2014.11月定例県議会-発言内容(石和大議員)

 

◆石和 大

 長野県の未来を担う子どもの支援に関する条例に基づき、平成27年4月に仮称子ども支援センターを開設する事前の準備が進められているようですが、センターでの子供の総合相談窓口は、相談の窓口としての機能はどのような体制で、どこで受け付けるのか。

 子供や保護者の相談窓口は民間も含めて幾つかありますが、総合相談窓口というからには子ども支援センターの役割は連絡調整機能も担うのか。

 調整機能を果たすためにはセンターの役割の定義づけ、位置づけが必要とも感じますが、いかがか。県民文化部長にお聞きをいたします。

 次に、信州あいさつ運動普及啓発事業についてお聞きをいたします。

 挨拶はコミュニケーションの基本、初めの一歩であります。朝、家族とまずおはようと挨拶を交わし、1日が始まります。しかし、挨拶運動があるということは多くの皆さんが挨拶をしていないからということになります。挨拶運動のチラシにも、子供たちに挨拶で声をかけようと呼びかけています。

 しかし、全国学力・学習状況調査によりますと、近所の人に会ったときは挨拶をしていますかという問いに対して、当てはまる、どちらかといえば当てはまるという答えは、平成25年度、長野県の小学生で94.2%、中学生では88.2%であります。子供たちは、ふだん、近所の人と挨拶を交わしているということであります。実は、挨拶をしていないのは大人ではないかということであります。

 そこで、お聞きをいたします。

 4月からスタートした信州あいさつ運動はどのように展開をしているのか。賛同団体の応募状況はどうか。また、賛同団体にどんな役割を担ってもらうのか。県民文化部長にお聞きをいたします。

 ことし6月の長野県青少年育成県民会議の理事会において毎月11日を信州あいさつの日とすることになったというふうにされていますが、余り県民には浸透していないのではないか。少なくとも県会議員は余り知らないと言っておりますが、いかがでしょうか。

 各市町村単位で行われている挨拶運動、いろいろなものがあるようでありますが、実施状況をどう把握して、どのように分析をしているのか。あわせて県民文化部長にお聞きをいたします。

 小中学校での取り組みで、挨拶をしようは何年かにわたりテーマになっていますが、成果を把握しているかどうか。また、県教育委員会の取り組みはどのようなものか。教育長にお聞きをいたします。

 さらには、小学校からの運動はあるわけですが、コミュニケーションの基本、挨拶を幼少期にどう習慣にするかということが大事だと感じていますが、幼少期の子供に対する県のアプローチがあるのか。県民文化部長にお聞きをいたします。

 

◆県民文化部長(藤森靖夫)

 子ども支援センターと信州あいさつ運動について御質問いただきました。順次お答え申し上げます。

 まず、子ども支援センターの相談窓口の体制についてでございますけれども、センターに対する相談はそのほとんどが電話またはメールによるものというふうに考えておりますけれども、相談への対応のため電話相談員を3名配置する予定でございます。9月定例会において開所に向けた準備のための経費について補正予算をお願いしたところでございますが、今後、相談員への研修を行うなど、きめ細かい対応のできる体制を整えてまいりたいと考えております。

 また、来所による相談にも対応してまいりますけれども、センターの場所につきましては現在鋭意検討を行っているところでございまして、現段階では、所管課であるこども・家庭課が運営の支援を行うことができますよう、県庁内に設置することが適切と考えているところでございます。

 続きまして、センターの連絡調整機能について、役割とか位置づけに関するお尋ねでございます。

 長野県の未来を担う子どもの支援に関する条例の第16条において、県は、関係者による子供支援に関する情報の交換の場における助言等の支援など、関係者相互の連携協力を推進するために必要な措置を講ずると定めているところでございます。子ども支援センターは、この規定の趣旨に沿って、さまざまな子供に関する相談機関の中心として、相互の連携協力を推進するための取り組みといったものを行うこととしておりまして、これがセンターの大きな役割であるというふうに考えております。

 県内には、チャイルドラインでありますとかCAPなど民間の組織もございますし、児童相談所や教育委員会のこどもの権利支援センター、県警のヤングテレホンなど相談機関がございます。この9月には、こうした方々にお集まりいただき、子どもの相談機関等連携会議を開催しております。

 今後とも、開所に向けてさまざまな機関との連携に努めるとともに、できるだけ多くの子供の育ちを支える関係者が協力できる体制を構築していくため、センターが担うべき連携協力の推進に係る役割について広く関係者や県民に周知を図ってまいりたいと考えております。

 続きまして、信州あいさつ運動の展開についてでございます。

 ことし4月から、大人から子供に挨拶をすることで子供たちを元気づけ、地域ぐるみで子供の育ちを応援することを目的に、信州あいさつ運動がスタートいたしました。のぼり旗やたすきの作成、ホームページを作成して、「あいさつちょっといい話」の募集でありますとか、各地域、団体による取り組みの紹介を行ったり、一緒に挨拶活動に取り組んでみたいと思っている方に挨拶活動の日時や場所などの情報提供を行っているところでございます。

 また、毎月11日の信州あいさつの日を中心に、学校や駅などにおいて、PTA、育成会、婦人会、ライオンズクラブなどさまざまな団体によって挨拶活動を実施しておりまして、今後も息の長い県民運動として展開してまいりたいと考えております。

 続きまして、賛同団体についてでございます。

 この運動につきましては、企業や青少年育成関係団体など、11月末現在で118団体が賛同団体として登録いただいているところでございます。賛同団体の方々には、例えば学校や駅前で行う挨拶活動への参加でありますとか、それぞれの事業所内での挨拶の励行、それから11月から実施しております新聞などのメディアを活用した広報キャンペーンへの協賛などに御協力をいただいているところでございます。

 それから、信州あいさつの日が浸透されていないんじゃないかということでございます。

 挨拶運動そのものにつきましては、当初から、チラシ40万部を作成をいたしまして、学校を通じて全小中高校生に配布をしたほか、市町村や企業、関係機関、賛同団体に配布をし広報に御利用いただいているところでございます。

 また、4月21日に、知事や、あいさつサポーターであります武田徹さん、小平奈緒さんに御参加をいただきキックオフイベントを行い、大きく報道していただいたほか、各地の街頭活動も紹介していただいております。

 そして、挨拶運動をもっと知っていただきたいということで、9月議会で補正予算としてお認めいただきました長野県遊技業協同組合様からの寄附金を活用し、11月には新聞広告に挨拶運動の広報を行ったところでございます。これにつきましては、今後、来年3月までに毎月11日の信州あいさつの日にあわせて、メディアを利用し、広報キャンペーンを引き続き実施し、全県的な展開を進めてまいりたいというふうに考えているところでございまして、あいさつの日につきましても、これにあわせてしっかりと広報、啓発を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。

 それから、市町村単位での取り組み状況ということでございます。

 ことし8月に各市町村の実施状況について調査を行いまして、その後は、随時、情報の提供を依頼して状況の把握に努めているところでございます。

 4月の運動発足時には32市町村で実施を確認しておりますけれども、現在、45の市町村でさまざまな形態での挨拶運動を実施していただいているところでございます。

 市町村の取り組み例といたしましては、例えば児童生徒の登下校にあわせた挨拶活動でありますとか、標語、作文、ポスターの募集、あるいは表彰、そして市町村広報誌や広報用の公用車による啓発、そして、のぼり旗、ステッカーの作成、配布などを行っていただいているところでございます。

 最後に、幼少期の子供に対するアプローチということでございます。

 幼少期におきましても、議員御指摘のとおり、挨拶を習慣づけることは大切なことだというふうに考えております。保育園におきましても挨拶活動を行ったところでございますけれども、これまでは、啓発用のチラシの配布でありますとか、登下校時の挨拶運動は小中高の子供たちを中心に行ってきたところでございまして、今後、小さい子供さんたち、あるいはその保護者の方々にももっと啓発できるように工夫をしてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

◆教育長(伊藤学司)

 挨拶運動の成果の把握と教育委員会の取り組みについてのお尋ねでございます。

 県教育委員会では、平成14年度より共育クローバープランを提唱し、その中で、大人も子供もともに挨拶をするよう学校などに対し啓発活動を継続してきているところでございます。

 本県の小中学生の挨拶の状況につきましては、先ほど議員が御指摘をいただきましたように、平成25年度の全国学力・学習状況調査の児童生徒質問紙において、近所の人に会ったときに挨拶をしていると答えた児童生徒の割合が大変高い状況でございまして、この結果は、小中学校ともに全国平均を上回るとともに、調査を始めた平成19年度に比べて3から5ポイント上昇をしてきており、これまでの取り組みの成果があらわれてきているものと認識をしております。

 

◆石和 大

 子ども支援センターについては、幾つもの相談先があり、それぞれが別々に活動していてかえってわかりづらいとか、そして、連携がとれていないので対応がまちまちであったりするということがないように準備を入念にと望みます。

 挨拶運動につきましては、先ほども申し上げたとおり、毎月11日が信州あいさつの日だということを知っている人は余りいないんじゃないか。この辺にはいませんので、ぜひそれをしっかりと浸透させていただきたいことと、県庁内でも皆さんにもしっかりと挨拶をするという習慣をしたいと思います。お腹が痛いんじゃないかという人も毎朝よく見かけますけれども、そういうことがないようにしっかりと挨拶をしていきたい思います。よろしくお願いします。

 次に、ニート、ひきこもり等のサポートについてお聞きをいたします。

 さきに宮本議員も触れられましたが、若年無業者、いわゆるニートは県内では推計値で1万100人、ひきこもりは推計値で3,300人とされています。この県内の状況をどう分析しているか。

 それらの困難を有する子供、若者に対する事業展開として、子ども・若者支援地域協議会事業、困難を有する子ども・若者の社会的自立支援事業がありますが、成果と今後の課題について県民文化部長にお聞きをいたします。

 また、次世代サポート課の人員配置については、事業の継続性と民間の事業者や団体との連携等を担う人材が必要だと感じています。その割には県の職員の一般的な定期異動の期間で人事異動が行われているように感じています。困難を有する多くの若者が自立するために粘り強く取り組むためには、もう少し長いスパンで取り組むことと人材配置が次世代サポート課には必要ではないかと感じていますが、考えはどうか。現状の分析と今後の展望について知事にお聞きをいたします。

 

◆県民文化部長(藤森靖夫)

 ニート、ひきこもりのサポートについて御質問いただきました。

 まず、ニート、ひきこもりの現況についての分析ということでございます。

 ニートやひきこもりの問題が深刻化している社会的背景には、情報化など近年の子供、若者を取り巻く環境の大きな変化、あるいは長引く雇用情勢の悪化、孤立しがちな人間関係等が挙げられると思っております。また、個人的要因としては、職場になじめなかった、病気、あるいは就職活動がうまくいかなかった、不登校などがあるものと思っております。

 こうした社会的背景、個人的要因がある中、次代の社会を支える長野県の貴重な人材となる可能性のある多くの若者が困難な状況にあるということを重く受けとめておりまして、このため、平成25年3月に策定いたしました次世代サポートプランに基づき幅広い支援を行っているところでございます。

 続きまして、困難を有する子供、若者に対する支援の成果と課題についてでございます。

 お話がございましたように、平成2410月に、子ども・若者育成支援推進法に基づきまして、子ども・若者支援地域協議会を東信地域に設置をいたしまして、修学や就業のいずれもしていない、社会生活を円滑に営む上での困難を有する子供、若者を関係機関が連携して支援をしているところでございまして、平成26年には25人を支援しているところでございます。

 また、平成25年度からは、ニート、ひきこもりなどの子供、若者に対しまして、さきほど宮本議員にもお答えいたしましたけれども、訪問相談、あるいは出口戦略を持った居場所の提供、そして宿泊を伴う研修を実施しているNPO法人等に対し助成を行っているところでございます。

 訪問相談については今年度は25人、出口戦略を持った居場所の提供については今年度16人、宿泊を伴う研修について、今年度はこれからでございますが、昨年度は10人ということになっております。

 今年度は昨年度に比べましていずれも多くの若者を支援していただいているところでございますけれども、一人一人に向き合い、より多くの若者に丁寧な支援をしていくことが必要であり、課題であると考えております。今後も地道な取り組みを進めながら、支援のあり方について検討を行ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

◆知事(阿部守一)

 次世代サポート課の人員配置についての御質問でございます。

 平成23年4月に設置をして以来4年目に入っているわけでありますけれども、御指摘もありましたように、困難を抱える子供、若者を支援するNPO法人等との連携をしっかり行っていくこと、先ほども宮本議員の御質問にもありましたけれども、子供、若者の支援は部局横断で取り組んでいかなければいけないこと等、そうした特色をしっかり踏まえて組織のあり方、人員のあり方を考えていく必要があるというふうに思っています。

 今年度からは、関係部局と連携をしっかり進めようということで、こども・若者担当部長を新しく設置をして体制を強化いたしたところであります。

 また、職員配置につきましては、次世代サポート課を含めて、専門性が高い業務等については異動サイクルの長期化等に現在取り組んできているところであります。まだ過渡期ではありますけれども、そうした問題意識は持っております。また、ニート、ひきこもり等のサポート、任期付職員も課に配置をして4年にわたってネットワークづくりをしてもらっているところでもございます。今後とも県職員の人材育成をしっかり図りながら、組織として、子供、若者を応援するNPO、地域の皆様方とも十分な連携ができる体制をつくっていきたいと考えております。

 以上です。

 

◆石和 大

 次に、メディアリテラシーについてお聞きをいたします。

 先ほどの質問でも触れたひきこもりとネット使用の関連性については、平成22年度の内閣府の調査によると、ひきこもりの傾向がある人のうち5割から6割の人がネットを使っていたということがわかります。しかし、このデータは22年のものですからスマートフォンが普及する前のもので、今はかなり事情が違います。

 児童生徒の不登校やひきこもりとメディアやネットへの依存状況との関連について県教育委員会は調査し把握しているか。また、ひきこもりに通じるネット環境をどう捉えているか。教育長にお聞きをいたします。

 現代社会の特徴として、子供や若者のネット依存という症状が問題化しつつあります。韓国ではネット依存からの脱出を目指すキャンプが盛んに行われているとのことであります。それだけ危機感が強いし、問題も深刻化しているということです。急速なIT化の進化の弊害ともいえます。

 日本でも文科省が対策に乗り出しているようです。その一環として、国立信州高遠青少年自然の家で行われた「ネットやゲームとのつきあい方を考える自然体験キャンプ」があります。これは独立行政法人国立青少年教育振興機構の主催ですが、県はどうかかわったのか。また、内容についての所感を教育長にお聞きをいたします。

 また、ネット依存に陥らないこと、未然に防ぐことが大切です。どう対策を講じるかということです。さきにも触れたとおり、ネット関連で国の公表する数値等は日進月歩の世界に対して相当おくれていると感じています。県としてよりスピーディーに対応することを考えているかどうか。

 また、ネットトラブルや課題解決のためには専門性の高い人材を要所に配置する必要性を感じるが、いかがでしょうか。本当は各小中学校に相当に精通した教員が配置されているべきだと思いますが、すぐにはできないことでしょう。そこで、先生にも教えられる専門性を持った人材を教育事務所単位に配置する必要があると感じますが、考えはいかがでしょうか。教育長にお聞きをいたします。

 

◆教育長(伊藤学司)

 メディアリテラシーに関しまして4点御質問をいただきました。順次お答えを申し上げます。

 まず、不登校などとネット依存との関連についてのお尋ねでございます。

 不登校やひきこもりとメディアやネットへの依存状況との相関関係につきましては、県でこれを直接調べたことはございませんが、不登校の調査を分析いたしますと、長時間のインターネット利用がネット依存的な状況を引き起こしたり、ひいてはそれが誘因となって不登校になっている事例もあると認識をしてございます。

 県教育委員会が本年7月に行いましたインターネットの利用についての調査におきましても、1日に4時間以上インターネットを行っていると回答した生徒が中学生で11.3%、高校生で23.4%もおり、ネット利用の長時間化が危惧されている状況になってございます。

 このため、学校における情報モラル教育の中で、長時間のネット利用により生じるさまざまな問題について生徒に示し、適切な利用について指導するとともに、ネットの利用の多くは家庭で行われていることから、PTA団体と連携し、保護者への啓発活動に取り組んでいるところでございます。

 次に、「ネットやゲームとのつきあい方を考える自然体験キャンプ」についてのお尋ねでございます。

 先月、国立信州高遠青少年自然の家で行われました「ネットやゲームとのつきあい方を考える自然体験キャンプ」は、オリエンテーリング、星座観察、野外観察等のネット以外の実体験を重視するとともに、日ごろのネットの利用について児童生徒と保護者が一緒に参加し考える事業であり、県教育委員会からも職員を派遣し、キャンプの運営に協力したところでございます。

 参加した児童生徒は、自然体験や創作活動、ワークショップ、宿泊体験プログラムの実施を通じまして、ネットやゲームの自分自身の利用や生活習慣について考えたり、自己肯定感を高める機会となったと認識をしているところでございます。

 次に、スピーディーなネット関連数値の把握についてでございます。

 議員御指摘のように、子供たちのインターネットの利用の仕方の変化は非常に早いものがございまして、県教育委員会といたしましても、国の公表するデータだけではなく、より実態に近い子供たちのインターネット利用状況を把握することが重要と考えてございます。このため、携帯電話やインターネットの利用に関するアンケートを毎年約3,000名の子供たちに独自に実施をしているところでございます。加えて、今年度は特にその調査に保護者も対象に加え、実態の把握に努めているところでございます。

 次に、ネットトラブルに対応できる人材配置についてのお尋ねでございます。

 ネット上のトラブルやその課題解決のために、それに対応できる最新の知識を持った人材が必要であり、現在、情報通信事業者等が主催する研修に参加し、現況についての情報や知識を持つ教育委員会の心の支援室の担当指導主事が中心となりながら、総合教育センターの情報教育担当者や各教育事務所に置いている生徒指導専門指導員らと連携をしながら、学校でのネット上のトラブルへの助言や問題の解決に対応しているところでございます。

 ネット上のトラブルは、その変化も早く、常に専門性の高い知識が求められることから、県教育委員会の職員や学校の教員のみならず、警察本部のサイバー犯罪対策室、また民間団体、情報通信事業者との連携を図りながら、子供たちのネットトラブルに適切な助言、支援ができるような体制の充実に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

◆石和 大

 次に、子育ての地域連携についてお聞きします。

 先ほどの質問でも触れましたが、挨拶ができない人がふえているように、現代人のコミュニケーション能力の不足ということが問題になっています。子供よりも親のほうが挨拶ができないというように、課題も多いのかもしれません。学校においてもそんなところから問題が起きています。

 現在の保護者は子供を学校任せにしてはいません。学校で子供がどんなふうに学習し生活しているか関心を持っています。ですから、学校は担任の教員を中心に情報提供を求められます。そして、その情報について的確な説明までも求められることもあります。教員の負担も限界を超えることもあるかもしれません。また、もしかしたら適切なコミュニケーションを保護者ととることができない教員もいるかもしれません。親も、一方的な視点、つまり我が子かわいさからの一方的な要求を学校に求めることもあるでしょう。お互いのコミュニケーション能力にも課題があるわけであります。

 そういった中で、学校と子供と保護者という関係だけではなく、第三者の視点、地域の力をそこに入れて、さまざまな形で力を活用したいということが子育ての地域連携の一つの形です。

 しあわせ信州創造プランでは信州型コミュニティスクールを全小中学校で実施することを目標に掲げていますが、見通しはどうか。また、特に力を発揮するコーディネーターの養成状況等はいかがか。学校と子供、保護者、そして地域をつなぐコーディネーターという人材をそんなに多く育成できるのか。教育長にお聞きをいたします。

 

◆教育長(伊藤学司)

 信州型コミュニティスクールについてのお尋ねでございます。

 信州型コミュニティスクールは、地域住民による学校支援、学校運営への参画、学校評価の三つの機能を一体的に実施する仕組みがある学校であり、地域に開かれた信頼される学校づくりの推進のため昨年度より取り組み始めているところでございます。

 県内では信州型コミュニティスクールの要件を満たす小中学校はことしの5月1日現在で76校であり、全体の13.6%となっているところでございます。市町村や校長の理解も徐々に進んできておりまして、今後さらに取り組む学校が広がっていくと考えてございます。

 県教育委員会といたしましては、引き続き教育委員会一体となってこの事業を推進し、平成29年度までに全ての小中学校で実施されるよう取り組んでまいりたいと考えてございます。

 また、学校と地域をつなぐコーディネーターの養成につきましては、コーディネーターとその候補者に対し基本的な役割や重要性を学んでいただくための研修を実施しており、今年度は130名の参加をいただいたところでございます。今後は、幅広く人材を養成していくために、本県の有力なソーシャルキャピタルでもございます公民館やボランティアなど学校支援にかかわっている多くの地域住民の方にも御参加をいただけるよう、コーディネーター及び学校支援ボランティア研修のより一層の充実に努めてまいりたいと考えております。

 

◆石和 大

 次に、幼少期に感性を磨くということについてお聞きをいたします。

 信州型自然保育認定・登録制度創設の準備が進んでいるようです。これは、信州の自然環境と地域資源を積極的に活用する保育、幼児教育の県内全域への普及促進を目指すというものです。

 この制度をつくる必要性を感じる背景については、屋外で遊ぶ子供が減っている、子供の体力や運動能力の低下、対人関係や地域社会とつながりが薄れている、そして、年齢が上がるにつれ自尊心や自己肯定感が低下している、さらに、ニートやひきこもりなど孤立する若者が増加しているなどがあります。

 まさに、今回の質問で取り上げたニート、ひきこもり、ネット依存等の課題の根っこは、この幼少期の過ごし方にあるともいえるわけであります。幼児期の豊かな体験が人生の根っことなって子供の成長と将来の社会的自立を支えることになるわけです。

 現在、森のようちえんを初め、このような自然保育を実施しているのは県内で16団体ということですが、自然への畏敬の念と信州への愛着を深めるためにも、この信州型自然保育の普及に大いに期待するところですが、知事の目指すところと意気込みをお聞きをしたいと思います。

 

◆知事(阿部守一)

 信州型自然保育の目指すところということでございます。

 現在、自然保育の認定・登録制度、制度検討を進めてきているところでありますけれども、御質問にありましたように、子供の基礎体力、運動能力が低下してきている、あるいはコミュニケーションや対人関係といった社会性が低下している等々課題がある中で、長野県の有するすばらしい自然環境の中で子供が伸びやかに育っていくということがさまざまな面で重要だというふうに考えています。

 学校教育のみならず、就学前の幼児期の過ごし方が重要であるという点も御指摘のとおりだというふうに思っています。そうした観点で、子供たちが思い切り自然の中で体を動かし、心身の健全な発達を図っていく、あるいは自発性や社会性を育んでいく、そうした効果を期待しているところであります。

 先ほどもインターネットの話がございましたが、インターネットの世界というのはバーチャルな世界であります。しかしながら、人間の五感を発達させていく上ではリアルな世界が必要不可欠だというふうに思っておりますし、また、私自身の子供のころも振り返って考えれば、おもちゃがなくても、森の中で木の枝とか葉っぱがあれば幾らでもいろんな遊び方ができたなというふうに思っています。

 そういう意味で、これはなかなか都会ではそうした環境にない場所が多いわけでありますけれども、長野県内のこうした自然に恵まれた強みというものをしっかりと生かしていく上でも、この自然保育の認定・登録制度、重要なものというふうに考えております。

 また、最近では、こうした子供たちの子育てのすばらしさということを重点に置いて移住をされていらっしゃる方も出てきているわけでありまして、そういう意味で、長野県の特色、強みということでこれを発信をしていきたいというふうに思っております。

 他県の先頭に立って、長野県の豊かな自然環境を生かした自然保育の認定・登録制度、しっかりとした制度として構築をして、子供たち、そして保護者の皆様方の期待に応えられるいい制度にしていきたいというふうに考えています。

 以上です。

 

◆石和 大

 さきにも述べたことがあるように、また今知事の答弁にもありましたとおり、現代の子供たちは、女子高校生のスマートフォンの使用時間が1日6時間というふうなデータが示すように、幼少期からテレビ、ゲーム、携帯、インターネット、スマートフォンといった平面画面のメディアに長時間接触し、生活しています。現実ではない仮想現実、バーチャルな世界に浸っている時間が長いわけです。仮想と現実の区別がつかないという状況もあるわけであります。

 昔から、だだをこねる子供に鬼が来るぞとおどかしたことはあるわけですが、現代では、鬼に電話するよといって本当にスマートフォンで通信をして、その画面で鬼が出てきて悪い子はどこだという通信機能があるんです。それを使っている親もいるわけであります。

 幼少期からの外遊びを中心とした直接体験が感性を磨き、感受性を高め、物の本質を見抜く目や心を育てるもとになります。それがないと、平面画面というメディアからの情報を批判的に読み解く力、いわゆるメディアリテラシー能力は身につきません。そして、自然や社会の中で自分が生きている、生かし生かされているという実感がないと人間性が育たないと感じています。

 信州という自然に恵まれた環境での自然保育を平成の信州教育の第一歩としてほしいと願い、質問を終わります。

 

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