2015.2月定例県議会-発言内容(荒井武志議員)

 

◆荒井武志

 改革・新風の荒井武志です。通告に従いまして順次質問をいたします。

 初めに、人口定着・確かな暮らしの実現についてであります。 長野県の人口は今後30年間で48万人減少すると見込まれ、このうち15歳から64歳の生産年齢人口は43万人減少するとされています。このような中、急激な人口減少に歯どめをかけ、地域や経済の活力をいかに維持向上させていくのかが喫緊の課題であることは言うまでもありません。

 これらを踏まえれば、人口定着・確かな暮らしの実現には、働く場を確保すること、若者が転入、定住できること、子育てがしやすいこと、安全、安心な地域社会であることなどの充実が不可欠であると考えます。

 新年度では、日本一創業しやすい長野県を目指す取り組みとして、若者や女性の創業に向けた支援や離職した女性の再就職を支援していくこと、子育てについては第3子以降の子の保育料の軽減や入院費用の助成を中学校卒業までに拡大、子育てを応援するための企業の認証制度の創設などを予定しており、評価するところでありますが、そこでお伺いいたします。

 一つに、27年度から創業支援資金の利率を利用者の自己負担額が全国一低くなるよう1.3%に設定することは評価しますが、さらなる創業を促進するため税制面の優遇措置等も必要ではないかと考えます。既に、県では、日本一創業しやすい長野県を目指し、他県に先駆け、創業応援減税として法人事業税の課税免除を行っていますが、個人による創業も相当数あると思われます。そこで、個人事業主等に対する税制上の優遇措置を導入し、小さく産んで大きく育てるといった観点からの創業の誘発を考えたらいかがでしょうか。産業労働部長にお伺いいたします。

 二つに、長野県子育て支援戦略では、社員の子育て支援に取り組む企業を認証し、子育てと仕事の両立を企業と一緒に推進することとしていますが、この運用に当たって、企業名を公表するなど、いかにその実効性を高めていくのかが重要であると思います。産業労働部長に伺います。

 また、東京有楽町にある、全国の移住情報を提供しているNPO法人ふるさと回帰支援センターへの相談者の傾向は、リーマンショック以降、20代から30代の若者世代が増加しているとお聞きしています。このようなトレンドを踏まえ、若者に信州に興味を持ってもらい、移住につなげていくために、どのような取り組みをお考えでしょうか。企画振興部長にお伺いいたします。

 
 
◆産業政策監兼産業労働部長(石原秀樹)
 
 2点順次お答えいたします。まず、創業応援減税についての御質問です。

 創業を応援する税の優遇策といたしまして、長野県は、平成15年度から中小法人を対象に他県にはない法人事業税の減税措置を導入し、創業間もない企業の経営基盤の強化と雇用の促進を支援しております。これまでに、1,342件、4億2,800万円余りの減税によりまして県内の創業を応援し、約4,400人の雇用の創出につなげてまいりました。

 議員御提案の個人の事業税の減税でございますが、法人は登記簿などから創業時期の把握が容易にできますが、個人の場合は実務上極めて困難でございます。また、所得の少ない個人の創業者に対しましては290万円の事業主控除という優遇制度がございます。これらのことから、現在、減税の対象とはなっておりません。

 しかし、創業を支援する上で税の優遇措置は重要な柱の一つと考えておりますので、今後も、どのような方法があるのか研究をするとともに、国の創業促進の補助金などの活用も考えながら、日本一創業しやすい環境づくり、これを目指してまいりたいと考えております。

 次に、子育て応援企業の認証制度についての御質問です。

 この制度は、子育て支援にすぐれた実績のある企業を県が認証することで他の企業にも広く広めるとともに、その取り組みを県民の皆様にも御理解いただき応援していただくことを目指したものでございます。

 まず、すぐれた取り組みの要件といたしましては、働く方の希望に基づき短時間正社員の雇用や非正規社員から正社員への転換を行ったこと、残業の削減や休暇の取得が目に見える形で改善したことなどを考えており、これらによりまして子育てと仕事が両立できる環境づくりを進めてまいりたいと考えております。

 また、多くの企業に広く広めるためには、これまで訪問した企業の中で認証要件を満たすと思われる企業を中心に来年度2,000社を目標に訪問いたしまして、優良企業事例集を活用しながら、経営者の理解を図りつつ粘り強く掘り起こしを行ってまいります。

 また、県独自のわかりやすい親しみやすい認証マークと愛称を作成し、県内企業に使用していただくことによりましてその企業のイメージアップや優秀な人材の確保につなげてまいりたいと考えております。

 さらに、前向きな企業の取り組みを県民の皆様に応援していただくため認証企業名やその具体的な取り組みを専用サイトで発信するほか、テレビコマーシャルや広報誌、労働教育講座などを通じまして広く周知を図ってまいる予定でございます。

 いずれにいたしましても、実施に当たりましては、経済団体とも連携し、実効性のある取り組みとしてまいります。

 以上でございます。     

 
◆企画振興部長(原山隆一)
 
 若者を対象にした移住促進策についてのお尋ねでございます。

 リーマンショック、あるいは東日本大震災以降、地方へ移住しようとする若者の傾向を見ますと二つの志向がうかがえるわけでございます。一つは、安全、安心な地域を求めるファミリー層に代表される田舎暮らしを志向する若者、もう一つは、地方に可能性を求め、起業、創業を志向する若者でございます。

 田舎暮らしを志向する若者は、自然の中で暮らし、子育てしたいという希望を持っていることから、来年度では、20代から30代の子育て世代の女性を対象に、信州型自然保育や先輩移住者の体験談を紹介するセミナーでありますとか県内の女性農業者と交流するツアーなどを新たに実施しまして、県内のすぐれた子育て環境や農業・農村の魅力をアピールしてまいりたいと考えております。

 一方、地域に可能性を求める若者向けには、銀座NAGANOでの創業向け移住セミナーの開催、IT産業人材の移住を促進するためにお試し創業や地元企業家との交流を支援するほか、地域おこし協力隊の募集を県のホームページで発信するなど、多様な人材の誘致、定着を目指してまいりたいと考えております。

 身近に自然を感じながら豊かな暮らしを満喫できる信州暮らしのすばらしさが若者の心に響くようさまざまな機会を通じてPRすることで、本県への移住につなげてまいりたいと考えております。

 
◆荒井武志
 
 若者や女性が定住し、子供を産み育てられるしっかりとした環境づくりに向けまして果敢に取り組まれるよう要望し、次の質問に移ります。  次に、福祉のまちづくり条例の改正についてであります。

 県は、現在、県民や関係機関・団体等と連携し、福祉のまちづくりを計画的、総合的に推進するため、平成24年度に長野県福祉のまちづくり会議を設置し、5回の会議を開催する中で、平成24年11月議会における知事の答弁を引用させていただくならば、全ての人が気持ちよく外出あるいは社会参加をしていただける、居心地が誰にとってもよい長野県の実現に資するものに仕上げるべく検討をされてこられたものと敬意を表する次第であります。

 その後、9カ月ほど経た平成25年9月議会での私の質問に対する答弁では、時の健康福祉部長は、現在、これまでの福祉のまちづくり会議における議論や課題等を踏まえ庁内で検討を鋭意進めている、今後、年度内に2回程度福祉のまちづくり会議での検討を行い条例改正案を作成してまいりたい、パブリックコメントは平成26年春ごろ、条例案は来年度前半の議会提出に向けて丁寧に議論を重ねて取り組んでまいりたいとのことでありました。

 加えて、平成26年2月議会では、県民クラブ・公明の太田昌孝議員への答弁で、知事は、福祉のまちづくり条例改正案は来年度前半の県議会への提出に向けて取り組んでいると答弁されました。

 私は、本年度、健康福祉委員会に所属したものですから、平成26年度前半の条例改正を大いに期待し、委員会質疑の中で状況を伺ってまいりましたが、どうもいまだに着地点が見出せないようであります。

 そこで、以下3点にわたり健康福祉部長にお伺いいたします。

 一つは、そもそも福祉のまちづくり条例を改正する意図は何であったのでしょうか。

 二つに、改正がおくれている理由は何か。どこに課題あるいは解決しなければならない事項があるのでしょうか。

 三つに、長野県福祉のまちづくり会議の委員の任期は平成26年6月12日まででしたが、この会議は現在どのような状況にあるのでしょうか。

 また、知事には、パブリックコメントを含め、条例改正案の作成手順をどのように組み立て直すのか、加えて条例案の議会提出はいつごろとお考えか、お伺いいたします。


 
◆健康福祉部長(小林透)
 
 順次お答えをいたします。福祉のまちづくり条例改正の意図についてでございます。

 長野県福祉のまちづくり条例は、平成6年に施行されたハートビル法に準拠いたしまして、平成7年に制定し、障害のある皆様や高齢の皆様が安全かつ容易に利用できる施設の整備について必要な事項を定め、条例に基づく届け出とそれに対する指導助言を通じましてバリアフリー化を推進してきたものでございます。

 今回の条例改正は、平成18年のいわゆるバリアフリー法の制定を契機といたしまして、条例と同法との整合を図るとともに、社会状況の変化や県民の皆様から寄せられた多くの御要望、お考えを条例に反映するため、整備基準の追加などによりまして障害のある皆様が安全かつ容易に利用できる施設の整備を推進し、より実効性のある条例とするよう見直すものでございます。

 次に、この条例改正がおくれている理由と課題でございます。

 今回の条例改正では県独自に法の規定を上回る施設の整備基準を盛り込むことも視野に入れていることから、事業者の皆様への負担という点で何らかの影響を及ぼすことも考えられるということでございまして、慎重に検討を進めております。

 また、条例改正に向けて関係団体や県民の皆様から多数の、あるいはさまざまな御意見が寄せられておりまして、それらに対応するため細部にわたる検討とより丁寧な意見の集約が必要なことから、本年度も関係団体の皆様などと意見交換を重ねてきたところでございます。

 条例案とあわせまして、整備基準の詳細を決める規則の改正についても一体的にお示ししないと制度の全容がつかめないので、その全体像を県民の皆様にわかりやすい形でお示しし進めると考えてございます。そうした規則の改正に向けても、関係団体の皆様との意見交換と並行いたしまして、関係部局と連携いたしまして関係法令との整合性などの確認を一つ一つ行っているところでございます。

 以上のことにより、条例をよりよいもの、より実効性のあるものとしたいという思いを持ちつつ細部にわたる制度の構築が必要となっているということで、当初想定したものよりもより時間を費やしているということを御理解をいただきたいと思います。  課題といたしましては、前述のとおり独自の整備基準の導入を視野に入れていることから、その施設の範囲や規模をどのように設定し、施設をより利用しやすいものとするという面と規制という面で広範な県民の理解を得ながら、条例の実効性をいかに確保するかが課題であると思っております。

 次に、長野県福祉のまちづくり会議の状況でございます。

 議員御指摘のとおり、会議におきましては条例改正や福祉のまちづくりの推進方策について検討を行いまして、平成25年12月に、公共的施設の環境整備や、高齢者、障害者等が利用する施設への配慮、あるいは障害者用等駐車場の適正利用の観点について基本的な考え方を取りまとめていただいたところでございます。

 それにより所期の目的を果たし、昨年6月で任期満了となっておりまして、御尽力いただいた委員の方々に対しましては改めて御礼を申し上げます。  現在、会議において取りまとめられた基本的な考え方や改正骨子等についての御意見をもとに改正作業を進めているところでございます。  また、この会議に関連して、これまで計上していた福祉のまちづくり推進事業の予算につきましてはこの会議の開催にかかわる経費を計上してきたものでございまして、申し上げましたとおり会議の開催が終了したことなどにより今回は計上してございません。今後のこの事業費など必要な予算は条例改正とあわせて検討してまいりたいと思います。

 以上でございます。

        
◆知事(阿部守一)
 
 福祉のまちづくり条例、改正の手順、条例案の提出時期という御質問でございます。

 この点については、荒井議員を初めとして県議会からも何度も御質問いただく中で、予定していたスケジュールどおりに必ずしもなっていないというところは私も大変申しわけなく思っております。

 ただ、先ほど部長が答弁申し上げましたとおり、この条例、単なる努力しましょうというレベルで取りまとめるのであればそれは簡単な話になりますけれども、一定の義務づけ等も行っていくということを考えると、これはやはり丁寧な手続を踏んで条例化していかなければいけないというふうに考えています。

 そういう意味で、また再度県議会で答弁するからには私も責任持ってしっかり進めていかなければいけないわけでありますが、本年6月までには、改正内容の骨子案、まずはしっかりとつくっていきたいというふうに思います。その上で、整備基準の詳細等も含めた全体像を県民の皆様方にお示しをさせていただいてパブリックコメントを行っていきたいと思います。

 義務づけというところに踏み込んでいく部分がありますので、関係の皆様方とは丁寧な意見交換を行っていきたいというふうに思います。その上で県民の皆様方からの御意見等も踏まえて条例案を策定をして、27年度中には県議会に御提案をしていくように努力をしていきたいというふうに考えております。

 以上です。     
 
 
◆荒井武志
 

 答弁をいただきました。

 義務づけをするというようなことも含め、また、規制がかかわってくるということでございますので慎重にやっておられるということはよくわかります。  いずれにしましても、今回の改正を強く待ち望んでおられる関係皆様の思いもあると思います。改めて認識をされまして取り組んでいただきたいと思うところでございます。

 次に、観光振興についてであります。

 初めに、信州首都圏総合活動拠点、銀座NAGANO・しあわせ信州シェアスペースについて伺います。昨年10月26日に開設・オープンして以降、来場者数も30万人を突破し、イベントスペースでは約140団体に積極的な御参加をいただくなど好調に推移しておりますと知事は議案説明をされました。まさに市町村や企業の多くの皆様の取り組みのおかげと思うところでございます。加えて、お客様などからの多くの声や評価に応えていくとの決意もお聞きいたしました。

 また、観光部長の議案説明によれば、1階のショップスペース、2階のイベントスペース、4階のコワーキングスペース、いずれもしっかり活用されており、今後とも単なる物産館ではなく、信州の「ヒト コト モノ」をトータルに発信し、信州の美しさと健康な暮らしを、首都圏を初め多くの方々と共有、シェアしていくとのことでありました。

 私は、以前から申し上げてまいりましたが、この銀座NAGANOはあくまでも手段の一つであって、結果として、長野県に、そして長野県の人たちに経済的にも心理的にも波及効果が出てこなければ、この施設を設置した意味合いは極めて薄いものになってしまうと思っております。

 そこで、お伺いいたします。

 一つに、銀座NAGANOを利用した団体等の利用後の受けとめ、感想や意見などはどうだったのでしょうか。  二つに、来訪者の声やニーズの把握をどのように取り組んできたのでしょうか。  三つに、4階は移住交流センター、コワーキングスペースとなっていますが、現在の利用状況はそれぞれどのようになっているでしょうか。また、企業のさらなる利活用を含めての今後の活用策についてどうお考えですか。  以上3点について観光部長にお聞きいたします。

◆観光部長(野池明登)
 
 観光振興につきまして、銀座NAGANOについて3点お答え申し上げます。まず、銀座NAGANOを利用した団体等の感想や意見などについてでございます。

 イベントで利用した皆様から終了後に報告をいただくという形で感想や意見の把握に努めているところでございます。  主な感想、意見でございますけれども、立地のよさに加えまして、施設や設備の面では、キッチンや大型スクリーンを活用して地域の魅力を五感に訴えることができた、また、広報面では、市町村単独では首都圏でなかなか参加者を募集する手段がないということで、銀座NAGANOのホームページで告知とともに直接受け付けができ多くの参加者に来ていただけた、また、幅広い活用という点で高校生による食のイベントもございましたけれども、大きな注目を浴びて生徒の自信が深まった、こういったものがございます。

 一方、改善が必要な意見として、主催者やゲストの控室、荷物を置いておく場所に苦慮した、イベントの定員を余り多くせず、お客様との交流を優先する工夫が大切である、1階の物産販売と2階のイベントとの連動、相互誘導が必要であるなどの声が寄せられており、これらは既に対応したものもございますが、きちんと改善につなげてまいりたいと考えております。

 2点目の、来訪者の声やニーズの把握に取り組んできたかという御指摘でございます。  来訪者の声、これからも多くのお客様においでいただくための基本であるというふうに考えております。現在、スタッフ全員がメモを持ちまして、日々お客様の御指摘や意見を書きとめる取り組みをしております。また、1階正面カウンターにお客様の声ボックスというものを設置をいたしまして、取り扱い商品の要望などを御記入をいただいているところでございます。また、昨年11月と今月、販売商品の品ぞろえ、陳列、そして1階カウンターの試食メニューなどにつきまして聞き取りアンケートを行う等、さまざまな手段で把握に努めているところでございます。

 お客さんからいただいた御要望、御意見は類型化をして整理をいたしまして改善につなげるとともに、いただいた声を、朝礼ですとか全体ミーティングの場、こういったものがございますので、スタッフ全員で共有をしてサービス向上に努めているところでございます。

 3点目の、4階の利用状況と今後の活用策についてでございます。  移住交流センターにつきましては、商品購入やイベント参加、1階、2階に訪れた皆さんが移住相談に訪れることも多く、相談件数で見ますと2月20日現在で前年比約1.3倍となるなど多くの方に相談に訪れていただいております。  コワーキングスペースにつきましては、利用を希望する皆さんがまず利用者番号を取得をしていただきまして予約を行う仕組みとしておりますけれども、登録者数、個人、団体合わせて現在166団体となっております。  利用者数は現在までで321人で、活用方法は、販路開拓などの県のコーディネーターによるビジネスマッチングの場、県内事業者と首都圏事業者との商談スペースなどに利用されており、次第にふえる傾向となっております。

 今後、移住交流センターやコワーキングスペースを多くの皆様に活用いただくために、ここが幅広い用途に利用できるということの一層のPRをしていきたいと思っておりますし、事業報告研修会をやっておりますけれども、コワーキングスペースの利用者に実際の利用方法、効果を事例発表していただく、このようなことによりましてさらに多くの利活用いただけるように取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。  

 
◆荒井武志
 

 御答弁をいただきましたが、私は、銀座NAGANOのにぎわいを、信州のいいものを、信州人の心の大きさを多くの来訪された皆様に体感、感じ取っていただくことは無論でありますが、結果、長野県内にお出かけをいただき直接県民に接していただくとともに、宿泊を含めた各種施設の利用や県産品をお買い求めいただくことがとても必要であり重要ではないかと思っております。

 そこで、県内への波及効果についてどのように捉えておられるのか。知事に御所見をお伺いいたします。

 観光振興の二つ目は、外国人旅行者の誘致対策についてであります。

 近年は観光や旅行形態が大きくさま変わりしてきています。単なる名所・旧跡めぐり、温泉・湯めぐりだけではなく、体験し、おいしいものを食す、人に接し人情を感じる、自然を肌で感じる、海外旅行に出かけるとともに海外からも来訪されるなど、多様になっています。加えて、日本の総人口が減少し、グローバル社会へと変容しつつあります。

 そのような中、平成25年の観光庁宿泊旅行統計によれば、長野県の外国人宿泊者数は、前年に比べ88.4%ふえ全国第3位の伸び率で、過去最高の36万人を記録したとのことであります。  県は、この外国人宿泊者数を平成29年までに50万人とする目標達成に向けて、平成27年度に、東南アジアへの外国人観光情報発信員の配置や観光外国語ホームページの充実、公共施設や駅、宿泊施設への無料公衆無線LAN整備に対する助成をするなどとしており、大いに期待をするところであります。

 そこで、観光部長にお伺いいたします。 外国人旅行者受入環境整備事業により新たに公衆無線LAN環境の整備促進を図っていくこととしておりますけれども、この整備について具体的にはどのように取り組んでいくのでしょうか。その仕組みや整備の見通しについてお聞かせください。 

◆知事(阿部守一)
 

 銀座NAGANOの県内への波及効果という御質問でございます。

私も、銀座NAGANOのいろんな効果を県内にしっかりつないでいくということが極めて重要だろうと思っています。

そういう意味で、節目の時期にしっかりと銀座NAGANOのさまざまな影響、効果というものを整理していく必要があるというふうに思っておりますが、現時点での運営実績とか利用者の声等から、その一部、今我々が把握しているものを申し上げると、まず商品販売、オープンから4カ月で約7,600万円余の販売があります。そして、そうしたことを契機として商品の取り扱い事業者と首都圏大手バイヤーとの商談が具体的に始まっているものも出てきております。

また、銀座NAGANO発着で、星空の聖地モニターツアーでありますとか、あるいは移住体験ツアーが行われておりますので、これは銀座NAGANOを起点として直接的に人がお越しいただいています。

また、やや間接的にはなりますけれども、全国あるいは首都圏のテレビ番組で取り上げられたり、あるいは新聞、雑誌等での取材もあります。1月末までの間に銀座NAGANOが取り上げられた件数、これは県内版というものは除いてでありますけれども約57件ということになっております。

そういう意味で、さまざまな経済効果、そして具体的な動きにつながってきているというふうに考えております。

今後とも、長野県への観光誘客、そして移住へ結びつけていくということとあわせて、県内企業と首都圏企業等による新たなビジネスの創出等、人と人、企業と企業が出会いつながる場として一層有効に活用していきたいというふうに考えています。

以上です。 

◆観光部長(野池明登)
 

 公衆無線LAN環境の整備促進事業の具体的仕組みと整備の見通しについてのお尋ねでございます。

 来年度、宿泊施設や駅等における無料公衆無線LANの集中的な整備を行う予算をお願いをしているところでございます。対象は、市町村が策定する整備計画に基づきまして、民間宿泊事業者または民間交通事業者が無料公衆無線LANを整備する場合、県がその整備に要する経費の2分の1の範囲で市町村を経由して間接的に補助をするものでございます。

 宿泊事業者が行う場合は無線LAN機器の購入費用と機器設置工事費を対象といたしまして、20室程度の宿泊施設をモデルにいたしますと、事業費ベースで60万円、補助金額として30万円を上限とする制度としたいと考えております。

 市町村の補助につきましては、市町村の判断で県の補助に上乗せをすることも可能としたいと考えております。

 事業の実施によりまして、宿泊施設は約300カ所、駅、バスターミナル等は約20カ所に無料公衆無線LANの整備を予定しているところでございます。

 以上でございます。 

 
◆荒井武志
 

 銀座シェアスペースにつきましては、まだ始まって間もないところでありますが、多くのことが大変有効に機能し始めているんではないかなというふうに思っているところでございます。どうぞ、これがいい結果にまた結びつきますように心から期待をしております。

 次に、観光地の空き家・廃屋対策についてであります。  このことにつきましては、私は平成24年6月議会で質問をいたしました。その際の知事答弁では、これは個々の地域の実態に応じて同じ廃屋でも対応の仕方というのはかなり違ってくる場合があると思いますので、やはり市町村の思いとか声というのをしっかりまず伺わなければいけない、そうした上でほかの県あるいは市町村での取り組みを十分参考にしながらその効果的な枠組みについて考えておかなければいけないとのことでした。

 一方、昨年12月には、いわゆる空家対策特別措置法が国会解散直前に成立しました。これは、空き家の適切な管理を強く促し、倒壊のおそれがある空き家を撤去することなどを地方自治体が行いやすくするために法的な根拠を提示して支援していくというものであります。

 そこで、伺います。  さきに成立した国の空家対策特別措置法は主に一般住宅における空き家について規定されていると思料しておりますけれども、旅館、ホテルや工場等の非住家施設の取り扱いはどのようになっておるでしょうか。建設部長にお伺いいたします。

 次に、さきに述べたように以前の質疑から2年半余りが経過しましたが、その後、市町村の実態把握をどのように行い、その状況はどのようなものだったのでしょうか。

 もう一つは、他の都道府県や市町村の取り組みを踏まえてどのように検討してこられたのでしょうか。また、今後の方向性や対策はどのようにお考えでしょうか。

以上2点について知事にお伺いいたします。 

◆建設部長(奥村康博)
 

 空家対策特別措置法における非住家施設の取り扱いについてのお尋ねでございます。

 この法律は、適切な管理が行われていない空き家等が、防災、衛生、景観等の住民生活の生活環境に深刻な影響を及ぼしている状況への対応を目的とし、「空家等」は、住宅だけではなく、観光地における旅館、ホテル等全ての建築物の空き家、廃屋について対象としているものでございます。

 また、この「空家等」のうち、特に倒壊等の危険があるものや景観を損ねているものなどを「特定空家等」と定義し、市町村長が使用者への必要な措置の助言や指導、勧告、さらには危険な建築物の除却命令などを行えることとされております。

 県では市町村が講ずる措置について情報提供や技術的助言などの必要な援助を行い、空き家対策を推進してまいります。以上でございます。 

◆知事(阿部守一)
 

 観光地の空き家に係る市町村の実態把握とその状況という御質問でございます。

昨年までに、大規模廃屋のある3市村にお伺いをさせていただいて、八つの具体的な廃屋の実態を市村と共同で調査をさせていただいております。その上で今後の方針等について協議をしてきているわけでありますが、廃屋はいずれも相当年数経過をしたものであります。長いものは事業が停止してから約10年経過しているというようなものもあります。所有者の所在不明、複雑な権利関係、多額な撤去費用、こうしたことから解決がなかなか難しくなっているという現状にあります。

市町村の対応としては、専門の部署を設けて地元と協議しているところもございますが、他方で現時点では特別な対応をしていないところもあり、自治体によりさまざま温度差があるという現状があります。

これまでの検討と今後の方向性や対策という御質問でございますが、廃屋対策につきましては、昨年11月に空家等対策の推進に関する特別措置法、私ども長野県としても国に対して要望をして成立したわけでありますが、基本的には市町村が主体的に取り組んでいただくということが重要であります。法律上も、市町村が空き家等対策計画の策定等さまざまな役割を担うというスキームになっているところでございます。

こうした中、例えば茅野市におきましては、専門の部署を設置して、また、地元では再生に向けた検討組織をつくって、廃ホテルの複雑な権利関係を整理するなど積極的に大規模廃屋対策に取り組んでいらっしゃいます。県としても、地域の活性化ビジョンの策定でありますとか廃屋撤去に係る国庫補助制度の活用について御相談を受け、ビジョン策定には県も参加をしていく方向でございます。

大規模廃屋は観光地の著しいイメージダウンにつながりますことから、県としても、廃屋問題の解決に向け積極的に取り組まれている市町村に対して、今回の空家等対策の推進に関する特別措置法を踏まえて、できる限りの支援をしていきたいと考えております。

以上です。 

◆荒井武志
 

 廃屋対策につきましては県もしっかり把握をしながら取り組んでいるということでございますので、市町村との連携をさらに密にしていただきまして、ぜひお願いをしたいと思います。

 次に、信州山の日についてであります。 信州の山に感謝し、守り、育て、生かすとする信州山の日の制定趣旨の理解と、具体的に山にかかわることで信州の山のよさや魅力をより高めていくことが、信州山の日の制定であったと思います。

 県政モニターアンケート調査結果によれば、信州山の日の認知度は8割あるが、制定趣旨まで知っている人は4割にとどまっているとのことであります。 私は、地元で、地域の歴史や文化を大切に後世につないでいこうとする保存会にかかわり、登山道整備を中心に活動していますが、昨年7月26日には、草刈り作業の中で、あえて山に親しむイベントと銘打って信州山の日を会員にアピールし取り組んでまいりました。

 そこで、以下2点について林務部長にお伺いいたします。 一つに、市町村や地域、団体、企業等の山の日に関連する取り組み状況はいかがだったでしょうか。 二つに、市町村や民間企業等との連携については今後具体的にどのように取り組んでいくのでしょうか。

 次に、信州山の日について小中学校及び高等学校ではどのような取り組みが行われてきたでしょうか。また、新年度の取り組みをどのようにお考えでしょうか。教育長にお伺いいたします。

 一方、平成28年春には全国植樹祭が開催されますが、信州山の日の制定趣旨からすれば、この二つを関連づけ、一体のものとして取り組むべきと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。

 

◆林務部長(塩原豊)
 

 信州山の日について2点お尋ねをいただきました。

 初めに、市町村等の取り組み状況についてですが、県では本年度を信州の山新世紀元年と位置づけまして、市町村、団体、メディア等の皆様の御協力を得て、県民の皆様が山に親しむ取り組みを展開してきたところでございます。

 特に、信州山の月間であります昨年の7月15日から8月14日には、議員から御紹介のありました、地元保存会が行っております登山道整備を山に親しむイベントに位置づける取り組みなど、県内各地で市民登山や記念イベントなど90を超える多彩な行事が開催され、約4万人が参加されております。

 また、新聞社やテレビ局においても、山の日の制定を記念した市民講座や、山の写真を募集する企画なども行われたところです。

 こうしたさまざまな取り組みを通じて信州山の日を周知し、山に親しむ取り組みに多くの県民の皆様の参加が得られたと考えております。

 次に、市町村や企業と連携した取り組みについてですが、2年目を迎えます信州山の日の定着には議員御指摘のとおり市町村や企業の皆様との一層の連携が必要と考えております。このため、市民登山やアウトドアスポーツなど市町村、企業等が実施するイベント情報の積極的な発信や、銀座NAGANOを活用した信州山の魅力発信などに引き続き取り組んでまいります。

 また、本年の信州山の日、7月第4日曜日の7月26日には山の日フォーラムの開催を計画するほか、信州山の月間中には県内4地域で山の日学校を市町村と共催で開校いたしまして、県民の皆様に山の安全対策や地域の山の魅力を学んでいただくことを計画しております。

 さらに、関係部局との連携のもとに、企業、団体の皆様の御協力を得まして、来年度は、新たに山岳写真展や山岳映画の上映など、信州の山岳文化を全国に発信する取り組みも展開してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

◆教育長(伊藤学司)
 

 信州山の日の学校における取り組みについてのお尋ねでございますが、県教育委員会では、本年度、信州山の日の制定に当たりまして、各市町村教育委員会や各学校に制定の趣旨などについて周知をしてきたところでございます。

 あわせて、信州の山のすばらしさを子供たちに再確認をしてもらうために、中学校、高等学校を対象に学校登山のすすめホームページコンテストを実施をしたところでございます。

 参加校のホームページは、自校の学校登山の歴史を調べたり、郷土の山の魅力をまとめたりしており、こうした活動の中で信州の山を守り育てていこうとする意識が高まったものと承知をしてございます。

 来年度は、本年度のホームページコンテストの入賞校の取り組み状況や、県及び各市町村が行っている学校登山を支援する取り組みなど、各学校が信州の山により親しむ学習を行うための参考となる情報を提供し、各学校における信州の山のすばらしさに触れるための支援に努めてまいりたいと考えてございます。

◆知事(阿部守一)
 

 全国植樹祭と信州山の日との連携についてという御質問でございます。

 平成28年春に本県で開催予定の全国植樹祭、さまざまな恵みを与えてくれる森林を県民が協働して守り育て、未来に引き継いでいく姿を全国に発信するものであります。これは、荒井議員御指摘のとおり、山に感謝し、守り、育て、生かす、信州山の日の制定趣旨にも合致するものというふうに考えております。

 そうしたことから、全国植樹祭の開催に向け、これからカウントダウンイベント等行ってまいります。そうした際に信州山の日を紹介をしていきたいと思います。また、山の日の関連行事におきましても全国植樹祭を積極的にPRをするなど、相乗効果を高める取り組みに努めていきたいと考えています。

 県民が山とともに生き、山の恵みを生かしてきた本県の木と森の文化を、市町村や企業、団体、県民の皆様と一緒になって全国に発信をしていきたいと考えております。

 以上です。

◆荒井武志
 

 答弁をいただきました。

 取り組みが90を超える団体、また4万人というお話がございました。長野県内には77の市町村があるわけであります。一つの市町村で1件強ということだと思うんですね。ですから、まだまだこれからの取り組みが必要なんではないかと、こういうふうに思うところでございます。

 いずれにしましても、県民皆様が、清らかな水や、みずみずしい山の緑に心から感謝し、私たちみずからが育てていくという気風づくりがしっかり定着していきますように強く期待をさせていただいて、一切の質問を終わります。 

 

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