11月定例県議会-発言内容(石和大議員)

 

◆石和 大

 改革・新風の石和大でございます。順次質問をいたします。

 信州教育の再生は阿部知事の公約でもあり、これからの長野県の課題の中でも最重要課題の一つです。もちろん、多くの県民が教育の再生を願っています。次の中期5カ年計画の中でも大きな柱となるわけであります。

 このたび長野県教育のトップである教育委員会の委員長が新任となりました。そこで、新しく就任されました櫻井教育委員会委員長に信州教育についてお考えをお尋ねしたいと思います。

 まず、信州は教育県だと言われています。県内の方は余り言われなくなったような感がありますけれども、県外に参りますとまだまだ教育県だと言われています。以前にも申し上げましたことがありますが、これは、江戸時代の寺子屋文化から明治の学制への転換のスムーズさが語り継がれたことによることが大きいというふうに考えていますけれども、教育委員長は信州は教育県だと考えておられるか。まずお聞きをいたします。

 

◆教育委員会委員長(櫻井久江)

 信州教育についてのお尋ねでございます。

 私も長野県の出身でございます。育てていただいた信州教育に誇りを持っております。信州教育の特徴として、子供を中心に据え、教育愛にあふれた授業実践、長い歴史の中で本県の教育風土として形成されてきていると認識をしております。

 私自身は今も信州は教育県だと考えておりますが、そう思わない県民が多くいる現況を重く受けとめております。

 長野県の教育のさらなる充実のために、学校を開いて地域と連携した教育を推進すること、教員の力量向上を図ることなど、そういったことに努めてまいる所存でございます。

 

◆石和 大

 以前の話ですが、長野県の大学進学率が低く、全国で45位というような時期もありました。文部科学省が実施している全国学力・学習状況調査の結果も平成22年度でかなり低位だったときに、信州は教育県かと問われた教育者、つまり先生は、信州教育は全人教育であり、テストで点数をとるための学習ではないというようなことを答えていた記憶があります。

 しかし、当時は、不登校も多く、学校での問題行動も少なくなかった時期でありまして、余り説得力がなかったわけでありますが、たまに使われる言葉なんですが、全人教育というのはどんなものなのか。教育委員長にお尋ねをいたします。

 次に、子供たちは今を生きています。理念も大事です。理念は大事ですが、今の教育現場の課題をどうとらえ、解決していくか。もちろん、特効薬のようなものはないわけでありますが、具体的な施策の方向性が問われています。現在、主に取り上げられることが多い事柄についてどう解決に向かおうとお考えか。お尋ねをいたします。

 まず、学力の向上についてどう考えていらっしゃるか。

 次に、不登校の解消についてお考えをお聞きします。

 次に、小中学校等で最近増加している発達障害を持つ児童生徒についてどんな対策をお考えか。お聞きいたします。

 次に、いじめ撲滅について。

 教育委員長の就任前に、知事と前教育委員長の連名で緊急メッセージが発信されていますが、新委員長のお考えをお聞かせ願いたいと思います。

 

◆教育委員会委員長(櫻井久江)

 全人教育についてのお尋ねでございます。

 教育の目的はテストの点数をとることのみではございませんが、テストなどで子供の学力の状況を客観的にとらえ、指導や授業の改善に生かすことは大切であると考えております。

 全人教育につきましては、知・徳・体が調和し、社会的に自立した人間を育てる教育というふうに認識をしております。

 次に、学力の向上についてのお尋ねでございます。

 子供たちがこれからの変化の激しい時代を生き抜くためには、さまざまな問題に的確に対応していく力が必要となります。そのためには、基礎的、基本的な知識、技能を確実に身につけることはもちろん、未知の課題にも粘り強く取り組む力、さまざまな人とかかわり合いながら問題を解決していく力などを身につけていくことが肝要であると考えます。

 今後、子供たちの学力を向上させるために、長野県のすべての学校で子供を引きつける魅力ある授業が展開されるよう、教員の力量を高めていく所存でございます。

 次に、不登校の解決についてでございます。

 一人一人の子供が尊重され、安心して活動できる居場所づくりという点で、不登校は学校におけるすべての教育活動の根幹にかかわる課題ととらえております。

 県教育委員会といたしましては、不登校対策を最重要課題として、市町村や市町村教育委員会と連携を図りながら、市町村が主体となって行う効果的な不登校対策に対して県が補助を行う笑顔で登校支援事業などを推進してまいりました。その結果、ここ3年間、県内小中学校の不登校児童生徒数は減少の傾向にあります。しかし、依然として多くの児童生徒が、本人や学校、家庭などさまざまな要因により、学校へ行きたくても行けない状況にあることも事実であります。

 不登校の未然防止や解消のためには、学校での取り組みの努力に加え、幼児期から小中高にわたる縦の連携、市町村の保健・医療・福祉分野の関係機関や地域との横の連携が必要であります。

 引き続き、学校と市町村教育委員会や関係機関、地域とが連携し、不登校未然防止の取り組み、不登校が長期化している児童生徒や家庭への支援を推進するとともに、NPOなど民間団体と連携し、児童生徒や保護者の気持ちに寄り添い、きめ細かな支援を粘り強く行ってまいります。

 次に、発達障害についてであります。

 発達障害のある児童生徒への対応についてのお尋ねでございますが、本年度の調査で、医師の診断、専門機関の判定を受けている発達障害のある児童生徒が在籍する割合は小中学校では約3%であり、また、診断などはないけれど、特別な支援を必要としている児童生徒を含めますと、どの学級においてもこうした学びにくさを抱えた児童生徒への適切な対応が求められております。

 発達障害のある児童生徒は、一人一人の特性に応じた支援を受けながら通常の学級を基盤として学ぶことが基本であり、通常の学級における授業の充実が極めて重要であると考えております。そのためには、すべての教員の専門性の向上や教育的ニーズに応じた教育を展開する学校の体制づくりなどが必要であると考えており、今年度、教育委員会において策定した長野県特別支援教育推進計画にもその推進の方向を示したところでございます。今後、本計画に示す方策を着実に推進をしていきたいと考えております。

 次に、いじめの撲滅についてであります。

 8月7日、知事と教育委員長連名により「いじめを見逃さない長野県をめざす共同メッセージ」を県民の皆さんに届けました。いじめを根絶し、児童生徒が安心して過ごせる環境を県民全体で意識し、つくっていくことの大切さがメッセージに込められていると考えております。

 いじめは、どの子にも、どの学校にも起こり得るという認識を持ち、未然防止、早期発見、早期解消に向けた対策が必要です。

 児童生徒には、嫌なことをされたら嫌だと言える力を、また、いじめ行為を見たときにはそれをとめることのできる力を育てたいと思います。教員には、いじめに対して的確に対応できる指導力とともに、児童生徒から信頼される存在であることが求められます。そして、保護者や地域の皆さんも含め、社会全体で児童生徒を守っていくことが大変重要であると考えます。

 

◆石和 大

 もう一つ、教育委員長にお尋ねをいたします。家庭をつくるということについて。

 先ほどお尋ねした子供が抱えている諸課題、お答えをいただきましたが、その課題のいろいろな問題、多くは家庭の状況に少なからず起因しています。最小コミュニティーである家庭の構築、愛情に包まれる家庭をいかに構築するか。少子化からの脱却。持続可能な社会の構築に向けて教育はどう取り組むのか、児童生徒にどう伝えていくのか。子育て経験のある教育委員長のお考えをお聞きします。

 

◆教育委員会委員長(櫻井久江)

 家庭をつくるという教育についてのお尋ねでございます。

 私は、母親として子育てをした経験から、愛情に包まれた家庭を築こうとする気持ちを子供たちにはぐくむということは大変重要であると考えております。

 学校におきましては、家族から子育ての喜びや意味を聞く学習を行ったり、幼稚園や保育園で幼児と触れ合う体験を行ったりして家庭についての理解を深めていると承知しております。

 改正教育基本法においても家庭教育の充実が求められたところであり、今後もこのような学習を通じて子供たちに愛情豊かな家庭を築こうとする気持ちをはぐくむ教育を進めてまいる所存でございます。

    

◆石和 大

 家庭教育の充実について後ほども触れさせていただきますが、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 次に、教育長にお聞きをいたします。県内高校生の学力の現状と今後の方針についてであります。

 先ほども申し上げましたが、以前には県内高校生の大学進学率が全国で45位という時期があったわけですが、現在はどうなっているのか。そして、どのくらいの生徒が大学進学を希望しているのか。そして、希望は増加しているのかどうか。また、大学進学を希望しながら学力不足により希望がかなわない、そういう傾向はどの程度あるのかどうか。教育長にお尋ねいたします。

 

◆教育長(山口利幸)

 現在の大学進学率についてのお尋ねでございます。

 議員御指摘の全国45位という数値でございますけれども、これは平成元年度の4年制大学の現役進学率が12.4%であったときの長野県の全国順位でございまして、平成22年度には4年制大学現役進学率は文部科学省の学校基本調査によりますと39.9%で全国で30番目となっております。また、現役及び浪人を合わせました4年制大学進学率は45.0%であり、これは全国27番目となっております。

 次に、大学進学を希望している生徒についてのお尋ねでございます。

 平成23年度、大学進学を希望しました生徒は、先ほど申し上げた学校基本調査によりますと、4年制大学の入学志願者数は9,100人、卒業生に占める割合は48.8%でございまして、前年度より0.5ポイントの減少となっております。厳しい経済状況などにより進学を断念し就職を選択する生徒が多くなってきておりまして、大学進学希望者は、ここ5年間、49%前後で推移しておるところでございます。

 次に、大学進学を希望しながら学力不足により希望がかなわない傾向についてのお尋ねでございます。

 大学進学が実現できずに浪人している生徒で申し上げますが、平成23年度は1,699人、卒業者数に対しまして9.1%でありまして、前年度より0.5ポイントの減少となっております。浪人する生徒の比率はここ数年10%前後で推移しております。高校在学中、学力が十分に伸びなかったことのほかに、合格はしたものの再度挑戦する生徒、いわゆる合格浪人もいるものと、こんなふうに認識しております。

 

◆石和 大

 お答えをいただきましたが、大学進学を希望しながら進学できない理由は経済的な状況であるとか、さまざまであることはわかります。ただ、現在は大学全入時代、つまり高校卒業生徒数と大学、短大の募集人員が年度としては同じくらいの数値なので、数値的には全員が大学、短大に進学可能ということになります。もちろん、全員が進学を希望するわけではありません。

 将来の可能性を見出すために大学進学を目指すとき、高校がそのための学力をつけるような体制を十分にとっていると言えるのか。教育長にお尋ねをいたします。

  

◆教育長(山口利幸)

 高校における学力をつける体制についてのお尋ねでございます。

 さきに議員御指摘の現役大学進学率が低位に低迷していたことに対しまして、いわゆる学力論議が県議会も巻き込んで県民に広く行われたことは御承知のとおりでございます。以来、学力向上は県教育委員会としての最重要課題に位置づいて現在まできておるところでございます。

 まず、各学校におきましては、生徒一人一人の進路を実現するために、基礎的、基本的な学習内容をきちんと習得させ、個々に応じたきめ細やかな指導を行うことをやっているところでございます。

 具体的に申し上げますと、日常の授業だけではなくて、学習合宿でありますとか、放課後、土曜日、あるいは長期休業中の進学対策の補習、あるいは面接や小論文などの個別指導も実施しておりまして、いずれにしても、生徒の実態、それから希望等にあわせて学力向上のための体制を各学校でとっております。

 こういったことに対しまして、教育委員会といたしましては、さまざまな学力向上の推進事業をやっておりますけれども、具体的に幾つか申し上げますと、まず卓越性の伸長を図るために、大学進学を目指す生徒に対しまして伸びる力養成講座などの進学対策講座の実施や、理数系教科への興味や関心を高めるための信州サイエンスキャンプ、また、医学部志望者の学力向上や意識の高揚を図る信州赤ひげ塾などの施策を実施しております。

 また、学習におくれがちな生徒に対しましては、少人数の講座を編成したり、よりきめ細やかな指導を行うための非常勤講師を配置するなど、各学校を支援しておりまして、今後もこういった施策を充実させてまいりたいと、こんなふうに考えております。

 

◆石和 大

 高校生には、中学から高校に入るときに多種多様なニーズがあります。そこで、多部制単位制の高校、これが各圏域に設置されつつあるわけでありますが、現状と今後の目標についてどう考えているのか。

 また、制度移行後2年目の東御清翔高校の現状と今後の課題は何か。また、目標をどんなふうに考えているのか。教育長にお聞きをいたします。

 続けて、上小地域の高校定員についてお尋ねをいたします。

 上小地域には全日制普通科の高校が3校あるわけですが、地域の生徒の進路希望のニーズに合致していると言えるのかどうか。来年度、この3校の募集定員について2クラス減らすということであります。人数が減るということでありますが、先日の希望の調査ではかなりの応募者数でありまして、高倍率の様相に見受けられます。生徒、保護者の間からは募集人員の減少に悲嘆の声も聞こえてくるわけであります。

 佐久地域等の近隣地域からの地域流入も多いというふうに聞いておりますが、今回の募集減で大量の不合格者が出るような事態、また、中学生の時点の1点か2点、わずかな点数で進路が大きく変わってしまうような選択を迫るようなことにならないように十分な配慮がされているのか。

 先ほども高校生の進学希望について申し述べましたが、中学生については高校進学は将来の可能性を探るという目的が大きいというふうに思います。高校進学時に将来の目標を明確に定めている生徒はそれほど多くはないというふうに思われます。だからこそ、普通科で勉強しながら進みたい方向性を探りたい、そういうニーズが大きいと思われます。

 上小地域について今回の方向性がベストバランスと言えるのか。教育長にお聞きをいたします。

 

◆教育長(山口利幸)

 多部制単位制高校の現状と課題、今後の目標についてのお尋ねでございます。

 生徒の多様なニーズに対応するために、第1期高校再編計画に基づきまして、これまで、松本筑摩高校、箕輪進修高校、東御清翔高校の3校に多部制単位制を設置してまいりました。各校の現況につきましては、志願者数が増加するとともに、少人数指導や生徒相談体制の充実を通しまして中学校時代に不登校を経験した生徒の多くが高校入学後に不登校を克服しておりまして、また中退生徒数も減少傾向にございます。

 さらに、午後部に在籍する生徒の中には学年が上がるにつれて集団生活に適応できるようになりまして、午前中の選択授業をとれる生徒もふえてきております。

 なお、第1期再編計画においては各通学区内に1校以上の多部制単位制を設置することを目標にしております。他地区の状況を見ましても多部制単位制に対するニーズは高いと考えておりまして、北信地区での設置については引き続き検討してまいりたいと考えております。

 次に、東御清翔高校の現状と今後の課題及び目標についてのお尋ねでございます。

 東御清翔高校は、平成23年度に多部制単位制を設置し、現在は午前部、午後部の1、2年生が在籍しております。平成24年度入学者選抜におきましては、前期選抜の志願倍率は1.46倍、後期選抜の倍率は1.39倍と人気が高く、東御市を中心に東信地区全域から入学しております。

 また、現1年生においては、中学時代に不登校あるいは中間教室への登校を経験した生徒のうち約8割の生徒が毎日通学しております。

 東御清翔高校の特色ある教育活動といたしましては、生徒の社会性やコミュニケーション能力を高めるために、文化会館と連携いたしまして体験的授業を行う科目「舞台芸術」、こういったものを設定しております。また、生徒の進学のニーズにこたえるために、スーパー進学コースも設置しております。

 1年生が3年生になる来年度は、大学進学でありますとか、あるいは就職等、いわゆる出口の結果が出る年でございますので、そういった進路に向けた取り組みが大きな課題であると考えております。そのために、全日制とは異なる多部制単位制の柔軟な学びのシステムを生かしまして、生徒の個性をさらに伸ばし、社会的にも職業的にも自立できるような取り組みを進めてまいりたいと、こんなふうに考えております。

 続きまして、上小地域の全日制普通科の募集定員についてのお尋ねでございます。

 県立高校の募集定員につきましては、旧12通学区ごとの中学校卒業予定者数の増減を基本といたしまして、各高校の志願者数や入学者数、旧12通学区間の流出入の状況、さらに私立高校との協調等を勘案しながら慎重に策定しているところでございます。

 このうち、志願者数につきましては、毎年、都市部の普通科高校に集中する傾向がございまして、それに応じて都市部の高校の募集定員を相対的に大きくしているという実態もございます。

 一方で、郡部の県立高校は魅力ある高校づくりに努力しているところでありまして、また地元の皆様の期待も大きいため、小規模ではありますけれども一定数の募集定員を確保する必要があると思っております。

 また、次年度の全日制の募集定員に占める普通科の割合でございますが、全県では約7割となっております。旧第5通学区におきましても、丸子修学館高校の普通科系列及び多部制単位制の昼間部である東御清翔高校を含めますと全県と同程度であると、こんなふうに見ております。

 今後とも、募集定員につきましては、普通科、職業科、総合学科のバランスにも配慮しつつ、希望者全員が全日制あるいは多部制昼間部の高校へ入学できる規模で策定してまいります。

 以上でございます。

   

◆石和 大

 次に、企画部長にお聞きいたします。先ほども少し話題にしましたが、少子化に関連してであります。

 2月議会でもお聞きをいたしました結婚マッチングシステムは、登録件数や実績など順調に推移しているのかどうか。

 あわせてお聞きしたい。いわゆる街コンですね。長コンとか松コンとか上コンとか、いろいろ街コンというのが話題になっています。2月の時点からかなりの数が開催をされていて、いろいろな効果があるのではないかというふうに思われますが、研究はなされたかどうか。そして、県政として何らかかわれるような視点があったかどうか。お聞きをいたします。

    

◆企画部長(原山隆一)

 ながの結婚マッチングシステムについてのお尋ねでございます。

 2月定例会の一般質問で議員にお答えしましたときが1月末現在でございましたが、10月末現在で申し上げますと、システムを利用する社会福祉協議会等の団体は7団体ふえまして23団体に、登録者は61人ふえ192名に、そしてお見合い件数は倍増の26件というふうになっております。

 このシステムのメリットは、情報ネットワークで団体間を結ぶことによりまして、従来困難であった団体の範囲を超えるお見合いを実現できるという点でございます。実際、今まで登録者が少ないために団体内ではお見合いがなかなか実現しなかったある団体では、このシステムを利用しまして6件のお見合いを実現したという例もありまして、システム導入の成果があらわれているものと受けとめているところであります。

 とはいえ、まだまだネットワークの拡大が必要でございますので、利用団体や登録者の増加に向け今後も地道な努力を重ねてまいりたいと思っております。

 続きまして、街コンとのかかわりについてでございます。

 2月定例会の一般質問で議員の質問に対しまして、県としてもできる限りの協力をしてまいりたいというふうにお答えをしたところであります。

 街コンは若者の出会いの機会につながる有力なツールでございますので、今年度、申請に基づきまして4件の名義後援を行いまして参加者の募集に協力をしてまいりました。

 また、街コンの実行委員会のメンバーにもお会いいたしましてお話を聞いてみますと、街コン同士のつながりでありますとか参加者の募集などに関しましてまだまだ県として協力できることがあるというふうに受けとめております。

 これらを踏まえまして、今後は、県内各地で開催されている街コン同士の連携を図り、さらには参加者の満足度を上げるための運営ノウハウの共有などについて検討してまいりたいと考えております。

 少子化の最大の要因は未婚者の増加にあります。その理由として出会いの機会がないことが一番だというふうに挙げられています。このため、若者の出会いの機会の拡大に向けまして県としての取り組みを積極的に進めてまいる所存でございます。

 以上であります。

 

◆石和 大

 結婚とは家庭をつくることになるかと思いますが、先ほど教育委員長にも家庭についてお聞きをいたしましたが、家庭から始まるコミュニケーションということを子供や若者にどう伝えていくのか。現代社会の若者の課題の一つはコミュニケーション能力の不足だと言われています。幼児教育から始まり、学校や社会等の集団生活の中で身についていくものですが、最小コミュニティーである家庭でのコミュニケーションが不足しているのではないか。そんなところの改善も図らないと家庭をつくるという方向の思考に至らないのではないかというふうに思います。

 行政としてはなかなか踏み込めない家庭というもの、教育の分野でもなかなか踏み込めない家庭というもの。しかし、多くの問題がそこに起因している以上、いつまでもアンタッチャブルというわけにはいかないというふうに考えています。

 先日、親学推進議員連盟の勉強会で講演会をお聞きしました。熊本県では家庭教育支援条例を制定しようという動きがあります。

 家庭をつくるという観点のアプローチを子供や若者たちにいかにしていくのか、そして親に対していかにしていくのかということが今求められているというふうに考えています。今後の施策の中で関係部署連携で検討を願いたいと要望し、次の質問に入ります。

 県が各種団体等へ支出する補助金のあり方についてお尋ねをいたします。

 例えば、新しい公共の場づくりのためのモデル事業の補助金を受けるような場合、当該事業実施者である団体が補助金を受け取れるのは事業終了後、つまり支払いがすべて終わって事業が終わった後、報告を出した後ということになります。財務的な体力がない、もしくは脆弱なNPO等が、県が後日支払うお金を立てかえ払いするということになります。多少の体力がある団体は短期の借り入れを起こすことも可能かと思います。しかし、金融機関からの借り入れができなければ、理事や事務局で個人的に立てかえるということもあるというのが現状のようであります。立てかえる人もいなければ、企画を断念するという可能性もあるわけであります。

 こういった事業の場合、事業計画書の提出を受けて、審査後、補助金の交付決定がなされて通知されているわけであります。事業を遂行することは認めるが、お金は後で払うから立てかえておいてと言っているのと同じという見方もできるわけです。概算払い、前払い等の手法もあるようでありますが、いわゆる手付金というか、全額ではないわけであります。立てかえが必要なことに変わりはないわけです。

 上位法である地方自治法の規定があることも承知しておりますが、事業者の負担がより軽減できるような方策はないものでしょうか。企画部長にお聞きをいたします。

 

◆企画部長(原山隆一)

 補助事業実施団体の負担を軽減できる方策についてのお尋ねでございます。

 税金を充てて行われる補助事業でございますので適正な執行が求められるということから、事業の進捗を確認できないものについての概算払いや債務額の確定していないものについての前金払いをすること、これは適当でないというのは原則であろうと思います。

 そんな中でも事業実施団体に配慮した運用には努めているところではございまして、例えば新しい公共の場づくりのためのモデル事業につきましても、交付要綱で概算払いの規定を設けまして、その請求があった場合には事業の進捗状況に応じて必要性を確認し速やかに支払いを行っているところであります。

 また、財務基盤が脆弱なNPO等との協働を促進するために、職員向けの協働推進マニュアルの作成等を通じまして事業実施団体に配慮した概算払い等が一層活用されるよう取り組んでまいる予定でございます。

 さらに、NPOが活動に必要な資金を調達しやすくなるよう、本年度設置しましたNPO向け融資推進会議におきまして、県内金融機関等と連携しまして、NPOへの融資が円滑に行われるよう取り組んでまいるところでございます。

 以上でございます。

 

◆石和 大

 こういった支払い方法などは行政から見ればちょっとしたタイムラグという感じなのかもしれませんが、小さな事業主体、特に非営利法人にとっては切実な問題であります。新しい公共という観点から考えれば、全部行政ではなくて、このところは民間で力を出してくださいという考え方、そしてその力を出していただいた部分以外は行政で費用は払いますという考え方だというふうに思います。

 そういう考え方に基づいた場合、これらの事象、つまり支払いが後になっていく事象は地方自治法の規定によるものだとすれば、全国的にこういう事象があるんだというふうに思われるんですね。長野県独自では対応できないとすれば法改正を求めていくのも一つの考え方だと思いますが、知事のお考えをお聞きいたします。

 

◆知事(阿部守一)

 NPOあるいは地域でさまざまな活動をされている団体の皆様、財務的な基盤が比較的弱いところが多いという点は御指摘のとおりだというふうに思います。これから県として協働の県政を進めていく上では、そうしたことも十分念頭に置いて対応していくということが重要だと思っています。

 東日本大震災の支援県民本部を設置しましたが、経済団体等から支援いただいて、NPO関係の皆さんに人的に対応していただいて、県は県庁のスペースを提供するというような形で、それぞれ持ち寄り型で対応をさせていただきました。

 とかく、県の場合、補助金という手法がメーンに据えられがちでありますけれども、今申し上げたようなそれぞれできることが分担してやっていくようなやり方であったり、共催をする、あるいは協定を結んで取り組む、いろんな事業形態が考えられるというふうに思っております。そうしたものを工夫しながら、何を目的とするかによって最もいい形で協働していくということが重要だというふうに思っています。

 ただ、御指摘のように法令等の規制があっていい形での協働がなかなかできないというときには、これは国への提言も含めて対応をしていかなければいけないというふうに思いますが、ただ原山部長からも答弁申し上げましたように税金ということを投入するわけでありますので、単純に弾力的になればいいというものだけではないだろうなというふうに思っておりますので、そうした点も含めて慎重に対応しながらいい形で協働が進むように取り組んでまいりたいと考えています。

 以上です。

 

◆石和 大

 山岳救助の現状と今後についてお聞きをいたします。

 まず、観光部長にお聞きをいたします。

 今年度から信州登山案内人条例が施行され、全国で唯一、知事の登録を受けた山岳ガイドが活躍されているということですが、現状と課題は何か。お聞きをいたします。

 いわゆる壮年期以降の山愛好家が増加する中で山岳遭難も増加しているようですが、山岳県の信州は登山者も多いが遭難者も日本一というふうに言われています。ガイドの充実とともに、救助者、救護者の充実も求められているのではないかと考えます。

 そこで、県警本部長にお聞きをいたします。

 山岳救助への対応は110番通報か119番通報かによって分かれるようですが、それぞれの対応の違いや山岳救助の現状はどうなっているのか。

 また、救急救命士法に規定されている救急救命士の主な行為は救急車内に限られているようでありますが、柔道整復師であれば、そういった規定がないので、山岳遭難者の骨折や脱臼といった症状に対する現場での治療行為も可能であるというふうに思われます。消防では救急救命士の採用をしている地域もあるというふうに思われますが、県警では山岳救助隊員として任用するための救急救命士や柔道整復師のような有資格者の採用はなされているのか。あわせて、増加傾向にある山岳遭難に対応するための体制強化などは検討しているのか。お聞きをいたします。

     

◆観光部長(野池明登)

 信州登山案内人の現状と課題についてのお尋ねでございます。

 長野県独自の山岳ガイド資格であります信州登山案内人は、旧制度から移行した443名と新たな制度のもとで試験に合格し登録した11名の計454人が活躍しているところでございます。

 案内人の利用は、旅行会社や登山グループが主催をいたします15人から20人程度のパーティーが多く、パーティーが小さくなるほど利用も少なくなりまして、利用者の年代別では中高年が大半でございます。若い登山者が増加しておりますけれども、体力的な不安が少ないということから依頼される件数はまだ少ないという状況にございます。

 春から秋までの今シーズンの依頼件数でございますが、主な登山案内人組合にお聞きをすると、ことしは、天候がよく、キャンセルが少なかったため昨年に比べて好調ということでございました。

 課題といたしましては、案内人のガイド件数や案内できる山の範囲など活動実績に差がありますことから、さらに利用を促進するためにはまず個人の技能ですとかホスピタリティーの向上が大前提でございます。また、今まで以上に旅行会社やメディアへのPRによりまして長野県独自の案内人制度の認知度を向上することが不可欠と考えております。

 このような課題に対応するために、研修の充実による資質向上、工夫したPRによりまして、安全で楽しい登山の普及、山岳観光の振興を一層図ってまいりたいと考えている次第でございます。

 以上でございます。

 

◆警察本部長(佐々木真郎)

 初めに、山岳救助における警察と消防の対応の違いについてお答えいたします。

 遭難の通報は110番や119番などにより警察や消防になされておりますが、警察では、山岳遭難救助隊を組織しておりまして、警察ヘリや救助隊員が主体となって救助活動を行っております。また、消防では、消防ヘリを中心とした救助活動を行っているというふうに承知しております。

 山岳救助の現状につきましては、救助の大半は警察が行っておりまして、平成23年中の救助活動における警察ヘリと消防ヘリの出動件数を見ましても、全体の約8割を警察ヘリで対応しているという状況にあります。

 また、警察では、消防ヘリが出動する場合であっても、消防と相互に連携して救助活動を行っておりますので、通報の違いによって、つまり110番であろうと119番であろうとその対応が異なるということはありません。

 次に、山岳救助隊員を任用するに当たって救急救命士などの有資格者を採用しているかについてでありますが、県警の山岳救助隊員の任用につきましては知識や体力などを中心に総合的に判断して行っておりまして、初めから救助隊員として任用することを目的に救急救命士等の有資格者を特別に採用するということはしておりません。

 しかしながら、警察官は山岳救助活動に限らず人命救助の場面に遭遇する機会もありますので、救急救命士や柔道整復師の有資格者が警察官として採用されることは好ましいというふうに思っております。

 次に、遭難救助体制の強化についてでありますが、中高年登山者等を中心とした登山ブームによりまして今後さらに登山者の増加が見込まれ、それに伴い遭難の増加も懸念されるところでありますので、今後とも、必要に応じて救助隊員の増員や装備の充実を図るなど、安全、迅速な救助活動に努めてまいりたいと考えております。

     

◆石和 大

 これは県警の山岳救助隊に限ったことではありませんが、このような質問をいたしましたのも、県内にある専門学校で、近年、山岳救命コースという全国初の山岳救命に対応できる救急救命士、柔道整復師の育成を目指すコースが設置され、志ある若者が夢に向かって学んでいるというふうにお聞きをしました。

 しかし、そのコースを履修して国家資格を取得しても、その知識や技能を生かせる就職先は限られ、特に県内への就職はままならないということです。

 例えば、信州登山案内人のように山岳救命士というような県独自の認定制度を設けたり、山岳救命技術を有することを救助隊や関係機関の採用条件にするなどによって県内に就職させる工夫をしてはどうかと思っています。

 山岳救助から話はそれますが、このほかにも、県内のある大学では各学科において地域に根差すカリキュラムを組み、県内地域への貢献や学生の地域への就職を目指していると聞いています。

 県内で学んでいる熱意ある、志ある若者を県内につなぎとめるための就職をしてもらうことは信州の魅力発信と活性化の一助にもなると考えています。関係部局の皆さんにそんな提案を申し上げ、質問を終わります。

 

 

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