11月定例県議会-発言内容(小島康晴議員)

 

◆小島康晴

 先日、岩手県並びに宮城県の沿岸部の被災地を3回にわたって視察いたしました。かつてはにぎやかな商店街が、あるいは何十戸もの住宅地が基礎のみを残して荒れ野原のようになっている現状に言葉を失いました。改めまして、この大震災、大津波で被災された皆様にお見舞いし、一日も早い復旧、復興を願うものでございます。

 また、この視察の際に、地震発生当時の岩手県の防災危機管理監の越野さんという方のお話、まさに手に汗握る150日にわたる復旧との闘い、体験談を伺うことができました。

 これらのことを踏まえながら、また、私ども南信地域では早くから東海地震が想定され、最近は南海トラフとか3連動とか言われております。この間、多くの議員の皆さんが取り上げてこられましたが、最新の状況ということで大規模災害への備えについて何点かお尋ねいたします。

 最初に、備蓄についてでございます。

 各地域が孤立するような大規模な災害が発生した場合に、本格的な支援が届くまで、食料や水など、最低3日間は自活できることが必要と聞いております。

 例えば、飯田市では小学校区ごとに備蓄倉庫を整備しておりますけれど、中山間地におきましては、交通等が寸断されまして、その拠点である小学校へもたどり着けないことも想定されます。いわゆる明治の大合併以前の集落単位での備蓄が本来は理想的ではないかと思われます。しかし、そこまで行政でカバーすることはなかなか困難でもあります。

 まずは、自分、家族、あるいは集落単位で、最低1日、できれば2日程度の備蓄を行うのが望ましいと思われます。こうした観点での県民の皆さんへの意識啓発等の取り組みはどうしておられるのか。伺います。

 2点目として、通信網の整備でございます。

 岩手県では、電話はもちろん、県全域が停電になりまして、非常用電源がないところではテレビもIT機器も使えなかった。沿岸市町村との電話連絡が全くできず、情報はほとんど入らなかった。3日目に衛星携帯電話を県から各市町村にヘリコプターで運んで、ようやく4日目から何とか通話だけが可能になった。通信が途絶すると暗闇を手探りで歩くようなものだったとのお話でした。

 このように、発災直後の通信網の確保は大変重要であり、電源確保も含めて、二重とか、あるいは三重の備え、予備のラインが必要だというふうに考えますが、現状はいかがでしょうか。

 3点目として、県の防災計画について伺います。

 私も、恥ずかしながらどんなものかと思いまして図書室で見ましたら、かなりの分量でございます。資料編を除いても800ページくらいあります。これをすべての県職員の皆さんが理解することは到底困難なのではないかと思われます。県職員の皆さんがこの点を理解され、深められるようにどのような対応をしているのか。

 また、市町村においても同様であると思われますが、どのような働きかけを行っておられるのか。伺います。

 4点目として、防災訓練のあり方についてです。

 非常時においては、職員や組織も、平常時の対応とは違うことを理解した行動が必要です。越野さんのお話の中でも、公務員は予算の裏づけと法律や条例の根拠がないと仕事をしない、あの震災時にも、法令上できませんとか、私の部署の仕事ではありませんとか、それは市町村の仕事ですといった職員がおられたと率直に言っておられました。

 平常時にはそれでもいいのでしょうけれど、非常時にはそれでは通りません。ふだんとは全く逆の発想をしなければならないと思います。そのためにも緊迫感を持った防災訓練の積み重ねが大切であるとのお話でした。

 東日本大震災以降、本部の体制や防災訓練などにどのような工夫をしてきたのか。伺います。

 5点目といたしまして、人事にかかわってでございます。

 大災害はいつ来るかわかりません。しかし、万が一起こったときに、私は異動してきたばかりですとか、そういう対応では当然困ります。

 御紹介している越野さんは、自衛隊を早期に退職して岩手県庁に入り、危機管理をずっと担当して、地震が起こったときは5年目だったとのことです。

 以前にも、県の職員の皆さんの仕事の異動のローテーションが平均3年くらいであり、もう少し長くできないかと指摘させていただいたこともございますが、特に危機管理対応については、危機管理部職員の長期在籍やあるいは系統的な人材育成などによりまして部職員の専門性を維持向上させて、いかなる場合でも対処できるよう備えていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

 6点目に、市町村との連携でございます。

 大規模災害発災時は市町村との責任分担と連携が大切であることは言うまでもありません。場合によっては、今回もそうでしたが、幾つかの役場自身が壊滅的な打撃を受けるということも想定に含めておかなければならないと思います。災害対応に追われる現場からの情報収集には、県や県の現地機関の支え、支援が欠かせないと思います。どのような体制や考え方で支援していかれるのか。伺います。

 7点目としまして、自衛隊等との連携でございます。

 先ほどの越野さんのお話の中では、自衛隊、警察、消防等との円滑な連携のためには、年に1回、2回の訓練のときだけではなく、日常的な信頼関係の構築が大切であるという指摘がありました。要するに顔の見えるつき合い、そういうことができているかどうかが大切だということです。本県の現状はどうなっているでしょうか。

 以上7項目について危機管理部長に伺います。

 次に、道路網整備について伺います。

 東日本大震災では、沿岸部を南北に結ぶ、整備中ではありますが、三陸道路が避難や緊急物資輸送に大変役立ったということで、達増岩手県知事のお言葉をかりれば、まさに命の道であったとのことであります。

 例えば、私どもの地域で申せば、国道151号、153号、あるいは三遠南信自動車道など南北の道、あるいは国道256号や418号など東西の道、こういった幹線道路を初めとしまして、県内の安全、安心のための道路網の整備は大変重要と改めて痛感、実感したところでありますが、新たな5カ年計画の中で、こうした観点も含めまして、どのように道路整備を進めていかれるのか。建設部長に伺います。

 防災の最後に、リーダーシップにかかわって知事に伺います。

 知事と対策本部との関係も大変参考になりました。越野さんによれば、達増岩手県知事は、戦略的な視点で大所高所から全般状況を把握して重要事項を意思決定をして、一方、オペレーションの細部はスタッフに任せてくれました、非常時に任せるべき人に任せ、みずから指揮官としてやらなければならないことをしっかりと分別して統率できる指揮官はなかなかいない、本当にやりやすかったし、やりがいがあったと。

 本当に厚い信頼関係が知事と部下の間にあったとひしひしと感じられたわけでございますが、大規模災害への対応に限らず、あるいは大規模災害に備えるためにも、ふだんから、知事のリーダーシップのあり方としては、職員や組織の力が十分発揮されるよう、日ごろから部下職員に任せるべきは任せる姿勢が肝要であると考えますが、知事の御所見を伺います。

 

◆危機管理監兼危機管理部長(久保田篤)

 大規模災害への備えについての七つの質問に順次お答えします。

 まず1番目は、備蓄に関する県民への意識啓発でございます。

 県の地域防災計画では、発災直後からおおむね3日間は食料や水は住民みずからの備蓄で賄うことを原則とうたっております。

 東日本大震災では、道路の寸断などによりまして食料品や生活必需品を被災者に迅速に届けることができなかったわけであります。災害時にこそ行政は住民の命を守るという責任を全うしなければいけないわけですけれども、どうしても対応に時間のずれが生じてくるわけであります。

 災害発生時にはまず自分の命は自分で守るという自助の姿勢が県民の皆さんには必要不可欠でありまして、平常時にこそみずから食料や水を初めとする災害への備えを準備していかなければならないわけであります。

 県としましては、地域防災力アップ出前講座での講演や各種ゲームを通じまして住民みずからの備蓄を促進するよう啓発を行っております。平成23年度は延べ98回、24年度は最近までで89回の講座を実施しているところであります。

 また、市町村防災担当課長会議などの場を通じまして、備蓄の促進、住民への意識啓発につきましては要請を行ってまいります。

 2番目は、通信網、電源の整備の関係でありますけれども、大規模な災害が発生した場合には長時間にわたる停電や通信回線の不通が想定されるわけであります。県では、停電に備えて、県庁、合同庁舎、防災行政無線中継所などに非常用発電機を設置しております。また、電話通信の不通に備えまして、地上系と衛星系の2方式の防災行政無線を整備しております。また、県庁、地方事務所を中心に衛星携帯電話を配備しておりまして、三つのレベルでの通信確保を行っているわけであります。

 これらの設備の機能の維持が重要になるわけでありますけれども、非常用発電機は停電時に自動的に起動して確実に電気を供給することが必要でありますので、定期的な設備点検を行うとともに、その際には自動的に運転するかの確認をあわせて行っております。

 衛星携帯電話につきましては、通常の携帯電話と使用方法が違ってまいりますので、平常時におきまして操作方法の訓練が必要となってまいります。このため、防災訓練あるいは防災担当者の会議の席で説明と操作の訓練を繰り返し行っているところであります。

 3番目は、地域防災計画の周知徹底でございます。

 県の地域防災計画は県の防災対策の根拠となるものでありまして、ほぼ毎年計画の修正を行っておりますので膨大なものになっているわけであります。

 職員への周知の取り組みにつきましては、計画が修正されたときは必ず修正内容を理解してもらえるように各部局や地方部に説明を行っております。また、具体的な対応が重要でありますので、職員災害時初動行動マニュアルを初め各種の対応マニュアルを作成しまして職員に徹底を図るとともに、訓練を通じて徹底をするように努めているところであります。

 市町村に対しましても、機会あるごとに県の防災計画の修正内容につきましては説明を行いまして、市町村の計画との整合の確保を依頼しているところであります。

 4番目は、東日本大震災以降の災害対策本部の体制あるいは訓練の工夫についてであります。

 災害対策本部の体制につきましては、災害時、災害対策本部室は災害対応の司令部機能を持つことになりますので、防災関係機関が一堂に会し対応できるように机の配置を変更いたしました。また、本部の体制につきましては、総括調整、情報収集・分析、広域応援救助など五つの班に体制を再編成いたしまして、危機管理部職員に加えまして、企画部、総務部の職員の中から80名以上の指定職員を動員するマンパワーの強化を行っておるところであります。

 ことしの訓練におきましては、7月の職員非常参集訓練では、対応チェックリストによる作業手順の確認、指定職員の本部室への参集と対応業務の確認を行いました。9月の地震防災訓練では、災害対策本部員会議での災害対応方針の決定、災害時の広報といたしまして知事から県民への呼びかけ、あるいは災害対応方針の表明の模擬会見を行ったところであります。10月の県の総合防災訓練におきましては、緊急・災害情報メールの試験配信、あるいは長野県市町村災害時相互応援協定に基づきます相互応援訓練などの新しい訓練の要素を取り入れて実施したところであります。

 あらかじめ準備していないことは本番でうまくいくことはないというふうに言われておりますので、訓練内容につきましてはPDCAサイクルによりましてより実践的なものに工夫して、緊張感のある訓練の継続実施によりましていざという事態に備えたいと考えております。

 5番目は、危機管理部職員の人事についてであります。

 危機管理部では、警察本部からの現職警察官の出向、あるいは専門的な業務に対応するため電気職、土木職、化学職の職員の配置、あるいは消防本部からの消防職員の受け入れを行っておりますし、この8月からは自衛隊から現職自衛官を危機対策担当として実務研修の形で受け入れておるところであります。また、今年度、新たに防災担当職員を育成する専門機関へ職員の研修派遣を行っているところでありまして、専門性を重視した人事配置と研修に努めているところであります。

 危機管理部の職員には災害発生時の迅速かつ的確な対応が要求されます。専門性の確保のために異動サイクルの長期化あるいは系統的な人材育成が必要と考えておりまして、職場内の研修に限らず、職場外研修の充実、異動サイクルの長期化、業務のマニュアル化などによりまして確実に職員の専門性の確保と向上に努めてまいります。

 6番目は、市町村への情報収集の関係であります。

 県の防災計画におきましては、市町村で災害対策本部が設置された場合には、知事は、応急対策の実施等に必要があると認めたときは、市町村長と協議の上、県職員を市町村災害対策本部に派遣し、情報収集を行わせるものとすると規定されているところであります。

 県は、市町村を補完あるいは支援する立場から、市町村で災害対策本部が設置されるような災害が発生した場合には、地方部の職員を市町村に派遣して情報収集がスムーズに行われるようにガイドラインを作成しておりまして、これに応じた形で各地方部において具体的な体制整備を行っております。

 ちなみに、7月10日に発生しました地震の際には、北信地方事務所の職員が中野市と木島平村に出向いて情報収集を行ったところであります。

 必要な情報は待っていても届かないので、必要なときは自分で収集しなければならないということで、県として迅速に災害対応ができるよう、初動時におけます情報収集にしっかり取り組んでまいります。

 7番目、最後でございますけれども、自衛隊、警察、消防との連携の関係であります。

 自衛隊、警察、消防本部、消防団とは、毎年、さまざまな防災訓練に参加をしていただきまして、災害対応における連携を図っておるところであります。訓練以外でも、県防災連絡協議会などの場におきましてお互いの活動状況について情報交換を行いまして、共通認識と信頼関係の醸成、顔の見える関係の強化に努めております。

 実行力を備えた自衛隊、警察、消防との連携は、災害対応においては必要不可欠であります。危機管理部への自衛隊、警察、消防本部からの職員派遣の受け入れにとどまらず、訓練や会議などさまざまな場面で今後とも意識して連携を密にしてまいります。

 以上です。

 

◆建設部長(北村 勉)

 大規模災害への備えとしての道路整備についてのお尋ねでございます。

 大規模地震発生時等における安全、安心のための道路網として、県では地域防災計画において緊急輸送路を指定しているところでございます。緊急輸送路は、人命救助と被災者の生活確保及び被災箇所の早期復旧などのために人や物の円滑な移動を確保する道路でありまして、災害に強い道路網とすることが求められております。

 県ではこれまでも主要事業として緊急輸送路の整備に取り組んでまいりましたが、先般、長野県総合計画審議会から答申のありました「新たな総合5か年計画の策定について」の中においても、道路整備や橋梁の耐震補強による災害時の緊急輸送ルートの確保など、災害に強い地域づくりに取り組むことが盛り込まれているところでございます。緊急輸送路の整備につきましては、新たな総合5カ年計画において達成目標の設定について検討するとともに、引き続き重点的に推進してまいりたいと考えております。

 

◆知事(阿部守一)

 災害時あるいは平常時において、組織の中で、知事として、任せるべきものは職員に任せろという御質問でございます。その点、全く御指摘のとおりだというふうに思います。

 災害の関係、先ほど久保田危機管理監のほうからるる御説明しましたが、御説明したほとんどのことは、久保田管理監以下、危機管理部の職員が努力して改善をしてきてもらっています。ただ、例えば自衛官の受け入れであったり、あるいは市町村と一体でチーム長野で被災地を応援しようという大きな部分については私自身も直接コミットしながら進めていくと。そういう形で、大きな方向性あるいは県としての方向転換するようなところについては私がコミットしつつも、その他、そういう部分でなければ職員が主体的に行動していただくということが非常に重要だというふうに思っています。

 今後とも、それぞれの組織、それぞれの職員が主体的に能力を発揮してもらえるように私としては環境づくりをしていきたいというふうに考えておりますし、職員とのコミュニケーションについてもこれまで以上に意を用いていきたいというふうに考えております。

 以上です。

 

◆小島康晴

 私は、議員としても、被災地を見させていただいたり、直接的なお話を伺ってきたわけですけれど、県の職員の皆さんも今現地に支援ということで大勢行っておられることは承知しておりますけれど、ぜひ被災地の現場の災害対応や復旧の状況、生の姿を危機管理部の立場で視察というか調査して、さらに長野県の防災を高めていただきたいなということを要望しておきたいと思います。

 次に、大きな2番目の項目としまして、新たな総合5カ年計画にかかわって何点かお尋ねいたします。

 まず、一昨年の11月県議会でも質問いたしましたが、現在策定中の新たな総合5カ年計画では目指すべき長野県の姿、将来像が示されております。これをもちまして、現在形式上は残っている長期構想である「未来への提言 ~コモンズからはじまる、信州ルネッサンス革命~」にかわるものとして理解してよろしいか。企画部長に改めてお尋ねいたします。

 次に、せっかく策定いたしました計画の実現のためには一定の財源の裏づけが必要であります。新たな総合5カ年計画にあわせまして財政の中長期見通しがセットで示されるべきではないかと考えますが、総務部長に伺います。

 次に、財政見通しに関連して、自動車取得税やゴルフ場利用税の廃止が論議されているとのことでありますが、廃止になった場合の本県への影響はどのくらいとなるのでしょうか。

 また、これについて何人かのほかの県の知事が廃止に賛意を示しておられるとのことですが、廃止に当たっては代替財源も示されないと地方はやっていけませんので、この議論の中では地方財源確保を国に強く働きかけるべきと考えますが、総務部長の所見を伺います。

 さらに、財政見通しにかかわって、今回実施されようとしております消費税10%の増税について、先ほどの藤岡議員への御答弁は理解しがたいものです。通告いたしてありますので重ねて私からも伺いますが、冒頭の知事提案説明の中でも大変厳しい状況であると示されております。景気後退下での消費税増税は、県民生活を破壊し、地場産業、中小企業を圧迫するものです。消費税が3%から5%になったときも、消費税は増収になったものの、景気は冷え込み、税収全体はふえなかった、そんな反省がございます。その二の舞になってはなりません。そうなれば、結局、地方財政も改善されず、せっかく策定しました5カ年計画も絵にかいたもちになってしまいます。県民の命と暮らしを守る県民の代表として消費税増税法の凍結等に向けて積極的に取り組むべきと考えますが、知事の所見を伺います。

 

◆企画部長(原山隆一)

 新たな総合5カ年計画と「未来への提言」についてのお尋ねでございます。

 平成16年に策定されました中長期的なビジョンであります「未来への提言」は、平成23年の11月県議会定例会での決議を重く受けとめまして、新たな総合5カ年計画の策定にあわせ廃止する方向で検討をしております。

 一方、新たな総合5カ年計画は、時代の大きな転換点にある中で、長期的視点に立って本県の目指すべき姿を描いた上で、今後5年間に取り組む方策、施策を明らかにしたものでございます。

 今後、計画案の概要に記載しました政策推進の基本方針に沿いまして、県民の皆様と確かな一歩を踏み出すことができる計画となるよう、引き続き策定を進めてまいる所存でございます。

 以上でございます。

 

◆総務部長(岩﨑弘)

 新たな5カ年計画の関係と中期財政見通しについてということでございまして、5カ年計画の策定にあわせた財政見通しの公表についてというお尋ねでございます。

 5カ年を見通した中期の財政の試算につきましては、毎年度の当初予算案の公表にあわせてお示しをしているところでございます。新たな総合5カ年計画との関係でございますけれども、初年度でございます平成25年度の当初予算を公表する際に、その当初予算を基礎として5年間を見通すという形で財政試算をお示しする予定でございます。

 それから、自動車取得税とゴルフ場利用税の廃止についてのお尋ねでございます。

 自動車取得税とゴルフ場利用税につきましては、平成25年度の税制改正に向けて廃止を含めた議論がされているというふうに承知をしております。

 本県への影響でございますが、本県の平成23年度の収入額でございます。自動車取得税は約355,000万円、ゴルフ場利用税は約105,000万円でございまして、この2税を廃止されますと影響額は合わせて50億円余りというふうに考えられます。また、このうちの約7割が交付金として市町村に交付をされておりまして、約30億円が市町村の収入になっているわけでございます。

 いずれも、県だけでなくて、市町村にとっても大変重要な財源でございまして、とりわけ小規模町村が多い長野県にありましては極めて影響は大きいというふうに考えております。

 さらに、これに加えて、市町村においては自動車重量税、固定資産税に係る税制改正による減収、これについても議論がされているとお聞きしております。

 このために、1115日、知事は、母袋市長会長、羽田町村会副会長のお二方と一緒に政府及び県選出の国会議員に対しまして緊急要請を行ったところでございます。

 いずれにしましても、何ら具体的な代替財源を示すことなく一方的に廃止をされるということは県や市町村の財政運営に大変大きな支障を及ぼすというふうに考えられますことから、今後の動向を注視いたしまして必要な取り組みを行ってまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

 

◆知事(阿部守一)

 消費税の導入についての御質問でございます。

 先ほどもお答え申し上げましたけれども、私は、今の現状を見たときに、社会保障制度は将来に向けて財源の裏打ちがしっかりできた形の安定性あるものにはなっていないというふうに考えております。そうした観点で、国民の皆様方に広く御負担をいただくということはこれは避けては通れないというふうに考えております。

 もとより、先ほども申し上げましたが、低所得者あるいは中小企業等への配慮ということ、あるいは経済動向を見きわめた上での最終的な決断ということを国においてはしっかり行ってもらうことが必要だというふうに思いますが、今多額な赤字国債を発行しながら国の財政が支えられているという状況下において、国民の負担がふえることなく財政も社会保障も持続可能性を持つことはできないだろうというふうに思っています。

 今のまま運営していくと、子供たちあるいは孫たちの世代にツケを、我々今サービスを受けている世代がツケ回しをするということにもなりかねないわけでありますので、そういう意味ではこの負担の問題というのは私は避けて通れない。ただ、低所得者等への十分な配慮と経済情勢の見きわめ、そうしたものをしっかり国において行った上で導入に踏み切ってもらいたいというふうに考えています。

 以上です。

 

◆小島康晴

 今、増税をすることが将来に禍根を残さないのか、しないことが残さないのか真剣に議論すべきだと考えますが、そのことを議論する場でもないと思いますので、次の点に移りたいと思います。

 総合5カ年計画、全体の計画ももちろん大切ですけれど、この広い長野県にあっては、県下各地域、10圏域ごとに策定いたします地域計画が県民の皆さんにとっては大変関心の高いものであり、かつまたその実現がなされるよう期待されているものと思います。

 先日、各地域の素案も示していただきましたが、新たな総合5カ年計画の中での地域計画の位置づけ、あるいは整合性はどうなっているのでしょうか。また、地域計画策定に当たって、各圏域ごとの計画の調整はどのように行われているのでしょうか。

 また、総合計画と交通ビジョンにかかわって、リニア中央新幹線が開通いたしますと東京と大阪を1時間で結ぶいわば7,000万都市圏が構成されまして、長野県はその真ん中に位置することになるわけです。そういった大きな視点を持って新たな交通ビジョンと新たな総合5カ年計画を策定するべきであると考えますが、いかがでしょうか。

 率直に言って、現在見させていただいている段階では単なるネットワークがよくなるというような問題にしかとらえていないように受けとめられますので、お伺いするところであります。

 それから、関連して、新たな交通ビジョンにかかわって地域公共交通につきましては、既に行われてしまっています高速バスの飯田―松本線の廃止とか、あるいは今回提案のありました飯田線の駅の無人化など、個々の市町村だけでは対応できない課題がある中で、広域自治体である県の果たす役割を明確にし、積極的に行動すべきと考えますし、そうしたことの指針となるよう新しい交通ビジョンを策定していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

 以上3点は企画部長にお尋ねします。

 次に、5カ年計画の答申案の中で、目指す姿を支える仕組みとして「信州独自の自治による自立度の高い地域」とあります。具体的にどのようなことを想定しているのか若干の危惧がございます。

 かつて長野県では、広域連合の推進を行い、すべての圏域で広域連合がつくられました。また、いわゆる平成の大合併を経ましたが、他県に比べれば多くの市町村が存在しております。こうした本県の過去の歴史、経過を踏まえまして、新たな自治の仕組みについてはくれぐれも市町村と十分な連携、協議の上進めるべきと考えますが、知事の所見を伺います。

 さらに、今回示されました新たな総合5カ年計画の案の概要におきまして、「今後5年間の政策推進の基本方針」の2項目めで「信州人としての安心・満足・誇りを得られるライフスタイルの促進」が掲げられ、「信州人」という言葉というか表現が出てきました。この「信州人」とはどのような概念であるのか。長野県民とイコールであるのかないのか。また、知事御自身はこの「信州人」でいらっしゃるのかどうか。知事に伺います。

 

◆企画部長(原山隆一)

 私には3点御質問いただきましたので順次お答えを申し上げます。

 まず、計画と地域計画の整合、圏域間の調整についてでございます。

 10圏域の地域計画、いわゆる地域編につきましては、地域の個性や魅力を生かした目指す方向性や方策を明らかにするため、現在、各地域においてそのための検討を進めてきておるところでございますが、その検討に資するよう総合計画審議会の審議内容をその都度提供するなど、計画全体と地域編との整合を図るべく意を用いているところでございます。

 さらに、地域から幅広い意見、提言をいただくために、県内10地域で開催した地域懇談会には総合計画審議会の委員が出席しておりまして、計画全体にも地域の状況が反映しているというふうに考えております。

 また、広域観光や交通など、取り組むべき課題には複数の地域にまたがるものもございます。このため、あらかじめ地域間の連携に留意するよう各地域に指示をしておりますとともに、他地域の策定状況を把握できるよう情報の共有に努めることなどをしまして地域間の調整も図りながら策定を進めているところでございます。

 次に、新たな交通ビジョンと5カ年計画の策定の関係でございます。

 現在、策定を進めております新たな総合交通ビジョンにおきましては、長野県の交通が目指す将来像、さらには、そうした将来像を実現するに当たって県として取り組まなければならない施策の方向性について盛り込む予定でございます。

 リニア中央新幹線の開通を長野県の将来にどのように生かすかにつきましては、新たな総合交通ビジョンにおいても重要な柱をなすものでございます。議員御指摘の視点につきましては十分に踏まえた上で、その開通効果を最大限に波及させるための内容となるべく検討を進めているところでございます。

 また、このうち県として早急に取り組む必要があるものにつきましては、新たな総合5カ年計画においてもしっかりと位置づけまして施策の具体化を図ってまいりたいというふうに思っております。

 最後に、公共交通におけます県の果たす役割であります。

 県内の公共交通を取り巻く環境が厳しさを増す中にあって、地域の交通を維持確保するためには県と市町村が適切な役割分担のもとに連携して取り組むことが必要だというふうに考えています。

 新たな総合交通ビジョンにおきましては、地域公共交通の確保に向けまして県が果たすべき役割についても明確にしたいと考えておりますし、先ほど服部議員の御質問に対して知事がお答えしましたように、地域鉄道への支援などともあわせまして、県としてはこれまで以上に積極的な対応をしてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

 

◆知事(阿部守一)

 独自の自治の検討に係る市町村との連携、協議についての御質問でございます。

 これは、当然のことながら、市町村にかかわりがある部分についてはしっかりと対話、協議をした上で進めていくということが重要だと思っております。

 今や見渡すと村がない都道府県も出てきている中で、村の数が日本で一番多い長野県、これはある意味でほかの地域とは違った自治のあり方が求められるという部分があるというふうに思っております。もちろん、そうした新しい形を実現していく上に当たっては、これは県が勝手に考えて勝手に仕組みをつくるということは許されないというふうに思っていますので、市町村の皆様方と一緒になって考えていきたいというふうに思っています。

 県と市町村の協議の場もいろんな取り組みをしてきておりますけれども、ほかの県、市町村関係に比べて、そういう意味では、長野県、良好な関係を維持させてきているというふうに考えておりますし、今後とも市町村の皆様としっかり問題意識を共有しながら県政運営を図っていきたいと思っております。

 それから、中期計画の概要に出てきます「信州人」についてでございます。

 ここでは基本的に長野県民のことということで使っておりますが、この表現、長野県に愛着を持つ、あるいは長野県に誇りを感じるといった信州に暮らす人間としての心の側面に重きを置いたものというふうに考えております。

 私も当然信州人の一人ということで、確かな暮らしが営まれる美しい信州の創造を目指して皆さんと一緒に頑張ってまいりたいというふうに考えております。

 以上です。

 

◆小島康晴

 最後の信州人につきまして二つ問題があると思います。一つは、総合計画審議会という、いわゆる外の意見というか有識者の意見としてつくって、そこで答申された総合計画、じっくり見させていただいたつもりですけれど、信州という表現は出てきますけれど信州人というのは出てこないと。そことの整合性について再度御見解をいただきたい。

 今、知事自身がおっしゃったように、信州人というのは心の側面、信州人であるかどうかは行政から言われるとか知事に言われてということではないと思うんですね。東京とか名古屋に住んでいても、長野県出身で、県人会で一生懸命信州のことを思っている人は私は信州人じゃないかなと。そういう意味では、長野県民イコール信州人というのはちょっと危険かなというふうに思いますので、改めて御見解をいただきたいと思います。

     

◆知事(阿部守一)

 お答えします。

 ちょっと危険かなという御趣旨でありますけれども、中期計画、私は県民の皆様方と目標を共有して実現を目指したいということを常に申し上げてきております。一緒になって取り組むということは、理屈の面だけではなくて、やはり共感を得られるものにしていくということが大変重要だというふうに思っております。

 確かに、今までの行政のやり方からすると、この言い方、踏み込み過ぎで議論があるところかもしれませんが、私は、片方で信州ブランドの構築ということもやっていく中で、信州に愛着を持つ、地域に誇りを持つ、そうした部分を前面にしっかりと出していくということがこれからの時代においては必要だというふうに考えております。

 総計審の答申にはないではないかという御指摘、まさにそのとおりだというふうに思っております。これが、審議会と県民の代表である私との少し違うところかなと思いますが、私は今回の政策推進基本方針ということで三つ掲げておりますが、これも必ずしも総合計画審議会で出されているものではありません。

 ただ、これから満遍なく施策を推進するということではなくて、当面5年間ですね、県議会の皆様方と思いを一にして目指すべき方向性というのをしっかりと出していかなければ、これは審議会の限界としてやはり満遍なくどうしても御提言いただくということはやむを得ないわけでありまして、県民から選ばれた議会の皆様方と私との間で方向づけをしっかりしていくということが重要だと思っております。

 そうした観点で、これまでの計画と少しそこら辺は違っておりますので、また議会の中でもぜひ御議論があれば御意見いただきたいというふうに思いますが、私としては、今申し上げたような方向性の中でより方針をしっかりさせて、そして県民の皆様方にも感情的にも感覚的にも理解と共感が得られるようなものに少しでも近づけていきたいというふうに思っております。

 以上でございます。

 

◆小島康晴

 お答えいただきましたけれど、信州人と信州、長野県と長野県民という言葉一つとっても大切だと、ないがしろにはできないというふうに思うわけで、今の知事の御説明は御説明として承りましたけれど、逆に言うと、そういった説明をしなければ理解していただけないような計画とか計画の実施方針ではいけないのではないかというふうに思いますし、理解と共感を求めることは当然ですし、議会としても最後は総合計画を一緒に議決するわけですから、それまでの過程で言葉一つにこだわりますけれど、本当に、5年間、あるいはその先を見通した計画になるように力を合わせていきたいなというふうに思います。

 本日は、防災対策、それから地域公共交通等について伺いました。これらは一義的には市町村が主体ということでありますし、地方分権の趣旨からすればそのことは当然でよいことであるというふうに思うわけですが、しかし実際には広域行政体である県の役割も重要でありまして、いわゆる上から目線でも下から目線でもなくて、県と市町村が対等の立場でそれぞれの責任を果たしながら200万県民の皆さんの期待にこたえていく、その大もとが今回の新たな5カ年計画で示され共有できるように念じまして、質問を終わります。

 

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