6月定例県議会-発言内容(石和大議員)

石和 大

 改革・新風、石和大でございます。それでは順次質問をいたします。

 まず、信州型コミュニティスクール事業についてであります。
 これまで、国は、コミュニティスクール事業、学校運営協議会事業として、学校運営に保護者や地域住民が参画する制度を進めてきました。しかし、県内でこの制度が実施されているのは全県で10の小中学校しかないということです。このことは、地域の子供は地域で育てるという理念はよいのですが、実際に実践することになると相当な苦労があるということです。特に、地域の声は学校に押し寄せて、そして、ややもすると教員に対してプレッシャーのように重くのしかかることにもなります。制度として精度を上げたものにしないと有効に機能しないことは容易に想像がつきます。

 そこで、今回、県が補助金を出して推進しようとする信州型コミュニティスクールについてお聞きいたします。
 学校と県民の協働による地域に開かれた信頼される学校とは、どんなものなのか。また、学校とは本来そういった存在だったと思われますが、あえてうたう背景があるのか。そして、教員の負担を減らすことも目的の一つだとされていますが、逆に学校の負担感が増すことが懸念されると考えますが、いかがでしょうか。
 さらに、設置年度はいいかもしれませんが、後の維持について、学校の職員体制、つまり異動に伴う人員の変化にどう対応するのか。考えているのかどうか。
 学校も地域も、大事なのは人であるというふうに考えています。まずは学校、特に学校長の意識の変革が必要ではないかというふうに感じています。学校は聖域であり、地域住民が私たちに口を出してほしくないという意識の変革、そして地域の人材をいかに発掘し、子供たちをよりよくするために力を合わせようとする、そういう共有意識を持った人材をいかに保持するかが重要であるというふうに考えますが、いかに施策するのか。教育長にお聞きをいたします。

 

◆教育長(伊藤学司)

 信州型コミュニティスクールについて4点御質問をいただきました。
 まず、地域に開かれた信頼される学校とはということでございます。
 まず、課題や成果を含めた学校の情報を地域社会に積極的に発信し、地域住民に届けていくことが、地域に開かれた信頼される学校づくりに必要な前提だと考えてございます。
 そうしたことを踏まえ、地域社会や地域の産業界、教育や子育てに関するさまざまな関係団体など、さまざまな人たちに学校の状況に応じて学校支援を行っていただいたり、また学校運営へ参画をしていただき、地域全体で子供を育み、地域住民の声が学校に届くことによって学校と地域の間で信頼関係が構築されていく、こうした関係が私ども今考えてございます学校と県民の協働による地域に開かれた信頼される学校というふうに考えているところでございます。

 次に、そうした学校、本来そういう存在だったのではないかという御質問でございます。
 議員御指摘のとおり、かつて学校は物心ともに地域住民に支えられるなど、地域とともにあり、地域コミュニティーの中核的な存在でございましたが、都市化の進展などにより学校と住民との距離が少しずつ離れてきてしまっているというふうに認識をしてございます。
 そうした中で、近年、学校運営に対して、地域住民から、学校の中で何をやっているのかが見えない、学校の敷居が高いなどの声が上がっているところでございます。こうした状況から、学校から情報を地域に積極的に発信していくとともに、地域住民の声が学校に届く、社会に開かれた学校にしていくことが今求められていると認識をしてございます。
 続きまして、教員の負担感の軽減についてでございます。
 現在、県内では、学校と地域が連携し、地域住民による学校支援活動が活発かつ円滑に実施されている学校もございますが、こうした学校にあっても、こうした活動が軌道に乗るまでの間は地域との調整に当たる教員の負担が一時的に増したという話も聞いているところでございます。
 しかしながら、地域住民による学校支援活動が軌道に乗ることにより、例えば学校の実情を理解した地域住民がふえ、学校への苦情が減少したり、また、地域の方のかかわりによって生徒指導事案が減るなど、さらには学校の環境整備など、教員が担っていた直接の教育にかかわる部分以外のことについてお手伝いをいただくことによって教員の負担が軽減されたという事例も伺ってございまして、地域住民による学校支援は教員負担の軽減に中期的にはつながっていくというふうに認識をしてございます。

 また、今回の信州型コミュニティスクールでは、地域の方の中から学校と地域をつなぐコーディネーターを設置することとしてございます。このコーディネーターが設置されますれば、これまで教員が担ってきた学校支援ボランティア等の人材発掘、地域との調整をコーディネーターが担うことになるので教員負担の軽減にもつながるものと考えてございます。
 また、その仕組みの維持についてでございますが、信州型コミュニティスクールの仕組みは、今申し上げましたように地域住民が担うコーディネーターが中心となり、学校と地域をつなぐ仕組みづくりを行っていくこと、また、運営委員会を設置し、地域住民が中心となってその運営委員会を構成していただくことなどから、地域住民主体の仕組み、これが構築をされていきますれば、教員の異動があってもその仕組みは中期的に維持されていくというふうに考えてございます。

 最後に、学校長の意識改革及び地域人材の発掘についてでございますが、議員御指摘のとおり校長を初め教員の意識改革は大変重要でございまして、県では、平成24年度より、校長研修や教務主任研修において、学校と地域の連携による学校運営についての研修を実施しているところでございます。引き続き、教員研修を初め学校訪問などあらゆる機会を通じ、校長初め教員の意識改革に取り組んでまいりたいと思っております。
 また、この取り組みのキーパーソンであります地域人材を継続的に発掘していくことも大変重要でございます。県としても、コーディネーターの人材養成を図るためにコーディネーター研修の実施に取り組むとともに、地域住民向けのパンフレットを作成するなど、地域住民の理解を得るための取り組みを積極的に実施してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

 

◆石和 大

 ぜひ、地域にとって敷居が高くない風通しがいい学校、そして地域との一体感を醸成していただきたいと思います。

 次に、県の人材育成についてお聞きをいたします。
 県短期大学の4年制への転換は、長い間の議論がなされてきています。そして、今回、県の方針が明らかになりました。私が会派での他府県への県立大学への視察等を通じて感じるのは、県立である以上、県内ですぐに活躍できる人材を育てる機能が備わっているべきだという視点です。県民にとっていかにあるべきか。次代を担う子供たちにとって行きたい大学でなければなりません。
 現在の県短期大学は、長きにわたり県短の卒業生なら大丈夫という県内の企業等からの信頼を得てきた学校だと理解しています。その短大が4年制に転換するのですから、これまでの地域からの信頼、そして校風、伝統といったものが引き継がれ、さらに昇華するものである必要があると感じています。
 もちろん、県内で職につくということに限らず、もっと違うフィールドで活躍する人材を育てる機能も兼ね備える必要があることは言うまでもありません。
 そこで、知事にお聞きいたします。
 今回の県立大学の設置方針をお決めになった思いを含め、長野県での高等教育全体の未来をいかに考え、長野県の人材育成についてどう考えているのか。
 具体的には、県立大学の学科設定について、県内で活躍できる人材育成となるのかどうか。また、現在、県内にある高等教育機関が今後しっかりと連携して人材を育成するという点について、県内で活躍できる人材とは県内企業に求められる人材であるということでもあると思います。
 長野県産学官協働人財育成円卓会議(仮称)という計画もあるようですが、全県を見渡した人材育成につながるものになるのかどうか。お聞きをいたします。

 

◆知事(阿部守一

 人材育成についての御質問にお答えを申し上げたいと思います。
 新しい県立大学、これから長野県が未来に向けて発展していく上で、やはり人材をどう育成確保していくかということが最も重要なテーマであるというふうに考えています。そうした中で、今回の新しい県立大学、地域に貢献できる人材を育て、そして地域に輩出していくということが重要な役割だというふうに考えております。
 社会全体、大きな転換点にある今、長野県が持続的に発展していく上では、グローバルな視野を持って、そしてイノベーションを起こすことができる、そうした人材が重要であります。
 例えば、基幹産業であります製造業に関しましては、多くの企業が海外に事業所を有しているわけであります。グローバルな視点を抜きに事業展開、事業開拓できない時代になっております。また、観光業、農業などの分野でも、イノベーション、地域資源を活用して新たな価値を生み出す、特色ある商品、サービスを開発、提供していく、そうしたこと抜きにはほかの地域との競争には勝てないというふうに思っております。

 こうした観点から、新しい県立大学では、全学部、学科を通じて英語集中プログラムや英語による授業の積極的導入、1年次の原則全寮制に加えて、海外プログラムの履修等によりまして全学生がグローバルな視野や異文化理解力、コミュニケーション力を身につけられるような教育を行っていきたいと考えています。
 総合マネジメント学科におきましては、グローバルビジネス創出センターにおける企業、自治体との共同プロジェクトでありますとか地域における課題探求型授業等を通じて、組織において成果を上げるマネジメント力やあるいは組織の外で起業していく力、また、NPO、企業、自治体等と連携して地域づくりをマネジメントする力を持った人材を育ててまいります。
 また、幼児教育、保育の現場、発達障害あるいは児童虐待、先ほど来子供についての御質問もありますが、かつては考えられないほど複雑・高度化した課題がさまざまあります。そうした中で、こども学科におきましては、単なる資格取得にとどまらず、高度な専門性を身につけ、地域の子育てをマネジメントできる人材を育成してまいります。

 また、長野県、しあわせ信州創造プランの中で、健康づくり、健康長寿県、これは大きな柱であります。長野県の誇るべき財産でありまして、これを継承発展させていくということが重要だと考えています。
 健康文化学科におきましては、健康な社会づくりを牽引できる人材、地域の食育、食ビジネスの分野で活躍できる人材を育てていきたいと考えております。
 新しい県立大学、全学部、学科を通じて県内企業や自治体と連携した実効性あるインターンシップを行って、学生が長野県で働くことの意義や価値をみずから見出していただくことによって県内企業や自治体等への就職につなげていきたいというふうに考えています。
 加えて、新しい県立大学、これまでの大学のあり方とは一線を画していかなければいけないというふうに考えております。国レベルでも議論されておりますが、大学改革の視点にも先駆的に取り組み、例えば大学ガバナンスの確立を通じて、これは学長の権限をしっかり確立していくことが大学運営に重要だと考えておりますが、こうした大学ガバナンスの確立等を通じて将来にわたって県内企業あるいは学生のニーズにしっかりと対応して、真に長野県の発展に貢献できる大学にしていきたいと考えております。

 それから、産学官協働人財育成円卓会議についてでございます。
 時代が大きく変わる中で、長野県が持つポテンシャルを十分に生かして価値を創出するためには人材が大事だというのは繰り返し申し上げているところでありますが、こうした中で、県内の各大学と産業界、そして私ども行政も一体となって、なかなか今までコミュニケーション十分でないところがあったのではないか、これは長野県に限らず日本全体であります。産業界や地域が求める人材像を構築して、求められる人材育成に大学側にも応えていただく、そして産業界も大学教育にかかわっていく、そうした双方向での人材育成に関する地域内の好循環をつくっていくことが、これからの地域間競争を勝ち抜き、長野県が発展していく上では大変重要なことだというふうに思っております。
 産学官協働人財育成円卓会議におきましては、この構想に共感いただける県内産業界、そして大学が対話をして、具体的な方策、最後はアクションプランにまとめていきたいというふうに考えております。例えば、企業の実務家によります課題探求型授業が実施できないか、あるいはもっとインターンシップ制度を拡大することができないか、そうした産学共有の課題がさまざまあるわけでありますので、そうしたものを具体的な形で進めていきたいというふうに考えております。

 現在、企業、大学に参加要請中ということで、早期に立ち上げていきたいというふうに考えておりますが、これを契機に、県内各地域で活躍できる人材を育成、輩出していくための取り組みを産学官協働で進めていきたいというふうに考えております。
 長野県、人が財産でありますので、何よりも人材育成に全力投球で取り組んでいきたいというふうに考えております。
 以上です。

 

◆石和 大

 今回、私立大学への影響等が話題になっています。個別の大学について細かく述べるつもりはないのですが、上小地域における長野大学を例にとっても、地域に根差した活動が活発で、地域の信頼を得ています。地域にとっても大事な大学であります。
 私は、学業だけでなく、大学の4年間という時間は、人生の中で数少ない、時間に余裕があり、人生について深く考える時間がとれるときだとも感じています。ぜひ、さらなる工夫をして県立大学がいい大学となるように要望しておきます。そして、県内大学との連携をさらに推進していっていただくよう要望して、次の質問に入ります。

 日本の農業を取り巻く状況は大変厳しい状況が続いています。TPPの問題等、不透明な問題も多々あります。もちろん、県内農業についても、今回の凍霜害の対策、干ばつへの対策等も大変な課題です。
 そして、何よりも持続可能な農業の確立が大きな課題です。持続可能な農業に必要なのは、言うまでもなく、さきの質問でも触れた人材であります。これは言い方を変えれば農業後継者とも言えます。農業が持続できなければ国は滅びます。しっかりと食える農業を確立する必要があります。
 そこで、農政部長にお聞きします。
 今回の地域の元気臨時交付金活用事業の県農業大学校実践経営者コースの設置について、長野県農業大学校のあり方に関する検討会の報告のどんな点を生かすために実践経営者コースを設置するのか、また、対象者はどんな人か、具体的にはどんな農産物で経営を指導するのか、日本一就農しやすい県、さらに農業の6次産業化とは関連するのか、また、夢ある農業を実践する農業経営者を育成する教育施設として充実した施設になる時期はどうか。お聞きをいたします。
 次に、東信地域の干ばつ対策についてであります。特に、蓼科山の麓であります。まさに、農政部長の地元でもある地域であります。
 水の一滴は血の一滴という言葉があります。これは、古来から米づくりにいそしんできた先人の田への水の苦労を如実にあらわす言葉です。

 今、私の地元東御市の八重原台地を中心に大変な水不足、大干ばつに見舞われています。もともと川よりも高いところにある台地ですから、水の苦労は大変なもので、血の一滴という言葉であらわされるのです。それを知恵と工夫で乗り越えてきたわけであります。
 そんな地域にあっても、80歳になられる先輩方にお聞きしても、この時期のこのような干ばつは初めてということであります。地元土地改良区の役員の皆さんを初め、住民の皆さん、東御市、そして周辺関係者の皆さんの昼夜を問わない御努力と英知と工夫によって何とかしのいで、恵みの雨にたどり着いたというところであります。
 県の取り組みでも、市との協議で関東農政局に事業を御紹介いただき、市が行った要請にすぐお応えをいただいて揚水ポンプが即日に2台届くなど、迅速かつ的確な対応に市当局初め関係者が感謝をしておりました。
 ただ、ほんの一息ついたというところで、これから本当の日照りが来るわけで、水がない地域だからこそあるため池の水もまだまだ少なく、水位の回復は容易ではない状況であります。このままの少雨傾向の天候が推移すれば、さらに危機的な状況に陥ることも容易に想像できるわけであります。
 今回の干ばつの時期は田植えの直後だったからこの程度で済んだものの、これがこれから稲が成長してから起こったら、もっと大変な事態になります。

 そこで、あわせて農政部長にお聞きをいたします。
 東御市八重原、御牧原の台地における水不足の課題について、農業用水の計画は複雑かつ高度であるため、県は、実態調査の実施や対策事業の計画策定など、技術面から積極的な支援をすべきだと考えますが、いかがか。お聞きをいたします。
 また、新たな水源が必要となった場合、ため池の新設や既存のため池の改修に県としてどのように対応していくのか。お聞きをいたします。

 

◆農政部長(中村倫一)

 二つの御質問をいただきました。
 最初に、農業大学校におけます実践経営者コースについてでございます。
 昨年度、外部有識者によります農業大学校のあり方に関する検討会の報告におきまして、さまざまな経歴や学歴をお持ちになり、そして農業への希望を持った入学希望者に対しまして、高度な技術力、そしてまた経営力を持った企業的農業経営者を育成するように御提言をいただいたところでございます。
 県といたしましては、これを受けて、就農意欲の高い社会人経験者や大学卒業者などを対象とした実践経営者コースを平成26年4月から開設することとしたところでございます。この新たなコースは定員10名の2年制でございまして、水稲、果樹、露地野菜、施設野菜、そして花の五つの選択作物を設定することといたしております。
 これに関しまして、日本一就農しやすい県、6次産業化との関連でございますが、県では、第2期食と農業農村振興計画におきまして、日本一就農しやすい長野県の実現に向けまして、市町村や生産者団体とともに新規就農者などの確保を進めることといたしております。
 この実践経営者コースは、将来の長野県農業を担う経営者を県が育成する施策の一つとして位置づけまして、技術力や経営力などを高めるための実践的な講義や、就農時に近い一定規模での生産計画から販売までの実習などを行うほか、在学中から農地や施設の確保に向けた準備などの就農支援を行いまして卒業後の就農に結びつけることといたしております。
 また、農業経営者として戦略的に6次産業化に取り組むために必要な知識を習得できますように、経営戦略論やアグリビジネス論、そして農産物活用学などを組み込んだカリキュラムを編成したところでございます。
 今回の6月補正予算案におきましては、実践経営者コースの平成26年4月スタートに必要な農地や施設、そして農業機械などの整備をお願いをしたところでございまして、今後、学習環境の整備などを含めまして26年度末までには完了したいというふうに考えているところでございます。

 次に、東信地域の干ばつ対策についてでございます。東御市八重原、御牧原における水不足の課題についてでございます。
 この地域は、年間の降水量が大変少なく、安定的な水源がありませんでしたので、古くからいわゆる干ばつ常襲地帯ということでありました。江戸時代の初期、1600年代の中期でございますけれども、御指摘の蓼科山からの湧水を主水源とする塩沢堰、八重原堰、宇山堰などが開削されまして、昭和40年代に県営の御牧原農業水利改良事業を実施をいたしまして今日の農業用水利の形態が築かれたという歴史がございます。したがいまして、今以上に水源量そのものをふやすことは大変難しい状況にある地域であるというふうに認識をいたしております。
 したがいまして、県といたしましては、現在、限られた水源を効率的かつ計画的に利用して渇水を回避するという観点で、関係の市町村、土地改良区の皆様方からため池の新設や改修についての御意見を伺っているところでございます。

 今後は、これらの御意見を踏まえまして、既存のため池を最大限に活用するためのため池のしゅんせつや漏水対策など、農業用水の安定的な確保対策に向けた調査、計画策定に関しまして技術面で支援をしてまいりたいというふうに考えております。
 また、市町村や土地改良区から実際に具体的なため池の新設、改良などにつきまして御要望があり、関係住民の皆様方の合意が得られたということになりますれば、本年のような農業への影響を回避する観点から、必要な事業予算を優先的に確保して実施するよう努めてまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。

 

◆石和 大

 次に、子育てを支える環境づくりの拡充についてお聞きをいたします。
 小規模な放課後児童クラブの設置状況はどのようになっているのか。また、これからの需要をどのように予測し、市町村を支援していくのか。
 安心こども基金事業により保育所の整備等が行われています。特に、民間保育士の処遇改善に対する補助は10分の10という補助率であります。市町村から委託を受けている民間保育所の保育士の処遇には改善すべき点が多いわけであります。その要因をどのように捉えているのか。
 つまり、保育の事業主体は本来市町村であり、民間は委託事業という形態が一般的だと思われます。保育料も公立保育園と一律であります。なのに、なぜ民間は処遇改善が必要な事態となっているのか。
 また、今回は安心こども基金で改善が手当てできますが、今後、恒久的な手当てがなければ保育サービスの低下を招くことになります。国に対して継続的な対策を要望する必要を感じますが、いかがでしょうか。健康福祉部長にお聞きをいたします。

 

◆健康福祉部長(眞鍋 馨)

 私には子育て関連で二つお尋ねをいただいてございます。
 まず一つ目の小規模な放課後児童クラブの設置状況等についてお答え申し上げます。
 県内の放課後児童クラブでございますが、全体で約370カ所ございます。一定の開所日数、利用児童数を満たさないために、運営費ですとか、あるいは施設整備費等につきまして国庫補助の対象とならない小規模な放課後児童クラブが例年約二十数カ所程度ございます。児童数が減少を続けている中で、今後このような小規模な児童クラブは徐々に増加していくものというふうに思っております。
 県では、子供の数が減少している地域においても児童クラブの設置が維持、促進されることが重要であるというふうに考えてございまして、これまで市町村に対しまして小規模な児童クラブの運営費につきまして県単の補助を行ってきたところでございます。今回、新たに、6月補正予算におきまして、小規模児童クラブの新設のための施設整備に係る県単補助をお願いしているところでございます。
 次に、保育士の処遇改善についてお答え申し上げます。
 平成23年度に全国社会福祉協議会等が実施いたしました全国の保育所実態調査の結果によりますと、初任保育士の賃金の年額でございますが、これは、公立が年額で2521,000円、私立が2402,000円ということで大体12万円程度の差がございます。また、主任保育士でございますが、これは、公立が5636,000円、私立が4355,000円となっておりまして大きな差がございます。民間の保育所は公立の保育所に比べて保育士の賃金が低いと、こういう状況になってございます。
 その主な要因でございますが、国の民間保育所運営費の積算上の保育単価が低く抑えられていること、そしてまた積算上の配置職員数よりも実際の職員数のほうが多いということが考えられます。
 今回は、6月の補正予算で安心こども基金を活用いたしました保育所職員の処遇改善をお願いしているところでございます。基金事業の来年度以降の継続については、現実には未定というふうに承知をしてございます。
 保育士の処遇改善につきましては、一時的な措置で終わることは適当でないというふうに考えております。運営費の積算単価、積算方法の見直しを図るなど、国において恒久的な措置がとられるよう今後も引き続きこれは強く要望してまいりたいと考えております。
 以上です。

 

◆石和 大

 最後に、通学路の安全対策としての道路環境整備についてお聞きをいたします。
 昨年24年度の6月から8月にかけて、県内の通学路の緊急安全点検を行ったということであります。これは市町村、学校、警察、道路管理者が合同で行ったということでありますが、歩道整備やカラー舗装の実施に当たっては地域の要望を十分に把握しているのか。また、昨年度行った緊急合同点検で把握した箇所について危険度や地域要望に変化があった箇所はないか。
 通学路の緊急合同点検から1年近くたつと、時間が経過し年度がかわっているため学校も地域も行政機関とも役員、職員が異動しているわけであります。対策が必要とされた箇所について引き継ぎがしっかり行われているのかどうか。また、事業の実施に当たって、事業の有効性をどのように受益者に説明しているのか。特に、これから対策を行う箇所については工事の着工段階で対策方法が要望内容と合っているのかどうか市町村に確認してもらう必要があるのではないか。お聞きをいたします。

 

◆建設部長(北村 勉

 通学路の安全対策についてのお尋ねでございます。
 通学路の安全対策につきましては、昨年、全国各地で通学中の児童等が関係する交通事故が発生したことを受け、他県に先駆け、昨年6月から8月に、保護者、学校、教育委員会、警察、道路管理者等が合同で県内の全ての小学校の通学路の緊急点検を実施したところでございます。あらゆる関係者が連携して取り組んだことで地域の要望を十分に把握できたものと考えております。
 緊急合同点検箇所の要望等の変化につきましては、交通状況などに大きな変化がないことから状況は基本的には変わらないと認識しておりますが、今後、道路環境等の変化も考えられることから、定期的に合同点検を実施し、必要に応じ見直しを行うなど、さらに通学路の安全確保に努めてまいります。

 次に、事業の有効性や対策方法等の説明についてのお尋ねでございます。
 昨年実施いたしました緊急合同点検の結果や対策につきましては、市町村の広報誌やホームページなどで公表し、周知を図っているところでございます。本年度も、関係機関や市町村での会議等さまざまな機会を通じて安全対策の確認や進捗状況等の情報の共有化を図ってまいります。
 また、事業の実施に当たりましては、工事説明会や現地立ち会いを行い、事業内容を地域の皆様に詳細に説明することにより安全対策に御理解をいただけるよう努めているところでございます。特に、今後実施する対策箇所につきましては、市町村や関係機関と事前に十分調整し、地域要望に応えられるよう努めてまいります。
 通学路の安全対策につきましては、県総合計画で建設部としては546カ所全ての箇所で着手することを目標とし、交通環境の変化も適切に把握しながら、教育委員会や市町村などと連携し、通学路の安全確保に向け継続的な取り組みを推進してまいります。
 以上でございます。

 

◆石和 大

 昨年度、建設委員会でこの事業の進捗を見ていて、安全のためにいい事業だと感じています。安全対策の実施に当たっては、建設部の現地機関である建設事務所と市町村及び市町村教育委員会が連携し、実施しているということであります。
 今回は保護者なども含めた緊急合同点検を実施しておりますが、年度が変われば保護者もかわります。通学路の安全対策にかかわる全ての関係者が共通の認識を持つことが重要です。子供たちの安全確保のために、工事を担当する建設部と県教育委員会がしっかり連携して、各市町村の教育委員会関連の機関に対しても事業実施について通知をして、地域住民、児童生徒の保護者の理解、認知を進め、子供の安全確保という有効性を高めるよう要望して、質問を終わります。

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