2014.11月定例県議会-発言内容(荒井武志議員)

 

◆荒井武志

 改革・新風の荒井武志です。通告に従いまして順次質問をいたします。

 初めに、新水道ビジョンの策定についてであります。

 長野県の水道整備基本構想、水道ビジョンの策定に関しましては、平成24年2月定例会に質問をさせていただきました。厚生労働省から、平成17年と20年に、都道府県宛てに、水道事業者が作成した水道ビジョンを踏まえ水道整備基本構想を見直すよう通知があったことに対し県としての見直し状況をお伺いしたところ、最終目標年度の平成12年度に第2次基本構想の策定作業に着手をした、けれども、13年2月のいわゆる脱ダム宣言により水道水源について根本的な見直しをしなければならなくなったことから、利水対策の見通しがつくまで第2次基本構想の策定を見合わせることとしてきたとの答弁でした。

 知事からも、水道事業者が策定する水道ビジョンを踏まえて市町村や水道事業者の考えを聞くとともに、将来にわたって安定的な水源を確保できるよう、水資源の保全といった観点も十分考慮し、多角的に検討していく必要があると答弁をいただいたところです。

 また、平成24年6月議会では、水道の広域化、大規模化については従来方針を尊重し検討すべきであるとお伺いしたところ、水道事業の広域化については、水道事業者の作成する地域水道ビジョンを踏まえ、市町村あるいは水道事業者の考えを聞きながら検討していく旨答弁をいただきました。

 そこで、環境部長に以下の2点について伺います。

 一つに、ここ2年余りの間における水道ビジョンの策定に向けた取り組みは、県内市町村の37事業からどの程度進んだのでしょうか。

 二つに、県内の水道事業における課題にはどのようなもの、あるいはことがあるのでしょうか。

 

◆環境部長(山本浩司)

 水道ビジョンの策定に関しまして2点順次お答えをいたします。

 初めに、市町村における水道ビジョンの策定状況についてのお尋ねでございます。

 水道事業者が策定する水道ビジョンは、水道事業者みずからが事業を分析、評価した上で目指すべき将来像を描き、その実現を図るための経営戦略を示すものでございます。

 市町村における策定状況につきましては、平成24年2月定例会において、66事業中37事業が策定済みであり、策定率は56%であると答弁をしたところでございます。その後、6事業において策定、2事業が統合されたため、現在は64事業中41事業が策定済みであり、策定率は64%となっております。

 次に、水道事業の課題についてのお尋ねでございます。

 水道事業における課題としましては、大規模な更新が必要となる中で、人口減少社会を迎え、給水人口、料金収入が減少することによる経営悪化への懸念、職員数の減少によるサービスレベルの影響や技術の継承への懸念、東日本大震災を踏まえた危機管理対策の実施などが全国的に共通するものでございます。

 さらに、本県特有の課題としまして、山間地が多い、小規模な水道が多い、その地形的な特色から統合等による経営の改善が難しいという課題を抱えております。

 このような課題を踏まえ、議員御指摘のとおり、国は、平成26年3月、事業者に対し水道ビジョンの策定見直しを求めたところでございます。

 以上でございます。

 

◆荒井武志

 さて、8カ月ほど前の本年3月19日付、厚生労働省健康局水道課長名で、県水道行政主管部長宛てに、「広域的水道整備計画及び都道府県水道ビジョンについて」と題する要請があったと思います。

 国では、平成25年3月、これからの人口減少社会の到来や東日本大震災の経験など水道を取り巻く環境の大きな変化に対応するため、従来の水道ビジョンを全面的に見直し、50年、100年後の将来を見据え、水道の理想像の明示や取り組みの目指すべき方向性、その実現方策、関係者の役割分担などを提示した新水道ビジョンを策定し、その中で都道府県のリーダーシップの発揮を求めています。

 その内容は、新水道ビジョンを踏まえ都道府県水道ビジョンを策定するよう改めて通知するというものです。このビジョンは、これまで策定していた地域水道ビジョンや構想にかわる、管下全域の水道の整備と再構築に関する基本的なビジョンとなるもので、既にみずからのビジョンや構想を策定済みの都道府県においても、現状との乖離がある場合や構想の目標年度に到達している場合等、必要に応じて見直しや再検討を行い、都道府県水道ビジョンとして位置づけることにより各種施策のより一層の推進を図ろうとするものであります。

 加えて、それぞれの水道事業者及び水道用水供給事業者に対しては別途水道事業ビジョンが示されていることから、それら事業者との緊密な連携の中で策定していくことが必要であると思います。

 これまでの県の水道整備基本構想は最終目標年度が平成12年度になっており、見直しや再検討を要することは論をまたないところでありますが、今回の新たな水道ビジョンの策定要請を受け、これまでの経過や市町村事業者等との連携を含め、今後どのように対応していくのでしょうか。阿部知事にお伺いいたします。

   

◆知事(阿部守一)

 水道ビジョンについての対応についての御質問でございます。

 今回の神城断層地震の被災者の皆さんとお話したときにも、数多く要望がある中でまず真っ先に水道の早期復旧をお願いしたいという強い御要請をいただきました。

 水道、我々の日常生活にとってなくてはならないものでありますけれども、ともするとその重要性を忘れてしまいがちなところがあるかと思います。

 今回の厚生労働省からの要請等も踏まえて、県としてしっかり取り組まなければいけないと思っております。

 人口減少社会の到来等、社会情勢の変化の中で今後の水道事業につきましては、まず安定した経営の確保、老朽化した水道施設の更新や耐震化の適切な推進等によりまして、将来にわたって安定的に水道水の供給を行う環境をつくっていくということが大切だと考えております。

 そのために、水道事業者相互の連携や共同化のあり方、人材を確保し、その技術力を向上していく方策、さらには今回のような災害時における対応、こうしたことについて県水道ビジョンとして示していくことが必要だと考えています。

 今後は、本県独自の地形的な特性あるいは水資源の保全といった観点も十分考慮しながら、学識経験者、市町村等によります検討委員会を設けて検討を行い、平成29年3月を目途に策定をしていきたいと考えています。

 以上です。

 

◆荒井武志

 今回の新たな水道ビジョンの策定は、50年先、100年先を見据えたものであります。策定スケジュールを早期に定め、今、29年3月を目途というお話をいただきましたとおり、しっかり腰を据えて、市町村等水道事業者との懇談とか連携を繰り返す中で県民のライフラインや社会生活が安定したものになりますよう要望し、次の質問に移ります。

 次に、小中一貫校の制度化についてであります。

 文部科学省の諮問機関、中央教育審議会の小中一貫教育特別部会は、1031日、義務教育の9年間を一体として行う小中一貫教育についての議論を取りまとめ、制度化するよう求める答申案を示したとの報道がありました。

 中央教育審議会は年内に答申を行う見込みで、文部科学省は、これを受け、学校教育法などの改正案を来年の通常国会に提出し、早ければ平成28年度にも各市町村が小中一貫教育を導入できるようにしていくとのことです。

 中央教育審議会の特別部会がまとめた案では、学年の区切りを自由に設定できる仮称小中一貫教育学校、別々の小学校と中学校が統一したカリキュラムを学ぶ、これも仮称ですけれども、小中一貫型小・中学校を制度化する内容で、いずれも市町村教育委員会の判断で設置できるようにするというものです。

 子供の成長が早まってきている現状や学習内容が小学校高学年から難しくなることを指摘し、新しい一貫校では、9年間を4・3・2年に、前期、中期、後期など、学校が子供の特徴に応じて学年の区切りを市町村の判断で設定できるようにしたり、子供が継続的に学べるカリキュラムを設定し、英語など独自の小中共通教科の導入が可能であるとし、これまでの義務教育同様、入学試験は行わないこととしています。

 答申案では、このほか、特例として認められている品川区などの事例をもとに、小中一貫教育の取り組みが広がれば、中学校になじめず不登校やいじめがふえている中1ギャップの緩和が図られ、義務教育の質の向上が期待できると指摘しています。

 教員組織では、一体化の度合いが高い小中一貫教育学校で校長を1人として組織を一本化、教員は小中両方の免許を持つことを基本とするほか、小中一貫型小・中学校は小学校と中学校それぞれに校長を置くなどとしています。

 国は、新一貫校移行のための校舎整備費の一部負担や教員の追加配置などによって普及を後押しするとともに、免許制度も変え、現職教員が小中両方の免許を取りやすくしたり、中学教員が小学校で学級担任をしたりできるようにするとしています。

 今、少子・人口減少社会に突入し、とりわけ長野県内の小中学校の現状を見るとき、より健やかに、より大きく成長していくための学習機会のあり方が問われていると思っています。

 県教育委員会では、これと軌を一にして、平成25年度から少子・人口減少社会に対応した新たな学校づくり支援事業を立ち上げ、検討を重ね、学校教育の新しい形、信州型スクールモデルを提唱し取り組んでこられました。

 そこで、伺います。

 初めに、小中一貫教育に取り組んでいる学校は全国では1,100件を超えると承知していますが、県内の小中学校の取り組みはどのような状況にありますか。

 二つに、長野県における六・三制にはどのような課題があると捉えていますか。

 三つに、中央教育審議会、文部科学省が進めようとしている小中一貫校の取り組みの動き、方向性をどのようにお考えですか。

 四つに、1年半後の平成28年度に小中一貫校がスタートすることとなった場合、各市町村に対してどのように指導助言をしていくお考えですか。

 五つに、今後進めていくとなれば少なからず諸経費が必要であると想定されますが、市町村の支援を含め、もくろみはいかがでしょうか。

 以上5点について教育長に伺います。

 

◆教育長(伊藤学司)

 小中一貫校の制度化についてのお尋ねにつき順次お答えを申し上げます。

 まず、県内における小中一貫教育の取り組み状況についてでございますが、本年6月から7月に行われました文部科学省の小中一貫教育等についての実態調査では、小中一貫教育とは、小中連携教育のうち小中学校が目指す子供像を共有し、9年間を通じた教育課程を編成し、系統的な教育を目指す教育と定義をされているところでございます。

 この実態調査によりますと、県内における小中一貫教育の実施件数は7市町村、2学校組合で計11件、学校数で言うと、実施学校数、小学校16校、中学校11校となっているところでございます。

 次に、六・三制における課題についてのお尋ねでございます。

 本県固有の課題ではございませんが、全国において指摘されている課題と同様に、児童の身体的成長の早期化や学習内容の高度化により、小学校高学年児童への学習指導や生徒指導においてより専門性の高い指導が求められていること、また、中学1年生が新たな学校環境になじめず不適応や不登校がふえる中1ギャップと言われる状況があることなどの点が課題としてあるというふうに考えてございます。

 これに加えまして、少子化や過疎化により児童生徒が大きく減少している地域におきましては、小中学校が分かれていることにより在籍児童生徒数が大変少なくなってしまい、そのことで大勢の人と触れ合う機会が少なく、コミュニケーション能力が十分に育っていないということなどが課題として挙げられるものと認識をしてございます。

 次に、小中一貫校の取り組み、方向性についての見解でございます。

 中央教育審議会における議論では、小中一貫教育の取り組みについては、一律な制度改正ではなく、地域の実情に応じた柔軟な対応がとれる方向で制度の見直しが検討されていると承知をしてございます。

 小中学校の設置は市町村の自治事務でございまして、地域の主体性を踏まえ柔軟に対応できる制度にするという方向性につきましては、地域の自主性を尊重する上で適切なものであると考えてございます。

 次に、市町村への指導助言、支援についてのお尋ねでございます。

 今申しましたように、小中一貫教育の導入につきましては、現在、中央教育審議会において検討なされている最中でございまして、今後、その答申を踏まえ国において詳細な制度設計が行われるものと承知をしてございます。国の情報を的確に把握をするとともに、市町村の意向を踏まえながら、市町村にとって必要な情報を適切に提供できるよう指導助言をしてまいりたいというふうに考えてございます。

 また、必要な経費につきましても、今後、新たにどのような費用が必要となるのか、また、それに対し国がどのような補助制度を設けていくのか等、必要な情報をしっかりとキャッチをしながら適切に市町村に提供していけるよう、国の検討の動向を注視してまいりたいと考えてございます。

 

◆荒井武志

 今回の小中一貫校の動きは極めて大きな教育制度、義務教育制度の変更であると思います。一律ではないというお話がございましたが、いずれにしましても、子供たちが伸び伸びと学び、学力と体力の向上がしっかり図られますよう強く期待をさせていただきます。

 次に、警察の非違事案防止対策についてであります。

 非違事案の防止については、平成24年8月28日付で、一つに組織の力、これは組織力の充実を、二つに倫理の力、これは職務倫理教養の充実を、三つに環境の力、これは職員が働きやすい環境づくりをしていくという大きく三つを柱に非違事案防止のための総合対策を定め、警察本部を挙げて取り組まれておられるところでございまして、評価をしております。

 そして、その際の策定目的ですが、ホームページ上から引用させていただきますけれども、「警察改革の精神の深化、定着化に向けて」と題し、長野県警察では、本年4月に、これは平成24年のことでありますけれども、現職警察官の逮捕事案が発生し、全職員を挙げて非違事案の再発防止に努めていたところ、その後も非違事案が連続して発生しました。こうした厳しい現状の中、これ以上同じ過ちを繰り返さないため、このたび非違事案防止のための総合対策を策定したものですとされております。

 特に、倫理の力を高めることについては、「警察官魂(誇り・使命感)の内在化」、「初任科教養の充実」、「心にしみる教養の充実」、「自ら学ぶ姿勢の醸成」など、体系化され、具体的な取り組みが列挙されておりました。

 また、平成25年長野県警察の運営重点と対策検証結果では、「県民の立場に立った積極的な対応と警察基盤の強化」のうち「厳正な規律の保持と適正な職務執行の推進」の項で、非違事案防止のための総合対策を全所属において計画的に推進するという評価指標がありますが、監督担当研修会を前年対比2回増加したとしてその達成度をAとしておりました。そのような中、平成25年中には6件8名が、ことしは既に4件7名が非違事案に係る懲戒処分を受けているとお聞きしております。

 違反形態で見れば、平成26年度定期監査で指摘を受けた偽造印鑑の使用などの公文書偽造や業務上横領、セクハラ行為など、それらはみずからを律すれば起こり得ないものと思われますが、業務が繁忙であったり、家庭内問題や対人関係など、それらを誘発する要因が何であるのか、その背景をしっかり把握していくことが重要ではないかと思います。

 そこで、警察本部長に以下2点についてお伺いいたします。

 一つは、いろいろ手を尽くされている中で非違事案が続発していることについて、そのような行為を起こしてしまった背景を含め、どのように捉えているでしょうか。

 二つに、非違事案防止のための総合対策の取り組み状況と課題及び非違事案防止のための総合対策の見直しを含め、今後の方向性についてはどのようにお考えでしょうか。

 以上、質問させていただきまして、私の質問を終わります。

 

◆警察本部長(山崎晃義)

 警察の非違事案防止についてのお尋ねでございます。

 本年は、これまでに、警察職員による非違事案4件につきましてそれぞれ関係者を懲戒処分しております。法を守り、厳正に職務を執行すべき警察職員が非違事案を起こしたということはまことに遺憾でありまして、この場で改めて県民の皆様に深くおわびを申し上げます。

 最初に、非違事案の現状でございますが、平成24年8月に非違事案防止のための総合対策を策定以降の懲戒処分者数でございますけれども、平成24年が5件6名、平成25年が6件8名、本年10月末現在で4件7名ということで、昨年同期と比較しますと、件数こそ1件減少しておりますが、1件で複数人を処分した事案がございますので人員としてはプラス2名ということで増加しております。

 本年処分いたしました事案を見ますと、教官によるセクハラ行為、交通課員による検知管の偽造、会計課員による印鑑の偽造といった警察職員としては起こしてならない非違事案でございまして、多くの警察職員が誇りと使命感を持って県民のために懸命に職責を全うしているという中で、いまだこうした一部の職員によるこのような非違事案が発生しているということを大変深刻に受けとめております。

 これらの事案におきましては、議員御指摘のとおり、家庭内の問題とか対人関係などさまざまな要因が認められると思いますが、最終的には非違事案を発生させた職員の誇りと使命感の欠如によってみずからを律することができていないということが最大の要因だというふうに考えております。

 次に、非違事案防止のための総合対策の取り組み状況と課題、今後の方向についてお答えいたします。

 この施策に込められた趣旨は、県民の皆様の信頼の回復に向けて規律ある組織をつくること、これにとどまらず、個々の職員がみずから前を向いた業務を推進して、県民の皆様の立場に立った成果を生み出す強い警察をつくることでありまして、そのために、警察といたしましては、先ほど御紹介いただきました、組織力の充実、職務倫理教養の充実、働きやすい職場環境づくり、この3本柱に沿いまして、相談体制の充実、教養研修会における職務倫理教養の充実、職員の意見交換の場の設置など各種対策を推進してきたところであります。

 また、本年起きました非違事案を受けて、証拠品の管理方法の見直しやハラスメント防止対策要綱の見直しのほか、相談体制の充実を図るために監察課に女性警察官1名を新規に配置するなど、事案のそれぞれの教訓を踏まえた対策というものを講じてきております。

 したがいまして、今後も総合対策の3本柱に沿った対策を進めながら、また見直すべきところは改善を図りながら、再発防止対策を徹底して県民の皆様の期待と信頼に応えてまいるよう頑張ってまいりますので、よろしくお願いいたします。

 

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