2014.9月定例県議会-発言内容(荒井武志議員)

 

◆荒井武志

 改革・新風の荒井武志です。通告に従いまして順次質問をいたします。

 まずは、9月27日発生をしました御嶽山の噴火につきまして、お亡くなりになられた方、その御家族、関係者の皆さんに謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被害に遭われました皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 あわせて、まだ行方不明と目される方々が何人もおられるものと思われます。捜索の早期の進展を願っております。

 また、台風18号が先ほど8時過ぎに浜松市付近に上陸し北東方向に進んでいるとのことです。長野県では午前中が山場と見られておりまして、被害が一つも発生しないことを強く願うところであります。

 さて、初めに活力ある県政運営についてであります。

 さきの知事議案説明によれば、2期目のスタートに当たり、政策面ではしあわせ信州創造プランの着実な実現を目指すとされており、私も県議会の中期総合計画研究会の一員としてプランの策定に携わらせていただいた関係上、しあわせ信州創造プランの実現が県民にとって極めて重要なことであると思うところです。

 私は、新たな総合5カ年計画の策定に当たっては、到来をした人口減少社会の中にあって、いかに若者たちが集い、活気と元気があふれる長野県にしていくためにはどうあるべきかということに主たる焦点を当てながら議論に参加してまいりました。

 加えて、去る6月定例会では活動人口増加プロジェクトの取り組みについてお伺いをしたところ、知事は、結婚しやすい環境づくりが進み、企業における社員の子育て応援宣言の登録が進んで移住者やIターン就職者が増加した、一方で成果としてはまだまだ物足りない、成果や課題を十分分析してより多くの成果が上がるよう職員に取り組ませていくと答弁されました。

 一方、去る9月19日付で「基本計画に基づく主要な事業の実施状況に対する評価について」とする報告がありましたが、活動人口増加プロジェクトにおける達成目標の進捗状況では、三つの目標のうち行政サポートによる移住者数が平成25年度目安値の600人を下回り510人で、努力を要する進捗度合いになっています。

 そして、知事から、今後の政策推進の方向性において五つの観点から60項目にわたる施策の推進を県民に約束されたとお聞きしましたが、そのうち、「商店街や集落に活力があり、若い世代も元気な、人が集う地域をつくります。」とする人口定着県づくりについて、どのように具体化しようとしているのか。以下5項目にわたり、知事に進めるべき方向性と御見解をお伺いいたします。

 一つは、若者の社会的、職業的な自立を支援し、若者定住地域へ転換するとしていますが、今後どのような取り組みをしていくのでしょうか。

 二つに、週末信州暮らしや3大都市圏からの移住・交流を積極的に促進することにつきましては、移住・就農相談の実施や県外大学との協定締結による学生のUターンの促進を図るとされていますが、具体的に現地を見るとか体験をするという企画などが重要と思いますけれども、どのように考えておられますか。

 三つに、豊かなライフスタイルのための生活インフラ整備を推進することについては、どのようなインフラ整備をどのような手順で行っていくのでしょうか。

 四つに、決算剰余金1%による文化振興基金で文化活動を積極的に支援するとしていることについては、決算剰余金の1%とする根拠と相当する基金の総額、また、この基金を誰がどのように管理し、どんな分野に支援していくのか。お伺いいたします。

 五つに、幅広い振興策で、スポーツで地域を元気にすることについて、選手の育成強化や全国的スポーツ大会の誘致等に積極的に取り組むとしていますが、これまでの各種施策に加え、何をどのように取り組み、地域を元気にしていこうとしているのか。お伺いいたします。

 

◆知事(阿部守一)

 荒井議員の御質問に順次お答えを申し上げたいと思います。

 まず最初に、若者定住地域への転換の取り組みについてでございます。

 まずは、正規雇用の拡大、離職防止が重要だと考えております。そのため、新しい産業の創出によります雇用の受け皿づくりに加えまして、多様な勤務制度の導入を初め、若者が働きやすい、やりがいの持てる職場づくりを進めていきたいと考えております。

 次に、県外からのUターン、Iターン就職の促進という観点で、現在、県外の11大学と協定を結んでおります。このUターン就職促進協定の締結校をふやしていきたいと考えております。あわせて、県内企業の情報、あるいは長野県の暮らしやすさ、こうした点を学生に直接伝えていきたいと思っております。さらに、銀座NAGANO内にあります移住・交流センターで職業と住まいの相談をワンストップで行っていく考えでございます。

 さらに、若者にも創業しやすい環境をつくっていくということが重要です。そのため、地域のコワーキングスペースの皆さんとの連携を図ったり、あるいは信州ベンチャーコンテストの開催等によりまして、積極的に若者の創業を応援していきたいと考えております。

 こうした施策によりまして、将来を担う若者たちが長野県に集い、生き生きと暮らし、安心して働き続ける地域にしていきたいと考えております。

 次に、移住・交流の関係で、現地での体験が重要ではないかという御質問でございます。

 見知らぬ土地に移住を検討する際には、私も、御指摘のとおり、実際に現地を訪れて体験いただくということが重要だと考えております。市町村あるいはNPOの皆さんの中には、一定期間移住体験ができるお試し住宅を用意しているところもございます。また、移住体験ツアーを企画して、移住先の生活環境を理解してもらう取り組みを展開しているところもございます。

 私ども長野県としても、今年度から、市町村等の協力を得ながら、現地案内を組み込んだ移住相談会を、今月は、上小、諏訪、上伊那、3地区で順次開催をしていきたいと考えております。銀座NAGANOも活用しつつ、本県の魅力を最大限発信することによって移住・交流の拡大に取り組んでまいります。

 次に、インフラ整備についてでございます。

 豊かなライフスタイルを送ることができるような環境整備は大事だと思っております。こうした観点で必要なインフラとしては、例えば信州の自然の中で働いたり暮らしたりする環境を整備するという観点で、公衆無線LAN等のICT環境の整備でありますとか、あるいは日常生活の利便性を高める上での公共交通ネットワークの整備でありますとか、さらには商店街あるいは農山村集落における交流拠点の整備、こうしたものが考えられるところであります。

 こうした生活インフラの充実について、市町村、地域の皆さんと協力して、順次取り組んでいきたいと考えております。

 次に、文化振興基金についてでございます。

 文化芸術振興のためには、これまでより踏み込んだ取り組みが必要と考えております。こうした観点で、基金を設置して、これまでの事業とは別枠で財源を確保して新しい文化振興事業を実施しようというものでございます。

 決算剰余額の1%ということにつきましては、基金の財源を継続的に確保するための一つの目標ということで設定をしたところであります。25年決算剰余金が45億円ございますので、1%となりますと約4,500万円程度がこの1%に該当いたします。基金の管理方法、活用分野については現在具体的な検討を行っているところでありますが、例えば文化会館のネットワークの構築でありますとか若手芸術家の育成といった取り組みを想定して検討しているところでございます。

 スポーツによる元気な地域づくりについてでございます。

 スポーツで長野県を元気にしたいということを、いろんな場面で私も申し上げてきております。こうした観点で、2020年、東京オリンピック・パラリンピック開催予定でございます。本県出身の選手が活躍できるように、オリンピアン育成事業ということで将来性のある若手選手の育成に向けた強化策を充実してまいります。また、長野冬季オリンピックの財産を活用して、ウインタースポーツ県長野として未来のオリンピック選手を発掘、育成するSWANプロジェクト、このプロジェクトの充実にも取り組んでいきたいと考えております。

 また、高いレベルの競技大会が本県で行われますことは、トップアスリートの活躍を県民が身近に感じ、地域の元気づくり、あるいは観戦者の増大による交流人口の拡大、観光振興にも寄与するというふうに考えております。こうした観点から、世界的、全国的なスポーツ大会の開催支援、あるいはプロスポーツの振興に向けたスポーツ施設の整備等環境整備を図っていきたいと考えております。

 以上でございます。

 

◆荒井武志

 答弁をいただきました。生活インフラ整備等につきまして、交通ネットワークであるとか交流拠点の整備等に支援をするというふうなお話を聞きました。ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 人口増加対策としまして、長野県に移住をしてもらうということは大変重要なことであると改めて認識をしたところでございます。お話をいただいたような施策が大いに機能されますことを強く期待をさせていただきまして、次の質問に移ります。

 次に、学校経営についてであります。

 県教育委員会では、学校経営概要をまとめられ、7月に公表したホームページ上に、「学校経営概要から見る長野県公立小・中・高等学校の現状について」として掲載をしておりますが、とりわけ小中学校に焦点を当て幾つか考察してみたいと思います。

 初めに、「小・中学校の登校日数は他県より多く、210日以上である」ということについてですが、私が在籍をしていた関東地区の学校では夏休みは7月25日ごろから8月31日まで40日近くあったように記憶しています。長野県の現状は、家庭の学校依存、教師の多忙や研修機会の少なさなどが指摘されるとともに、子供たちの自学自習の状況はどうか、児童生徒にとってどう受けとめられているのか、よいことなのか悪いことなのか、多くの現状や課題をよくよく分析をし検討をしていく必要があると思っております。

 そこで、伺います。

 初めに、県内公立小中学校の登校日数に関連しお尋ねいたします。

 一つは、10年前と現在における年間登校日数の状況はどのようになっているでしょうか。

 二つに、全国の年間登校日数と比較して10日あるいはそれ以上多い状況ですが、登校日数の多い理由と、これらをどのように判断しておられますか。

 三つに、登校日数と学力については、どのような相関関係あるいは因果関係があると捉えておりますか。

 以上3点について教育長に伺います。

 また、教育委員長には、登校日数の多さについての受けとめと、市町村教育委員会とのかかわりを含め今後の対応についてどのようにお考えでしょうか。お伺いいたします。

 

◆教育長(伊藤学司)

 県内公立小中学校の年間登校日数につきまして3点お尋ねをいただきました。

 まず1点目の10年前と現在の年間登校日数の比較でございますが、平成17年度は210日以上の登校日数の公立小中学校は461校でございましたが、本年度は507校となっており、10年前と比べ増加している状況でございます。

 次に、本県の公立小中学校において登校日数が全国と比較して多い理由でございますが、登山やキャンプ、スキー・スケート教室など、自然や地域の特色を生かした行事や、音楽会、運動会、文化祭など児童生徒が主体的に活躍できる行事を大切にしてきているという風土がございまして、その準備や練習に充てる時間も他県よりも多く確保していることがその要因の一つではないかというふうに認識をしてございます。

 いずれにいたしましても、登校日数につきましては市町村教育委員会や学校において定めることでございますが、子供たちの生活全体のバランスも考えながら決めていただく必要があると承知をしてございます。

 3点目の登校日数と学力の関係についてでございますが、登校日数と学力の相関関係、また因果関係について明らかにされているデータはございませんが、先ほど申し上げましたとおり、本県の登校日数が多いのは主に学校行事など特別活動に多くの時間をとっていることがその要因でございまして、授業時数が全国と比べ著しく多いわけではないものと認識をしてございます。

 以上でございます。

 

◆教育委員会委員長(櫻井久江)

 登校日数の多さについての受けとめと今後の対応についてのお尋ねでございます。

 本県の登校日数が他県と比べて多いことは承知をしておるところでございますが、大切なことは、日数の多い少ないということではなくて、学校で過ごす時間が子供たちの成長にとってよりよいものとなっているかどうかということであり、そうした観点から教育活動全般について不断に検討していく必要があるというふうに考えております。

 先ほど教育長が申し上げたとおり、小中学校の登校日は市町村教育委員会や学校が決めるものでありますが、子供たちが学校で過ごす時間と家庭や地域で過ごす時間がバランスのとれたものとなり、子供たちが生き生きとした生活を送れるよう、市町村教育委員会と情報共有をしながら、望ましいあり方についてともに考えてまいりたいというふうに思っております。

 以上でございます。

 

◆荒井武志

 答弁をいただきました。やはり、全国的に見て年間の登校日数は多い状況であります。

 かつて県内では、春休みや秋の農繁休業、寒い冬にも数日の休みがありましたが、それが今なくなってきていますけれども、夏休みは依然として短いことが年間の登校日数の多さにつながっているのではないかと思います。また、運動会や音楽祭などのいろいろな行事を重視する中で、準備に時間をかけざるを得ない傾向もあると今お聞きしました。

 そして、これらの現状には賛否両論があるともお聞きしているところでございます。学校側の努力であるとして評価する声がある一方で、こんなに長過ぎるんだから他県並みにすべきだというような要望もあるようです。

 これらのことは課題と捉えていいと思いますが、ちなみに登校日数の決定権は市町村教育委員会にあるとただいま教育委員長からもお聞きいたしましたので、市町村教育委員会との連携をしっかり行い検討していただくことを要望させていただき、次の質問に移ります。

 次に、自然や地域の特色を生かして行う登山の実施状況についてです。

 ことしから、県も国も山の日を制定し、山に親しむ取り組みを始めており、全小中学生に学校登山の持つ意義を大いに広め、現実に体験する機会をふやしてほしいと大いに期待をしているところですが、登山の実施状況は、小学校5年生では8年前に比べ4.8ポイント増加したものの全体の22.4%、中学校2年生では8年前対比10ポイント減少し74.5%となっており、この辺の状況についてどういった理由が考えられるのか。教育長にお伺いいたします。

 次に、確かな学力の定着に向けた補充指導や家庭学習の取り組みについてです。

 朝や放課後等を利用した補充指導、県教育委員会が提供しているクリア問題、チャレンジ問題、レビュー問題等を活用した家庭学習の実施が小中学校ともに増加しているとのことですが、補充指導が具体的にどのように行われているのか。教育長にお伺いいたします。

 また、家庭学習の充実には家庭との連携が重要であると考えておりますが、教育長に御所見をお伺いいたします。

 

◆教育長(伊藤学司)

 まず、学校登山実施校数の減少についてのお尋ねでございます。

 学校登山は、長野県の特色である山に親しみ、美しくも厳しい自然の中で多くの貴重な体験ができる重要な学校行事であると考えてございます。一方、学校が集団登山を行う上では、児童生徒の安全面や健康面などに万全の配慮が求められているところでございます。

 近年、学校登山に取り組む学校がやや減少してございますが、その理由といたしましては、安全に登山を行うための体力づくりや予備登山を行うなどの準備に多くの時間がかかること、安全な登山のための装備をそろえることにかかる保護者の経済的な負担が大きいこと、健康面に不安のある生徒は参加を見合わせることがございまして、多い場合には10%近くの生徒が不参加の場合もあり、学級や学年全員が登山をすることができにくいことなどが挙げられているところでございまして、登山からキャンプや自然散策などに切りかえている学校があるところでございます。

 次に、補充指導や家庭学習の取り組みについてのお尋ねでございます。

 県内の多くの学校で行われている朝や放課後等を利用した補充指導は、希望する児童生徒に対して行う授業の内容をより定着させるためドリル等を用いた学習のほか、学習内容の定着が十分でない児童生徒に対し教師が個別指導を行っているものと承知をしてございます。

 家庭学習の充実につきましては各家庭の理解と協力を得て進めていくことが大切であり、学校が積極的に学力に関する情報を発信し、家庭と課題の共有を図るとともに、各学校で「家庭学習の手引」を作成し、家庭学習の内容や方法を共有し、取り組みを進めているものでございます。

 また、本年度、県教育委員会といたしましては、家庭学習のあり方についてモデル校を2校指定し研究をしているところでございまして、学校と家庭が連携して進める家庭学習の充実方策について県内の学校に広めているところでございます。

 今後も、確かな学力の定着に向け、学校が家庭や地域と連携をしながら取り組んでいけるよう支援をしてまいりたいと考えてございます。

 以上でございます。

 

◆荒井武志

 答弁をいただきました。山に親しむ取り組みとしての学校登山の持つ意義や魅力には、登ろうとする前向きな心の高揚や登り切った際の達成感であったり、団体行動を通じて培われるであろう一緒に登る人との心の触れ合いやきずなの深まりなど相当大きなものがあろうと思うところでありまして、安全を第一に置くことは無論でありますが、学校登山ハンドブックなど県教育委員会としてまだ持っていないようでありましたら、それらの策定を含め、今後の学校登山を進めていただくよう要望したいと思います。

 また、家庭学習の充実につきましてモデル校を2校指定して行っているということでありますが、それらをしっかり検証をしていただいて家庭学習のあり方を進めていただきたいと、そんなふうに思います。

 以上をもちまして一切の質問を終わります。

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