 予算の重点配分についてでございますが、しあわせ信州創造プランの推進ということと、私自身が掲げた県民とのお約束を実現するということも意識をして編成をさせていただきました。例えば、中小企業の受注開拓支援、商談会の開催といったようなことにつきましては一般財源ベースでは対前年をかなり上回る、総額は国の基金等が減った関係で必ずしも増額できない状況でありますが、一般財源ベースではかなり増額をさせていただきました。また、パーソナル・サポート・センターの設置でありますとか、あるいは発達障害者を支援する取り組みでありますとか、こうした部分についてもかなり予算的には充実をさせていただいております。さらに、地域を活性化させるという意味での地域づくりのリーダー養成、それから学校校舎の耐震化の推進、公約で掲げさせていただいたものについても予算を重点的に配分するべく取り組ませていただいたところでございます。

 次に、改革・新風からの提案の予算案への反映ということでございます。

 県議会各会派からいただいております御提案につきましては、その趣旨、内容を最大限尊重させていただいて予算案の編成に努めてきているところでございます。

 改革・新風からは、10月の15日に、県政全般について24項目、各部局別政策について209項目、大変多岐にわたる御提案を頂戴をしております。そのうち県政全般に対する御提案につきましては、その御趣旨を踏まえて、かなりの部分施策に反映することができたというふうに考えております。

 地方交付税制度の堅持等の国への働きかけでありますとか、あるいは予算については経済対策予算とすることでありますとか、さらには中小企業の振興に関する条例の早急な具体化等々、県政全般にわたって御提案いただいている部分については相当程度実現することができたというふうに考えております。

 また、各部局別施策に対する御提案につきましても、各部局において十分検討した上で可能な限り施策化を進めたところでございます。

 それから、国補正予算の受けとめについてでございます。

 消費税率の引き上げにつきましては、私としては、社会保障の充実、安定化の財源確保、そして財政健全化といった観点で必要な取り組みだというふうに考えております。しかしながら、あわせて、税率引き上げに伴う反動減を緩和するとともに、経済を確実に成長軌道に戻していくための施策も重要だと考えております。

 今回、国の補正予算の編成に当たりましては、私から、直接、少子化については森担当大臣に少子化対策の充実について要請をさせていただきまして、これに関連する交付金も国の補正予算に盛り込んでいただいているところでございます。

 こうした観点から、国の補正予算、全体として見れば時宜にかなったものでありますので、私としては一定の評価をいたしております。

 本県では、国の補正予算を最大限に活用して、2月補正予算案、経済対策分を編成いたしました。来年度前半に需要が発現する事業を重点的に計上しているところでございます。また、当初予算案におきましても、経済・雇用対策、重点的に取り組むことにいたしております。

 県議会の御議決をいただければ、消費税率引き上げの影響を最小限に抑えることができるように、国、地方挙げた取り組みとして、この経済対策予算、迅速かつ着実に執行してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

◆総務部長(岩﨑弘)

 当初予算に関しまして2点お尋ねをいただきました。

 1点目でございますけれども、職員給与の減額の交付税への影響についてという点でございます。

 本年度の普通交付税の算定におきましては、平成25年7月から国家公務員と同様の給与削減を実施することを前提として基準財政需要額が減額をされるよう算定をされたところでございます。

 本県の普通交付税への影響額についてでございますが、普通交付税の計算が単位費用の減額のほかに補正係数等を用いますことから厳密に算定することはなかなか難しいというふうに考えておりますが、単位費用面については減額をされているということでございます。

 他の都道府県の対応状況でございます。7月から減額をいたしましたところが本県を含めて39道府県、9月または10月から減額をいたしましたところが3県、新たな減額は実施しないとしたところが5都府県でございます。なお、新たな減額を実施しない都府県は、従前からの減額を継続しているなどの理由によるものでございます。

 次に、国への働きかけと新年度交付税の見通しという点でございます。

 今回のような国の対応が再び行われることのないよう全国知事会を通じて要望を行いましたほか、本県独自でも総務省宛てに地方交付税法に基づく意見の申し出を行ったところでございます。これらの取り組みの結果などによりまして、平成26年度の地方財政計画におきましては地方公務員給与の削減が復元をされた上で交付税の総額が決定されたところでございます。

 続きまして、本庁課室の再編についてのお尋ねでございます。

 今回の本庁課室の改正でございますけれども、中長期的な視点からしあわせ信州創造プランを着実に推進するとともに、県民の期待に応えまして、時代の要請に柔軟に対応できる効果的な組織体制を構築するといった基本的な考え方に沿いまして、11月定例会において議決をいただきました組織条例を踏まえて決定をいたしたものでございます。

 今回の改正におきましては、3点ほど申し上げますけれども、1点目は、企画調整機能の強化あるいは地域振興施策の効果的な展開を図るために、総合政策課、あるいは地域振興課といった課を再編をしたところでございます。

 二つ目といたしましては、文化施策を効果的に展開するとともに、県民生活に関連する施策を一体的に推進するために県民文化部を新設をいたしまして、文化政策課、あるいは私学・高等教育課といった課を設置をしたところでございます。

 3点目でございますが、地域経済活性化に向けた産業施策の調整機能を確立するという目的で商工労働部を産業労働部に再編をいたしますとともに、サービス産業の振興を図るサービス産業振興室を設置をしたところでございます。

 以上、主なものを申し上げましたけれども、しあわせ信州創造プランを効果的に推進するためにふさわしい組織体制が整備されたというふうに考えております。

 また、施策の方向性をわかりやすく示して効果的に展開する観点から、課室の名称を含めた見直しも行っております。

 御質問いただきました山岳高原観光課についてでございますが、山岳あるいは高原といった本県の観光地の特性を生かしまして対外的なPRだとか職員を含めた関係者の意識の醸成、こういったことを図ることによって、山岳高原観光地あるいは本県の観光振興を一層効果的に展開するという考え方に基づきまして業務の見直しを含めて今回の再編を行ったものでございます。

 以上でございます。

 

◆小島康晴

 御答弁いただきました。大雪の関係につきましては、まだこれから被害が明らかになるということでございまして、申し上げましたとおり、ぜひ最大限の対応、対策をとっていただくようにお願いしたいと思います。

 また、消費税が4月から上がるということにつきまして、会派の要望にもありますし、知事としても努力いただくということですが、いわゆる97年の反省、繰り返しにならないように対応をとっていただくようにお願いしておきたいと思います。

 大きな3番目としましてお尋ねするんですが、日本を取り戻すという大きな看板があっちこっちに立っております。そして、日本を取り戻すと標榜された皆さんが政権につかれました。日本を取り戻すというのはどういうことかな、取り戻すべき日本とは何だろうかなどと考えますし、これを地域に置きかえれば、信州を取り戻すとか、あるいはふるさとを取り戻すということになるんでしょうか。そんなことを念頭に置きながら、以下、取り戻すということをキーワードに何点か理事者にお尋ねしてまいりたいと考えております。

 まず、農業・農村等にかかわる問題であります。

 人間とそれ以外の動物とを分けるのは農耕にあるとも言われております。道具を使うとか足で立って歩くとかさまざまありますけれど、自然に働きかけて作物をつくるということがやはり動物と人間の大きな違いだということだと思いますが、また、最近の研究によりますると、私ども子供のころは、縄文時代は狩猟採集移動社会で、弥生時代になると農耕定住社会だというふうに習ってきたわけですけれど、最近の研究では特に西日本では弥生時代は数百年もさかのぼるのではないかとも言われておりまして、いずれにいたしましても、二千数百年以上、この日本では特に稲作、米づくりが中心になって、瑞穂の国と言われるように進められてきました。

 しかし、残念ながら、休耕地とか耕作放棄地とかいうように、先祖の皆さんが2,000年かけてつくってきた田んぼや畑が荒れつつあるということです。そしてまた、さらにTPPへの参加や減反見直し等の新しい農政によって危機的な状況も生まれるのではないかと心配しております。

 TPP推進の皆さんの論調を伺いますと、TPPへの参加をきっかけに日本農業の国際競争力を高めて国内経済効率を高めようということのようでありますが、都市近郊の平たん地、広大な農地ならいざ知らず、本県のような中山間地を多く抱える地域ではなかなかそのようなことは難しいことであります。同じようにはいかないと思いますし、違った取り組みが必要であると考えます。長野県の中においてもさまざまな地形、風土がありまして、一律の対策ということは不向きであるというふうに考えております。

 そして、私は、農業・農村の復興という中ではやっぱり家族経営というのが基本ではないかというふうに考えております。そして、その家族経営をつなぎ合わせて集落で助け合って、結いとか言いますけれど、そういった集落営農、これなしには中山間地農業は続いていかないというふうに考えております。

 私の家では、先祖何代かわかりませんけど、農業から離れておりますので立派なことは申し上げられませんが、そうじゃないかというふうに思うわけであります。

 そして、この場でも何度もお願いしてまいりましたけれど、新規就農支援ということでIターンの方あるいは定年帰農の皆さんを支援することも当然大事だと思いますけど、私は、やっぱり、家族経営が基本という中では、その家族を引き継ぐいわゆる後継者の皆さんの支援こそ手厚くすべきではないか。また、農業関係者の皆さんからもそういう強い要望をいただいておりまして、ぜひ農業復活の基本姿勢としていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 また、昨年末に、伊那市で、ふるさと風景育成の集いというのが開かれました。そのパネルディスカッションの中で、諏訪の出身の画家である原田泰治さんは、子供のころ、伊賀良村、現在の飯田市伊賀良地区に何年か住まわれておりまして、その農村風景、農村での暮らしの中で、高いところから遠くを見る鳥の目と草むらに寝転んで小さなものを見る虫の目、その両方を養ってもらった、それが現在の作品のもとになっているんだというお話をいただきました。どなたもがほのぼのとした憧憬を覚える原田さんの作品、そのもとには伊那谷の風景あるいは信州の農村があったということだと思います。

 そしてまた、それは単に自然そのものということではなくて、長年の時間をかけて人が自然と折り合いをつけていた農村の姿ではないかと思います。そして、これをこれ以上壊すことのないように宝物として残していく、そして、それを観光や地域づくり、産業興しとして図っていく、そういった信州の農村の原点を守るような取り組み、決意を知事から伺いたいと思います。

 そしてまた、かつて里山の恵みと地域の生活は一体のものであり、自然と鳥獣とのすみ分けができてきたのではないかと思います。経済成長や都市化の中で農業や農村が軽視され、結果として鳥獣被害という形となってもあらわれているのではないか。そして、さまざまな鳥獣対策の取り組みが行われておりまして、それは引き続きお願いするところですが、やはりそれはある意味では対症療法ではないか。やはり、根本的に改めてかつての鳥獣とのすみ分けを取り戻すような、そういった観点からも農業・農村の復興を目指す施策をとるべきではないかと考えます。そしてまた、農地、農業、農村を国民共有の財産として守っていく、そのためには、言葉は悪いですが、なりふり構わず施策を打つくらいの覚悟が必要と感じておりますが、知事の御所見をお尋ねしたいと思います。

 さらに、農業の延長の中に日本食があると思います。ユネスコでも遺産として認められた和食、日本食、そして、本県では、例えばさまざまな漬け物とか、私どもの地域では干し柿と言われるように、信州ならではの食、そしてその中心にある米を中心とした食文化、こういったものをどう取り戻し、振興し直していくのか。

 例えば、象徴としてあります姨捨の棚田のようなものを、全国で既に数カ所となっていると思いますが、世界農業遺産に登録するような取り組みをするとか、そんなことも含めて、本県の食文化も含めた農村文化の価値の再発見とその伝承について前向きな取り組みを始めたらいかがかと考えますが、知事の御見解を伺いたいと思います。

 そして、米といえば日本酒でございます。和食、日本食に合うのも一番は日本酒だというふうに考えておりまして、本県は新潟県に次いで全国2位の酒蔵を擁している。そして、重要な地場産業、地域産業と考えております。

 我が県議会におきましても、昨年、日本酒で乾杯議員連盟というのを立ち上げたところでございます。一部では盛り返しているというお話も聞きますが、全体としては日本酒の需要は長期的には低減しておるということであります。その原因をどのように県としては捉えておられるのか。

 また、日本酒は、本来、水と米と米こうじでつくるものでありますが、昨今は必要以上に添加物を加えるものもあると聞いており、心配しているところです。ぜひ、信州の日本酒は本物ということで日本酒の復権、復興を取り組んだらいかがかと考えます。特に、阿部知事は日本酒がお好きだし、お強いように拝察しておりますので、前向きな取り組みを御期待申し上げ、お尋ねしたいと思います。

 4点目としまして、地域公共交通に関してお尋ねいたします。

 昨年末、国において交通政策基本法が成立いたしました。私どもが求めてまいりましたいわゆる移動権とか交通権というように言われるものは明文化はされなかったものの、第1条の法律の目的として「国民生活の安定向上及び国民経済の健全な発展」ということが目的として掲げられ、第8条では、交通施策の理念と実現のために国などの責務を明らかにするということで、国その他の責務が明らかにされたわけでございます。

 この交通政策基本法につきまして知事はどのように受けとめておられるのでしょうか。

 また、この法律よりある意味では先駆けて長野県の新総合交通ビジョンを昨年度策定し、今年度から出発しておるわけですが、1年早くつくってしまったということもありますので、この法律制定を受けまして新たな枠組みや方策を検討すべきかどうか。その辺を知事にお尋ねしたいと思います。

 先ほど農業・農村のお話をしましたけれど、農業・農村の衰退と地域公共交通の衰退は悪循環のようになっておると思います。人が減ってしまったのでバスの本数が減る、バスの本数が減って不便なことで人がまた出ていくというような悪循環じゃないかというふうに思いますが、改めまして、自治体内の公共バス路線や自治体間を結ぶバス運行について県はどのように支援、補助を行っているのか、あるいは行おうとしているのか。

 そしてまた、今回、新規事業で、広域間運行バスネットワーク形成事業補助金というものが提案されております。2,000万円ほど盛られておりますが、広域間運行バスというふうにありますと、振り返って高速バスの松本飯田線が廃止されたことが思い出されます。このとき県にはどのような思いがあったでしょうか。

 そしてまた、広域間ということで新たに予算を盛っていくということであるならば、例えば松本地区と上田、佐久地区を結ぶような広域間交通を考えておられるのかどうか。この点は原山企画部長にお尋ねいたします。

 地域公共交通という中で、やっぱりバスとか鉄道が中心ではありますけれど、地域にあってはやはり自家用車も欠かすことができません。両方大切にしなければならないと思うんですが、そうしますとやはり交通安全対策というものも大変重要になってくると考えております。交通運転マナーの向上といったソフト面、同時にまた、交差点改良、飯田のラウンドアバウトも評判になっておりますけど、交差点改良や歩車分離式信号などのハード、ソフト両面で取り組みが必要かと思います。県警察本部の重点課題の一つに挙げていただいておりますけれど、特に、新年度、どのようなことに重点を置いて交通安全対策をされるのか。山崎警察本部長にお尋ねいたします。

 大きな5番目として、リニア中央新幹線に関連してお尋ねをいたします。

 現在お示しいただいておりますリニア活用基本構想案がございますが、この構想案では、飯田市に設置されます予定の長野県駅を起点に、小さな範囲の伊那谷交流圏、一回り大きなリニア3駅活用交流圏、そしてまた長野県全体を含む本州中央部広域交流圏、この三つの交流圏を想定して、それぞれに課題が整理されてわかりやすいものになっていると感じておりますが、これから策定が確定するということでありますけれど、この構想案につきまして知事はどのように受けとめておられるのでしょうか。

 内容をどう受けとめているかということをまずお伺いし、同時に、この構想案は事務方のほうでまとめたと。いろんな方に意見を聞いたり調査したけれど、基本的には事務局で取りまとめたというふうに聞いております。若干耳の痛い言い方かもしれませんが、阿部知事におかれてはさまざまな施策決定をする際にいわゆる審議会とか検討会云々といったものが若干多過ぎるのじゃないかという御意見もあるところでありますが、今回、職員といいますか、事務局主導でこのように構想案を取りまとめるという手法も私はいいんじゃないかと思いますが、その手法についてもどのような評価をされておられるか。阿部知事にお尋ねをいたします。

 私どもの地域には伊那谷まるごと博物館構想というのがございまして、大まかに言いますと、博物館、美術館というような箱物だけにこだわらずに、地域全体のいろんな文物を、言ってみれば博物の代表として谷全体を博物館構想というふうに言うということだと思いますけれど、それを参考にしてみますと、昭和22年の飯田市の大火からの復興、その中から生まれまして60周年を迎えました飯田のまちづくりのシンボルであるリンゴ並木、さらには民間主導で運営しております夏の祭典人形劇フェスタ、さらには先ほど申しましたような交差点改良、ラウンドアバウト、さらには諏訪の御柱と同じ時期に行われます7年に一度の飯田お練りまつり等々、いろんな対象物がございまして、こういったことを観光客の皆さんの包括的な受け入れ態勢をつくっていく、そのために大切にしていくということを考えておりまして、リニアの駅に向けてのアクセス道路ということで建設部長を中心に取り組んでいただいておりますけれど、そういったハードの面と同様に、リニアの時代を迎えて、この地域のさまざまな文化が維持発展、継承されますようにソフト面での広域的な行政体としての県の支援をいただきたいと考えますが、知事の御所見を伺いたいと思います。

 また、リニア中央新幹線につきましては、いわゆる東山道の1,000年ぶりの復活だという識者もございますけれど、いずれにいたしましても、南アルプスを貫くなどの大変な大工事でございまして、大量の土砂搬出や環境の負荷などに対する住民の皆さんの不安も多くあるわけでございます。

 私どもの飯田地域には、国、県、市、そして中電が力を合わせて、若干規模は違うものの、天竜川治水対策事業というのを10年ほどかけてやってきた経験もございます。県も加わっていただいておりました。こういったことも踏まえて、県が指導性を発揮されまして、住民の皆さんの不安払拭を図りながら、リニアの早期開業に向けて知事には大いにリーダーシップを発揮していただきたいと考えますが、御所見を伺いたいと思います。

 大きな6番目として、県境を超えた交流や観光振興についてお尋ねいたします。

 東京の銀座に設置される予定のシェアスペースの現場を私も先日拝見いたしまして、大きな期待感を持ったところでございます。しかし、同時に、あの立派なビル、あの地域を見ますと、費用対効果を考えてなかなかこれは大変だ、よほどの覚悟を持ってやっていかなきゃいけないなというふうに感じたところでございます。

 知事の御挨拶の中でも首都圏と信州のつながりをより強固にということを言っておられて、その点は理解できますけれど、2,000万、3,000万いる首都圏という大きな海の中にぽつんと一つの島のようにシェアスペースが浮かぶわけでございまして、これをどのように活用していくのかということ。そしてまた、私は大変残念に思っておりますけれど、名古屋の駅前の一等地のアンテナショップ、それを見直して廃止した経過、これらも踏まえて東京でのシェアスペースの効果をどのように発揮していくのか。お伺いしたいと思います。

 また、東京にそういった拠点を置くことは結構でありますけれど、長野県の産業やブランドの外への発信は極めて重要でありますし、昔から、本県は多くの県と県境を接しておりまして、産業や文化の交流によって繁栄してきた面があると思います。そういう意味では、東京だけに限らず、全体の政策としてはあれかこれかの時代と言われていますけれど、外への発信についてはあれもこれもという発想でぜひとも各部を挙げて発信していただきたい、全力をもって取り組んでいただきたいということでございまして、首都圏以外への情報発信の考え方についても伺いたいと思います。

 さて、いよいよ北陸新幹線、長野新幹線が金沢まで延伸すると、間近になってまいりました。長野県としては、北陸方面との交流、協調が期待されるところでございますが、県の基本的な取り組みのスタンスはどのようなものでしょうか。

 長野が通過点とならないようにという消極的なものではなくて、例えば大阪から金沢に日帰りしていたような人々に足を伸ばして長野まで回ってきてもらい、泊まって、そして帰りは例えば中央線に乗って安曇野や松本、木曽を通るというような周遊ルート、その逆でもいいんですけれど、そういった周遊観光ルートを打ち出すなど、関西方面に視野を強く持って、長野が関西方面の目的地になろうというような気概を持った観光の取り組みがよろしいんじゃないかと思いますけれど、知事の御所見を伺いたいと思います。

 さて、私どもの地域には三遠南信交流ということがございまして、南信州、飯田、下伊那地域と東三河、遠州ですね、都市でいうと浜松、豊橋、飯田ということになりますが、この三遠南信交流の中心であるサミットというのが7巡いたしまして、21年やってまいりました。最初は行政や経済団体の年1回の顔合わせというようなものでありましたが、だんだん脱皮してまいりまして、いよいよ広域連合を展望するような事態になってまいりましたし、特に住民の皆さんの自主的な三遠南信の交流という輪が広まり、定着してきております。

 県にも御尽力いただいて、いよいよ三遠南信自動車道青崩トンネル工事が始まってまいりました。こういったハードがそれなりに着々と進んでおります。ぜひ、それを支えるソフトの面でも、住民交流のようなソフトの面に対しても県の積極的な物心両面の支援をいただきたいというふうに思います。例えば元気づくり支援金を県を超える取り組みでも対象とするようなことも含めて、交流支援に対する基本的な考えがどのようか。知事に伺いたいと思います。

 観光は光を観ると言われています。その土地の衣食住を満喫し、誇りを持って生きている人たちが醸し出す光こそが最高の観光資源であるという御意見がございます。

 あの「千と千尋」の映画の舞台にもなった遠山郷では神様王国遠山郷といった取り組みをしておりますし、そういった取り組みは長野県のあっちこっちにある。それが小さくてもあっちこっちの光だというふうに思います。こういった各地のきらりと輝く、小さくてもその光をつなげることによって、そして大切にすることによって、シェアスペースとか大きなものもいいですし、いろんなイベント、パフォーマンスもいいですけれど、こういった地道に観光振興と地域振興を図っていく、そんな取り組みも大切と考えておりますが、具体的にどのようなことをお考えか。この点は野池観光部長に伺いたいと思います。

 さて、新年度、信州山の日の制定ということで、初年度として、知事のお言葉をかりれば全庁挙げて信州山の日を展開するということで大変結構なことと思います。聞くところによりますと、1年間、山、山、山でいくというふうなお話でございますけれど、少し事前の御説明等を聞いておりますと、県庁の中では全庁挙げてというお話のようですが、例えば森林の里親というような制度で積極的に山づくりにかかわっていただいているような企業の皆さんとか、あるいはさまざまな個人とか団体の皆さん、そういった皆さんがこの山の日の取り組み、関連事業に積極的に巻き込むというか、取り組んでいただけるような仕組みができているのでしょうか。その点、御説明をいただきたいと思います。

 続いて、知事の公約に関連して各種条例について伺います。

 知事の公約集の中では、「新しい信州を築くための条例の制定」といたしまして、中小企業振興条例、子どもの権利条例、障がいのある人も、ない人もともに安心して暮らせる条例、市民活動支援条例が掲げられまして、さらに、「雇用対策の推進」の項の中でいわゆる公契約条例の制定を研究するなどが掲げられております。

 今回の議会開会の冒頭説明で触れられました三つの条例に関連してここではお尋ねしたいと思います。

 まず、中小企業振興条例でございます。

 地域の皆さんの声を聞きますと、大学とかを出てきても地元に帰る職場がない、ぜひ産業振興をしてほしいというのが、どなたからも聞く声でございます。

 長野県産業の大部分は多くの中小企業の皆さんによって担われておりまして、その発展こそが雇用の創出にもつながる。その意味でも、今回、中小企業振興条例が提案されたことは大いに歓迎するものでございまして、この条例の目指すところ、特に産業振興の知事の基本戦略はどういうことか。お尋ねしたいと思います。

 それから、御用達経済という提言がございます。私も一つの信州産業の生き残りの道と考えておりますが、知事の御説明の中でもお金に依存しないサブシステムというような表現がありますけれど、もしかしたら共通の発想かと思いますが、グローバル化が叫ばれる中で企業の空洞化とか工場が海外移転されてしまっていますが、一方、よく見ますと、輸出入の重要性を否定するものではありませんが、国民総生産の6割以上はいわゆる内需というふうになっておりまして、地域の循環が大切だと考えるわけであります。

 いわゆる農産物の地産地消ということに限らず、さまざまな生産、製造物について地産地消あるいは域産域消で地域内で循環させることを目指して、ぜひ、大量生産、大量消費、大量廃棄の20世紀型経済から御用達で必要なものを必要なだけつくって、さらにその地域ならではの最高のものをつくっていく、循環させていく、そういった新しい地域循環経済の姿をこの長野県から発信したらどうかと考えますが、知事の御所見を伺いたいと思います。

 次に、子ども支援条例でございます。

 私どもの子供のころにもいじめや虐待がなかったわけではないと思いますが、今日では一つの社会問題となっております。

 知事の公約の中では、子供を取り巻く環境は厳しくなっており、生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利を守り、未来を担う子供たちが将来に夢と希望を持ち、伸び伸びと健全に育つ環境を提供するため条例制定したいというふうにされております。

 権利という言葉が出てまいりますと、権利の主体か、保護の対象かという議論になるようでございますけれど、私は両方だというふうに考えております。大事なことは、今の子供たちの状況をしっかり把握をして、子供たちのために今大人が何をしなければならないか、できるのかということだと思います。

 そこで、この条例制定で知事が一番目指したいことは何か、この条例の制定で本当に子供が救われるのか。午前中の御答弁もありましたけれど、この辺に突っ込んだお気持ちをお答えいただきたいと思います。

 それと、手続論的な話でございますが、午前中の議論を聞いておりますと、まだ少しこなれていないかなというふうな気がした面もございますけれど、二元代表制のもとで議論を深めてよりよい条例をつくるという考え方もあると思います。要綱案を示して、様子を見て、だんだんに踏んでいくという手順もあろうかと思いますけれど、これだという条例であって、しかもあと半年という任期の中では、継続審査とか否決というようなことを恐れずに、必要な条例でならば堂々と出して議会の議論を求めるという姿勢もあっていいのではないかと思いますけれど、その点について知事のお考えを伺いたいと思います。

 次に、長野県の契約に関する条例でございます。

 平成24年度の包括外部監査報告の中で特に印刷の場合を取り上げて、県にとっては経済的な調達ができることになるが、事業者、印刷業者にとっては無理のある金額での受注となっているおそれがあるという指摘がされています。

 また一方、日本建設業連合会の皆さんの資料によりますと、厚生労働省の資料がもとのようですが、平成24年度を見ますと、全産業の男性労働者の賃金の年総額が530万円ぐらい、建設業の男性の皆さんが約390万円ということで26%も低いという統計も出ております。

 こういった中で、地域の建設業を初めとした、あるいは印刷業を含めてさまざまな業種を守っていく、育てていく。そういう意味で、いわゆる公の契約の結果、官製ワーキングプアなんていうものができてはならない、そういうことも含めて、今回の条例制定によってこういうことが改善されることを期待するのですが、改めて知事の一番目指すところ、期待するところをお聞かせいただきたいと思います。

 それと同時に、こういった契約条例ができていく中で、いわゆるハードルが高くなって参加しにくい、あるいは経営が圧迫されるといった懸念を持つ皆さんもおられるということでございます。特に、建設業では平均落札率が92%ぐらいにも上がってきたという数字もございますけれど、本来、設計額というものを出して、標準的な材料費、標準的な人件費、そして適正な利潤、それでこそ100%で企業が継続していくという中にあって、90%とか八十何%とかということで本当にいいんでしょうか。

 どこかの県にもありますけれど、知事が先頭になって、例えばとりあえず95%を目指すというような姿勢を示すことによってこの条例推進の理解もされるんじゃないかというふうに考えまして、しかも、そうしないと、午前中、村石議員もおっしゃいましたけれど、あの大雪を見て、真夜中に重機を動かしている業者の皆さん、こういう皆さんがなくなってしまいかねない、地域から大事な産業がなくなりかねないということで、ぜひともこの条例を制定して生かしていっていただきたい、そういう立場で知事の御所見を伺いたいと思います。

 

◆知事(阿部守一)

 まず、農業・農村に関連する御質問にお答え申し上げます。

 農業・農村、農村風景、その原点を守る決意ということであります。

 私は、長野県全体を見渡したときに、長野県の価値というものは、美しい景観であったり、清らかな水であったり、そうしたさまざまな農村が培ってきたもの、守ってきたもの、そうしたものが長野県としての大きな財産だというふうに考えております。

 また、さまざまな経済対策等取り組んできておりますけれども、長野県が元気であるためには、農業・農村が元気でなければ長野県全体の活力は相対的には損なわれていくだろうというふうに考えております。

 そうした観点で、農業・農村、しっかり守り、そして引き継いでいくということが県として大きな役割だと考えております。

 農業を発展させていく上では、先ほどもお話ございましたけれども、若手の農業経営者の皆さんの役割、非常に重要だというふうに思っておりますし、また、農業者の皆さんとお話すると、私も家族経営のよさというものを非常に感じさせていただく機会が多くあります。

 これから農業を発展させていく上では、企業的に農業を展開できる農業後継者、新規就農者の育成と法人経営、集落営農、そして家族経営を含めた多様な形態の育成が重要だと思っております。こうした形態が中心となって、地域資源を有効に活用して農産物の高品質化、加工品等の開発や観光との連携など付加価値の高い農業を展開していくことが、農業・農村の活性化、そして新たな雇用の創出にもつながっていくと考えております。

 しあわせ信州創造プランに基づいて、高い技術、そして経営力を持つ地域農業の主体となる担い手の育成を進めると同時に、農産物のブランド化、高付加価値化、そして農山村の活性化、これからも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、米文化の継承、そして棚田の世界農業遺産への取り組みという御質問でございます。

 御質問にもありましたが、いろんな意味で食は大変重要だというふうに私は考えております。健康長寿の長野県を育んできたのも食でありますし、食の役割が大きいわけでありますし、また、農業・農村を守っていく上でも食に対するアプローチということは大変重要だというふうに考えております。

 信州の豊かな風土が育んだ伝統野菜、おいしい信州ふーど(風土)に位置づけて、これまで引き継がれてきた地域の宝をさらに活用していく取り組み等も行っております。また、学校給食における地元のお米を使った米飯給食でありますとか個性豊かな地場農産物の活用等、長野県が培ってきた食あるいは食文化を次代につなげる取り組みは大変重要だというふうに思っております。

 日本の食の中心にある米文化の象徴として、御質問にもありました棚田の保全もしっかり行っていかなければいけないと思います。

 世界農業遺産については、次世代に受け継がれるべき伝統的農法や生物多様性、農村景観の保全等に取り組んでいる地域を認定するというものであります。

 今、千曲市において26年度に認定に向けた事前調査を予定しているというふうにお伺いをしております。地域住民の皆さんとの話し合いを通じて、さらに検討が進められるというふうに考えております。

 認定に向けた動きは緒についたばかりということでありますが、こうした動きが長野県の誇る美しい自然や景観、そして信州ならではの食を維持し、米文化の継承につながっていくことを期待しております。

 日本酒の復権への取り組みであります。

 私もそこそこお酒を飲まさせていただく中で、やはり地域の自然環境あるいは文化と密接に関連している日本酒の重要性というものは大変強く感じております。しかしながら、日本酒の消費量、最も消費が多かった昭和48年度に比べると3分の1程度にまで落ち込んでいるという状況があります。この原因は、消費者ニーズの多様化によって、日本酒と競合する焼酎、あるいはウイスキー、ワイン、発泡酒等が好まれるようになったことに加えて、消費者のアルコール離れということも原因の一つだと指摘をされております。

 信州の食文化、地域と密接な関係を持つ日本酒については、農業あるいは地域振興との関連からも振興していくことが大変重要だというふうに考えております。

 近年、醸造アルコールを添加していない純米酒の需要が高まってきておりますし、長野県では、原産地呼称管理制度の中で、長野県産の米と県内の水を用いて県内で醸造された純米酒について厳しい官能審査を行った上で認定を行ってきております。こうしたものをどんどん発信をしていく必要があると思っております。

 また、工業技術総合センターの食品技術部門におきましては、県内の全ての酒蔵を巡回して製造技術の指導を行っておりますし、品評会、研修会の開催によって品質の向上に努めております。さらには、農業試験場、工業技術総合センター、そして県内蔵元の皆さん一緒になって長野県酒米研究会を立ち上げました。栽培しやすく醸造特性にすぐれた新たな酒米の研究にも取り組んでまいります。

 県議会におかれましても、信州日本酒で乾杯議員連盟、1129日に設立をしていただきました。県としても、信州の日本酒の品質の向上に努めながら、長野県酒造組合とも連携して、毎年行われてきております長野の酒メッセイン東京、私も参加をさせていただきましたが、こうした取り組みに加えて、ことしから新たに長野の酒メッセイン大阪が開催予定であります。こうした場において原産地呼称管理制度によって認定された信州の日本酒を含め、広く長野県の酒文化、そして日本酒の品質のよさ、PRをしていきたいというふうに考えております。

 次に、地域公共交通の関係の御質問でございます。

 交通政策基本法の受けとめと県の交通ビジョンについてでございますが、我が国におきましてはこれまで交通分野に関する国としての基本方針が明確ではなかった状況でありました。総合的な交通政策の展開が十分ではなく、結果として地域公共交通の衰退等を招いた面もあるのではないかというふうに考えております。

 昨年の12月4日に施行されました交通政策基本法は、人口減少、少子・高齢化等交通を取り巻く経済社会情勢が大きく変化する中にあって、国として初めて交通政策に関する基本方針を示したものでありまして、その意義は大きいというふうに考えております。殊に、通勤、通学、通院などの日常生活に不可欠な交通手段の確保に必要な施策を国の施策として明確に位置づけたことについては高く評価をするものであります。

 県としては、既に長野県新総合交通ビジョンにおきまして交通政策の方向性を明確にした上で具体的な取り組みを進めてきているところでありますが、今後、交通政策基本法に基づきまして国において策定される予定の交通政策基本計画の内容を踏まえて、必要があれば交通ビジョンに掲げた施策の方向性についても見直しを行い、地域公共交通の充実に向け取り組んでまいります。

 次に、リニア新幹線の関連の御質問でございます。

 まず、リニア活用基本構想案に対する受けとめでございます。

 リニア中央新幹線、経済の活性化、交流人口の拡大等地域に大きなメリットをもたらすわけでありますが、その整備効果、できる限り広く県内に波及させていくということが県としての役割だと考えております。

 リニア活用基本構想は、リニアの整備効果を地域振興に生かすための大きな道筋を示したものでございます。構想の策定自体は今後の取り組みの第一歩にすぎません。構想に掲げた内容をどのように具体化していくかが重要でございます。その実現に向けて、市町村、関係機関とともに取り組んでまいりたいと思います。

 職員主導による手法についての評価ということでございますが、今回、リニアを見据えた地域の将来像を描くという観点で、私としては、委員会の中で限られた方々の意見を聞くという形ではなく、むしろ、できる限り多くの皆様方から、伊那谷地域の将来期待している姿であるとか、あるいはリニアを活用した地域振興の方向性、そうしたものをお聞きするということが適切だということで今回のような手法をとらさせていただいたところであります。

 リニア沿線地域の自治体関係者、リニア中央新幹線建設促進長野県協議会の構成団体の皆さん、さらには県内外で活躍されている有識者の皆様方から幅広く御意見を伺って、この構想策定の作業を進めてまいりました。

 検討テーマによりましては例えば法律、条例等で設置されている審議会に諮る必要があるものもあり、また、専門的な知見が必要な場合には専門家を含んだ検討会議の必要もあります。職員主導という言い方が適切かどうかはあれですけれども、行政の内部だけで検討していったほうがいいのか、あるいは今回のように多くの関係者の声を幅広く聞いた形がいいのか、あるいは一定の専門家の皆様方に集まっていただいて方針を議論していただくのがいいのか、さまざまやり方があると思います。特定の形にこだわることなく、テーマに応じて、目的に応じて適切な手法を活用してまいりたいと考えております。

 それから、まちづくりのソフト面での県の支援についてということでございます。

 リニア活用基本構想におきましては、リニアの整備効果を地域振興に生かすためのさまざまな取り組みをお示しをしております。リニアを生かしたまちづくりを実現していく上では、御指摘のとおり、ハード面も重要でありますが、あわせてソフト面での取り組みの具体化ということも大変重要だというふうに考えております。

 県と地元自治体で伊那谷自治体会議を設置しておりますが、この中に専門的な協議を行う部会を設ける等をして観光客の受け入れ態勢等必要な検討を行い、具体化を進めていきたいと考えております。

 次に、住民の不安払拭、早期開業のためのリーダーシップの発揮という御質問でございます。

 リニア建設工事に関連して、さまざま住民の皆様方の不安、懸念というものがございます。リニア建設工事から発生する残土につきましては、県が窓口となってJR東海、市町村との調整を行っているところでありますが、この残土以外にも、水資源への影響、騒音、振動、あるいは日照の阻害等住民生活への影響が心配される部分もございます。こうしたことに関連いたしましては、環境影響評価準備書に対して関係市町村長からも多くの御意見をいただいているところでございます。

 私としては、環境への負荷ができる限り低減されるように、この準備書に対する知事意見を取りまとめていきたいというふうに考えております。

 また、住民の不安を払拭するためには環境保全という狭い観点だけでは必ずしも十分ではないというふうに思っておりますので、環境保全にとどまらない、さまざまな地元の皆様方からの御意見についても十分受けとめた上で、JR東海に対して適切な対応を求めていきたいと考えております。

 新しい年度にはリニア推進担当部長の配置、そしてリニア中央新幹線地域振興推進本部の設置等を考えております。こうした中でリニア整備に向けた体制を一層強化し、県と地域が方向性を共有してリニア中央新幹線の整備に努めていきたいと考えております。

 次に、県境を超えた交流と観光振興についての御質問でございます。

 まず、しあわせ信州シェアスペースの活用策と首都圏以外への情報発信でございます。

 シェアスペースにつきましては、しあわせ信州創造プランの一つの柱でございます信州の価値向上と発信を推進する上で重要な事業だと考えております。この拠点、単なる物産館ではなく、全館を通じて信州の美しさ、そして健康を発信し、信州の魅力を首都圏の皆さんと共有することによって、信州をかけがえのない地域だというふうに思っていただくことができるコアなファンをふやしていきたいと考えております。

 昨年度までの名古屋のコンビニ内の一角を借りて設置したミニアンテナショップ、物産のテスト販売を県単独で行う場でございましたが、今回は、市町村、企業、各種団体の皆さんとまさにオール信州で信州の「ヒト コト モノ」をトータルで発信をして、本県に経済活性化と交流人口の増加等の経済的な効果をもたらすように取り組んでまいります。

 東京銀座は、全国、さらには世界に開かれた窓でございます。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催決定によりその機能はますます高まるものと期待をしておりますので、この拠点を十分生かしてまいりたいと思います。

 しかしながら、他方で、首都圏以外への対応も御指摘のとおり私は重要だというふうに考えております。とりわけ、飯田、下伊那、あるいは木曽といった地域は中京圏との関連も強いわけでございますし、また、新幹線金沢延伸に伴いまして、これまで以上に関西圏を意識した取り組みということも重要になってきていると考えております。

 こうした観点から、新年度、例えば農政部と商工労働部が共同開催いたします県産農産物や物産の商談会については、首都圏のほか中京圏においても開催いたします。また、観光部におきます新幹線金沢延伸を生かした本県観光のメディア発信や旅フェスタへの出展につきましては、首都圏のほか中京圏、関西圏、北陸圏で行ってまいります。また、企画振興部における信州田舎暮らしセミナーは、首都圏のほか中京圏、関西圏において行ってまいります。こうしたことによりまして、首都圏総合活動拠点とも連携を図りながら、広い地域における効果的な情報発信に努めてまいります。

 次に、新幹線金沢延伸に係る北陸、関西からの誘客についてでございます。

 新幹線の金沢延伸、これまでアクセスが悪かった北陸地域と短時間で結ばれることになりますので、まさに新しいマーケットが誕生するものと考えております。御指摘のとおり、受け身ではなくて、積極的にこの機会を生かしていくことが重要だというふうに考えております。沿線市町村とも話した結果、平成27年度における各駅の新幹線利用者数の増加目標を定め、総体としての増客目標を年間80万人増加させようという目標を設定しているところでございます。

 首都圏あるいは関西圏から見た場合に、山岳高原の魅力を持つ長野県、そして海の魅力を持つ北陸という二つの地域、融合した付加価値の高い旅行が可能になるというふうに考えております。北陸と長野では地域特性が異なっておりますので、相互にお客様を送り合う相互送客という観点でも連携できると考えております。

 関西圏からは、新幹線、大量輸送が可能でございますので、学習旅行等の団体旅行でありますとか、JR西日本による乗車券と宿泊をセットにした商品化等が考えられることでございますし、モデルコースも北陸と一緒につくってきているところでございます。

 このように、石川、富山県を初めとする北陸各県と協力しての誘客の活動、そしてJR西日本と連携した具体的な商品設計、さらには経済界と協力し合う中で物産の販路拡大等を推進することによりまして、新幹線の延伸開業という大きなチャンスを県内経済のために生かしてまいりたいと考えております。

 次に、県境をまたいだ交流支援への基本的な考え方についてでございます。

 広域交通網の整備や県民生活、経済活動の広域化に伴いまして、県境を超えての連携、交流、ますます重要性が高まっていると考えております。これまでも、観光振興あるいは野生鳥獣対策等広域的な課題に対応するため、近隣県と連携を図ってきております。

 三遠南信地域のお話ございましたが、三遠南信道の要請に国に私も一緒にお伺いする際に、沿線の市町村長の皆さん大勢お越しになって、三遠南信地域の一体感、連帯感の強さというものを私も肌で感じてきているところでございます。

 今年度21回目となるサミットを迎えた三遠南信地域におきましては、地域づくり活動に取り組む住民団体が平成24年に三遠南信住民ネットワーク協議会を立ち上げてサミットにあわせて活動報告会を開催するなど、交流が広がっているところであります。

 県としては、こうした交流に対しまして、元気づくり支援金によりまして、平成24年度、25年度ともに7件の事業を採択しております。例えば、三遠南信地域住民によります伝統文化発信のための取り組みでありますとか、災害ボランティアの交流学習会とネットワーク化等を支援をしております。引き続き、各地域における住民による広域的な取り組みを支援すると同時に、県としてもみずから広域連携に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、山の日制定に関する県民参加等についての御質問でございます。

 平成26年度を信州の山新世紀元年として、1年を通じて、五感で感じる山、世界水準の山岳高原観光地、美しく安全な山、こうしたことをテーマに信州の山を盛り上げてまいります。こうした県を挙げての機運を醸成するに当たっては、さまざまな取り組みを検討する中で、市町村、企業、関係団体の皆さんと連携していくことが大変重要だと思っております。

 具体的には、信州山の日の制定を記念して、今後、市町村、関係団体、企業と一緒になって県下各地で住民参加型の行事を検討してまいりたいと思います。

 御指摘ありましたように、県だけがやっていてもしようがないわけでありまして、幅広く大勢の皆様方が御参加いただけるような機会を多くの団体、関係者の皆様方の力でつくっていっていただけるように働きかけていきたいと思っております。

 また、日本ジオパーク南アルプス大会の開催、あるいはユネスコエコパーク全国サミットの開催が予定されておりますので、こうした場を通じて長野県の山の魅力を全国に発信をしてまいります。加えて、次世代を担う子供たちが山に直接親しむ機会をつくろうということで、親子登山の開催でありますとか学校登山の促進に努めてまいります。

 また、今呼びかけ中でございますが、山岳の保全と活用をテーマにして、隣接する他の県知事との懇談も行っていきたいというふうに思っております。

 こうした中で、県民の皆さんに広く協力、参加をいただく中で、長野県の山、しっかり盛り上げる年にしていきたいと考えております。

 次に、条例についての御質問でございます。

 まず、中小企業振興条例について目的と産業振興の基本戦略についてでございます。

 中小企業、県内の総企業数の99%を占めております。時代のニーズに対応して基幹産業をしなやかに転換してきたように、本県産業発展の原動力でございます。地域社会を担う重要な存在でもございます。

 こうした観点で、中小企業振興条例案におきましては、中小企業の挑戦を県、関係団体、金融機関等が連携して応援することにより地域経済の活性化と地域社会の持続的な発展につなげる、このことを目的としております。

 県では、産業振興の基本戦略として、しあわせ信州創造プランの中で「貢献と自立の経済構造への転換」を掲げており、その推進に当たりまして、中小企業にはこれまでの経験とチャレンジ精神を生かした活躍を期待をしております。

 今後とも、市場ニーズを取り込んだ成長期待分野での製品開発あるいは有望市場への展開など、中小企業の挑戦的な取り組みを産学官連携により一体的に支援し、次世代産業の創出を促し、地域経済の活性化と雇用の創出につなげてまいります。

 次に、新しい地域経済の姿についてということでございます。

 しあわせ信州創造プランでも「環境・エネルギー自立地域の創造」ということを掲げております。地域内でさまざまなものを循環させていく取り組みということは大変重要な視点だというふうに考えております。

 長野県の経済循環構造に関しましては、民間のシンクタンクの試算によりますと、県内産業が製品等を県外に出荷したことにより県外から獲得した資金は6.9兆円、これは2005年の産業連関表ベースであります。そして、一方、県外から製品等を調達したことにより県外に支払った資金が6.1兆円であります。その結果、トータルではお金の流入が流出を0.8兆円上回っていると。長野県はお金が入ってきている側の県であります。

 中小企業振興条例案は、その基本理念において、地域の経済循環の創出が中小企業の発展に重要であることを規定しており、県はもとより中小企業者や県民に対しても県産品の積極的な購入に努めることを提案しているところでございます。

 県としては、この条例制定を一つの契機として県産品の利用等地産地消を進め、そして県内の地域内循環を促進することによりまして中小企業の振興と地域社会の持続的な発展を図ってまいります。

 次に、子ども支援条例の目指すものについてという御質問でございます。

 子ども支援条例の目指すもの、要綱案の「制定の趣旨」にも記載をさせていただいているところでありますが、一つは、人間関係が希薄になり経済格差が広がる等、社会環境が変化する中で子供たちを取り巻く環境が厳しさを増している。そうした中で子供たちをしっかり支えていく必要があるだろうというふうに思っております。

 また、みずからを大切に思う気持ちを持って自分らしく成長していくことができるよう支えていくということで、最近、自己肯定感が少なくなっているという指摘もされています。みずからのことを大切に思って成長していく子供たちを積極的に応援をしていきたいというふうに思っております。

 子供を支援するという観点で、今回、基本理念を定めているところでありますが、子供への支援、そして子供を支える側への支援に関しての基本的な方向性を定めることによりまして、例えば子供たちが安心できる居場所の整備であるとか、相談・救済機関の設置等を通じて子供たちが将来に希望を持ち、みずから成長する力を十分に発揮して育つことができるよう、施策や取り組みを展開してまいりたいと考えております。さまざまな困難に悩み苦しむ子供たちが少しでも少なくなるように取り組んでまいりたいと考えております。

 子ども支援条例の提案についてでございます。

 子ども支援条例に関しましては、先ほど申し上げました中小企業振興条例、それから契約に関する条例と異なりまして、パブリックコメントの結果についてこれまで県議会にお示しした上での議論をしていただいておりません。また、議会内で研究会のような場面で検討されてきたという経過もないわけであります。こうしたことから、今回、よりよい条例とするためにはさらに御議論いただくことが必要だろうというふうに考えました。したがって、今定例会には条例案という成案の形では提出せずに、要綱案ということで御議論いただく材料をお示しをしたところでございます。今後、多くの皆様方の御理解を得て条例案を提出してまいりたいと考えております。今定例会におきましては、幅広い観点から御意見を賜るようお願いを申し上げたいと思います。

 次に、契約に関する条例についてでございます。

 長野県の契約に関する条例の目指すもの、期待するものという御質問でございます。

 長野県の契約に関する条例案は、契約制度の公正かつ適切な運用を図りつつ多様化する社会的要請に応え、県の一定の行政目的の実現のため契約の活用を図ろうというものであります。

 この条例は、契約の締結及び履行の確保を通じてよい社会をつくることにつなげるため、例えば事業者の視点に立った県内中小企業の受注機会の確保あるいは専門的な技術の継承、あるいは、労働者の視点に立った雇用の確保や労働環境の整備、さらには、県民の視点に立った県民の安全、安心のために活動する事業者の育成等を基本理念に位置づけております。県民全体の福祉の増進を図ることによって豊かさが実感できる暮らしの実現を図ってまいります。

 こうした基本理念を踏まえ、県民の皆様に安全かつ良質なサービスを提供することができるようにするとともに、長期的かつ統一的に取り組むことにより、よりよい社会づくりに貢献することができる内容であると考えております。

 落札率に関連しての御質問でございます。

 この契約に関する条例は、企業の健全な発展もあわせて目指しております。県としては、過度な価格競争により企業の健全な経営が損なわれるようなことがあってはならないというふうに考えております。

 入札制度におきましては、これまでも、失格基準の見直しでありますとか、契約後、確認調査等を行い、ダンピング対策を実施してまいりました。この条例では、ダンピング対策として、適正な履行が通常見込まれない金額による契約を防止するということを基本理念にうたい、総合的にすぐれた契約の締結となるように公正で適正な応札環境を整備していくこととしております。

 また、それに加えまして、社会貢献を果たす事業者など地域に精通する事業者による入札など多様な入札方式の活用を図ることにより、将来にわたり事業者が地域の支えとして活躍できる環境の整備に努めてまいりたいと考えております。

 私に対する質問は以上でございます。

 

◆企画部長(原山隆一)

 バス路線の運行確保に係る県の支援についてのお尋ねでございます。

 長野県におきましては、現在、国と協調して運行経費や購入車両の減価償却費に対して補助することで、複数の市町村をまたいで運行される幹線的なバス路線の確保を図っております。

 なお、市町村内を運行し、これら幹線的な路線に接続するバス路線につきましては、国と市町村の補助により維持されているところでございます。

 一方で、これら生活バス路線の運行範囲を超えて広域的に運行される、いわゆる高速、急行、特急などと呼ばれるバス路線についても、本県におきましては主要都市間を結ぶ移動手段として重要な機能を担っております。

 新総合交通ビジョンにおきましても、鉄道とともに広域移動に欠かすことのできない交通手段と位置づけまして、路線の確保充実を図ることとしたところでございます。

 そこで、来年度、新たに広域間運行バスネットワーク形成事業を立ち上げまして、広域移動に不可欠なバス路線を運行する車両の導入への支援を予定しているところであります。

 お尋ねにありました高速バス松本飯田線の廃止についてでございますけれども、当該路線の利用者が著しく減少した中で、一定の代替措置、具体的には路線としては長野飯田線を活用し、また、松本インターチェンジ停留所へのアクセスには長野松本線を活用するといった代替措置のもとに、運行事業者において路線休止の判断に至ったものというふうに認識をしております。

 また、松本地域と上田、佐久地域との移動の確保につきましては、現在、松本商工会議所と上田商工会議所が中心となって直通バスの運行について研究されているというふうにお聞きをしております。円滑な広域移動には、こうしたバス路線も有効な手段の一つであるというふうに考えております。

 今後、北陸新幹線の延伸やリニア中央新幹線の開業などを見据えまして、新幹線との円滑なアクセスを確保するためにも、県内の主要都市を結び、広域的に運行されるバス路線の確保充実は不可欠であり、県としてもこれまで以上に積極的に関与してまいりたいと考えております。

 

◆警察本部長(山崎晃義)

 交通事故防止対策について御質問をいただきました。

 議員からの御指摘いただきましたとおり、交通事故を防止するためには、県民の皆様一人一人の交通安全意識の高揚を図るための交通安全教育や交通指導取り締まりなどソフト面での対策と、安全、安心で快適な交通環境整備等ハード面での対策、これを両輪として取り組んでいくことが何より大切であるというふうに考えております。

 まず、ソフト面における交通事故防止対策につきましては、参加体験型の交通安全教室を実施するなど、あらゆる機会を捉えての広報・啓発活動を積極的に実施してまいりたいと思っております。

 なお、ことしの3月末で終了いたします交通弱者総合安全対策事業にかわる施策として、緊急雇用創出基金地域人づくり事業を活用した、いきいき高齢者交通安全教育支援事業といたしまして、交通安全体験車、いわゆるチャレンジ号に加え、新たに導入した自転車運転シミュレーターを活用した高齢者交通安全教育事業を本定例会に予算計上させていただいておりまして、予算がお認めいただければ6月から導入する予定でございます。

 また、これらの対策を着実に推進するため、来年度には警察本部の交通企画課内に交通安全対策室を設置いたしまして、体制を強化して交通死亡事故抑止対策に取り組むこととしております。

 もう一方のハード面につきましてですが、来年度の主な交通安全施設として、新設信号機31基、歩車分離式信号11カ所、ゾーン3013カ所、ラウンドアバウト2カ所等を整備する内容を予算計上させていただいております。

 なお、御指摘いただきましたラウンドアバウトにつきましては、信号機数の削減等省エネ対策、大規模震災等に強い安全施設ということで大変有効なものだというふうに考えております。飯田市が全国に先駆けて導入したほか、軽井沢町でも運用しており、来年度には須坂市、安曇野市においても導入が計画されております。今後も、道路管理者や自治体、地元の住民の方々と緊密な連携を図りながら、導入に向けたさらなる取り組みを進めていこうと考えております。

 また、歩車分離式信号の整備につきましてですが、これは平成14年度から通学路を最重点として継続的な整備を推進しているところでありますが、平成25年3月末までに298カ所を整備いたしました。この整備率は信号機全体の8.63%となりまして、これは全国第1位の整備率というふうになっております。さらに、平成25年度中には62カ所の整備が完了する予定であり、総数は360カ所となり、その整備率は10%を超える見込みでございます。

 御指摘いただきました歩車分離式信号、これは、歩行者事故防止対策として効果も大きく、小学校を初め地域の皆様からも大変好評を得ておりますので、さらなる整備を要望する声が多く、今後も計画的な継続整備をしていこうというふうに考えております。

 

◆観光部長(野池明登)

 観光振興と地域振興、その土地の資源を生かした地道な取り組みの大切さという御指摘でございます。

 昨年3月に県のほうでも観光振興基本計画を策定いたしましたけれども、そこでも、長野県観光の目指す姿といたしまして「信州暮らしが憧れと感動を生む観光立県」を掲げまして、暮らしですとか日常に光を当てることを提案したところでございます。

 観光地の望ましい姿として、よく、住んでよし、訪れてよしの観光地というふうに言われますけれども、お話にもございましたとおり、住民が誇りを持てる地域に人は集まり、その意味で観光は地域づくりそのものであると言えるというふうに考えております。

 このような考え方を各地に広げるために、人材育成という面でも平成24年度から信州・観光地域づくりマネジメント塾を実施しておりまして、県下各地から推薦された塾生23名がこの3月に1期2年の修了を迎えまして、出身地域での実践に移り、来年度からは2期生を迎える段取りとなっております。

 御質問の中でも小島議員の思いが語られておりましたけれども、ありのままの美しい農村、長い間守られてきた伝統文化、風土に育まれた郷土食などを大切にした裾野の広い観光振興を、関係部局と連携をして、市町村、地域とともに着実に進めてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

 

◆小島康晴

 御答弁いただきました。農村風景については建設部が主管しておるということでございまして、ぜひ部局横断の取り組みのかがみとなるようにしっかり取り組んでいただきたいなと思います。

 それから、なぜ日本酒かということなんですけれど、醸造業全部そうだと思うんですけど、田んぼや畑でつくって、そして醸造、工業ですね、それを売っていくということで、まさに農工商、6次産業の草分けではないかと思って、日本酒にも限りませんが、みそとかしょうゆもいいんですけれど、そういった醸造業も大切な地域の産業として支援していただきたいなということでございます。

 それから、リニアにつきましては、お答えいただきましたけれど、ぜひ、この構想が絵に描いた餅にならないように、知事はみずから本部長になっていただくということでございますので、しっかりお願いしたいと思います。

 続きまして、大きな8番目、新県立大学と高等教育について伺います。

 新年度の予算にいよいよ1.6億円ほどの設計額とか、あるいは全体として初期投資が97億円、あるいは運営費が毎年15から18億というような数字も示されてまいりました。しかし、まだまだ県民の皆さんの中には不安とか懸念の声等もあるように感じられます。かじ取りが問われる大事な県政の課題と思いますので、幅広い意見を踏まえてどのように集約していくのか。改めて知事の決意を伺いたいと思います。

 それから、新県立大学が順調にいったとしても、やはり私立の大学等が県内の高等教育に果たす役割は大きいわけでございまして、その維持発展が期待されるところでございます。

 総合計画の中でも、アクション5といたしまして、「地域社会の発展に貢献できる有為な人材を育成するため、県内の高等教育全体を振興するとともに、県立4年制大学を設置します。」とされておりまして、その主な取り組みとしまして、「大学間の連携の強化や産学が協働して人材育成について対話する場づくりなど、長野県の高等教育全体を振興します。」とされております。

 そこで、大学・地域連携事業補助金と称しまして、今回、2,900万円とか新たな奨学金制度とか盛られておりますが、こういった新規事業が今申しましたような高等教育全般の振興という中の一環としてふさわしいものでありましょうか。その位置づけについて伺っておきたいと思います。

 次に、信州教育の再生と教師像について伺います。

 教育委員長さんの冒頭の提案説明をお聞きしておりました。教員の資質向上とか学力向上等々、もっともであるというふうに思いましたけれど、率直に申し上げまして信州教育再生の熱い思いが余り感じられなかったというのが感想でございます。

 信州教育の再生は、多少暴論かもしれませんが、学校教育の再生だと思います。そして、その柱は現場の教師の皆さんであるというふうに私は思いますが、教育委員長の目指される教師像、信州教育を支える教師の姿はどのようなものか。櫻井教育委員長に伺いたいと思います。

 さて、私自身も信州教育に育てられました。さまざまな思い出がございます。小中高それぞれの恩師に育てられて今日があるなというふうに深く感謝しておるわけであります。

 そして、わけても「三つ子の魂百まで」といいますけれど、やはり学校生活の入り口であります小学校低学年というのが大変重要であるというふうに考えております。

 私の小学校低学年の恩師に、「教師十戒」というものがございます。恥ずかしながら最近知ったわけでございますけれど、この十戒に基づいて本当にそのとおり接して育てていただいたというふうに感じておりまして、先生御自身も信州教育の骨であると言っておられますので改めて御紹介したいと思います。

  一、子供をこばかにするな。教師は無意識のうちに子供を目下のものと見てしまう。子供は、一個の人格として対等である。

  二、規則や権威で、子供を四方から塞いでしまうな。必ず一方を開けてやれ。さもないと、子供の心が窒息し、枯渇する。

  三、近くに来て、自分を取り巻く子たちの、その輪の外にいる子に目を向けてやれ。

  四、ほめることばも、叱ることばも真の「愛語」であれ。愛語は、必ず子供の心にしみる。

  五、暇をつくって、子どもと遊んでやれ。そこに、本当の子供が見えてくる。

  六、成果を急ぐな。裏切られても、なお信じて待て。教育は根くらべである。

  七、教師の力以上には、子供は伸びない。精進を怠るな。

  八、教師は「清明」の心を失うな。ときには、ほっとする笑いと、安堵の気持ちをおこさせる心やりを忘れるな。不機嫌、無愛想は、子供の心を暗くする。

  九、子供に素直にあやまれる教師であれ。過ちはこちらにもある。

  十、外傷は赤チンで治る。教師の与えた心の傷は、どうやって治すつもりか。

 これが十戒でございまして、例えば5番、「子どもと遊んでやれ。」とあります。本当によく遊んでもらったという覚えがありますし、先生みずからが手づくりの紙芝居などを見せてくれて心に残っておるところでございます。

 さて、現在の先生方には、子供と遊んだり、向き合って根比べするような時間があるのでしょうか。会議だ、調査だ、資料だ、あるいは保護者の皆さんへの対応だと追われているようにお聞きしております。現状、どのようになっているんでしょうか。

 また、私はこの「教師十戒」に触れまして、はっといたしました。ここの教師というところを自分たち親に当てはめてみたらどうだろうかということです。我が子に対してこばかにすることはなかったのか、我が子に対して心に傷をつけるような言動をしてしまったことはなかったのか、こんな反省をするわけでございます。

 そしてまた、教師と子供、生徒というところを、上司と部下とか、保護者と学校とか、地域と学校とかに置きかえて考えてみたらどうかなというふうに思うわけでございます。

 この「教師十戒」、10の戒めをもとに、改めて、先生、教師像をつくり上げ、子供を主役にしながら、現場で清明の心を持って頑張っておられる先生方、教師の皆さんを信頼して、家庭や地域でもこの十戒のような精神で学校を広い気持ちで支えていくということが本当に開かれた学校で肝心なことではないかというふうに考えますけれど、伊藤教育長の御所見を伺いたいと思います。

 次に、午前中もお話ありました、長野県が教育県と言われる中に寺子屋の数が日本一だったということがございます。寺子屋といいますれば読み書きそろばんでございます。

 そこで、思い出されるのが、「国家の品格」の藤原正彦さんが随所で国語教育の強化を訴えておられることでございます。小学校から英語に触れるような教育も進められておりますけれど、まずは国語だということでございます。ずばり「祖国とは国語」という著書もあることでございまして、母国語を大事にすることは祖国愛にもつながる、祖国の文化伝統、情緒などは文学に最もよくあらわれている、国語を大事にするということを教育の中軸に据えなければならないと訴えておられます。

 私はまさに同感でございまして、その上で、祖国愛の次は郷土愛でございまして、例えば方言なども教えるか、自然に地域で身につくかということもございますが、こういったことも大切にして地域地域で受け継がれていくようなお取り組みはいかがかと思いますが、教育長の御所見を伺いたいと思います。

 最後に、県政運営の基本姿勢について3点伺いたいと思います。

 昨年4月に開館いたしました満蒙開拓平和記念館におきましては、おかげさまで1年を待たずして先ごろ2万7,000人の来訪をいただいたと聞いております。改めて、尽力いただいた知事初め理事者の皆さん、そして議員連盟に参画して御支援いただいた議員各位に心から感謝を申し上げたいと思います。

 本当につくってよかったなというふうに思っておりまして、中学生や高校生の学びの場ともなっておりますし、全国各地から訪れる皆さんとともに新たな交流の物語も生まれているという状況でございます。あの満蒙開拓のようなことを二度と繰り返しちゃならないと改めて思うところでございます。

 皇太子殿下におかれましては、先ごろのお誕生日のときに、今日の日本は、戦後、日本国憲法を基礎として築き上げられ、現在、我が国は平和と繁栄を享受しております、今後とも憲法を遵守する立場に立って、必要な助言を得ながら事に当たっていくことが大切だと考えておりますとおっしゃっておられます。

 さて、国政におきましては、安倍首相でございますが、憲法改正とか集団的自衛権とか、あるいは先ほど申し上げましたような地方分権にかかっては地方交付税の制度をゆがめるような動きも一部見られまして、日本を取り戻す、その取り戻す方向がもしかして時計の針を逆戻りさせてしまうのではないかと危惧しておるところでございます。

 これまで述べてきた農村の維持とかいうように戦後60年余りの間に失われてきたものを取り戻したい、そういうものが多々ある一方、国民主権とか議会制民主主義、あるいは地方分権、そして平和主義、そういったものは後戻りしてはならないというふうに考えております。

 知事におかれましては、こうした国政の動きも横に見ながら、知事といたしまして、取り戻したいもの、あるいは取り戻しちゃいけないもの、そういうものをどのように考えておられるか。御所見を伺いたいと思います。

 次に、知事は、公約の中で、政策を進める基本姿勢という中で県民の皆様との情報共有ということを掲げておられます。これは開かれた県政を目指すということで当然かと思いますけれど、実は、先ごろ会派で三重県議会にお邪魔いたしました。お聞きしますと、三重県は人口が約180万人、県会議員の定数が51名ですから、本県より一回り小さいかなという感じでございますが、議会だけの広報費が1億4,000万円ということでございます。私どもの議会の広報費は約2,000万円ということでございまして、大分違うなというふうに思うわけであります。

 そのことはさておきましても、開かれた県政を進めていくために、八千何億円の予算の中で県の広報費の占める割合、ほかの同規模の県等と比べまして十分であるか、開かれた県政にふさわしい広報費あるいは広報の体制となっているかどうか。知事の御所見を伺いたいと思います。

 最後に、昨年、知事はお気の毒にも左手をけがをされまして、それを踏まえて、あっちこっちの新年会で、知事室に「孤掌難鳴」という額があるということで、そのことを引いてお話をされていました。

 さて、知事の仮に右手を手のひらとしますと、もう片方、左手は何でしょうか。私は、二元代表制なら県議会、そして幅広く県民の皆さんであると思うし、やはり大事なのは職員集団の皆さんだと思います。右手と左手が打ち合わさって拍手ができる、音が出るということにおいて職員との信頼関係が大切だと思うわけですけれど、さきの11月定例会の答弁の中で、県の職員の皆さんに対しては高目のボールを投げさせていただいているというお話を繰り返し答弁されました。私はこれは少し違うんじゃないかなと。上から目線、他人行儀であって、これで本当に職員の皆さんとの信頼関係がもっていけるのかなというふうに心配しておるわけでございます。

 改めて、数万の職員のトップとして職員の皆さんとの信頼関係構築にどのような意を用いておられるのか。県政運営の基本という立場でお尋ねしたいと思います。

 

◆知事(阿部守一)

 まず、県立大学についての御質問にお答え申し上げたいと思います。

 大学に向けての決意ということであります。

 新県立大学に関しましては、基本構想策定以来、県内4カ所での意見交換会の開催であるとか、あるいは関係団体からの意見聴取を行ってきております。さまざま貴重な御意見をいただいておりますが、高校生の期待に応える大学にしてほしい、あるいは地域を牽引していく人材を輩出する質の高い大学をつくってほしいと全体としては御賛同いただいている意見が多かったというふうに考えております。他方、私立大学、あるいはその所在地域の市町村等からは影響を懸念する意見もあるということも事実であります。

 こうしたことから、私、長野県の発展に大きな役割を果たすのはやはり教育の充実だというふうに思っております。そういう意味で、高等教育のあり方がある意味で長野県の将来を規定してしまう部分もあるというふうに考えております。

 そういう中で、新しい時代に求められる人材像は何かということを議論した結果として、グローバルな視野を持って、そして地域においてイノベーションを起こすことができる人材、こういう方向性が出たわけでありますので、その実現に向けては、さまざま御意見はありますけれども、でき得る限り多くの皆さんの理解を得る中で、しっかりと当初の志を維持して大学づくりに邁進していきたいと考えております。

 私立大学の皆様方とも、今、学長のところにお伺いしてお話をいろいろさせてきていただいております。そういう中で、高等教育の振興の観点というのはおおむね同じ方向の意見であるかなと。

 今回、予算の中で、二つ目の御質問にありましたけれども、今回の私立大支援の施策は高等教育の振興にふさわしいものなのかということでありますが、今回、奨学金の給付でありますとか、あるいは大学・地域連携事業補助金でありますとか、あるいは大学発信事業補助金ということを計上させていただいております。

 今、大学を取り巻く状況は決して楽観できるような状況ではありません。ただ、これは各大学がそれぞれ対応するということではなくて、やはり県も一緒に加わって、各私大と力を合わせてさまざまな取り組みをしていくということが長野県の高等教育振興、ひいては長野県の発展にとって極めて重要だと私は思っております。その一歩がこの大学発信事業の補助金等であるわけでありますけれども、今後、さらに新しく私学・高等教育課、新しい組織を設置をいたしますので、そこの組織で、大学とも十分連携をとりながら、将来を見据えた高等教育の振興についてさらに議論を深めて、大学の皆様方とは同じ問題意識を共有しながら取り組みを進めていきたいというふうに考えております。

 それから、県政運営の基本姿勢についてということでございます。

 御質問の中に取り戻す、取り戻さないというお話ございましたが、余り私の頭の中に取り戻す、取り戻さないという発想がなくて、少し考えたんですが余りぱっと正直思いつかないと。むしろ、私は、先人から引き継ぎ、受け継ぎ、そして次世代に受け渡していくもの、あるいは変えてはいけないものと変わっていくべきもの、そうした観点でいろいろ物事を考えてきております。

 しあわせ信州創造プランの中でもそうした方向性を出しているところでありますけれども、例えば先人から受け継いだすばらしい環境でありますとか、そして長野県が他の地域に比べてまだまだ強固に残しております地域の支え合いやきずな、こうした長野県の貴重な財産についてはしっかりと引き継いで後世に伝えていくということが県としての役割でもあると考えております。

 それから、開かれた県政を目指すための広報費についてという御質問でございます。

 平成26年度一般会計予算案に計上しております広報費は対前年度比3.7%増の1億7,000万円余でございます。本県の広報費を他の都道府県と比較いたしますと、平成24年度当初予算ベースで比較すると32番目という状況であります。人口規模等が同程度の幾つかの県を見ますと、栃木県が3位、群馬県が11位、他方、新潟県が40位、岡山県が46位ということで、一律に予算額をもって広報が充実しているかどうかというのを比較するのはなかなか難しい部分があるというふうに思います。

 しかしながら、県政の理解を深め、県民参加を進めていくという取り組みは私としても大変重要だと考えております。広報誌の全戸配布も再開いたしましたし、県のホームページも使いやすくリニューアルを行いました。こうした部分については一定の予算をかけさせていただいているところであります。

 また、最近は情報通信技術が発達しておりますので、費用をかけずにできる取り組みもさまざまございます。県政タウンミーティング、これはフェース・ツー・フェースの取り組みでありますけれども、知事就任以来37回、延べ3,500人の皆さんに御参加をいただいておりますし、また、ツイッター、フェイスブックといったSNSの活用も始めています。こうした取り組みはまだまだ充実させていく余地があるというふうに思っておりますので、さらに創意工夫に努めた発信を心がけていきたいと思います。

 また、県職員に対しても発信力の向上ということを求めてきております。今年度から統一広報テーマを設定したり、あるいは各部局に発信役を設置して県組織を挙げての情報発信に取り組んでいます。十分な発信がし切れているかと問われればまだまだ改善の余地はあるというふうに思っておりますが、引き続き、効果的な広報・広聴活動に努めて、県民の皆様方との情報の共有化、協働による県づくりを進めてまいりたいと考えております。

 最後に、県政運営の基本姿勢、「孤掌難鳴」に関連しての御質問でございます。

 常日ごろから職員に対しては成果にこだわり仕事に取り組んでほしいと。これは行政経営理念にも掲げているところでございます。そのためには、庁内においても積極的な議論を行って、よりよい施策づくりを進めていくということが大切だというふうに思っております。

 職員の業績評価における目標設定におきましても、成長を支援するという観点から、それぞれもうひと伸び、もうちょっと背伸びをすれば届くようなストレッチングな目標設定をお願いしているところでありまして、高目のボールという表現、適切ではなかったかどうかというところは議論あるかもしれませんけれども、私としては、やはり県民の期待に応えるべく職員が一層努力してもらって、最高品質の行政サービスということを行政経営理念にも掲げておりますので、そうした努力は不断に行っていってもらいたいというふうに思っております。

 ただ、他方で、トップとして職員に求めるべきことは求めつつも、しかしながら、安心して仕事のできる環境であったり、あるいはモチベーションを高めて仕事ができる環境づくりということは、これは私の責任として重要な課題であるというふうに思っておりますので、そうした点についても十分意を用いて県政運営を進めていきたいと考えております。

 以上です。

 

◆教育委員会委員長(櫻井久江)

 目指す教師像についてのお尋ねでございます。

 私が考える目指す教師像は、子供一人一人を慈しむ心を持ち、学び続け、子供とともに成長していこうとする人間味あふれる教師であります。

 信州教育は毛涯章平先生を初め多くの立派な先生方によって築かれてきたものであると承知をしております。今後、先達の教えをもとに、一人一人の教師の資質、能力を向上させ、信州教育の再生のために教育委員長として全力で取り組んでまいる所存でございます。

 以上でございます。

 

◆教育長(伊藤学司)

 まず、「教師十戒」についてのお尋ねでございます。

 県教育委員会では、本年度、新たに長野県教員研修体系を作成をいたしましたが、その中で、教員が不断の研究と修養を通し専門性と人間力を高めるべきとの「教師十戒」の精神を初め、本県の多くの先達が積み重ねてきた教師のあるべき姿を踏まえ、専門性を磨き、人間力を高めるために学び続けるなど、教員に求められる使命、任務を定めたところでございます。

 この「教師十戒」の精神につきましては、教員のあるべき姿の一例として初任者研修で扱ったり、また、学校で行われてございます校内研修の資料として活用をされたりしているところというふうに承知をしてございます。

 教員が資質を高めていくとともに、学校や家庭、地域と一体となって、子供のことを第一に考え、深い愛情をもって子供を育てていくことが何よりも重要であると考えてございます。

 次に、母国語と方言の重要性についてのお尋ねでございます。

 まさに国語は全ての教科の基盤でございます。国語を適切に表現し、正確に理解する能力を育成するとともに、国語に対する関心を深め、尊重する態度を育てることは極めて重要であり、国語はもとより教育活動全体を通じてこうした力を高めていくことが重要と考えてございます。

 また、郷土を学び、郷土を愛する態度を育む上で、昔話や短歌、古典、方言などの学習は大変重要でございます。議員御指摘の方言につきましても、国語の時間で学ぶだけでなく、総合的な学習の時間などにおいて地域のお年寄りから方言や民話を学ぶ活動等が行われているところでございまして、今後も、それぞれの地域の実情に応じ、方言を初め地域の文化を地域の方々の御協力をいただきながら受け継いでいくことが重要だと考えてございます。

 以上です。

 

◆小島康晴

 日本を取り戻すというすばらしいスローガンのもとではぜひ国語というお話です。美しい日本語を取り戻すということ、ぜひ大切にしていただきたいなというふうに思います。

 同時に、失礼ながら、ぜひ、知事におかれましては、県政運営の気持ちの一つにこの「教師十戒」をお読み取りいただきまして参考にしていただきたいと存じます。

 卒業式で「仰げば尊し」の歌を歌わなくなったという話題が以前ございました。私にとりましては、本当に「仰げば尊し 我が師の恩」ということでございます。きょうもこの議場に恩師の一人が足を運んでいただいておりますし、先ほど紹介しました十戒につきまして、毛涯先生に、この場で取り上げるので御了解賜りたいというふうに申し上げましたところ、どんどん使ってくれと。さらに、この十戒の解説の資料をきのう送っていただいた次第でございまして、本当に恩師、先生というのはありがたい、いつまでたっても先生は先生だなというふうに思うのでございます。

 この資料の締めくくりの中に、十戒の補足ということもありましょうか、こんなフレーズがございます。教え子とは偶然の出会いであるし、必ず学年が過ぎれば別れが来る、その子供たちに対して、教師は親ではない、兄弟でもない、友達でもない、餓鬼大将でもない、だが、その全てでありたい。これが切なる思いとされております。

 私は、子供や孫はぜひこういう先生に見てもらいたいものだなというふうに思うところでございますし、さらに、その最後に、森信三先生の言葉としまして、教育とは流水に文字を書くような果てない業である、だが、それを岩盤に刻むような真剣さで取り組まねばならないということが紹介されております。ぜひ、私は教育委員会の皆さんに奮起をお願いしたいと思うところでございます。

 本日は、人間と動物を分けるものは農業である、農耕である。そして、農は国の基である。そしてまた、人が人たる道を指し示す教育。農業と教育は本当に失ってはならない大切なものと信じまして、いろいろと質問させていただきました。

 人間が動物と違って人間であること、そしてまた人の心を持って人間らしく生きていくこと、そのことを子や孫の世代にもしっかりつないでいきたい。そういう決意を申し上げまして、全ての質問を終了いたします。

 

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