2015.2月定例県議会-発言内容(石和大議員)

 

◆石和大

 大規模停電に伴う交通規制対応についてお聞きします。

 昨日、県下で発生した大規模な停電により、我々県議会議員もちょうど登庁する時間に重なりました。それに際し、主要道路の信号交差点で信号機が滅灯し、ところによっては渋滞を招いている場所もあったわけであります。

 県下に多数の信号交差点がある中で、その全てに警察官を配置して交通整理を行うことは困難であることは承知をしておりますけれども、少なくとも今回の事態を教訓に今後の対応に向けて準備していく必要があると考えています。

 そこで、県警本部長にお聞きします。  今回の大規模停電による信号機の滅灯に伴い、交通整理などの交通規制をどのように対応したのか。また、今回の事態を踏まえ、今後どのような対応が必要なのか。見解をお聞きいたします。

 次に、消防団活動の活性化についてお聞きします。  昨年は県内において多くの自然災害が発生し、大きな被害に見舞われました。亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げます。また、被災によりいまだ苦しんでおられる方々にお見舞いを申し上げます。

 災害発生現場では自衛隊、警察、消防が機動的に活動し、最大の力を発揮していただいたことに敬意と感謝を表します。  そういった災害現場で一番身近な部分を担っているのが消防団です。地域に密着してふだんから活動している消防団は、その地域の現状を把握しており、細かいところに配慮ができることがあるわけです。昨年の2月の大雪のときなども、集落内の除雪などを担い、住民の皆様から頼りにされ、感謝をされていました。

 私も消防団で10年間ほど活動いたしました。消防団員は市町村の特別職公務員という身分ですが、年間報酬はわずかで、実質はボランティアです。使命感や熱意、地域を愛する心で活動しているのです。本人はもとより、活動を支える家族もプライベートの時間を削って活動していることも少なくありません。

 そんな消防団も、時代の流れや少子・高齢社会という中で団員確保や運営について悩みを抱えています。地域の若者の活動の場でもある消防団の衰退は地域力の衰退でもあります。火災は広域消防が中心になって最初の消火を始めますが、その後の管理は消防団が担うのです。消防団活動の維持、活性化は、長野県のような広い県土を持ち、中山間地が多いところにとってとても大事なテーマです。

 そこで、お聞きします。  各市町村、消防団はさまざまな工夫をして団員確保等に心を砕いていますが、県として、それらを把握し、県内の消防団に共通でできるような取り組みを発信するようなことはしているのかどうか。

 また、県でもいろいろな活性化施策がありますが、実際の効果をどう把握し、分析をしているのか。お聞きをいたします。

 特に、27年度拡充するとされている消防団活動協力事業所応援減税制度、長野県建設工事等入札参加資格における優遇、物件、買い入れ等の競争入札参加資格における優遇について、どんな効果があり、拡充で何を目指すのか。お聞きをいたします。  そして、これらの制度はどんな規模の事業所が対象の中心なのか。消防団の中に少なからずいると思われる1人または家族経営といった事業者にはメリットがあるのか。お聞きをいたします。

 また、今回の27年度新規事業で信州消防団員応援ショップ推進事業があります。消防団員を応援するために、割引等の特典サービスを行う店舗等を登録し、消防団員とその家族が利用する際にインセンティブを与えるというものです。家族にも恩典があってとてもよい事業だと思います。効果を期待するところですが、商品の割引10%とかポイント2倍とか、サービスの提供がショップ任せでは参加ショップが拡大しないのではないかという懸念があります。さきに述べた減税や、何らかの優遇措置を講じたりという工夫をすべきではないかと考えますが、いかがか。危機管理部長にお聞きをいたします。


 
◆警察本部長(山﨑晃義)
 
 お答えいたします。

 まず、今回の大規模停電におきましては、午前5時35分ごろ、県下3,500基あります信号機のうち約2,400基の信号機が一時的に滅灯し、過去に例のない広域的で長時間に及ぶ信号機の滅灯が発生いたしました。

 停電の発生を受けまして、非常用電源つき信号機が県下約35カ所で作動しております。また、当直や非常呼集した警察職員を含めて、警察官による手信号の実施などの交通規制を実施いたしました。

 しかしながら、朝のラッシュ時間に重なったこともありまして、長野市では通常の2倍程度の約4キロメートルの渋滞が発生した路線などもございました。また、信号機滅灯に伴いまして、出合い頭や追突による人身事故1件、物件事故4件の合計5件の事故が発生しているところでございます。

 今回のような事態に対しては、既に県内約60カ所に配備されておりますが、非常用電源つき信号機や、また、今回96カ所で使用させていただきました自家用発電機、これらを拡充することによって早期の復旧が可能になると考えております。

 また、県内4カ所に整備されておりますラウンドアバウトですが、こちらは電力の供給の有無に関係なく交通規制が実施可能でございますので、災害に強いということからその導入も有効であるというふうに考えております。

 以上でございます。


 
◆危機管理監兼危機管理部長(青柳郁生)
 
 消防団活動の活性化について順次お答え申し上げます。

 初めに、消防団員確保について共通で取り組めるものの発信についてでございますが、市町村や消防団が実施しております団員確保への取り組みにつきましては、団長の皆さんとの意見交換のほか、市町村への定期的な照会、あるいは市町村からの情報提供、または報道等により把握しているところでございます。

 把握しました情報、例えば市町村による消防団員への特典サービスあるいは消防団協力事業所への優遇措置の実施状況につきまして、市町村の担当者会議あるいは消防団長・事務担当者研修大会等の場で市町村、消防団に情報提供を行っております。

 また、1月から3月の入団促進キャンペーン期間中でございますが、県、市町村が一緒になって広報活動、事業所訪問等を実施して団員確保に向けて取り組んでいるところでございます。

 次に、県の活性化施策の効果と分析でございます。  県と県の消防協会が実施しております消防ポンプ操法大会、ラッパ吹奏大会、あるいは女性団員意見発表会等につきましては、全国大会において長野県代表団が優秀な成績をおさめるなど、県内消防団員の資質向上、士気の高揚に寄与しているものと考えております。

 また、消防団協力事業所への優遇措置を平成19年から全国に先駆けて取り組んでまいりました。長野県の認定事業所数は全国最多の1,062事業所、これは全国の認定事業所の1割となります。消防団の重要性が企業の皆さんに浸透しているものと考えております。

 県内の消防団員数の推移を見ますと、減少傾向が続いておりますものの、最近は一定の歯どめがかかってきております。これは、消防団自体の取り組みはもちろんでございますが、国、県、市町村がそれぞれの立場で消防団のための施策に取り組んできた成果が徐々にあらわれてきているものというふうに考えております。

 続きまして、優遇措置の目指すものについてでございますが、今回の消防団に関する新たな優遇措置につきましては、消防団協力事業所をさらにふやし、団員の確保、消防団活動の活性化につながることを目指しております。

 また、応援減税の改正条例案につきましては、資本金の要件を撤廃して対象を全事業所に広げることとしておりますが、より多くの事業所の参加を目指しているものでございます。

 その他、入札参加資格等の優遇策につきましては、消防団協力事業所の認定を受けた事業所であれば事業所の規模にかかわらず活用いただけるものと考えております。

 続きまして、信州消防団員応援ショップ推進事業でございます。  これは、お店や施設が社会貢献の姿勢を広く世間に訴えることができる、これが最大のインセンティブというふうに考えておりますが、来客数や客単価の増加も見込めますことから工夫次第では収益等に大きな影響が出るものというふうに考えております。今後、市町村や県消防協会に協力いただきながら、消防団員はもとより、お店にもメリットを感じられるような制度としてまいります。

 また、県で同様に特典サービスを行う事業として、ながの子育て優待パスポート事業あるいは楽園信州ファンクラブといった先例がございますので、参考にしながら登録店舗の拡大を図ってまいります。

 以上です。


◆石和大

 次に、文化振興元年についてお聞きいたします。

 平成27年度を文化振興元年にするということです。27年はいろいろな元年があるようですが、中でも期待するものの一つです。芸術や文化に県民の皆様が触れる機会をふやす、特に子供や若者に対して、信州の自然に触れる機会、信州型自然保育などとともに、芸術や文化に触れて感性を磨くということにしっかり取り組むことが文化振興元年ということになると思います。

 その大きな幹になるのが文化振興基金事業だと考えます。一般会計の決算剰余金の1%を当該年度の2月補正で積み立て、翌年度以降の事業に充当するというものですが、充当額が積立金を下回った場合の差額は留保財源とするとあり、単年度主義の行政としては珍しい柔軟な施策だと思います。文化と教育には費用対効果ばかりではないことがありますから、よい考えだと思います。

 そんな文化振興基金を活用した新たな取り組みとして信州文化会館ネットワークの構築とあり、舞台芸術の全県的な広がりを促進するとありますが、どんなことを目指すのか。お聞きをいたします。

 このネットワークを実質的な県民益につなげられないかという観点を持っています。各市町村の自主文化事業、つまり税金からの持ち出しがある興行でチケットが即日完売するような興行の場合、およそ事業費の半分は税金といったことも少なくありません。しかし、チケットの20%くらいはそのアーティストのファンクラブに充てられ、あとの分も早い者勝ちで、その市町村の住民は会場の半分もいないということがあるわけであります。これは、費用対効果として住民の福祉の向上ということに十分貢献しないという点で課題だというふうに考えています。

 つまり、即日ソールドアウトというようなアーティストを呼ぶのに1,000万円かかると、チケットでペイできるのは500万円、あとの500万円は税金なのに、会場の半分は市町村外、または県外の人々というのでは自主文化事業の意味が損なわれると思うのであります。それらを少し工夫して、住民が楽しめるようにできないかと考えます。

 そこで、質問をいたします。  各文化会館では、このようにさまざまな課題を抱え、日々努力されているところですが、個々の文化会館のみで対応を考えるのは限界があるということから、共通の課題についてはこのネットワークにおいて検討し解決していくことができれば長野県全体の文化会館の魅力向上につながると思いますが、お考えをお聞きをいたします。

 また、昨年、私は、一般質問の中で、バレエのローザンヌ国際バレエコンクールで優勝した二山治雄さんとサイトウ・キネン・オーケストラのコラボレーションができたらいいなという話をしましたが、それが実現し、小澤征爾さんの指揮で二山さんが演じた公演は大変すばらしかったということでうれしく思っています。

 県としても、このような若手アーティストを育てるという視点で施策を持っていますが、そんな中で、長野県内にはさまざまなオーケストラ団体が地域で活動していますが、国際レベルの音楽祭であるサイトウ・キネンの効果を県内のオーケストラや若手演奏家等に波及させ、将来的には長野県オーケストラの構築につながることを期待しますが、お考えを県民文化部長にお聞きをいたします。

 次に、地方創生元年についてお聞きします。  消滅可能性自治体、限界集落というように、人口減少社会がもたらす状況、未来は明るいものとは言えないという感になっています。また、2025年問題というように、あと10年するといわゆる団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になるということで、年齢分布の一番大きな世代が後期高齢者になるという時期が目に見えているのです。少子化にストップをかけるための施策とともに、人口減少社会に対応する施策の構築が急務であります。それは、当然、長野県らしく独創的で、住んでよかった長野県というものでなければなりません。

 そんな観点からの27年度の2番目の元年は地方創生元年であります。そのキックオフとして、人口定着・確かな暮らし実現戦略モデル事業コンテストがあります。オープンイノベーションイン信州というサブタイトルがついています。この事業概要を見ると、人口減少問題の克服のため、民間企業が提案する大胆で画期的な事業コンテストにより全国から募集、選定し、事業化を支援するとしていますが、どのような事業内容でどのような効果を狙っているのか。

 また、コンテストにより全国から募集、選定するとしていますが、そのためにはできるだけ多くの皆さんにたくさんの提案をしていただくことがこの事業の成功の鍵となると思われますが、そのためにはどのような方策を考えているのか。企画振興部長にお聞きをいたします。


 
◆県民文化部長(藤森靖夫)
 
 文化会館で3点の御質問をいただきました。まず、信州文化会館ネットワークが目指すものについてでございます。

 県内には公立文化施設が62館ございまして、各地域の文化活動の拠点として利用されておりまして、また、長野市、飯山市等では新たな施設の整備が進められているところでございます。

 これらの施設におきましては、平成24年に施行されましたいわゆる劇場法という法律で求められております自主的な企画制作の促進ということに関しまして、これは全国的な傾向と同様でございますが、人材でありますとか事業費の不足などにより十分に実施できず、貸し館公演が中心となっている状況にございます。また、地域人口でありますとか交通事情などから、多額な費用負担を要する公演の実施が困難な施設もございます。

 このような状況を踏まえまして、県と市町村の施設が連携、協働して行う新たな事業でありますとか研修会の実施などによりまして文化施設の魅力向上あるいは利用者の増加を図り、良質な公演の提供でありますとか発表、鑑賞機会の拡大、文化による魅力発見、地域活性を目指すものでございます。

 また、文化会館が抱える共通課題の解決による魅力向上ということでございます。

 各文化施設では、県立、市町村立を問わず、企画制作、情報発信、職員の資質、施設の維持管理、経営基盤などさまざまな面で課題を抱えております。このため、文化会館ネットワークでは、情報交換会の場などを通しまして各施設の現状でありますとか課題をしっかりと把握、分析した上で、共通する課題の解決に向けて具体的な対応策を検討していきたいと考えております。

 その上で、新たに創設いたします文化振興基金を活用いたしまして複数の施設が共同で行う住民参画の自主企画に対する支援でありますとか人材育成のための研修会などを行いながら、県全体の文化施設の魅力向上につなげてまいりたいと考えております。

 次に、サイトウ・キネン・フェスティバルの効果の波及などによる音楽振興でございます。

 サイトウ・キネン・フェスティバルでは、これまでも、音楽を学ぶ学生などをオーケストラメンバーが直接指導する室内楽勉強会でありますとか管弦楽クリニックなどの開催を通しまして若手演奏家の育成に取り組んでいるところでございます。

 ことしからセイジ・オザワ松本フェスティバルへと改称するわけでございますけれども、小澤総監督の意向もございまして、子供のための音楽会でありますとか青少年のためのオペラの内容を充実させて、将来の若手演奏家の育成にもさらに力を注いでいくところでございます。

 このほかにも、県では、県内のアマチュアオーケストラによる県民コンサートを3カ所で開催したり、若手演奏家などを登録して活動の場を提供する取り組み、nextも行っているところでございます。

 また、県民文化会館とウイーン楽友会館との姉妹提携事業といたしまして、ウイーンから音楽家を招聘し、県民文化会館附属の長野フィルハーモニー管弦楽団や県内のアマチュア音楽団体への演奏技術指導、文化交流を行っているところでございます。

 文化振興元年といたしまして、世界最高水準の音楽祭の効果が子供たちを初め県内アマチュアオーケストラや若手演奏家に波及するようセイジ・オザワ松本フェスティバルの運営に県として積極的に参画していきますとともに、県民コンサートを引き続き開催するなど、本県の音楽芸術の振興にさらに努めてまいることといたしております。

 以上でございます。


◆企画振興部長(原山隆一)
 

 人口定着・確かな暮らし実現戦略モデル事業コンテストについてのお尋ねでございます。

この事業は、人口定着・確かな暮らしの実現に向けました提案を、行政のみならず、民間企業、各種団体、NPO等幅広く県内外から募集しまして、官民挙げてさまざまな英知を結集し取り組んでいこうとするものでございます。

おおむね半年間の募集期間をとった上で、9月を目途に事業を選定する予定でございます。提案していただく事業には具体的な成果目標をそれぞれ設定していただくこととしております。そして、選定した事業に対しましては事業化のための交付金を助成するほか、県として積極的にサポートし、地方創生の取り組みとして目に見える確実な成果につなげてまいりたいというふうに考えております。

議員御指摘のとおり、幅広い層からさまざまな提案を数多くいただくことがこの事業の鍵であるというふうに考えております。そこで、ただ座して待つのではなく、できるだけ多くの団体、NPO、企業等にアプローチをして提案を働きかけていきたいというふうに考えております。例えば、CSRに強い関心を持っている県内外の企業ですとか買い物弱者対策に欠かせない流通業者といった、地域の課題解決に向けましてともに取り組んでもらえる企業等にも足を運ぶこととしております。

早期議決をしていただいておりますので、速やかに県が持つあらゆるチャネルを活用しアプローチを開始したいというふうに考えております。


◆石和大

 隣の群馬県には、群馬交響楽団という、知事が理事長を務め、そして副知事も、また県会議長も理事に名を連ねる、そういう交響楽団があるわけであります。長野県もぜひそういった広がりがあればなというふうに思うところであります。  地方創生元年については、県民一体となってさまざまな知恵を絞ってみんなで汗をかく、きのうもそんな答弁がありましたが、ぜひそんなところを充実させていただきたいというふうに要望いたします。  農業後継者の養成と人材確保についてお聞きをいたします。

 農業は国の根幹であり、食の確保を目指すということであり、国の存続にかかわる重要なものであることは言うまでもありません。食の自給率の低下は国力の衰退につながります。

 その農業を取り巻く環境はよい状況ではありません。農業を営んでいる皆様と意見交換をし、勉強会をすると、営農の存続について大変な危機感を持っておられます。一番は後継者と人材確保、営農にかかわる人の不足であります。国の制度である農の雇用制度等を使っている農家も多いわけですが、今後の継続性と制度の拡充の見通し、また県独自の農業者の育成事業の拡充を望む声がありますが、それについてのお考えをお聞きいたします。

 人材を確保するために職安に募集をかけてもなかなか応募がない。外国人の研修生に頼ることになるが、継続性を担保するためには日本人も当然必要であります。しかし、両親と息子等の家族営農では人材確保のための人材がない。人手を安定的に確保するための県の施策はないか。お聞きをいたします。

 後継者がいなくてあいた農地を継承するときに問題となるのは、その農地へのアクセスであります。軽トラックしか通れない進入路の農地では、認定農業者のような皆さんが使うには非効率でなかなか使えない場合があります。特に、果樹等の畑地において農地の基盤整備が進んでいない状況があるように感じるが、現状はどうか。また、そういった農地継承のための周辺整備等の施策はあるか。

 新規就農者を里親が育てていますが、農地の近くに暮らせる家を確保するような場合、里親の信用で借りるなどの方策がありますが、農村空き家バンクのような制度を現在ある空き家バンクの制度に加えていくことはどうか。

 また、就農や継承のために機械設備の負担の軽減も大きな課題であります。農業機械バンク等の設立を指導できないか。

 また、昨年の米価の下落は大規模な米作農家にとっては大変な痛手になっています。将来に不安を抱くことは当然でありますが、県の具体的な対策はあるか。

 また、農業所得の向上が農業の未来にとって課題でありますが、所見はどうか。国に対してどんな施策を求めていくのか。農政部長にお聞きします。

 信州ジビエの活用推進についてお聞きします。 有害鳥獣による農作物や森林等の被害は甚大で、中山間地の農地は柵に覆われていて、携わる人々の労力も、また費やされる費用も大きなものであります。特にニホンジカの捕獲が大きな課題となっています。

 平成25年度のニホンジカの捕獲頭数は3万9,663頭ということです。そして、24年度のジビエ利用率は5%未満ということで、95%は有用に利用されないということでもったいないわけであります。設備を整えて安全、安心な食肉として流通が図られることが急務だと考えますが、体制は不十分であります。鹿肉の流通を目指すには1時間以内の処理が望ましいわけですが、野生獣肉処理施設が圧倒的に足りていません。施設は南信に偏っており、東北信には一部に限られます。今後の設備拡大等の見通しはあるか。

 また、狩猟者が熟知していないと食肉化できないが、養成のめどはあるか。

 また、狩猟に携わる人々には、自分たちが捕獲した鹿肉をおいしく加工して、また調理をしておいしい食べ方を実践している人が少なからずいますが、そういった料理を公募、集約した上で飲食店に紹介し、参考にしてもらい、さらに良質な鹿肉を提供し料理コンテストを開催したらどうかと考えますが、いかがでしょうか。

 また、鹿肉の栄養価を分析した上で、さらにはうまみを出す方法を確立すれば人気も高くなり、信州名物、食文化の構築にもつながると考えますが、いかがでしょうか。林務部長にお聞きをいたします。

◆農政部長(中村倫一)
 
 農業後継者の養成、人材確保等に関連いたしまして7点順次お答えをいたします。

 まず、農の雇用制度についてでございます。

 本県におきましては、この制度で、平成25年度、野菜や果樹などの144の経営体に289名が雇用されているところでございます。国では、この制度を、平成27年度も26年度と同様な内容で継続して実施するというふうにしているところでございます。

 また、本県独自の農業者の育成への支援についてでございます。

 県では、実践経営者コースを設置するなど農業大学校の改革を推進し、経営感覚にすぐれた意欲ある人材の育成を進めるとともに、農業後継者が農業で夢をかなえることができますよう、新たな部門を開始するための相談や就農後の仲間づくり、企業的経営を実現していくための信州農業MBA研修などを実施しているところでございます。

 平成27年度からは、これらに加えまして、新たに、経営者としての意識の醸成や経営管理能力の向上を図るための青年農業者等育成セミナーを県下10地区の普及センターごとに開催をいたしますとともに、長野でかがやく農業女子応援事業によりまして若い女性農業者の仲間づくりや自主的な実践活動への支援を拡充してまいりたいと考えているところでございます。

 2点目の、農業労働力の安定確保ための県の施策についてでございます。

 県内では、市町村の営農支援センターや農業再生協議会等が中心となりまして、地域内の多様な人材を活用して地域全体で農業労働力を確保する仕組みづくりが行われております。
 例で申し上げますと、塩尻市で、地域の女性が援農組織「ねこの手クラブ」を結成いたしまして、農家の要請に応えて野菜の収穫等を支援している事例、飯綱町で、定年退職者が助っ人組合を結成いたしましてリンゴの摘果等を支援している事例など、県下各地で多くの取り組みが行われておりますので、農業改良普及センターが市町村の営農支援センターなどにこうした実践事例を紹介し、地域の仕組みづくりを支援してまいります。

 また、これらの仕組みづくりとあわせまして、農作業経験をお持ちでない方々を対象に農業改良普及センターが栽培技術講習会などを開催をいたしまして安全で確実に農作業が行われるように支援をしてまいりたいと考えております。

 3点目の、畑地の基盤整備の現状と周辺整備等の施策の関係でございます。

 区画整理などのほか、農道または畑地かんがい施設が整備されております本県の畑地の整備率は、平成25年度末で52.9%となっております。比較的規模の大きな畑地帯におきまして市町村からの御要望にはおおむねお応えをしてきているところでございますが、現在、畑地かんがい施設の更新などの再整備を進めるということで、さらなる効率性と利便性の向上に取り組みを重点しているところでございます。

 お尋ねの小規模な未整備の畑地につきましては、市町村等が事業主体となりまして、複数の農業者を対象にきめ細かな条件整備を支援する国の制度が措置されております。地域内の農業者の皆さんの合意形成を進めていただくことで、こうした制度の活用が可能になるというふうに考えております。

 新規就農者の住宅の確保についてでございます。

 作業場や機械庫などを備えました農家用住宅を取得する際には、地域で顔の見える関係でございます里親農家さん、そしてまた、市町村、JA、農業委員会などが連携をいたしまして仲立ちをしていただいている場合が多いというふうに認識をいたしております。

 御指摘の空き家バンクにつきましては、おおよそ6割の市町村でそれぞれ今整備されているところでございます。平成27年度に、企画振興部におきまして、県内の物件を一元化し、検索機能も充実した空き家バンクシステムを整備する予定でございます。こうした中で、農業に適した住宅が容易に検索できるように企画振興部と連携して工夫してまいりたいというふうに考えております。

 農業機械バンクのほうでございます。この点につきましては、安全性の確保、維持管理コストの負担、そしてまた利用時期の集中、こうしたさまざまな課題があるものと考えておりまして、民間会社でのレンタル、リース制度も充実しておりますので、こうしたものの活用をお願いしたいと思っております。しかし、新規就農者や農業で生活を立てるというふうな担い手の方々の農業機械の導入につきましては各種の制度資金や補助事業の活用をもって支援をしてまいると考えております。

 次に、米価下落に対する県の対策について3点でございます。

 県といたしましては、農業改良普及センターにおける経営相談などを通じまして、個別農家の状況に応じた経営指導や資金利用への助言等を行ってまいりました。さらに、昨年10月から、本県独自の取り組みといたしまして、県内生産者や流通・販売業者などと一体となった販売強化キャンペーンを実施いたしまして長野県産米のPR対策などを実施し、消費拡大による価格下落の抑制に努めているところでございます。また、国は、昨年11月、米農家の当面の資金繰り対策などを措置いたしますとともに、本年1月からは、27年産米の生産への支援策として稲作農業の体質強化緊急対策事業を緊急経済対策として実施しているところでございまして、これらの対策を活用して米農家に対する支援を行ってまいります。

 また、稲作農家の所得の向上につきましては、主食用米の需要量は毎年減少しておりまして米価は下落傾向にありますことから、農業所得の向上を図りますためには主食用米のみに依存しない、収益性の高い効率的な経営体の育成を進めることが重要と考えております。このため、県では、昨年10月から市町村と意見交換を行った結果を踏まえまして、平成27年度から、新たに、農業所得の向上に向けた取り組みを緊急的に推進するための水田農業所得向上緊急支援事業を実施してまいりたいと考えております。

 本事業では、生産費を大幅に低減できます5ヘクタール以上層の経営体の増加を図りますとともに、園芸作物などの導入による経営の複合化、ICT(情報通信技術)を活用した生産コストの徹底した低減などを支援をいたしまして農業者の所得向上を図ってまいりたいと考えております。

 これに関しまして国に求めていく施策についてでございます。

 国は、御承知のように、平成30年から米の需給調整手法を見直すことといたしております。新たな需給調整システムが的確に機能しない場合にはさらなる米価の下落が懸念されます。県といたしましては、国に対し、新たな需給調整システムの姿を早期に示しますとともに、価格低下等に対応できるセーフティーネットの構築を求めているところでございます。

 以上でございます。


◆林務部長(塩原豊)
 
 信州ジビエの活用推進について御質問をいただきました。

 初めに、供給体制についてのお尋ねですが、野生獣肉の処理加工施設は、県内では最近3年間で9施設が新たに設置され、現在22の施設が整備されております。

 県では多くのニホンジカが捕獲されているものの、処理加工施設の少ない中信地域や東信地域などにおいて新たな施設整備を促進するべく、市町村や、捕獲、利用などに関係する皆様とともに検討を進めております。

 今後も、県内各地域におきまして、新たな施設整備や信州産鹿肉の認証取得等に対しまして積極的に支援し、消費者の皆様のニーズに応え得る信州ジビエの供給体制の整備を図ってまいります。

 また、食肉利用の知識を持つ狩猟者の養成についてですが、鹿肉をおいしいジビエとして提供していくためには、食肉利用に適した捕獲方法や、信州ジビエ衛生管理ガイドライン・衛生マニュアルに沿った捕獲後の速やかで適切な処理が必要となります。このため、県では、本年度から、これらを適切に行える技術を身につけ、安心、安全でおいしい信州ジビエを供給できる捕獲者を信州ジビエハンターとして養成しておりまして、平成29年度までには100人を確保する計画でございます。

 次に、信州ジビエの需要拡大についてのお尋ねですが、県内の鹿肉の生産量は北海道のエゾシカを除きますと全国トップクラスではございますが、さらなる利用拡大に向けて需要を喚起することが重要となっております。このため、議員御提案のように、来年度は、栄養成分の分析に加え、新たにしあわせ信州食品開発センターにおいて味に影響する成分などを分析して信州産認証鹿肉のブランド力の強化に活用してまいります。

 また、新たに、信州ジビエ研究会を通じて鹿肉のさまざまな部位を活用した食品等の開発に取り組む事業者を募集し、試作品づくりなどへ支援するとともに、調理師会や栄養士会の御協力をいただきまして料理等のコンテストなどを実施して、ジビエと言えば信州を目指して信州ジビエの普及に取り組んでまいります。

 以上でございます。


◆石和大

 現在、少年たちの事件でも信じられないような殺伐とした事件が発生をしています。直接体験が不足し、創造力や事態の把握などができていないのではないか、さらには生命倫理の欠如さえも感じます。 前回の質問でも触れましたが、フキノトウが出てきた、フクジュソウが咲いている、日の光が強くなってきた、こういうふうに春が近づいてきたなと感じられる信州の恵まれた環境を生かして幼少期から信州の自然の中で感性を磨き、芸術や文化に直接触れ、素直に感動できる心を育て、信州人としての誇りを育てる。改めてそんな新年度にするという期待と信州創生へ向けた決意を持って、質問を終わります。 




 

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